原発通信 162号 2012/02/28発行
3.11行動ですが、反原発首都圏連合(11団体と個人で構成)の午後2:00過ぎからの日比谷公園(内幸門)での集会~デモに参加したいと思います。福島・郡山市で行われる行動に東京からも多くの方が参加されるようですが、東京電力本店(他の電力会社、そして政府も)への行動はなくせないと思います。原発問題は福島第一だけの問題ではないのですから。ぜひ参加を呼び掛けます。
3.11行動の呼びかけ
毎日毎日、ざぶざぶと水をかけているわけですが、いつも思うのです。それらの水、どうしているのかと。汚水タンクに集めているとは言っても毎時10トン(2号炉)もの水です。それも4基もあるのです。そのことに、たね蒔きジャーナルで小出氏が建屋やあらゆるところから、地下に漏れ出ているだろうと(youtubeを貼っておきました)。
コンクリートが絶対ひび割られていないわけがないわけですから、当然でしょう。そして漏れた高濃度に汚染されている水は地下へ、そして海へは当然流れていっているということです。しかし、タンクをいつまでも30年間も作り続けてはいけない(たぶん)ので、そうそうにフィルターで除去し、「直ちに影響を及ぼす濃度ではなくなったので」とか何とかの理由をつけて海に放流することになるのでしょう。最近も、周辺の漁協と協議してと言っていましたが。
NHK TV2月27日 19時1分
【官房長官として政府のスポークスマンを務めた枝野経済産業大臣は、このころを振り返り「核燃料が露出する状態が続けば、多くの放射性物質が漏れて作業員が立ち入れなくなる。近くの福島第二原発など、ほかの原発にも影響が広がって最終的には東京でも避難が必要になるという『悪魔の連鎖』が起きるおそれがあると思った」。
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NHKTV2月28日 6時38分
「所管する文部科学省などから説明がなく、事故から数日たってもその存在すら知らなかった」と証言
民間事故調は、28日公表する報告書で「SPEEDIは原発を立地する際、住民の安心を買うための『見せ玉』にすぎなかった」と厳しく批判
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▼NHKの記事と毎日東京新聞の記事、これらをつなぎ合わせてみないと全体像(もちろん本報告書を読むべきですがどれだけ皆が読むかです。その意味でも各メディアがどこと切り取っているか見ていかなければなりません)が見えてきません。以下、東京新聞、毎日新聞から。
東京新聞2012年2月28日 07時06分
「事故当時、政府内部が混乱していた状況を詳しくまとめた。問題点として、場当たり的な対応、規制当局の能力不足、縦割り行政の弊害などを指摘」し、班目委員長にいたっては、1号機の水素爆発時、「『あー』と頭を抱えるばかりだった。民間事故調の聴取に『水素爆発はないと首相に話していたので、水素爆発だと分かっても何も言えなかった』と答えた」とのこと。この人、本当に「大丈夫」だと思っていたのでしょうか。科学に対しての立ち位置、疑問符が付きます。そして、東電ですが、「東電首脳への聴取はできず、事故調は『協力が得られなかった』と」のこと、話せないことがあるのでしょう。政府事故調にはどうなのでしょうか。吉岡さん、聞き出してくれたのでしょうか。
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下記は、毎日新聞の記事。
福島第1原発:官邸初動対応が混乱の要因 民間事故調報告
毎日新聞2012年2月27日 22時22分 更新:2月28日 0時25分
吉岡斉さんが西南学院大で昨秋講演した通り、「電源車が、コードをつなげず現地で役に立たなかった」ということです。照明ぐらいにしか役に立っていなかったとは吉岡さんですが。
【吉田氏の行動についても「官邸及び東電本店の意向に明確に反する対応を現場が行ったことは、危機管理上の重大なリスクを含む問題」と批判した】そうですが、「そうですよね」とはすぐにうなずけません。注水が続いていたからあの程度で済んでいるともいえるわけです。組織と、良心という古くて新しい根本的な問題になってしまうのでしょうが。
【一方、菅氏が昨年3月15日に東電に「(福島第1原発からの)撤退なんてありえませんよ」と、第1原発にとどまるように強く求めたことについては、「結果的に東電に強い覚悟を迫った」と評価した】そうですが、そうしなかったら東電の連中も「総員退避」してそれこそ「最悪のシナリオ」になっていたともいえるのでは。
