原発通信 248号2012/07/02発行
首相官邸前の道路を埋め尽くす20万の市民! 20万の市民が、野田政権によるめちゃくちゃな大飯原発再稼働策動を許さないと首相官邸前に集まり、抗議の声を挙げました。その様子は、さすがに無視できなくなったのか、テレビ、新聞で報道せざるをえませんでした。ベトナム反戦闘争、70年安保闘争、沖縄闘争と経験してきましたが、これほどの市民が、自分の意思で、声を上げなくてはとの思いで集まってきたのを見たことがありません。それほどの人々が結集してきました。しかも、それまで(70年安保闘争、沖縄闘争当時)、決して近づくことができなかった首相官邸前にです。 原発再稼働よりレバ刺しが食べられなくなるほうが重要!?(NHK) NHK、ひどいものです。レバ刺しが食べられなくなるなどということを、事細かに「取材」しているのです。午前0時前、「これば最後のレバ刺しです」などと、どこそこの焼き肉店からの中継というのには恐れ入りました。受信料払わないという視聴者の声、もっともです。先日、なぜ報道しないのかと抗議の電話が殺到したとのことです。 そして、今日週明けで7月最初ということもあり、節電、つまり、暗に電気が足らなくなるぞ、原発を動かせというキャンペーンを大々的に始めています。 そこで、さて問題です。 マスコミが取り上げたとは言ってもその取り上げ方はひどいものです。まず、NHK-TVです。「大勢の参加者で埋め尽くされました。1週間前の前回の22日は主催者の発表でおよそ4万人、警視庁によりますとおよそ1万2000人が参加しましたが、警視庁によりますと、29日は前回を上回る人になったということです」と、報道主体としての主体性がまったくなく、とぼけた記事を流しているのです。集まったのはどのくらいなのかも自分で検証することもなく、「警視庁によりますと」などと警視庁のスポークスマンです。しかも、上記のようにクイズの問答のような表現です。こんなとぼけた報道なのです。 NHKTV(6月29日)より 6月22日の抗議行動参加者数、警視庁は1万2000人としているのですが、今回は1万7000人です。5000人しか増えていないのですが、とてもそんな数ではありません。警察発表、これだけでも、毎度のことですが、いい加減な数字だということが明白です。 「組織化されず、ひたすら叫ぶのが特徴」(毎日新聞)、上等だ! 毎日新聞、ここも報道したのはいいのですが(日曜日のTBSサンデーモーニングで毎日新聞主筆の岸井成格が1面にカラーで出したなどと弁解していました)その記事たるや予断と偏見にみちています。「集まった人々は組織化されておらず、デモ行進はなし。官邸前でひたすら『再稼働反対』と叫ぶのが特徴だ」(下記参照)と書くのです。まるで組織化されていない烏合の衆だと言わんばかりです。しかも、「ひたすら叫ぶのが特徴だ」というのですから、上から目線、人を見下したもの言いです。組織された人ならばいいのかというと、マスコミはこう書くに決まっています。「組織動員された者たちで、一般の庶民(市民)の声を反映したものではありません」と。理屈と膏薬はどうにでもつきます。 節操のない岸井成格主筆の屁理屈 しかも、毎日新聞の主筆だと称する岸井成格(1944年生まれ)、なぜこれまで報道してこなかったかということについての言い訳、よせばいいのにTBSサンデーモーニングでやったのです。なんと言ったかというと、この20年間(もっとだったか)、そのようなもの(ストなど)がなかったから、慣れていなかった。不偏不党、公正をモットーとしているからだと。しかも! これまたよせばいいのに「けが人でも出れば書く」などとの賜ったのです。不偏不党だ、公正だ──上等だ! ならば問おう、これからは例えばAKBだか何だか知らないが、そういう大勢集まったイベントなどもけが人が出なければ報道しないというのか。報道することは、一企業の利益を誘導・宣伝することになり、広告だと明記していない限り、公正を欠くということにはならないか。なぜ、今日付け(2日)1面に大飯原発再稼働に抗議する人たちの記事があるのか。まったく理屈のもならない屁理屈をいう主筆です。久しぶりに出ていた田中秀征氏にもあきれられていました。同時に、民主党旗揚げに際しての鳩山・菅の無思想について嘆いていました。 朝日新聞は「前回の約4万5千人を大きく上回る15万~18万人」と 朝日新聞は、「主催者はこれまで最高だった前回の約4万5千人を大きく上回る15万~18万人が集まったとしており、官邸周辺は騒然となった」と報道。 東京新聞は、人数を明記せず 「参加者数は回を追うごとに増え、この日は官邸前から霞が関の財務省前まで七百メートルほど人の波が連なり、官邸近くでは車道をほぼ埋め尽くした」
