原発通信 157号2012/02/20発行◆吉岡斉さんの西南学院大学での講演録入手 東日本大震災の余震というか、まだまだおさまらないようです。19日午後2時54分ごろ茨城県日立市を震源とする震度5弱の地震がありました。福島第一は大丈夫かとその都度思います。 先日、ネットで吉岡斉さんが昨年10月に九州の西南学院大学で講演したとの書き込みを発見。何か講演録が出ていないかと思ったところ、福岡自治体問題研究所というところでまとめてあるというので、問い合わせたところ、在庫はあるので、いい講演でもあったので何部か協力してもらえないかというので、10部ほど送ってもらうことになり、本日届きました。講演タイトルは「原発になお未来は託せるか」です。B5・16ページの冊子です。1部300円です。内容は、後日に。 ●関西電力の11原発全停止へ 関電の高浜原発3号機も定期検査で稼働中は2基のみ 毎日新聞 2012年2月20日 東京朝刊: これで後は、東電の柏崎刈羽原発6号機と北電の泊原発3号機の2基だけとなりました。 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120220ddm002040088000c.html ●電力総連:原発推進明記せず 「エネ政策当面の考え方」に 毎日新聞2012年2月18日22時10分(最終更新 2月18日 23時23分): 電力総連(約22万人)、これまで掲げてきた「原発推進」の言葉を外したそうですが、原発の再稼働を求めつつも、対外的に明確な態度を示すことは避けた形だ」そうです。 今月15日の中央委員会報告「当面の考え方」では「過去を率直に反省することは言うまでもない」と記述があるそうですが、反省するだけならサルにでもできるのです。 しかし、油断してはなりません、電力総連の内田厚事務局長、「原子力のリスクは認識しなければなら�ないが、原発推進を見直すかどうかは、これからの議論による」と、この機に及んでもまだ捨てていません。そして、これまた、例によって「人のせい」にして、自らの判断を保留しています。(本紙には、この電子版の最後の内田発言がないのです) http://www.mainichi.jp/select/biz/news/20120219k0000m020057000c.html ●原発:安全対策30項目 保安院が中間報告 原発の安全対策電源確保を重視 毎日新聞 2012年2月17日 11時01分: 【中間報告では、福島第1原発が津波で全電源喪失に陥った反省から、所内の電気設備の浸水対策強化や分散化、非常用発電機の多重化や多様化など電源確保を重視。原子炉や使用済み核燃料プールへの代替注水、格納容器からの排気(ベント)の確実性向上など、非常時対策の強化も盛り込んだ】とのこと、当然です。というより、そんなこと名で「想定していなかった」ということです。 http://mainichi.jp/select/science/news/20120217k0000e040140000c.html ●原子力安全委:原発審査指針名「津波」入れ変更 毎日新聞 2012年2月17日 東京朝刊: 【現行指針は地震に関する記述が主体で、津波については「極めてまれに発生する可能性がある津波によっても、安全機能が重大な影響を受けない」よう設計するとしか規定されていなかった】と。上記記事同様です。 http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2012/02/17/20120217ddm012010064000c.html ●リスクと向き合う:「食」の周辺 食品セシウム、4月新基準 自治体検査機器、精度不足に苦慮 毎日新聞2012年2月19日東京朝刊: 【新基準値が4月から適用されることで、全国にある検査機器の多くが改良や使用法の変更を迫られている】ようです。 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20120219ddm001040063000c.html ●原発ゼロ想定 努力の夏 枝野経産相、火力や節電に期待 東京新聞2012年2月19日朝刊: 【枝野幸男経済産業相が本紙の単独インタビューに応じ、需要がピークを迎える夏の電力対策で「どういった場合でも対応できるよう最大限の努力をする」と述べ、原発の運転ゼロを想定していることを明らかにした。原発の再稼働では安全性を最優先に判断する考えをあらためて示し、電力不足を理由に再稼働を目指す動きをけん制した】とのことです。 http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2012021902000045.html ●班目委員長 1次評価のレベル疑問「原発再稼働と関係ない」 東京新聞2012年2月18日朝刊: 【班目春樹委員長は17日、定期検査で停止中の原発を再稼働する条件とされている安全評価(ストレステスト)の一次評価について「再稼働とは関係ない。