原発通信 217号2012/05/24発行
鹿児島県知事選に「原発のない鹿児島をつくる会」代表の向原祥隆氏が正式に出馬表明 ▶反原発派の出版社社長、鹿児島知事選に出馬へ 本通信209号でもお知らせしましたが、「原発のない鹿児島をつくる会」代表の向原祥隆氏が正式に出馬表明しました。鹿児島県にお知り合いなどいらっしゃる方は、連絡をお願いします。 【鹿児島県知事選で、市民団体「原発のない鹿児島をつくる会」代表で鹿児島市の出版社社長、向原(むこはら)祥隆氏(55)が22日、県庁で記者会見し、無所属で立候補する意向を表明】 ▶<数土氏兼職問題>NHK経営委員を辞任へ 【東京都渋谷区のNHKで記者会見を開き、「経営委員と経営委員長を速やかに辞任する」と語った。東電の社外取締役は受けるという。】 ▶NHK委員長 東電兼職は辞すべきだ 東京電力社外取締役に内定している数土(すど)文夫NHK経営委員長問題。 【NHKには原発問題などを公平・公正に伝える役割があり、経営委員会はその役割を果たしているかを監視する。NHKの最高意思決定機関であり、会長任命権や経営方針などの議決権を持ち、十二人の委員は衆参両院の同意を得なければならない。委員の互選でそのトップに就いたのが数土氏だ】 【値上げで原発事故の賠償費用を稼ぎ出したい東電と、料金を抑えコスト削減を目指すNHKの利害】 【政治的な公平をうたう放送法に目もくれず、平然と数土氏を東電に送り込もうとする野田政権にも唖然(あぜん)とさせられる】と。 数土文夫NHK経営委員、NKKと川鉄の経営統合によりできたJFEスチールの元社長で、去年4月にNHKのトップになったといいます。 核燃サイクル「秘密会議」暴露される。飯田哲也氏批判に笑い声 ウソがばれないようにと。 毎日新聞(5月24日)付1面トップ記事です。 4月24日、14日後に開催される「原子力発電・核燃料サイクル技術等検討委員会」に提出される報告案について、原子力マフィアとその手先たちが勉強会と称して、額を寄せ合っての口裏合わせ会を、何と霞が関中央庁舎4号館7階で開いたといいます。 できもしないものを、まだ「技術等」などといっているところが見苦しいです。だって、本音を言っていますから、「六ケ所をやめて直接処分にするとあちこちが大変になる」と。 ドミノ倒しになったら、自分たちのおまんまの食いあげだということだけで、それ以上でもそれ以下でもありません。 同記事のなかで、毎日新聞記者は、以下のように言います。 【憲法15条は「すべて公務員は全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではない」と定める。反対派を排除して推進派と水面下で手を組んでは失格の烙印(らくいん)は免れまい】 【なぜ再処理事業にこだわるのか。再処理できなくなれば使用済み核燃料の捨て場所を速やかに決めなければならない。無理なら原発停止に追い込まれる。高コストと判明しても再処理にしがみつくのは、影響が原発政策全般に及ぶから】だと。 ▶核燃サイクル原案:秘密会議で評価書き換え 再処理を有利 【内閣府原子力委員会が原発の使用済み核燃料の再処理政策を論議してきた原子力委・小委員会の報告案を作成するため4月24日、経済産業省・資源エネルギー庁、電気事業者ら推進側だけを集め「勉強会」と称する秘密会議を開いていたことが分かった。表紙に「取扱注意」と記載された報告案の原案が配られ、再処理に有利になるよう求める事業者側の意向に沿って、結論部分に当たる「総合評価」が書き換えられ、小委員会に提出された。政府がゼロベースの見直しを強調する裏で、政策がゆがめられている実態が浮かんだ】 秘密会議の出席者(4月24日午後5時過ぎから、東京・霞が関の中央合同庁舎4号館) ・鈴木達治郎・原子力委員長代理 ・内閣府原子力政策担当室職員のほか ・エネ庁原子力立地・核燃料サイクル産業課の森本英雄課長 ・電気事業連合会・小田英紀原子力部長 ・青森県六ケ所村・再処理工場「日本原燃」の田中治邦常務 ・高速増殖原型炉「もんじゅ」を運営する「日本原子力研究開発機構」幹部 ・東京電力、日本原子力発電など電力会社社員ら約30人が参加。 鈴木達治郎・原子力委員長代理は、「出席したかもしれないが」と、たった1か月前のこともお忘れです。このように記憶力の“低下”した人に原子力などという人類の存亡がかかるようなものをまかせてはなりません。 「六ケ所をやめて直接処分にするとあちこちが大変になる」と強調 ▶核燃サイクル「秘密会議」まるでムラの寄り合い 【青森県六ケ所村の再処理工場を運営する「日本原燃」幹部が再処理事業の生き残りを意味する「再処理・直接処分併存(併用)」政策で小委員会の議論をまとめるよう依頼】 【「六ケ所をやめて直接処分にするとあちこちが大変になる」と強調】 そう、そうでないとすべてウソだということがばれてしまうからです。 