読売新聞、報道しなかったようです。産経新聞は、2万人が官邸前で抗議行動と写真付きで。 6.29 新聞各紙・TVはどう報じたか ▶毎日新聞 大飯再稼働:ネットで集結「反対」…官邸前に人の波 ▶朝日新聞デジタル 全国各地で原発抗議 官邸前「15万人」で騒然 ▶東京新聞 膨れあがる再稼働反対 官邸前デモ ▶産経新聞 原発再稼働反対に2万人 官邸前で抗議行動 ▶赤旗 再稼働ノーだ 官邸前 空前 ▶NHK(上記の通り) http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120629/k10013222391000.html ▶TBS 「今回のデモ、主催者発表によれば参加者は20万人」 http://news.tbs.co.jp/20120629/newseye/tbs_newseye5068616.html ▶NNN 「AKB48、都内の渋滞解消を呼びかけ」はあるが、抗議行動の項目はなし http://www.news24.jp/society/2012/06/29.html ▶テレビ朝日 報道ステーション 「野田総理は官邸の外の音に「大きい音だね」と話したという」 http://www.tv-asahi.co.jp/dap/bangumi/hst/news/detail.php?news_id=26352 ▶FNN(フジTV)NHKと同じ。 http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00226448.html ▶評論家の柄谷氏ら声明「首相退陣を」 1日に反原発デモ 【評論家の柄谷行人さんらが29日、記者会見を開き、「原発事故への反省を深めるどころか、原子力活用を拡大する方向に進むことを公然と布告した」として首相退陣を求める声明を発表した。7月1日に東京・新宿で行う「原発やめろ野田やめろデモ」への参加も呼びかけた】 ▶大飯原発:3号機を起動 「稼働原発ゼロ」2カ月で終了 許しがたいことに【関西電力は1日午後9時、定期検査のため停止していた大飯原発3号機(福井県おおい町、118万キロワット)の原子炉を起動させた】 さて、この再稼働にあたって牧野副経産相、時岡忍おおい町長、原発運転員、原子力安全・保安院検査官らが立ち会ったということですが、立ち会ったからと言って、安全性が向上したわけでもないことは言わずものがなです。しかも、抗議行動が行われているので、船で「海上から船で大飯原発に入った」というのですから。 ▶大飯3号機 臨界 【関西電力大飯(おおい)原発3号機(福井県おおい町)は二日午前六時、原子炉内の核分裂反応が連鎖的に起きる「臨界」に達した。3号機の起動作業は予定通りに完了。最短で四日に発電を始め、八日にもフル出力で関西圏の家庭や工場などに電気を送る】 ▶節電初日、関電の火力1機が停止 電力使用率が86%に急上昇 とても、額面通り受け取れません。「再稼働反対などとうるせえから、一発噛ましてやれ」というところではないでしょうか。これからも、同様なことしかけてくるかもしれません。 あの4号機プールです。問題は、予備冷却装置が作動しなかったということ ▶4号機プールの冷却停止 予備装置も起動せず 【福島第1原発4号機の使用済み燃料プールの冷却装置で、午前6時25分後ろに異常を知らせる警報が 鳴り、装置が自動停止したと発表した。予備の冷却装置も起動できなかったが、プールの温度は急上昇していない】 冷却されたからいいというものではありません。多重防御を謳っているのに、予備装置が作動しなかったということのこと大問題だと思うのですが、追及していません。原発を動かす資格、これを見てもありません。 菅が怒鳴ったからという「証拠」が消されてしまう!? ▶<福島第1原発>テレビ会議記録、保全申し立て 東電株主 【福島第1原発事故の責任を問う東京電力の株主代表訴訟で、株主側は29日、事故直後の東電本店と同原発免震重要棟などとのやりとりを録音・録画したテレビ会議システムの記録について、東京地裁に証拠保全を申し立てた。