原発通信 197号2012/04/23発行
「この1年間で積み重ねてきた対策と知見」って何? 班目だって「わからない」といっているのに ▶<大飯再稼働>滋賀知事「時間かけ議論」…副経産相が説明 牧野副経産相、「この1年間積み重ねた対策や知見を踏まえた判断基準がいずれも満たされていると判断した」と、これに対して、嘉田知事は「滋賀の場合1450万人の水源をお預かりしている。福島の原子力災害は人ごとではない。節電には昨年に続き今年も協力したい」「少し時間をいただき、今後設置する専門家委員会で議論し、市町や議会の意見も聞き、知事として責任ある判断をしたい」と返答。 牧野副経産相、「チベット問題を考える議員連盟会長」だそうです。遠いチベットには思いをはせても身近なところは思いが至らないようです。利害が及ばないところには、人はおうおうにして「やさしく」なれるものです。いえ、チベット問題なんてどうでもいいといいたいのではありません。 人のせいにしておけば、「心休まる」ものです ▶経産相「安全委にお願いし続ける」…伊方再稼働 枝野経産相は 21日、【テレビ東京の番組で、四国電力伊方原子力発電所3号機の再稼働手続きが内閣府原子力安全委員会により事実上、棚上げされていることについて、「安全委がなかなかやっていただけない。独立委員会なので命令はできないが、お願いし続ける必要がある」】と。 ▼先日194号で書いておいた枝野の発言の変容を表にした毎日新聞の記事です。 前原、まだ、班目らを信用しているし、信用しろとは ▶伊方原発再稼働、現組織で=政府・民主内に推進論―大飯の難航を懸念 民主党の前原政調会長、22日午前のNHK番組日曜討論「与野党攻防激化 どうする原発・消費税」で、国の原子力安全委員会と経済産業省原子力安全・保安院で対応できるとの見解を示した。これに関し、民主党幹部は「伊方原発は安全委のチェックが済めば手続きを進める」と発言。ところで、前原ですが、スケールは違いますが、あのプーチンと顔つき似ていませんか。何か血が通っていないというか、アンドロイドというか…。 その「正しさ」貫徹してください、枝野さん ▶大阪の安全協定提案は実現困難 経産相「線引きできない」 【「100キロが良い悪いではなく、どこかで線を引いて、その外側は関係ないという議論は違うのではないか」と述べた。東京都内で、記者団の質問に答えた】といいます。 これを見たって「国民の生活が第一」なんてウソ ▶<原発30キロ圏>「避難対策めど」ゼロ 21道府県調査 【原発30キロ圏について、住民全員の避難手段と避難先確保のめどがついた地域は、現時点では一つもないことが、毎日新聞の調べで分かった】といいます。それなのに、再稼働などといっている神経がわかりません。 原発問題「本質の議論で堂々と」、いえ、問責決議のことだそうです 嘉田知事には屁理屈並べる川島県議 ▶大飯原発再稼働問題 知事の動き、県議会特別委で批判相次ぐ 滋賀 まあ、産経ですから、こういう話を載せるのでしょう。この人たち、別に思想信条があるわけではなく、甘い汁がすえればそれだけでいいのです。だから、甘い汁をくれる(かもしれない)ものには逆らわない。わが身だけが大事ということ。 自民党の川島隆二、原発視察について「新聞やテレビの報道で見ただけだが、知事から真剣さが伝わってこなかった。パフォーマンスと受け取られても仕方がない」と批判。また、「電力供給の恩恵を受けていることへの配慮がなく誤解を与える言葉。公の場で使うべきではない」だと。 もう、ためにする以外の何物でもないでしょう。真剣さが伝わってこないというのはあなた(川島)が真剣に考えていないからでしょう。 そのくせ、自分のHPではエラそうなことを書いています。問責決議についてです。「自民党も大臣の首を取ることに喜々とすることなく本質の議論で堂々と対峙して頂きたいと思います」だと。その他、エラそうなこと並べています。 みんなの党滋賀の蔦田恵子委員、「県を代表して選出されている国会議員にも直接会って、県の姿勢を伝えるべきだ」と。そう、甘い汁を吸うためには、手順を踏んで、代貸や親分の機嫌を損ねたらだめですから。よっぽど身についているのでしょう。 島根原発:事故想定し対策協 平井知事、島根知事と設置合意/鳥取 平井鳥取県知事と溝口島根県知事は21日、島根県庁で会談し、中国電力島根原発(松江市)の重大事故を想定した対策について、両県と周辺6市の市長を交えた協議会を設置することで合意。「原子力防災連絡会議」を設置するとのことです。 スズキは危ないです。 ▶原発20キロ圏海域 スズキから1610ベクレル 毎日新聞4月21日 東京電力の発表です。警戒区域の海域から採取した魚貝類の放射性セシウムの測定結果です。スズキから1キロあたり1610ベクレルを検出、他に採取した13種のうち7種で食品の新基準を超えるものがあったとのことです。採取したところは、楢葉町の木戸川沖合2キロと5キロでの刺し網でと。スズキは要注意、食べない方がいいと昨日(22日)仕事関係でいった講演会で宮城の医師が言っていました。 「国の設けた基準値」従えということ。注意です! ▶<放射性物質>民間も国基準で…農水省 食品業界などに通知 この問題、ひどい話だし、注意しなければなりません。要は、勝手なまねするな、お上に従えということです。そして、検査機関も厚生労働省に登録された機関を利用しろと。 【農林水産省はスーパーや食品メーカー、外食産業など、270の業界団体に対し、国の設けた基準値を守るよう求める通知を出した。食品業界などでは、国よりも厳しい独自基準を設けている場合もあり、同省は「国の基準は十分に安全。