原発通信 245号2012/06/27発行
町長だけに謝罪すればいいのか! しかも非公開で。 ▶原子力保安院:福島3町に謝罪 米提供データ生かせず 今ごろになって、それも隠ぺいしていたということが明白になってから、いまさら言われてもです。しかも、非公開。謝罪は被害をこうむった人たちに向かってするのが当たり前だと思うのですが、霞が関の常識は世間の非常識ということですか。3町の皆さん、これで謝罪されたなどと思わないでほしいと思います。 【経済産業省原子力安全・保安院の平岡英治次長が26日、福島県大熊・富岡・浪江の3町の仮役場を訪れ謝罪した。避難区域となった県内12市町村は当時データを知らされておらず、平岡次長は残り9市町村にも謝罪に出向く】のだそうです。 馬場有(たもつ)町長、【情報があれば住民の無用な被ばくを避けられたのに……」と声を震わせた】とのことですが、その心中を察して余りあるものがあります。 【平岡次長は「経緯を総括し、検証を踏まえて教訓にしたい」と】言ったそうですが、この期に及んでも、まだ「総括」「検証」もしていないのに、大飯原発は再稼働に向け動いているのです。いったいこの連中は何をしていたのか、また、何をたくらんでいるのかです。 そもそも、どういう「経過」をたどったのか「検証」して「総括」し、「教訓」化するのが順序だと思うのですが、そうは言っていないということは、「教えないですんませんでした。まあ、お気の毒」ってな感じでしょう。そこには、申し訳なさも、誠意の欠片も何も感じられません。下記に紹介する河野太郎氏ではないですが、「原子力ムラ、電力ムラの住民は、まだまだ元気」です。 しかし、小さな記事、ベタ記事です。ほとんど目につきません(毎日新聞)。 ▶特集ワイド:東日本大震災 福島第1原発事故 福島の怒り、1324人「原子力ムラ」告発 追及なくては日本の未来危うい 【福島第1原発事故で被ばくさせられたとして、1324人もの福島県民が東京電力や国などの責任者33人を福島地検に告訴・告発した。福島事故は犯罪だとして「原子力ムラ」の処罰を求めた】とのことですが、当然です。「誰も責任を取らない。このままでは仕方がなかったことにされ」てしまうとの危機感は、福島の人のみならず日本全国、世界中の人々が持っているでしょう。 対象には東電幹部、原子力安全委員会、原子力委員会、保安院は当然のこと、山下俊一福島県立大学副学長も含まれています。
今日27日、東電、関電で株主総会。大荒れだそうです。 ▶東京電力:「実質国有化」決定へ…株主総会 福島で大事故を起こしても責任を取ることもなく、放射性物質を大量にばら撒いても「俺もののじゃない。責任ない」と開き直り、報酬は桁違いに。当時の菅政権が余計な口出しをしたからこうなったんだと人のせいにし、自らの反省はなし。賠償金も家庭利用者に上乗せして、済まそうとしている東京電力。かたや原発に頼り切った体質そのまま、この1年間何もせず、再稼働しろと政府に圧力をかけ、再稼働を野田首相の責任で動かそうとしている関西電力。どちらも、無責任、独占企業の驕り、自分たちの意のままになるものと高をくくっているところはまったく同じです。そんななか、株主総会が開かれているとのこと。大荒れだそうです。 【脱原発を目指す株主提案に、浜岡原発の周辺自治体で株主の静岡県牧之原市が賛成の意向を示】したそうです。 さて、結果はどうなるのでしょうか。
▶「ふざけるな」東電株主罵声、議長交代要求も 【株主総会では初めて使用された1万2000人収容の代々木第1体育館(東京都渋谷区)。 冒頭、勝俣恒久会長が「多大なご迷惑をおかけして申し訳ありません」と陳謝。続いて西沢俊夫社長が事業報告で、東電が原発事故の収束や被害者への賠償問題、経営の合理化などに総力を挙げて取り組んできたと説明すると、一部の株主から「ふざけるな」などと激しいヤジ】 【さらに、勝俣会長が議長を務めることに不満を持つ株主が「あなたに議長の資格はない」と、猪瀬副知事への交代を要求すると、怒号と拍手が入り交じる騒然とした雰囲気に】(読売新聞) 【総会は開始早々、議長として勝俣会長は不適切とする緊急動議が出されるなど、大荒れの様相。会社提案の議案の説明になかなか入れず】 【東京都・猪瀬直樹副知事:「定款を変えろと。(定款には)スポーツ施設の経営とか宿泊施設の経営とか不動産の賃貸とか売買とか、そんなものが書いてある」】(テレビ朝日) ▶浜岡原発の再稼働に意欲=中部電力社長 中部電力の水野明久社長、今日開かれた同社の株主総会で、浜岡原発再稼働不可欠と。
▶静岡市、白票投じる 中部電への脱原発関連議案 【静岡市は「脱原発」の議案に対し、賛否を示さず「白票」を投じた。白票としたのは「脱原発」関連の6議案のうち5議案。「原発の存廃に関する住民参加」の議案には反対】 覚えておきましょう!