二次評価まで終わらなければ、安全性の判断はできない。一次評価は安全委が要求している(安全性の)レベルに達していない」との見解を示した】と言います。次にどんな手を考えているのでしょうか。 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012021802000031.html ●ダム周辺の土壌で34万ベクレル 環境省が福島、岩手で調査 東京新聞2012年2月17日21時36分: 【環境省が行った福島県全域での調査は2回目で、岩手県は初めて。福島県内の河川や湖では前回調査よりも数値が高い地点があり、同省は「雨で比較的高濃度の土壌が流れ込んでたまった可能性がある」としている】と。当然考えられていたことです。雪解けを迎える春にはどんなふうになっているのでしょうか。 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012021701002314.html ●食品新基準:「反対意見の投稿要請」文科相、問題視せず 毎日新聞2012年2月17日12時13分: 「平野博文文科相は17日の閣議後の記者会見で、「教材の中立性が疑われるのでは」との質問に「どうのこうのする考えはない」と問題視しない考えを示した」そうです。この平野、1949年生まれの松下電器労組出身です。マフィアに繋なる人脈を持っているのでしょう。 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120217k0000e040165000c.html ●特集ワイド:日本よ!悲しみを越えて 北海道大准教授・中島岳志さん <この国はどこへ行こうとしているのか> 性急な単純化が怖い−−北海道大准教授・中島岳志 毎日新聞2012年2月17日東京夕刊: 北大准教授の中島岳志さんが表記のタイトルで原発事故、脱原発運動、そして橋下の手法についていい論を展開しています。 「情報の真偽を見極めなければならない『究極の自己責任社会』。増大する不安の中で一人一人が疲弊し、欲求不満を募らせる」「そうした時、シニシズムがさらに加速し『救世主待望論』へとつながってくる」。「ごちゃごちゃ言わずに決断する政治家を、バシッと大ナタをふるってくれる指導者を−−そういえば、そんな論調が震災後、明らかに目立ってきている」「たとえば橋下徹・大阪市長。彼はそういう社会に適応した人で、出るべくして出た言論、出るべくして出た政治家という印象があります」と言います。 「彼はイデオロギーの政治家ではない。左とか右ではなく、既得権益バッシングなんです。ちょっと楽をして得していると見えてしまう人を徹底的に引きずりおろす。彼が与えるものは具体的利益ではなく、嗜虐(しぎゃく)的愉楽ですよね」。 また、「反原発デモへの参加もするという中島さんだが、単純な『東電糾弾』論にはくみすることはできない」と言いい、「原発の問題も、敵がどこかにいて、『あいつらが悪いから自分たちが脅かされている』というような話ではないはず。原発を稼働させてきたのは自分たちの欲望だと思ってみないと、東電の人にも話が通じない」とも。 そして、「今のメディアが抱える問題点を尋ねると、『分かりやすさという名の単純化』を指摘し」ます。こうした単純化した論を振りまくマスコミ、これも「日本人の劣化」でしょうか。新聞を読んでいて、この記事、変だぞ、日本語としてもという記事に出くわすことありませんか。中島さん、「週刊金曜日」の編集委員だそうです。 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20120217dde012040018000c.html ●時代の風:公文書の不在=東京大教授・加藤陽子 根幹に政治の不在 毎日新聞2月19日東京朝刊: 「東日本大震災に対して日本政府がいかなる政策決定を行ったかという問題は、人間の生命や健康に甚大な影響を及ぼしうる、原子力災害や巨大地震への対応という点で、日本国民のみならず世界の人々にとっても、公共性・有用性の高い歴史的知見となりうるはず」の記録がないということが発覚しています。それに対しての加藤さんの論です。 「政治」の定義は無数にあろうが」「政治とは、要求に優先順位をつけるための選択と決定の行為ともいいうる」といいます。そして、「記録の不存在が頻繁に報告されたりすれば、その非を鳴らす声が霞が関や永田町中に鳴り響いていてもよさそうだ」が「それが戦後長く見られなかったということは、中央と地方の間で権限と予算を配分する力、国民の利益と義務を分配する力、すなわち政治が日本にはなかったことを意味している」といいます。 そして、「記録を大切にしない風土の根幹には政治の不在がある。右肩上がりの成長期、政府はパイを増やし続けることで分配の優先順位をつける決断を回避しえた。