異なる基準では混乱を招く」としている】 「生活クラブ連合会」(東京都新宿区)は、そもそも国の基準が安心だと思われておらず、それを押しつければ、ますます国は信頼されなくなる」と。「雪国まいたけ」(本社・新潟県)は、「生産者保護の重要性も分かるが、社には基準をさらに低くしてという消費者の声が寄せられる。消費者のニーズに応える使命がある」と。下記に、他社の記事を貼っておきます。検査機関までふれているのは、毎日だけです。 ▶食品検査、独自基準やめて…農水省が通知 【通知は「過剰な規制と消費段階での混乱」を避けるため、新規制値に基づく検査を要望。規制値は世界的にも厳しい基準であることを強調している】 ▶「新基準値に基づいて判断を」 農水省が食品産業団体に通知 放射能漏れ 当たり前というか、産経は、農水省=お上の発表そのまま。 ▶民間の自主検査も「国の基準」で 農水省が通知 イオンが、一般食品でも国の基準より厳しい50ベクレルの独自基準 ▼おさらいとして 食品セシウム:新基準値の4月施行決定 毎日新聞 2012年02月24日 11時52分(最終更新 02月24日 12時03分) 【新基準値は食品を4区分し、粉ミルクなどの「乳児用食品」と「牛乳」が1キロあたり50ベクレル、水道水やペットボトル入りのお茶などの「飲料水」が同10ベクレル、それ以外の「一般食品」が同100ベクレルとした。設定にあたっては、食品からの被ばく限度を現行の暫定規制値の年間5ミリシーベルトから1ミリシーベルトに引き下げ、各年代の平均的な摂取量などから食品区分ごとの基準値を算出した。】 どこの国も政府の後ろ盾あっての原発推進。カネが出ないとなると… ▶<脱原発>欧州で新設・増設断念相次ぐ 代替エネに投資も どこの国も同じです。「補助金」あっての、頼みの原発という話です。政府事故調の吉岡斉さんが「不健全な公共事業」とか言っていましたがまさにそうで、出ないとなったらもうけが出ないものだし、リスクも大きい、となると、「やーめた」ということです。 【独電力最大手のE・ON社と2位RWE社は先月末、英国の2カ所で原発を新設する予定だった共同ベンチャー企業を売却する意向を表明した。約170億ユーロ(約1兆8000億円)を投じ、25年までに原発5~6基を建設する計画は白紙になった。昨年、E・ON社は赤字に転落、RWE社も大幅減益となった。両社とも「脱原発の影響」と説明している】 オランダ、50億~70億ユーロ(約5300億~7400億円)かけて原発を新設する計画が数年間、延期。オランダ政府も「民間の事業」との立場から特別な援助はしない方針。 ブルガリアも先月、原発2基の増設計画を断念。 スイスは、2.7兆円かけ代替エネルギー推進。 がんばれ!中小企業 ▶エネ経会議:脱原発による自立、地域経済から訴え 中小企業経営者ら発足 経団連などといっしょに一括りされたくないと立ち上げたとのことです。 【3月20日、東京都内で開かれたエネ経会議の設立総会で、世話役代表の鈴木悌介(ていすけ)さん(56)=小田原箱根商工会議所副会頭=が訴えた】 【全国の中小企業の経営者ら約400人が参加して「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」(エネ経会議)が発足した。原発の再稼働を求める中央の経済界とは一線を画し、脱原発によって自立を目指す地域経済からの問題提起】 「東電と福島県 連絡協定違反」 浪江町、国会事故調に 国会事故調査委員会(黒川清委員長)の聞き取りに、浪江町の馬場有町長、東京電力、県、町の三者が通信連絡協定を結んでいたにもかかわらず、東電と県からは一切情報が来なかったと証言。 拡散予測 福島県が削除謝罪 本通信195号でも報告しましたが、事故当時、SPEEDI のデータ情報が県に届いていたという件です。 福島県、【「指揮命令系統が混乱し、組織内で適切な情報共有ができなかった。電子メールの受信容量を確保するためデータを削除した」との検証結果を明らかにした。県はこの日、事故で全町避難した同県浪江町に謝罪、結果を報告】だそうです。 泊原発3号機 来月5日深夜に停止 北海道電力は、5月5日に定期検査に入る泊原発(後志管内泊村)3号機(出力91万2千キロワット)について、同日午後から出力を落とし始め、深夜にゼロにする方向で調整していることが分かった。それまでに国内の他の原発が再稼働する見込みはなく、国内の全原発50基が停止する。<北海道新聞4月22日朝刊掲載> 東電退職者の年金削減賛否集計へ 同意確保は微妙な情勢 【年金削減は退職者の3分の2位上の同意が必要。退職者には反発もあり、年金削減を実行できるかどうかは微妙な情勢】だそうです。 放射性物質:高線量域20年後も 政府、初の予測地図公表 毎日新聞 2012年04月22日 22時24分(最終更新 04月23日 01時22分) とんでもない「禍根」を残してしまったものです。それなのに、まだ誰も逮捕されたものはともかく、責任「者」さえ、はっきりしないというのが事実なのです。22日に起きた山口県の三井化学での爆発事故、業務上過失致死傷容疑で、同工場と工場事務所を家宅捜索されるのにです(人が死んで、2回目の事故だから?)。 安全管理や作業手順に問題がなかったかなどを調べるといいます。安全管理や作業手順が問題だと、もう1年以上の指摘されているにもかかわらずです。 【原発が立地する大熊町と双葉町の境界付近では20年後でも居住が原則制限される帰還困難区域(年間被ばく線量50ミリシーベルト超)が、両町に加えて浪江町、葛尾村では居住制限区域(同50ミリシーベルト以下20ミリシーベルト超)が残る】。 | ||