原発通信 255号2012/07/10発行
【日時】7/13(金)18:00~20:00 予定> おおい町・時岡町長、クラゲに自然の脅威を感じる! おおい町長の時岡忍です。昨日、本通信の「原子力ムラ 今日の『No problem!』」で報告しましたが、大飯原発で海水取水口にクラゲが異常に張り付いて一時発電出力を落としたという件です。昨夜、NHKTVのニュースを見ていると、その件についてやっていました。時岡町長、何と言ったかというと、「あらためて自然の脅威に驚いた」と宣ったのです! クラゲ如き──いや、クラゲが取水口をふさぎ冷却できなくなったら、それはそれで一大事なのですが、それで「自然の脅威に驚いた」などと言っているのですから、地震・津波が来たらなんと形容するのでしょうか。 そんな想像力のかけらもない人間が、再稼働の安全性を確認するためにと称して、原発のコントロール室に、牧野経産副大臣らと雁首並べて覗いていたって何になるかです。眺めて、「安全、ヨシ!」と言ったって誰も信用する人いません。もともと誰も信用する人いませんし、この二人、特別に原子力はもちろん、プラント運転のイロハについて学んだということ聞いていません。メーター、眺めて、グ~ンと針が動いたのを見ていたということぐらいでしょう(今は、針ではなくデジタル表示の数字が上がっていくのか)。こんな程度なのです。
▶津波到来画像を追加公開=国会事故調が存在指摘―東電「対応不十分」 時事通信 7月9日(月)21時10分配信 【昨年5月に公開しなかった33枚を追加公開した。経済産業省原子力安全・保安院は昨年9月、撮影した写真をすべて公開するよう東電に指示したが、これらの写真は公開されておらず、国会事故調の報告書で存在を指摘された。……東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「同じ角度の写真が多く、津波の規模を示す上で有用なものを出した」と釈明。保安院の指示については「対応が不十分だった」と述べた】 「対応が不十分だった」などという東電の言い訳、誰も信用する人はいないでしょう。 このアドレスに載っているのですが、1枚1枚ばらばらに貼ってあり、1枚ごとにクリックしないと見れないのです。スライドショー風にしてみると一目瞭然だからでしょうか。 大飯原発3号機フル稼働、節電と原発再稼働要望キャンペーン 大飯原発3号機がフル稼働になりました。それを伝えるニュース、NHKなどひどいものです。人工呼吸器を使っている人や産婦人科病院で出産を待っている妊婦さんを映したりで、「人命第一」というキャンペーンを張って、いかに原発を動かさないと大変かというイメージづくりに精を出しています。しかし、このこと、何も急にわかったことではありません。1年と4カ月も時間があったのです。その間、何もしていなかった電力会社──電力会社には安定供給という公的責任があるのです──の責任を問うのではなく、原発再稼働ありきのキャンペーン、許しがたいです。 そもそも、大きなおなかにセンサーをまきつけ、臨終の患者のようにモニターを見てお産の時期を計っている今のお産状況はちょっと首をかしげたくなりますが、これは別の話ですね。うちの連れ合いも変だなんて言ってました。私、自分の子どものお産に立ち会い、臍の緒を切りました。もうだいぶ前になってしまいましたが、センサーなしでのお産でした。 ▶<福井・大飯原発>3号機フル稼働 市民「それでも節電」 生活スタイル変更も 【関電管内の節電要請は10日以降、15%から10%に緩和される。戸惑う声も根強いが、生活スタイルを変えようと前向きに取り組む市民も多い】 ▶浜岡原発:知事、住民投票関わらず再稼働容認しない 「対策が不十分」/静岡 【再稼働の是非を問う住民投票条例制定を求め県内で署名活動が進められていることに関連し、川勝平太知事は9日の定例記者会見で、「(住民投票で同原発を)動かせという結果が出たとしても、安全性が確保されない限り再稼働のゴーサインを出すことは100%ない」と述べ、住民投票の結果に関わらず現状では再稼働を容認する考えはないことを強調】 ▶東通原発:1号機敷地内断層、きょうから再調査 11月末まで/青森 【東通原発1号機(東通村)の敷地内の断層の再調査を10日から始めると発表した。