原発通信 139号2012/01/23発行
●議事録がない!? 情報が寄せられ、本通信に掲載しましたので、見逃した方はご覧いただければと思いますが、昨日のNHK ニュース(地上波、BS、ラジオとも)トップは、政府の「原子力災害対策本部」の議事録が作成されていなかったというニュースでした(NHKのスクープ?)。 議事録がつくられていないということは、確かこの昨年の晩秋だったか、法的に明記されていないのでつくっていないという記事が毎日新聞に出ていました。たぶん、この会議だったか別だったかは失念しましたが。忙しくできなかったというのが安全・保安庁の言いぐさです。そんな言い分が通る「世界」です。 よく事務方などと言いますが、そんな基本的なことをしないで何が事務方かです。ましてや、高給取りの集団(こんなこと言うから、お前はルサンチマンだという輩がいるのでしょうが)、もうこれは詐欺です。
●コダック社の倒産と原発産業 イーストマン・コダック社が米連邦破産法の適用を受けたという記事を読んで、なぜ名門コダック社がそうなったのかという関連記事を読んでいくと、なるほどという記事がありました。資本主義は自分で自分の首を絞めるという言い方がありますが、コダック社が開発したデジタル写真技術(1975年に開発していたそうです)によってわが身が滅んで行ったというのです。フィルムが不要となり、フィルムが売れなくなったという市場原理そのものによってです。一方、富士フイルムは、早々にフィルムからの撤退を視野に入れ、新規事業、フィルム制作技術を応用した化粧品等にシフトしていったというのです。まあ、ここまではそうでしょうと思うのです。
読み進めて、ここの問題かと思ったのは、コダック社はあまりに完全主義を追求しすぎたのだというのです。完全さを追求し完成しないと市場に投入しない社風があったというのです。その記事の筆者によると、IT産業が典型だというのですが、未完成品でも他社に先駆けて開発したらどんどん売りさばき、その中で不都合があれば逐次訂正していくという方法を取っているというのです。そう、コンピュータ産業が行っていることです。まず、売る。そして不都合、うまく作動しないなどの問題が見つかったら逐次「更新」=アップデートという手段で書き換えていくというやり方です。その手法を取らなかったが故だというのです。
そう、原発などはその最たるものだといっていいかもしれません。ただし問題は、簡単に、というより、つくってしまったら根本的な改修など無理です。だから、数字合わせをして、「問題ない」「耐えられる」となるのです。アップデートなどできないということです。まあいいかでどんどん作っていった結果が今回の事故です。不完全でも、「最新技術完成」と風潮し、金をたんまりとる。しかも、つくる前、というより売るときに、何が起きても買った人の責任ですよという法的整備までしたところが浅ましいところです。マイクロソフト社もさすがにそれはできなかった(?)。
でも、これは私が最近経験したことなのですが、使っているパソコン、2010年に買い替えたのですが、OSはWindows7なのです。アップデートを自動更新で行っていたのですが、先日、仕事が終わってシャットダウンしようとすると「更新があります」とのいつものメッセージ。そのままにして帰り、翌日確認すると、まだ「作業中」とのこと。どうしようと、電源が切れないしと思ってメーカー(マイクロソフトは対応しないというより、どこへ確かめたらいいのか知らないのです)に電話。すると対応策をすぐ教えてくれたのですが、Windows7では、よく起こることとのことで、マイクロソフト社は対応しないのでメーカーがやっているというのです。こうした売り方(買った―この場合OSを買って自社製品に組み込んだパソコンメーカーか)、さすがアメリカ―原発の親分―かと思った次第です。コダック社倒産の報を聞いて思ったことです。
ちなみに、もし、アップデートをしていて電源が切れないようなことがあったら、しばらく(環境によっても違いますが、40分以上といっていました)したら強制的に電源を切って、その後再び電源を入れて、手動でアップデートしてくださいとのことでした。
●東電の新たな巻き返し 「ほら、原発再稼働すればお安くなりますよ」 東京電力と政府の原子力損害賠償支援機構は20日、3月末までに策定する東電福島第1原発事故の賠償と電力安定供給の両立を図る「総合特別事業計画」素案を固めた。政府から公的資金による1兆円規模の資本注入を受けて債務超過を回避する一方、リストラに加えて、電気料金値上げや原発の再稼働などで14年3月期に赤字脱却を目指す。焦点の家庭用電気料金の値上げについては、期間を「3年間」に限定し、利用者の理解を求める。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120121-00000006-mai-bus_all