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福島第1原発事故民間調査委報告書
枝野経産相「当時の私の心情を話したもの」
フジテレビ系(FNN) 2月28日(火)12時27分配信
【事故後、官邸内で3,000万人の首都圏退避が話題になった際、「『悪魔の連鎖になる』と感じた」との自らの証言が、報告書に記載されていることについて、「私の心情としてはですね、そういった可能性もあるのではないかという強い危機感を持ちながら仕事をしていたという、当時の私の心情をお話ししたものであります」と】。にもかかわらず、「直ちに影響があるわけではありません」と言ったのかということをきちんと説明する必要があるというものです。これこそ「アカンタビリティ」そのものです。
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毎日新聞 2012年2月28日 東京朝刊
アメリカからはこんなふうに言われています。
【原発構内の対応については「原発の安全担保は電力事業者が責任を持って担う。(日本のように)大統領がベント(原子炉格納容器からの排気)の指揮をすることは考えられない」と疑問を呈した】。
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福島第1原発:「保安院は逃げた」経団連会長、政府を批判
毎日新聞2012年2月27日 23時2分 更新:2月28日 0時33分
こういうのをひいきの引き倒しとでもいうのでしょうか。
【「事故直後に原子力安全・保安院の駐在員は逃げ出したが、東電の職員は逃げ出すことなく事故の収束に全力を挙げた。国は『保安院の職員が逃げ、どうもすみませんでした』と謝るべきだ」と、改めて東電を擁護」】したそうです。この米倉会長、事の本質がわかっていないようです。そもそも壊れてしまうようなとんでもない原発だったということが問題なのです。そして、原発というそのものが問題になっているのだということもわからず、性というべきか、「保身」をまず考えるということがよほど身に染みついているのでしょう。
東電の国有化(?)問題に関しても、資本主義の日本の親玉のわりには全然資本主義というものをこれまた理解していないというご老人です。利益も損も両方取るというのがかれらの信奉する「主義」だったのではないでしょうか。この頃の東電、電力問題を見ていると、一つの会社の方が効率がいいだの安定供給できるだのと言っていますが、電電公社の分割、国鉄の分割再編の時、何と言っていたのかです。分割すれば効率よく利用者の益にかなうと言っていたのでは。NTTもJRも分割されてうまくつながらない、効率が悪くなったとでも彼らが言うのならまだしもですが。
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「汚染水タンク1000基。ただただ放置されてる」小出裕章氏
2012年2月27日 たね蒔きジャーナル
汚染水タンク1000基「原子炉建屋の地下もタービン建家の地下も漏れたって見えない だからただただ放置されてる」と小出裕章氏。
福島第一原発周辺を空撮写真を見ての感想と、事故後作業員に線量計が配られていなかった点などについて。日本が原子力の先進国などと言ったら世界の物笑いになるが、フランスが言うのは異論があると。
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▼下記は毎日新聞から
汚水タンクが林立しているのがわかります。
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飛行禁止、3キロ圏に縮小へ 福島第一上空、国交省方針
朝日新聞
「最低安全高度の上空150メートルの線量が、年換算で政府が居住可能の目安とした年間20ミリシーベルトを下回った。そのため、今回飛ばなかった3キロ圏以外は解除することにした」とのことです。
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1号機、許可時と異なる配管 非常用復水器、十分機能せず
北海道新聞(02/27 21:26)
「非常用復水器(IC)の配管が、1966年の原子炉設置許可申請時の書類に記された構造と異なって」おり、「1966年の設置許可申請時は、A系とB系は配管が独立していたが、翌67年の工事計画認可申請では合流するよう変更され」ていたそうです。そして、3.11、「津波来襲後、装置の弁の開閉状態が分からなくなるなどして、十分に機能しなかった」のです。