誤解してほしくないが、問題は決断にたけた政治家の不在ではなく、政治の不在にある」と結論付けます。 http://mainichi.jp/select/opinion/jidainokaze/news/20120219ddm002070081000c.html ●風知草:東電、どう変える?=山田孝男 毎日新聞2月20日: 【枝野幸男経済産業相(47)が東京電力に「経営権を渡しなさい」と迫り、東電の西沢俊夫社長(60)が「民間のままが望ましい」と粘っている。国家権力による強制的改革か、自主的改革かという攻防だが、東電の分が悪いと私は思う。】とは山田氏。 ところで、本稿で、山田氏が言うには、スマートメーター(smartmeter)はデジタル式の電力メーター導入の件で、次のように言っています。 【東電の原案は系列企業から1台2万~3万円の特注機器を300万台調達するというものだった。海外メーカーの標準は1台1万円程度(米、独、カナダが先行)なのに】と。ここでも原子力マフィアの連中、一儲けをたくらんでいるようです。まさに転んでもただでは起きないです。 ところで、【渦中の政府関係者に聞くと、こう答えた。/「教条主義的な発送電分離論に関心はない」と、「教条主義的」との枕詞をつければ、イデオロギーというとすぐ反発やアレルギー反応を起こす「わが国民」に受けるとでも思ってのことでしょうか。本稿にとると、東電の西沢社長、無給だそうですが、私にしてみれば、この夏に社長になってからだとすると、その間、仙人じゃあるまいし生活費はかかるものです。ということは、無給でも十分(かどうかは知りませんが)生活が成り立っているだけの蓄財があるということです。しかし、このようなことには裏がつきものです。まったくの無給でやるなんて言うお人よしとは思えません。きっと、別会計があるのだと思います。 【財務省は3分の2の議決権掌握に反対だ。握れば財政負担を迫られるから。「増税」一点突破主義の首相は東電改革に関心が薄い】とのことです。野田、千葉のドジョウどころか、電力会社の回し者かもしれません。それと、検針で回っている女性たちの雇用の問題は見逃すことはできないと思います。 http://mainichi.jp/select/seiji/fuchisou/news/20120220ddm002070082000c.html ●「脱原発」倉本聰さんら1000人訴え 札幌で集会とデモ 北海道新聞2月19日: 「全国一斉・さようなら原発1000万人アクションIN北海道」が18日、約1000人(主催者発表)が参加し札幌市中央区で開かれたとのことです。 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/351750.html ●大阪市職員アンケート:回答集計作業の凍結を発表 毎日新聞2012年2月17日:23時00分(最終更新 2月18日 0時45分) アンケート調査の担当者である市特別顧問の野村修也(しゅうや)弁護士(第二東京弁護士会所属)が17日、「市役所で記者会見し、回答の集計作業を凍結すると表明した。組合側が不当労働行為に当たるとして大阪府労働委員会に救済を申し立てたことを理由に挙げ、『法定の手続きが開始された以上、推移を見守るのが妥当』と述べた。少なくとも府労働委の判断が出るまで凍結を続ける方針」とのことです。 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20120218k0000m010083000c.html ●寄せられた情報 ▼ラジオ・文化放送 吉田照美 朝7:30~から、下記の番組があるとのことです。 月:『原発のウソ、そしてホントの話』京都大学原子力実験所・小出裕章助教 火:『原発のウソ、そしてホントの話』東京海洋大学・石丸隆教授 水:『原発のウソ、そしてホントの話』上杉隆、原発事故の政府の対応と報道機関の問題点 木:『原発のウソ、そしてホントの話』八王子中央診療所理事長で小児科医の山田真(まこと)さん 金:『原発のウソ、そしてホントの話』食品流通のスペシャリストの河岸宏和さん 今日、は小出さんだったとのことです。情報を寄せてくれた方の話ですと、福島の1号機、政府や東電の報告どころではなく大変な状況にあるという話だったようです。 ◆どうでもいい、じゃない、か… ●婿殿、嘉手納は「カネダ」? 言い間違い連発とのこと 琉球新報2月19日: この婿殿、嘉手納を「カネダ」とも聞ける発言をしたようです。TVの仕置き人の婿殿は筋が通っていますが、この婿殿、田中家の婿さんとしてはよかったのでしょうが。どうしてこんな人をと思うくらい、民主党には人材がなくなったということでしょうか。毎日新聞で知ったのですが、同じ記事、琉球新報にもあったのでこちらを。 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-187602-storytopic-3.html | ||