●余剰分、発表せず 毎日新聞1月23日付のトップは、余剰電量があるのにそれを発表していなかった東京電力です。もう何を言っても信用しない、このことを肝に銘じましょう。電力不足なんちぇみんなウソです。しかし、ホントでもいいじゃないですが。なければないなりの生活をすればいいのです。「今はグローバル社会だ」、ああそうですかというそうになりたいものです。テレビで九州大学の教授が出ていました。なんでも風力発電、太陽光、波力発電を行えば、十分足りると、その研究プロジェクトが紹介されていました。騙されてはいけません。 http://mainichi.jp/select/biz/news/20120123k0000m010126000c.html
●もんじゅ制御棒に不具合=動作試験で一時動かず―保安院、1カ月後に公表 この体質、どうしようもありません。というより駄目なものを駄目といえない(つまり自分たちのおまんまを食う手段を手放すことになる)、人のことなどどうでもよく、自分たちの腹さえ満たされればいいという自己中の極み。こんな研究(といえるものなのかどうか)をしていたのが前号に書いた大前研一です。学んだのは、どうしたら人は騙せるかでしょう。そうした論文でも書いたら売れると思うのですが、いやもうありました『人はどうして騙されるのか』という本が。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120120-00000152-jij-soci
●原発安全評価:聴取会、次回も傍聴不可--枝野経産相方針 「平穏な議論をしてもらうため」だそうですが、問題は「平穏」ではなく「公平」に「正しく」です。原子力マフィアの連中が都合のいいことを並べているということは自明なのですから。 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120121ddm008040056000c.html
●原発「関西が最も危険」 老朽と金属劣化、研究者指摘 井野博満東大名誉教授の意見書、劣化が進んでいるのは、「九州電力玄海原発1号機(佐賀県)に次ぎ、全国でワースト2~6が福井県に集中している」とのことです。 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012012001002262.html
●東京大や京都大など11国立大学の原子力関連研究に2006~10年度、国や原子力関連企業などから少なくとも104億8764万円の資金が提供 もう、カネまみれ、お金がすべてという唾棄すべき連中だということです。で、何を「研究」と称してやっていたのかということを追及しましょう。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120122-00000004-mai-soci http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120122ddm010040060000c.html http://mainichi.jp/select/seiji/news/20120122ddm001040077000c.html
●USOっぽい発送電分離 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31582
●原発事故、最悪シナリオを封印 菅政権「なかったことに」 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012012101001950.html
●中電、浜岡報告書に152カ所誤数値 「計算ミス、安全問題ない」 http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20120121/CK2012012102000129.html?ref=related * こんな初歩的なミス(写し間違い)をやっている連中に私たちの生死が握られているということです。
▼寄せられた情報 ●山本太郎さん発言 報道ステーション(1・22)での山本太郎氏発言、書き起こし。見逃された方は是非。 http://nihondemo.wiki.fc2.com/wiki/ 上記、削除されているかもしれません。その場合、「報道ステーション 山本太郎」で検索すると見つかります。
●政府の原災本部 議事録を作らず NHKニュース これは意図的としか思えませんね。国家の犯罪。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120122/k10015450241000.html * NHKがスクープしたのかもしれません。妙に張り切って何回も報道していました。NHKのなかにも今の原発推進派、原子力マフィアを苦々しく思っている連中がいるという査証なのかもしれません。それにしても言い訳をどう考えているのでしょうか。
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