▶大飯再稼働に抗議する株主ら 関西電力総会は厳戒 【原発再稼働を推し進める関西電力の株主総会は、原発反対派の市民が大勢集まり、警備が強化されて異様な厳戒態勢のなか行われています】 【総会ではやじも飛ぶなか、関西電力が安全対策を実施し、原発の再稼働に取り組むことを報告。現在、株主からの質問が続いています。筆頭株主である大阪市の橋下市長は、可及的速やかに全原発を廃止することなどを求めています。将来の経営リスクなどについて、市長が直接質問しました。関西電力は「脱原発」を求める大阪市などの株主提案をすべて否決するとみられ、総会の後半も大荒れとなりそうです】 河野太郎氏、「この数日、おかしな報道が目につく」と ▶エネ庁のミスリード 河野太郎氏、「この数日、おかしな報道が目につく」と言って、世論誘導を怒っています。やり玉に挙げたのは、共同通信の6月18日付の「月額75~111円上乗せ 再生エネ普及で電気代」との記事です。 【エネ庁の試算では、標準家庭の電力使用量を300kWh/月としているので、固定価格買取制度による標準家庭の負担は66円/月のはずだ。 しかも、固定価格買取制度のもとでは、電力会社ごとの買取価格は同じであり、賦課金の負担は全国一律だ。 それなのに、エネ庁のニュースリリースには、この66円も全国一律も出てこない。 それどころか「本年度については、太陽光発電の余剰電力買取制度に基づく太陽光発電促進付加金をあわせて御負担いただくことになるので、標準家庭の負担水準は全国平均で87円/月になります」などと書かれている。 今年は、たまたま新制度と旧制度の費用負担が重なることになる。 旧制度は、電力会社によって賦課金が違うが、新制度はそれを平準化した。だから電力会社ごとに賦課金が違うのは六月に終了する旧制度だけだ。 エネ庁のニュースリリースは、こうした二つの制度の説明をしないで合計金額だけを機械的に並べたため、新しい固定価格買取制度で賦課金は、地域によって75円から111円までになると誤解を与える。 しかも旧制度の終了については触れていない。 あきらかにエネ庁は、意図的に、誤解を生み出し、新制度への反対勢力をつくり出そうとしている。 原子力ムラ、電力ムラの住民は、まだまだ元気だ】
世界の原子力利権と日本企業の内幕を暴く 本通信で時々参考にさせていただき、また、紹介しているブログ「私設原子力情報室」に「世界の原子力利権と日本」という題で、原子力マフィアの実態を、ウランの採掘、核物質の危険と利権、そして、世界の原子炉を支える日本企業=東芝・日立・三菱重工について書かれています。 ▼トンデモナイ話 ▶首相が会見、造反議員処分「厳正に対応したい」 野田首相、消費税法改正案の採決で民主党の57人が反対票を投じたことについて、「厳正に対応したい」だと。「その前にやることがある」だろうです。福島第一原発事故や震災です。福島第一原発事故、責任をどうするつもりなのか。そっちらをしっかり「厳正に対応」してもらいたいものです。それからです、何事も。 | ||