原発通信 214号2012/05/21発行
▼イベントのお知らせ たくきよしみつ氏講演会 「裸のフクシマ」来週日曜日5月27日開催 『裸のフクシマ』(講談社)『3.11後を生きるきみたちへ』(岩波ジュニア新書近刊)の著者・たくきよしみつ氏を招いて、福島の現状と被災支援のあり方を話していただきます。いわきのNPOを交えたトークセッションもあります。 ◎日時 2012年 5月27日(日)15:00~17:30 「ふくしま支援・人と文化ネットワーク」定時総会付帯イベント 会員無料。一般の方は参加費1.000円 詳しくは右記へ http://www.support-fukushima.net/ ▼行動予定 6月3日(日)午後1時30分 新宿中央公園「水の広場」集合 新宿駅周辺をパレード 家庭だけが節電すればいいのか 5月19日付の毎日新聞1面トップは「モップで掃除 ガスで湯沸し 節電 今夏も家庭任せ」のタイトルで、政府(経産省)の「節電メニュー」を紹介しています。読んでいると、何やら戦中の「欲しがりません勝つまでは」「代用食の作り方」とよく似ています。日本人のお上に言われればまじめに取り組む性格を使っての大キャンペーンと感じました。 ■経済産業省がホームページで公表した家庭用の節電メニュー ▽お湯は電気ポットでなくコンロでわかす▽ノートパソコンは日中、コンセントからプラグを抜いて充電を利用する▽昼間は掃除機でなくモップやほうきを使う──など。 ところで、先日NHKだったか失念しましたが、電気料金値上げの問題で、米国では電力会社が値上げを決めても訴訟で対抗しているということを報じていました。その時、米国では「節電」という概念そのものがないということを言っていました。米国はエネルギーを使いたいだけ使うという生活を100年以上行っている国です。石油資源から何から、この地球上のものは俺のものと言わんばかりの国です。そのことに突っ込む人、その番組ではとうとう現れませんでした。 夏の節電対策はこれまでの生活・経済活動を見直す機会だとは、5月19日付の毎日新聞社説です。 スズキの会長、政府・電力会社を「オオカミ少年」と批判しているそうです。 ▶企業は自家発電機調達 政府が決めた今夏の節電目標に対し、【目標設定の遅れを批判する一方で、自家用発電機を調達するなど「準備」を着々と進めている】とのことです。 【一方、電力不足をあおる政府や電力会社の姿勢に対しスズキの鈴木修会長は十日の記者会見で「(原発を)やめちゃうと(電力が)足らないぞ、足らないぞという話ばかりで『おおかみ少年』みたいだ」と批判】しているとのこと。 ▶<大飯原発再稼働>細野氏が関西広域連合会合で理解求める 【関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を妥当とした政府判断に理解を求めた。首長側からは安全確認の手法に批判の声が上がり、再稼働への賛成論は出なかった】 【冒頭、斎藤氏が野田佳彦首相からの「明日の生活に責任を持つ現実的な判断が求められている」との伝言を紹介】 野田首相、「明日の生活に責任を持つ現実的な判断」と言ったそうですが、まさに、これからの生活に責任を持たなければならないからこそ、原発に依存しない社会、脱原発なのです。使用済み核燃料、放射性廃棄物のことを考えたら、とてもじゃありませんが、「明日の生活に責任を持つ現実的な判断」から、再稼働という判断は出てきません。 【大阪市の橋下徹市長は政府の基準について「安全基準ではなく津波に備える対策で、原発が本当に安全なのかは別」と疑念を呈し】たそうです。ここのところ、安全だ、安全だと言う話、よく聞くと、防波壁がとか、非常用電源がとか言っていますが、何回か本通信でも書いていますが、津波以外はどうなのでしょう。原子炉と建屋の真下に断層が走っているという敦賀原発など、それ以外にも原発の危険性があるということです。 ▶無策1年 腹は再稼働 第三者委「手はあった」 政府の第三者委員会、【原発が稼働しないことは昨年の今頃ははっきりしていた。(対策を練る時間は)一年以上あったのに電力各社、政府に戦略は感じられず、場当たり的な対応に終始した】と。 【一年間という時間がありながら十分な対策を練ることなく、再び計画停電を持ち出した政府。「それが嫌なら原発の再稼働を」という本音が垣間みえる】と、東京新聞。 ▶「新技術ない限り脱原発」=原子力政策で素案―自民 【自民党は18日の総合エネルギー政策特命委員会で、原子力政策について「新原発技術が登場しない限り脱原発は不可避」と明記した素案を提示】。同委員会委員長は、群馬の山田一太。 原発推進派にとっての「不都合な事実」が。海水温をあげる原発 ▶高浜原発:南方系の魚、死滅か 停止後、温排水止まり 若狭・内浦湾 【原発稼働中は多数確認できた南方系の魚介が、停止後はほとんど見られなくなったことが、京都大フィールド科学教育研究センター舞鶴水産実験所の益田玲爾(れいじ)准教授の調査で分かった。