原発通信 196号2012/04/21発行
電気事業法では廃止でも、原子炉等規制法では今も「稼働中」。だから課税対象に。まだ、NHKの方が客観的です ▶福島第一廃止で国内原発は50基に 前号で、「危機煽り報道の典型です!」と日テレとTBSTVの福島第一1~4号機廃止の報道内容を書きましたが、NHKは「全国の原発の数をこれまでより4基少ない50基と」、小学生でもわかるように単に法的問題として報道。そう、ただそれだけの話なのです(民放、広告料の問題もあるので、東電・電力会社を“よいしょ”したのでしょうか)。ただし、それは「電気事業法」上の問題で、もう一つ、「原子炉等規制法」という縛りがあるそうです。この法律では、核燃料を原子炉から搬出しないと「廃止」ということにはなりません。したがって、核燃料をどう取り出していいのかさえまったくわからない1~4号機は当然今後も「稼働中」ということになるのです。 だから、本通信193号でお伝えしたように大熊町は、固定資産価値がゼロになったとしても固定資産税として東電に請求できるのです。その額、年15億円超です。しかし、大熊町の存立、また何十年かかるかわからないといわれる核燃料の取り出し・撤去ですから、法改正=特例などという話がそのうち持ち上がるでしょう。 <使用済み核燃料>全量再処理は高コスト 原子力委試算 どう計算しても、全量再処理はコスト高になるということをようやく「認めた」というところでしょう。原発ゼロが一番安いという当たり前の話。しかし、【「脱原発」を含めた将来の政策パターンごとに核燃料サイクルのコスト試算の結果が示されるのは初めとのこと】というのですから、あきれます。 原発ゼロが最安7.1兆円 使用済み核燃料処理費用 「0、20、35の数字の設定が恣意的」と金子勝委員 ▶原発ゼロで燃料処理費7兆円 原子力委が試算 核燃料サイクルをめぐっては、これまで約十兆円をつぎ込んでも再利用の輪が完成するめどは立っていない。そこに、試算とはいえコスト面の問題も浮かび上がってきた。今後のエネルギー論議に影響が出そうだ NGO気候ネットワーク代表の浅岡美恵委員は「新増設はリアリティーがない。35%で費用計算することは賛成できない」と批判。慶応大教授の金子勝委員は「0、20、35の数字の設定が恣意(しい)的。20が真ん中に見えるようにしている」と指摘した。 東電会長人事 脱原発が後ずさりする 【弁護士資格を持つ仙谷氏と下河辺氏は司法修習生時代から昵懇(じっこん)の間柄とされ、現在の運営委員長も仙谷氏の抜擢人事だ。日本の新エネルギー政策は政府のエネルギー・環境会議で目下議論している段階だ。にもかかわらず原発の再稼働に議論が偏り、脱原発を実現する手だてなど根っこの議論が抜け落ちている。骨太のエネルギー政策を欠落させては、日本の電力の再構築は望めない】 経済同友会 “再稼働”の判断支持 長谷川代表幹事、「100%安全だと言い切ることは難しい。最新の科学的知見に基づいてチェックしたうえで判断」と野田を評価していますが、事、原発に関しては「100%安全」かどうかなのです。つまりそんな技術自体がないのですから、原発なんてありえないということ。 超党派議員 拙速な再開に反対 「国会内で開かれた集会には、民主党、みんなの党、共産党、社民党、新党きづなの国会議員20人余りが出席」したとのことです。 大飯原発再稼働に反対する集会に超党派の国会議員22人が参加、「全原発が止まる5月5日に緑の鯉のぼりを揚げよう」と呼びかけも 社民党の福島瑞穂党首、社民党の福島瑞穂党首、民主党の谷岡郁子参議院議員、みんなの党の川田龍平参議院議員、井上哲士参議院議員(共産党)ほか。「呼びかけ人を務めたのは、東京都内の環境広告会社サステナ(マエキタエミコ代表)で、原発再稼働に反対するジャーナリストの鎌田慧氏や野中ともよ氏、俳優の山本太郎氏らも顔をそろえた」とのことです。 