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読売新聞 2月27日(月)23時8分配信
【4月から一般食品で適用される新規制値(同100ベクレル)を上回る480ベクレルが検出されているため、赤城大沼漁業協同組合の監視員が釣った魚をすべて回収する】とのことです。新規制値からみても4.8倍です。ふつう、規制値の4.8倍などと言ったら「大変な数値」だということになるのですが、こと原発事故になると、「どうっていうことない数値」になってしまうのが怖いです。
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毎日新聞(2012年2月16日 地方版)では、【県は「規制値を大幅に下回らない限り、自粛解除は難しい」との姿勢を示している】としています。
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読売新聞 2月27日(月)21時13分配信
猪瀬直樹副知事、どこまで本気だったかです。まあ、想像するとこと、パフォーマンスでしょうと。中部電力、断るのは織り込み済みでしょう。というより、そう思ってもいなかったとするならばそちらの方が大問題です。融通しますなんて言ったら、それ、原発なんていらないし、中部電力は浜岡を止めたってぜんぜん大丈夫ということを自ら明かしてしまうことになりますから。まあ、西日本には送ると言っているのですから、いずれにしても「余っている」ということです。
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東電、住宅賠償で初の和解 避難の夫婦に2300万円支払い
産経新聞 2月27日(月)19時51分配信
「原発事故をめぐって、東電が住宅損害の賠償で住民と合意したのは初めて」とのことのようです。
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ロイター 2月27日(月)17時41分配信
【今後10年間で2兆6000億円余りのコスト削減を実行するとした従来計画の上積みを行うことで合意した。機構と東電が共同で3月中に策定する総合特別事業計画に盛り込む】とのことですが、「到底」額面通りには受け取れません。なんせ、ふつうなら倒産会社、いや傾いている会社ということなのですが、ボーナスや給料はきちんととり、福利厚生、広告代金などすべて「電力料金」に放り込んでのどんぶり勘定でやれる会社なのですから。
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ニューヨークタイムズ2012年2月10日
【「みんな素人だからね」、と彼は言う。「放射能をどうやってきれいにするか、誰も本当のところ知らないんだ。」
しかしそれしきの事で挫ける日本政府ではなかった。手始めとして、政府は130億ドル(1兆円)分の契約を発注し、8000平方マイル(2万720平方キロ)を超す、放射性降下物に最もさらされた地域 - 米国のニュージャージー州と同じ広さ - を再生しよう、というのだ】。
【「除染はビッグ・ビジネスになりつつあります。」】と、サクライ・キヨシ氏の言を引用。
原発建設で儲けた大手ゼネコンが除染でもビックビジネスとばかり受注し、ピンハネで儲ける構造は変わらずとレポートしています。
それしきの事で挫けない日本政府、130億ドル(1兆円)分の契約を発注し、8000平方マイル(2万720平方キロ)を除染することも、勇気というべきか。
ソース
真宗大谷派東本願寺
すべての原発の運転停止と廃炉を通して、原子力発電に依存しない社会の実現を求める決議
【2月23日に招集されました宗議会(臨時会)において、「すべての原発の運転停止と廃炉を通して、原子力発電に依存しない社会の実現を求める決議」及び「東日本大震災に関し、継続的な支援施策を求める建議」が全会一致で可決されました。】とのことです。
「すべてのいのちを摂めとって捨てない仏の本願を仰いで生きんとする私たちは、仏智によって照らし出される無明の闇と事故の厳しい現実から目をそらしてはなりません。そして、私たちの豊かさの内実を見直すと同時に、国策として推進される原子力発電を傍観者的に受け容れてきた私たちの社会と国家の在り方を問い返し、すべての原発の運転停止と廃炉を通して、原子力発電に依存しない社会の実現に向け、歩みを進めることをここに表明し、決議といたします」と結んでいます。
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