株主側は記者会見し、河合弘之弁護団長は「記録は役員の個人責任を追及する第1級の資料。歴史に残る大惨事の際に何がおきたのかを知る国民の共有財産だ」と話した】 【東電はこうした記録の公開を「プライバシーの問題がある」と拒否しているという。株主側は「政府や国会の事故調査委員会の調査終了後に記録が消去される危険性がある」と主張している】 一番、肝心の「証拠」が消されようとしています。菅も、枝野も、公開しろと言っているものです。東電、すべてを菅に押し付けて終わりにしようと企んでいます。 ▶大飯再稼働阻止へ道路封鎖 市民ら100人、もみ合いも 【原発へ通じる道路をふさいで「稼働阻止」をアピール。県警機動隊員らとのにらみ合いが1日未明まで続いた】 ▶<エネ・環境会議>核燃処理方法、国が判断…国民聴取せず 【使用済み核燃料の処理方法は(1)では再処理せずに地中に埋設する「直接処分」としたが、(2)と(3)では国民が選択できる処理方法を示さず、政府が判断する】そうですが、「政府」、誰が責任を、どうとるの、と。原子力マフィアの息の根を止めねばなりません。 ▶泊原発:現地調査 国が7月実施へ 【泊原発(北海道)1、2号機の再稼働に必要な安全評価(ストレステスト)1次評価の妥当性を検討するため、経済産業省原子力安全・保安院は28日、7月中旬に現地調査をすることを明らかにした】 ▶風知草:あまりに事務的な=山田孝男 【陰謀とは何か。原子力の平和利用を定める基本法2条に第2項を設け、「安全保障に資することを目的として」という文言を加筆した。加筆部分は自民党原案のまま。そのココロは自存自衛の保守イデオロギーと結びついた核武装の布石か、軍事転用に含みを持たせて核燃料再処理工場を維持する策略ではないかという話である】 【この加筆は原子力規制委員会設置法案の付則の改正として議事に付され、初めは新聞記者も気がつかなかった】 これを取りまとめたのは、自民党の原子力規制組織に関するプロジェクトチーム座長の塩崎恭久元官房長官(61)と吉野正芳党環境部会長(63)が中心になってやったとのことです。名前、覚えておきましょう。 向原よしたかの鹿児島県知事選・脱原発宣言スピーチ、中央駅6月30日 http://www.youtube.com/watch?v=fBD5xPLqc0s&feature=youtu.be ▼鹿児島より 昨日の午後、鹿児島中央駅東口で行われた「向原よしたか」県知事候補の街頭立会い演説会には、落語家の歌之介さんと湯川れい子さんを始め、鹿児島にゆかりのある徳川さん調所さんなど著名な方々も駆けつけて応援演説をいただきました。 また、福島で実際に原発被害に遭われたママさん達の、ママは原発いりませんの会からお二人が、被爆体験等の話もされて、原発の危険性を涙ながらに訴えました。そして、原発を実際に作っていた方の話なども有り、原発基地の現場経験者の立場からも原発による発電を止めようと訴えました。 いよいよ始まった、向原さんの反原発と今後の鹿児島県政に付いてのスピーチは大変力強く、広場に大勢集まった聴衆から大きな声援が何度も何度も起こりました。 最後に向原陣営の若大将が、大いに激を飛ばし、「変えよう!鹿児島。さよなら原発。いのちと暮らしが一番大事。」と、大号令を掛けるたびに、会場から「お~!」と歓声が上がりました。 7月8日(日)、鹿児島県知事選挙です。かならず投票に行きましょう。もし当日行けない方は、早めに事前投票を行いましょう。そして、このままでは続いてしまうであろう、原発再稼働と天下り官僚政治に「YES」か「NO」か、はっきりとした意思表示をしましょう! 今後の鹿児島と日本の未来は、間違いなく私たち一人一人の投票の積み重ねに掛かっています。 ▼トンデモナイ話 「『反増税・反原発』というだけで選挙に勝てるというのであれば国民をばかにしている」と前原。国民をばかにしているのはどっちだ! ▶前原政調会長:「国民をばかに」小沢元代表を批判 今に、このことのつけを払うことになるのは、あなたたちだということ、理解できていないようです。 ▶都知事の所得3割増 【石原知事は日ごろから「小説を書くと政治の発想が生まれ、政治をやると小説を思い付く」と相乗効果を強調している】 「妄想の世界」の住人ということです。一人で彷徨っている限りでは構わないのですが。週に数日しか都庁に来ないということは以前から言われています。せっせとサイドビジネスですか。 | ||