http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/b9cd935f25f87426aecadea306428fa8/ 枝野は、「原子力規制庁発足を待って」、藤村は「規制庁うんぬんという確認は一切していない」と ▶関電大飯原発以外の再稼働、今夏は困難な見通し=経産相 【枝野幸男経済産業相は、大飯原子力発電所3、4号機以外のこの夏までの再稼働は「原子力規制庁」の発足が遅れているため困難との見通しを示した】。【枝野氏は、他の原発の「夏の再稼働は困難かとの問いに「そう、ご想像の通り」と答えた」。 <原発再稼働>「大飯以外、規制庁発足待つ」枝野経産相 枝野経産相、【今後の原発の安全評価(ストレステスト)について「原子力規制庁の発足を待つべきだ」と表明】 官房長官:規制庁発足と原発再稼働、連動させない考え示す 毎日新聞 2012年04月20日 20時33分(最終更新 04月20日 20時49分) 大飯原発:再稼働問題 共同提言で知事「事故検証が先」/新潟 新潟県の【泉田裕彦知事は19日の記者会見で、「提言を出さざるを得なかったのは再稼働がタイムスケジュールにのってきているからだと思う。本来であれば(福島第1原発事故の)検証が先」と】 大飯原発:再稼働問題 県議会全協開催、民主系会派も了承/福井 【民主系会派「民主・みらい」は18日、会派会議を開き、開催を了承することを決めた】 まさに結論ありきの茶番! 枝野経産相は「政治家が安全を判断するものではない」と呆れた逆ギレ 大飯原発再稼働「政府と関電のサル芝居」を許すな! 枝野と記者とのやり取りです。 東海第2原発:7万人署名、知事「判断に影響」 再稼働巡り/茨城 【橋本昌知事は19日の定例記者会見で、東海第2原発の再稼働中止と廃炉を求めて県内の市民団体が提出した計約17万人の署名について「県としての判断に大きく関わってくるという意味では、影響すると思う」と述べ、再稼働の是非を巡る判断に当たって参考材料とする考えを示した】。 脱会は当然としても、なぜ2カ月もたってから明らかになったの? ▶南相馬市:全原協を脱会…事故後初、市の方針変わり 南相馬市が先月末、「全国原子力発電所所在市町村協議会」(全原協、会長=河瀬一治・福井県敦賀市長)から脱会 「福島事故を受けて、桜井勝延市長が建設中止の意向を表明。同市議会も昨年12月、建設中止を求める決議を全会一致で可決した。市は今年2月ごろ、全原協に脱会の意向を伝えたという」。 ▼どうでもよくて、どうでもよくない話 理想の上司、橋下が第1位だそうです 先日、毎日新聞に「理想の上司」という産能大のアンケート調査が載っていました。それによると、第1位が橋下大阪市長だそうです。橋下とか、慎太郎とか、怪しい男と直感するのですが、どうも若い人には人気があるようです。根拠があろうがなかろうが、正しかろうがなかろうが、正確であろうがなかろうが、そんなことお構いなしに「はっきり言う人」という認識なのでしょう。で、ちょっと突っ込まれると、目を潤ませる(橋下)。こういうのに弱いのかな。橋下、アジテーターですから。 こうして話題にすることが奴の手中にはまることですが ▶佐野さんが“都知事閣下”を“チンピラ”と喝破 毎日新聞4月20日付夕刊「特集ワイド」 尖閣諸島、「都購入」発言、それもアメリカでぶちあげた都知事閣下に作家の佐野眞一さん、“チンピラ”と同じと痛快に喝破しています。石原、もはややることがなくなったと。自分が旗振りし巨額の累積赤字を生んだ新銀行東京の尻拭いもしないし、100億円もつぎ込んだオリンピック誘致もやりっぱなし、今回の発言、わざわざ米国で事務方や議会にも説明せずにやるやり方、「ほえづらをかかせる」という言い方は“チンピラ”と同じと。しかし、彼に4選を許した有権者の責任は重いとも。好戦的、攻撃的発言を繰り返す点、橋下と同根と。しかも橋下にすり寄るような発言、政治家としての力が落ちたなとも。そんな彼が一番恐れているのは、「老い」だと的確に指摘。「『東京が尖閣諸島を守る』とぶち上げたときの得意満面の笑顔に、彼の老残を感じ」たといいます。 | ||