原発通信 220号2012/05/28発行
▼行動予定 6月3日(日)午後1時30分 新宿中央公園「水の広場」集合 新宿駅周辺をパレード 鹿児島県知事選に「原発のない鹿児島をつくる会」代表の 向原祥隆氏が正式に出馬表明 反原発派の出版社社長、鹿児島知事選に出馬へ 鹿児島県にお知り合いなどいらっしゃる方は、応援連絡をお願いします。 広がる「被災者格差」。そして破壊されるコミュニティー 昨日、東京・広尾で行なわれた『裸のフクシマ』を書かれた、たくきよしみつ氏の講演会に行ってきました。 たくき氏からは、福島第一原発事故で避難されている人たちの状況や、川内村の様子、避難先住民と避難者の間にできてきた“溝”などについての話がありました。 たくき氏は言います。福島のことをわがこととしてとらえてほしいと。そう、関東も含め、東日本全域に放射性物質は降り注いだのですから。 いずれにしてもこの原発事故によって、これまでのコミュニティーが分断され、分断のみならず「格差」「差別」等まで生み出し、まさにむき出しの人間がそこに現われてきているということです。その意味においても原発は“罪作り”です。 会の最後、講談師の神田香織さんが「誰がこの状態をつくったのか」と問いかけました。そう、原発をつくった政府・電力会社、原子力マフィアの連中のことを忘れてはなりません。誰がということを追及しなければなりません。会社が、組織が、とだけしたならば、責任はまた先の戦争責任の問題と同様、霧散してしまうでしょう。「誰が」に私はこだわっていきたいと思います。同時に、それを“許してきた”私たち一人ひとりが問われているのだということも。 菅前首相、「原子力ムラの解体を」「脱原発を確信」と国会事故調で 夕方、ネットを見ると国会事故調を中継。最後の方でしたが見ていました。 菅氏、原子力ムラが原子力行政の実権を握り批判者を外して、保身と事なかれ主義に流れていると批判。原子力村は3.11以降も反省することなくさらに実権をにぎろうとしている。そうした原子力ムラを組織的構造をも解明し、解体しなければならないと発言。 3.11以前は推進派であったが、3.11を経験し、かつ使用済み核燃料の件が明らかになった。まさに国家崩壊の危機があったと発言し、ゴルバチョフが、チェルノブイリ事故後、「わが国の病根を照らし出した」といった言葉を引用し、「(福島第一原発事故は)わが国全体の病根を照らし出した」と。 国家崩壊を引き起こすことがあり得る原発を知り、脱原発を確信したと。 福島第一原発4号機の状況 ▶福島第1原発:4号機、プール底部を補強…事故後初公開 【東電は事故後、プール底部を鋼鉄製支柱やコンクリート壁で補強し、「震度6強の地震でも十分な安全性がある」としている】とのことですが、「震度6強」以上のが来た場合は、「想定外」とでもいうのでしょう。というより、その時は、そんなのんきなことを聞いている場合ではないでしょう。そもそも、東電が言っていることが信用できるのかどうかです。 ▶福島第一建屋内ルポ 4号機依然危うさ 吹き飛んだがれき山積プールに核燃料1535体 「内部は厚さ一メートルもある外壁が吹き飛び、折れ曲がった鉄筋や配管」「何度も写真や動画で見たはずだった。しかし、現実の迫力に足がすくんだ」と記者。 「東電は東日本大震災のような震度6強の揺れに耐えられると強調するが、実際に大地震が来たら、本当に耐えられるのか、現場を見るほどに疑念がわいた」とも。 ▶4号機プール 核燃料試験取り出し 7月前後に 【4号機の使用済み核燃料プールに保管している未使用の燃料二体を、七月前後に試験的に取り出す方向で検討】 ▶動画 5/26 報道ステ・徹底検証:福島第一原発4号機 前号でご報告したテレビ朝に「報道ステーション 福島第一原発4号機」特集の動画版です。赤かぶさんという方がアップしています。見逃された方、ご覧ください。 http://www.asyura2.com/12/genpatu24/msg/174.html ▶国民負担を増やす東電救済は駄目だ 河野太郎ブログ「ごまめの歯ぎしり」2012年05月26日 14:07 【東京電力は、賠償金の支払いと廃炉費用の負担で、間違いなく債務超過になる】 【そのため、経営陣が責任をとって退陣し、株主資本を100%減資し、債権者の債権をカットするという破綻処理が必要】 【政府が1兆円を払い込んでから破綻処理することになれば、その1兆円も紙くずになる】【つまり国民負担の1兆円が、紙くずになってしまう】 【つまり、金融機関にお宅の債権は保証するよというための1兆円の投入なのだ。】 