原発通信 252号2012/07/06発行
![]() ![]() ![]() 撮影:三島タカユキ(右写真) 国会事故調『報告書』 昨日、国会事故調が報告書を提出したとの第一報を報告しました。今日の新聞が1面トップ記事として、その内容について詳しく報じています。 また、昨日の報道ステーションでは、黒川事故調委員長が出ており、古舘も結構突っ込んでいました。東電は津波が原因だといっているが、報告書を見て驚いたと。報告書は、津波の到達時間などを検証した点を質し、津波がまだ沖にあるときに不能になっているとの記述があるなどと突っ込んで、黒川委員長に質していました。地震で壊れたかもしれないし、その検証もできていないなかでの再稼働など考えられないと、今までになく“きつい”突込みでした。 報告書は原発からの「全面撤退」問題についても、官邸側の誤解としつつも、なぜ誤解を生んだのかという点について、「自律性と責任感に乏しい清水(正孝元)社長が、あいまいな連絡に終始した点に求められる」と厳しく、そこに最大の責任があるとしました(毎日新聞)。 東京新聞は【「官邸の過剰介入を責められる立場にはなく、むしろそうした混乱を招いた張本人」と断じた】と。 極めつけは、【「官邸、規制当局、東電経営陣には、準備も心構えもなく、被害拡大を防ぐことはできなかった」と強く批判した】(毎日新聞)。つまり、原発安全教にどっぷりつかり、「アンゼンダ、アンゼンダ」と唱えているだけでな~んもしなかったからだと断じたのです。 「保安院の組織優先の姿勢や専門性の欠如」「能力や専門性、安全への徹底的なこだわりという点で、国民の安全を守るにはほど遠いレベルだった」(産経)、その連中(東電であろうがなかろうが、電力会社はどこも同じレベルです)が、再起動だなどとほざいているのです。 各メディアによって、同報告書のどこをどのように引用するか、興味深いです。下記にリンクを貼っておきましたので、読んでみてください。 そして、本通信を読まれている方には何をといわれると思いますが、その「政府」とは、自民党政府であるということを追及していかなければなりません。民主党政権だって、「政権交代後」、電力総連の息や原子力マフィアの暗躍のなか、原発セールスマンを行っていたのですから、同罪なのですが、フクシマはじめ、全国の原発についての責任は自民党の責任が電力会社、原子力マフィアと並んで同罪であるということです。 ▼今後の予定 ![]() ![]() ▶国会事故調:原発事故「明らかに人災」…報告書公表 【根源的な原因は「『自然災害』ではなく明らかに『人災』である」と断定した報告書を公表……地震・津波対策を立てる機会が過去、何度もあったのに、政府の規制当局と東電が先送りしてきたと批判。その背景に「組織的、制度的問題」があると指摘】 【事故の根源的な原因として、経済産業省と密接な関係にあった東電が、歴代の規制当局に規制の先送りや基準を軟化するよう強い圧力をかけ、「規制する立場と、される立場の『逆転関係』が起き、規制当局は電気事業者の『虜(とりこ)』になっていた」とした】 【その結果、経産省原子力安全・保安院の「原子力安全についての監視・監督機能が崩壊していた」とし、東電を「自らは矢面に立たず、役所に責任を転嫁する黒幕のような経営体質」と断じた。……「事故は津波が要因」との見方を否定する見解も盛り込んだ】 ▶地震で損傷の可能性 国会事故調報告書 【報告書は最初の揺れで原子炉が緊急停止後に最大の揺れがあったことなどを根拠に、「安全上重要な機器の地震による損傷がないとは確定的には言えない」と指摘。特に1号機では、原子炉内の高圧蒸気を格納容器内に逃す装置が動かなかった可能性があるとし、配管に開いた小さな穴から時間をかけ冷却水が漏れた可能性を否定できないと結論付けた】 【官邸の事故対応については、菅直人首相(当時)による事故翌日の現場視察などを挙げ「官邸の直接介入が指揮命令系統の混乱、現場の混乱を生じさせた」と指摘。経済産業省原子力安全・保安院など官僚機構の機能不全が、官邸主導の事故対応を招いたとした】 【「官邸の過剰介入を責められる立場にはなく、むしろそうした混乱を招いた張本人」と断じた】 ▶原発事故は「人災」と断定 国会事故調が最終報告 【東電や規制当局が地震、津波対策を先送りしたことを「事故の根源的原因」と指摘し、「自然災害でなく人災」と断定。