原発からの温排水が止まったためとみられ、原発が生態系に与える影響の大きさが明らかになった】と、原発推進派の一つのよりどころになっていたCO2地球温暖化説にとって「不都合な事実」か。 静岡県知事、浜岡原発で何かあったら米軍に直接出動要請すると。 ▶原発事故時:「米軍に直接出動要請」静岡県知事が方針 静岡県と在日米軍の意見交換会「下田ミーティング」で、【川勝平太知事は政府の要請で停止中の中部電力浜岡原発(同県御前崎市)が重大事故を起こした場合、政府を通さず在日米軍に直接出動を要請する方針を伝えた】とのこと。 わが国政府が信用されていないという証明です。が、これでは米国の属国、保護国です。その体質がが骨の髄までしみついてしまっているということでしょう。アメリカさんなしのことなど考えられないと。 ▶玄海・川内 福島並み事故なら 九州広域で避難必要 九大試算 【九州電力玄海原発(佐賀県)と川内原発(鹿児島県)で、東京電力福島第一原発並みの事故が起きた場合、放射性物質が飛散し、住民に計画的な避難を求めるレベルの汚染が九州の広範囲に広がる恐れがあることが十七日、分かった】 【川内原発では北西の季節風によって、薩摩半島が同区域並みの濃度で拡散。熊本県の天草、長崎県西部も一万~一〇万ベクレルに及んだほか、宮崎県南部の一部で一万ベクレル程度の地点がみられた】 20日のTBSTVサンデーモーニングで先日の国会事故調での海江田元経産相の様子が放映されていました。海江田、大臣を辞めての今、懸念があるだの、玄海1号機については評価していないだの、ご都合主義です。 ▶白頭山:20年以内に99%噴火か…東北大・谷口名誉教授 【中国と北朝鮮の国境の白頭山(中国名・長白山、2750メートル)について、東日本大震災のプレート運動の影響により20年以内に99%の確率で噴火する可能性】と。東日本大震災が影響といいます。貞観地震の際もその後に噴火し、北海道や東北地方に火山灰を降らせたといいます。大量の火山灰が降り注いだ時、原発の冷却装置(冷却水取水口等)に影響がないともいえないのでは…。 おおい町長、野田発言を評価するだと ▶福井・おおい町長、首相発言を評価 「国の覚悟が見えてこない」だのと、国の一元的責任と、強いリーダーシップを求めていた時岡町長、先のNHKTVでの野田の「判断は近い」との発言をとらえて。 「国の一元的責任と、強いリーダーシップを求めていた」とは、言い方変えれば、何かあった時、“俺の責任じゃないよ、国だよ、政府だよ”と言い逃れをする方便です。さももっともらしい言い方をしていますが、ずるがしこく言っただけです。 やはり、出てきました。 ▶「福島産」コメ混ぜ、新潟産と販売容疑、逮捕 毎日新聞2012年5月19日 危惧していた通り、出てきました。売れなくなった福島産のコメを安く仕入れ、それを混ぜて、「新潟産米」として販売していたという容疑で、大阪府の米穀店経営者らが逮捕されたといいます(一部否認)。 東工大などが汚水処理装置を開発 毎日新聞2012年5月19日 東工大原子炉工学研究所とNPO法人「再生舎」がトラックに掲載できる放射性汚染水を処理できる装置を開発したとのこと。除染に使った水を処理するとのこと、セシウムを99.8%除去できるようですが、やはり、処理後の汚泥は放射性廃棄物としての処理が必要と。どこまで行ってもこの問題がついて回るのが原発です。 ▼どうでもいい話 ▶石原都知事、早起きなどして金環日食など見ない 5月19日付毎日新聞「石原語録」。21日に東京で近刊日食が観測されるが、見るかと聞かれ、「ない。そんな早起きしない」だと。観測されるという時間の午前7時台が早いかどうか、そして、石原が夜更かしで、朝寝坊だろうがどうかどうでもいいのですが、午前7時台というこの時間帯は、多くの“勤労者”はもう動き始めている時間帯です。そういうことに無自覚で、「そんな早起き」と言う神経が一般人とかけ離れています。そんなこと、言うほうが野暮でした。しかし、思うのですが、どこの知事に毎日、新聞に自分の「語録」を掲載される知事がいたでしょう。これも、彼の野卑な、下品は言葉づかいが問題だということでピックアップが始まったのでしょうが、彼の言葉づかい、面白がってばかりはいられません。何せ、文学者(私、認めていません)を気取っている御仁の発する言葉とは思えないほど、言葉を粗末にする人で、とても文学者とは思えません。青少年に悪影響をと常々思っている私です。 ▶東条英機と西条秀樹 毎日新聞の岩見隆夫のコラムです。この人のコラムはどうでもいい話ばかり、自分がブンヤとして政治家の話を直に聞けるというなかでのよもやま話ばかりです。その最新コラムに、元自民党代議士だった田村元(88歳)が、ある総会で「東条英機と西条秀樹を間違えるのまでいる」と嘆いている話。先に沖縄返還40年の時にも書きましたが、歴史に向き合っていないという証です。彼らは議会(議員)というところに“就職”しただけですから、望むべくもありません。 | ||