都合の悪いことは忘れたことにする経産省の役人 YouTube H24.5.16 国会事故調 第13回 「経産事務次官」 先日(5月16日)、ニュース番組で、国会事故調で経産省の役人=松永和夫が参考人として聞かれている様子が放映されていました(本通信212号)。その役人、何を聞かれても「忘れた」「覚えていない」と繰り返すだけ。さすがに業を煮やしたのか、黒川事故調委員長から、そんなことで職務が務まるのかと諭される始末でした。そんな連中に日本国民、いや日本だけでなく世界中の人々の生命が握られているということです。とんでもないことが起きても責任を感じず、己の保身の身に汲々とする人間です。 その意味においても、茨城・東海村村長の村上達也さんではありませんが、「原発をもつ資格に欠ける国」ということです。 ▶もんじゅ、4つの選択肢提示 原子力委、廃炉も検討開始 【原子力委員会は23日午前の会議で、今後の核燃料サイクルの研究開発のあり方について議論を始めた。高速増殖炉「もんじゅ」に関して、従来方針の推進のほか研究開発の中止など4つの選択肢を検討した。核燃料サイクル政策を放棄し、原子力発電所から出る使用済み燃料を全量を埋め立てて処分する場合には、もんじゅの廃炉も視野に入れている。 原子力委は検討内容を今夏にまとめる新しい原子力政策大綱に反映させるとともに、政府のエネルギー・環境会議に報告。同会議はこれらの議論を踏まえ、革新的エネルギー・環境戦略を夏までにまとめる方針】だそうです。 ▶「テレビの原発報道は酷過ぎる」日テレ元報道局ディレクターが抗議の辞任 週刊ポスト2012/06/01号 転載:ブログ「平和ボケの産物の大友涼介です。」 「震災後1年の特番を放送した3月11日の翌日、日本テレビ解説委員だった水島宏明氏(54)は周囲に辞意を伝え、古巣を後」「現在は法政大学社会学部教授となった水島氏が、『報道現場が良くなる一助になれば』と退社の経験を初めて明かした」という記事です。 【NNNドキュメントの企画会議では、「うちは読売グループだから、原発問題では読売新聞の社論を超えることはするな」と通達され】たと。 【これは日テレに限らず、今のテレビ局全体の問題だと思いますが、プロデューサーやデスクの幹部・中堅社員が、あらかじめ報道内容のディテールまで会議で決める傾向が強まっています】 ▶3活断層警戒目安超か 毎日新聞5月23日付 産業技術総合研究所などが全国の小規模な活断層を詳細に調べ直した結果、北海道や福島、島根の3段層が、政府が警戒の目安としている長さ20キロを超える可能性があると。東電福島第一原発から南に50キロにある湯ノ岳断層と井戸沢断層は一つの断層帯にまとめることができ計約19キロから約24キロに“延伸”したというのです。 原発設置をめぐって、近くにある断層を言われているより短く「分断」して、「動かないから大丈夫」として、建設がすすめられたことはよくいわれていることでしたが、まあ、それが事実でしたということです。 ▶WHO:全身被ばく10~50ミリシーベルト 浪江町など 【内部被ばくと外部被ばくを合わせた全身の被ばく線量が最も高かったのは福島県浪江町と同飯舘村で10~50ミリシーベルト。2町村を除く福島県全域は1~10ミリシーベルト、同県を除く日本全体では0.1~0.1ミリシーベルトだった】 枝野さん、腰砕けにならないで頑張ってください。 ▶東電とファミリー企業の随意契約にメス…経産相 【料金値上げを担当している高津浩明常務(59)を6月28日付で社長に迎える人事を発表】【これについて、枝野経済産業相は23日のBSフジの番組で、「東光と東電の随意契約はもう許されない。入札も個別に厳しく政府で見たい」と述べ、両社の取引を厳しくチェックする考えを示した】 ▶除染モデル事業:表土5センチ削り取り 福島で農水省 福島県飯舘村と川俣町(一部)の農地5カ所で、地表から5センチの土を取り去る「表土削り取り」の作業が行われたそうです。ある番組で言っていましたが、この表土5センチのなかには、作物をつくっていくうえでの有能な物質や、ミミズはじめ有益な生物などが凝縮されているところで、はぎ取ったから、きれいになりました、作物もつくれますという単純なものではないといっていました。それと、この土ができるまでどのくらいの年月が必要だったのでしょうか。 そして、ここでもまた例の問題です。その土、どこへもっていく。どこに保管する…。 北海道で、風力発電と太陽光発電プロジェクト ▶石狩湾新港で洋上発電 ソフトバンク系計画 出力1万キロワット以上 ▶標津にメガソーラー シャープ計画、出力8千キロワット 北海道新聞(05/23 06:30、05/23 11:16 更新) | ||