首相官邸の「過剰介入で混乱を招いた」として、菅直人前首相の初動対応を批判した。東電が否定している地震による重要機器損傷の可能性も認め、今後も第三者による検証作業を求めた】 ▶福島第一事故、明らかに人災…国会事故調報告書 実にあっさり、行数も多分一番少ないのでは。 ▶原発国会事故調、最終報告 「規制当局と東電の立場逆転」 【規制当局と事業者の立場が逆転し、「原子力安全の監視・監督機能が崩壊した」ことを事故の根本的な原因と指摘。規制当局は規制の先送りを許し、東電など事業者の「虜」になっていたと厳しく批判】 ▶原発国会事故調、最終報告 食い違い、官邸に厳しく 【「菅直人前首相が再臨界の懸念にとらわれて海水注入の必要性を説明する声に十分に耳を傾けなかった面もある」……「全面撤退」と解釈された最大の責任は「要領を得ない説明に終始」した清水氏にあり、「責任転嫁の傾向を持った東電の黒幕的経営体質」を批判。その上で官邸サイドの危機管理能力の欠如を問題視した】 ▶国会原発事故調が最終報告書 事故は「明らかに人災」と指摘 ▶国会事故調が報告書「原発事故は人災」 実にあっさりとした記事です。 ▶東電の体質も厳しく批判、国会事故調 【「自らが表に立って責任を取るのではなく、都合のいいように政府をコントロールしてきた経営体質が、今回の事故後にも、あらわれてしまった」(国会・事故調 野村修也 委員) 一方で、報告書は東京電力に対しても、「官邸の顔色をうかがいながら、官邸の意向を現場に伝えるだけの状態に陥った」と批判】 ▶国会事故調報告 再稼働の根拠崩れる 志位委員長が指摘 記者に聞かれてという形式はとっているのですが、さっと読んでしまうと、まるで、志位委員長が指摘したかのような印象です。こういうところが、相変わらずの我田引水、自分だけはいつも正しく、無謬だといつものとおりです。それがなければと思うのですが、それを取ってしまったら、角のない牛か。だから…。 NHKはどう報じているか ▶国会事故調 “明らかに人災” 【歴代の規制当局と東京電力の経営陣の安全への取り組みを批判し、何度も事前に対策を立てるチャンスがあったことに鑑みれば今回の事故は「自然災害」ではなく、明らかに「人災」であるとしています】 【歴代の規制当局と東京電力の経営陣がそれぞれ意図的な先送り、不作為、または自己の組織に都合の良い判断を行うことによって、安全対策が取られないまま3月11日を迎えたことで発生した】 【一方、事故の直接的な原因について、報告書では、「安全上重要な機器への地震による損傷がないとは確定的に言えない」として、津波だけに限定すべきではないと指摘】 ▶事故調 菅前首相“人災認識は共通” 報告書について、菅前総理大臣は【一方で、総理大臣官邸の事故対応に対する評価や、東京電力の撤退を巡る問題など、いくつかの点について私の理解とは異なるところがある。事実関係をより一層明らかにするためには、東京電力のテレビ会議の記録など、客観的な記録の全面公開が不可欠だ】 ▶事故調 東電“地震損傷の事実ない” 【松本純一本部長代理は5日の記者会見で、「社内の報告書でも指摘したが、地震で壊れたということはデータや運転員の操作の記録をみてもそういう事実はないと思う」と】 ▶前所長“命令系統がムチャクチャ” 【吉田前所長が「本店が止めろというなら議論ができるが、全然、脇の官邸から電話がかかってきて、止めろというのは何だ。電話だから十分な議論ができない。指示命令系統がムチャクチャで、もう最後は自分の判断だと思った」などと証言】 【吉田前所長が「僕らのようなエンジニアが重機を使って、高い放射線量のがれきを片づけないといけないとはつくづく思ったが、本当に協力企業が、片づけも海水注入の準備も、僕が考えているよりもよほど短時間でやってくれた」と証言】 何も揚げ足を取るわけではないのですが、「僕らのようなエンジニアが重機を使って、高い放射線量のがれきを片づけないといけない」と思ったそうなので、吉田さん自らかと思ったら、協力会社(要は下請け)がやったと。なんか変、いえ、言い方がです。 ▶事故調報告書の取り扱い議論へ 【民主党内では「民主党政権だけの問題ではなく、歴代の政権が責任を負わなければならないことが明確になった」などという意見】 橋下大阪市長、おおいまち町民に感謝 大飯原発3号機が、昨日午前7時より発電を開始しました。