【野田政権は、金融機関を守って国民に負担を余計に負わせることにしているのだ】 ▶放射能大量放出/原子炉損傷の原因究明を 【昨年3月中だけで、総量は90万テラベクレルになるという。経済産業省原子力安全・保安院が2月にまとめた量(48万テラベクレル)のほぼ2倍になる】 【東電はいつ、どこから放出したのかも推計を示した。だが、なぜそうなったのかの説明は不十分だ。ほどんどのケースについて「原子炉建屋からの放出」と言っているにすぎない】 【格納容器上部のふたが高温と高圧で損傷した可能性が指摘されている】 【だが格納容器内に放射性物質が充満しなければ、損傷だけでは大量放出は起きない。ヨウ素やセシウムはもともと圧力容器の中にあった物質であり、圧力容器やその配管などが損傷して漏れ出たとしか考えられない】 事故調査委員会。答えた時の表情、ニュアンスが大切 事故調査委員会での参考人の答えなど、文字だけでは判断できないところがあります。どんなニュアンスで答えたのか、その時の表情等、総合的に見ていかないとと思っています。 ▶「全員撤退打診は明確」 枝野氏 東電の主張否定 【枝野氏によると、3号機で水素爆発があった後の昨年三月十五日未明、清水氏から枝野氏に電話がかかった。枝野氏が「そんなこと(全員撤退)をしたらどんどん事態が悪化して、止めようがなくなる」と言うと、清水氏は口ごもり、反論できなかったという】 【枝野氏はこのやりとりから、清水氏が全員撤退を訴えたことは明らかだと】 【放射性物質拡散を予測するSPEEDIの試算結果公表が遅れた問題では「放出源(原発)の情報がないので使えない」と説明されたと証言】 ▶<国会事故調>枝野氏「情報集約で反省」参考人招致で認める 枝野氏、「直ちに影響はない」は「すぐには問題にならないということで使った」などと釈明。しかし、「私の思っていたことと被害者の受け止めとの間に、こういうずれがあったんだと改めて認識し大変申し訳なく思っている」と謝罪。 菅直人首相(当時)ヘリ現地視察については「首相がそんなところに出かけて行って、という日本的リーダーシップ論や抽象的、感情的な政治的批判は免れない。とてもお勧めできないと進言した」と明かした。ただ、「情報の把握が十分にできない中で、より(責任の)重たい人間が行って現地を把握する必要があった」とも。 「米国の原子力専門家を官邸に常駐」については、官邸はわが国の国家主権の意思決定をする場所であり、同盟国・米国といえども直接関わるのはありえない。菅氏が自身のアドバイザーを相次いで内閣官房参与に任命したことについては、「政治的にプラスとは思えない参与を公式任命することには反対した」などと述べました。 ▶再稼働前提に電力対策を=大飯の判断「リミット近い」―前原氏 NHKTV27日放送の日曜討論「与野党激論 どうする 一体改革・原発再稼働」での発言。 【「節電要請は大飯原発が再稼働しなかったという前提だ。再稼働する準備をしていて、しなかった場合は節電というのは矛盾を感じる」と述べ、あくまで関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を前提に対策を講じるべきだとの考えを示した】 【「3、4号機が共に動くには1カ月半かかる。7月の猛暑がある前提に立てば、そろそろタイムリミットだ」と指摘】 ▶福島 学校屋外プール8割再開 福島県内31の自治体、小中学校での屋外プールの使用、ことしは、およそ8割で安全が確認されたとして再開。 昨日聞きに行った『裸のフクシマ』の著者のたくきよしみつ氏が言われていましたが、郡山市、かなり高線量だといっていました。東北道郡山ジャンクションや、新幹線で上京する時、郡山に入ると線量計が鳴り出すとも。子どもたちの健康です、きちんと対応していただきたいものです。ところで、それまでのプールの水と除染の際の水、どうしたのでしょうか…。下水道へ…。 ▶動画 真実はどこに?―WHOとIAEA 放射能汚染を巡って 【WHO世界保健機関と IAEA国際原子力機関が共同で開催した、2001年キエフ国際会議の模様を捉えた、とても貴重なドキュメンタリーです】 ウラディミール・チェルトコフ(Wladimir Tchertkoff)監督、エマヌエラ・アンドレオリ、ロ マーノ・カヴァッゾニ助監督作品 フェルダ・フィルム、2004年、51分 日本語版制作 Echo Echanges France、りんご野 字幕翻訳 藤原かすみ、藤本智子、辻俊子、コリン・コバヤシ 字幕・ナレーション制作 岩城知子 ナレーション 東陽子 http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=oryOrsOy6LI | ||