それに対し、大阪の橋下市長、停電しなくてすみ、おおいまち町民に大変感謝していると記者会見。この人、本当に、何を考えているのでしょうか。節電で乗り切れるといってみたり、脱原発だといってみたり、多くの人は瞬間瞬間しか見ていない、聞いていないとでも思っているのでしょうか。言ったことの整合性とはまったく無縁なのでしょう。ということは、責任をもたないということで、民主党以上に言葉が軽い。 ▶“SPEEDI 正確性持たない” 【予測に用いる気象情報の精度に限界があるなどとして、「初動の避難の根拠にできるほど正確性を持つものではない」という見解を示しました】 【政府の対応に対して、「SPEEDIの機能について十分な説明を行わなかったため『避難指示に有効活用できる』という誤解と混乱を住民に持たせた」】と。 ということは、役立たずのものを、あたかも打ち出の小槌のように予算を引っ張れるものとしてやっていたということになりませんか? もんじゅや、六ケ所村と同様ですか。 ▶滋賀 計画停電に備え給食中止 【小学校の給食の調理場がある地域で計画停電の可能性がある日は給食を取りやめることになり、5日、一部の学校で子どもたちが弁当を持参】 【大津市では、計画停電の可能性がある9月7日まで、夏休みを除き、1校当たり5回程度給食を取りやめることにしています】と、大津市、いつ計画停電になるかを知っているということなのでしょうか。どうも解せません。危機煽りとしか今のところ思えません。 ▶節電実験で初の料金引き上げ 【予想最高気温によって電気料金を変動させ自主的な節電を促す社会実験で、5日、初めて料金が引き上げられ、ピーク時の料金が、ふだんの3倍以上】 原子力マフィアの反転攻勢です。 枝野経産相、【「東電が置かれている特殊事情を踏まえた判断はあらゆる可能性がある」と述べ、福島第1原発事故の責任や公的資金注入を受けている事情も踏まえて値上げ幅を一段と圧縮する可能性を示唆】とのこと(時事通信)。 ▶東電会見「出入り禁止」 音声生中継のフリーライター 『検証 福島原発事故・記者会見──東電・政府は何を隠したのか』の著者で【フリーライターの木野龍逸(りゅういち)さん(46)を出入り禁止にしていたことが5日、分かった】【木野さんがインターネットを通じて音声の生中継を行ったことが「ルール違反になる」と判断】とのことです。東電は、菅前首相が東電本店に乗り込んだ時の映像も公開していません。都合の悪いことは誰でも隠したがるものです。 ▶福島第2原発廃炉の可能性も-東電会長、初めて示唆 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版2012年 7月 5日 929 JST 【東電の広瀬直己社長は、第2原発を廃棄するかどうかは「国民の議論、地元の声、それらを踏まえて考えなければいけない」と述べた。下河辺会長と広瀬社長は、まだ決定は一切していないと強調した】 【外部の大半の専門家は、福島第1原発事故のあと福島県民の多くが原子力に反感を募らせているだけに、第2原発の再稼働は困難だろうとみている。日本原子力研究開発機構で以前上級研究主席を務めていた田辺文也氏は、日本の電力需要が将来減少すると予想されるため、第2原発を再稼働する正当性はほとんどないとしている】 ▼トンデモナイ話 能動的な平和主義、「希望と誇りある国」をつくるのだそうです。 ▶集団的自衛権 行使容認の報告書 【政府の分科会は、今後の安全保障政策について、「いっそう能動的な平和主義をとるべきだ」として政府の憲法解釈を変えて、集団的自衛権の行使を認めるよう求める報告書をまとめ】た。消費税だ、再稼働だといっているすきに、やりたい放題です。 また、【西暦2050年の日本を「希望と誇りある国」にするため、国民が自分の適性や環境に応じて柔軟性を持ちながら働き、新たな価値を創り出す、「共創の国」を目指すべきだとしています】だと。どうしてこういう連中というのは、歯が浮くようなことを平気で口にできるのでしょうか。あんぽんたんの安倍の「美しい国」だのと。雇用、臨時雇用しか働くところがないような社会にしておいて、また、年金も破綻だ、社会保障も破綻だといっていて、これからの時代を担う若者や、子どもたちが本当に希望を持てるのでしょうか。わが子をみていても考えてしまいます。えっ、だから消費税増税…。ごじょうだんでしょう、ノダさん | ||