11月末までかかる見込み】 ▼今後の予定 ▶2012年知事選:投票者数、鹿児島市で3万人増 薩摩川内伸び率最大/鹿児島 【伊藤氏は08年から得票数を1万1828票伸ばしたが得票率は5・13ポイント落とし65・74%】 【若者票が多い鹿児島市での投票行動だ。08年に比べ投票者数が約3万4000人増。これが投票率増と向原氏の得票増に強く働いた。同市での得票率は56対42だった。……原発が立地する薩摩川内市では投票率が前回比8・57ポイントアップで伸び率は最大。原発への関心を裏付けた】と。 これを見ても脱原発へのたたかいは緒についたばかりといえるでしょう。がんばりましょう! ▶2012年知事選:「脱原発」立地県でも強く=平井一臣・鹿大教授/鹿児島 【立地県でさえ原発のない選択肢を求める世論が強いことを示した。鹿児島市をはじめ原発周辺自治体で投票率が上がったが、原発問題を自分たちの問題として捉えるようになったことが大きな要因と考えられる。今後、川内原発の再稼働は、そう簡単にはいかないだろう】 ▶衝撃! 福島第一原発4号機が再び傾きだした大飯原発再稼働使用済み核燃料が燃え始める 【「たとえ東電の言うように、建屋が地震で倒れなかったとしても、別の問題がある」 と内情を明かすのは、復旧作業に携わる東電協力会社の幹部社員だ。「現場の人間が恐れているのは、建屋の崩壊ではなく、地震によって冷却システムのパイプが損傷してしまうことです。4号機の貯蔵プールには使用前・使用後のものを合わせて約1500体の核燃料が保存され、水を循環させることでこれらを冷却していますが、水を循環させるためのパイプが仮設のもので、どの程度の揺れに耐えられるのかまったく分からないのです」 万が一このパイプが壊れたら、冷却が止まって核燃料が剥き出しになってしまう。しかし、この幹部社員によると「これを修理するための人材の確保や指揮系統の確立はまったくなされていない」という】 ▶「日本文化」を原発事故の言い訳にするな 原題:Japan’s Nuke Inquiry Undercuts Itself With CulturalCopout: View(抜粋) 【日本人の基準からすれば、国会の東京電力・福島原子力発電所事故調査委員会が6日に提出した報告書は注目に値するものかもしれない】 【報告書は福島で起きた災害を「深刻な人災」としながらも、誰がミスを犯したのかを特定していない。そのかわり、「根っから染みついた日本文化」こそが原因だと非難し、実質的に個人が責められないようにした。結論および提言の中には誰かを告発したり懲罰を加えることは盛り込まれていない】 【報告で指摘された重要な点は、東電がこれまで断固としてその可能性を認めなかったものだが、津波が襲う前に地震によって一部の原子炉と安全装備が機能不全に陥った可能性があるというところだ。また東電は、原子力安全・保安院によって求められていた地震対策を改善しておらず、保安院もそれを実施させていなかったことが分かった】 【福島で起きた激変を根本的には文化的な災難だったと結論付けたところだ。日本の「集団主義」のせいにしたり、はたまた「この事故の責任を負った者と同じ職務にほかの日本人が就いていたとしても、同じ結果だった可能性は十分ある」などと指摘しているのは責任逃れであるとともに陳腐な言い訳に過ぎない】 この社説で指摘されているように、【「深刻な人災」としながらも、誰がミスを犯したのかを特定していない。そのかわり、「根っから染みついた日本文化」こそが原因】として、みんなが悪かったのだ=日本文化=としていることが問題です。 先の戦争でもそうでした。みんなが悪かったのだと、1億総懺悔です。私たち日本人には、教訓も、歴史に学ぶということも不得意なのでしょう。このままにしておいていいわけがありません。「やった奴がいる」のです! ▶長野県北部で震度5弱、M5・0と推定 【長野県北部を震源とする地震があり、長野県中野市、木島平村で震度5弱を観測】 これ以降も断続的に続いています。 ▼原子力ムラ 今日の「No problem!」 何が起きたって、何を起こしたって、まずは「No problem!」。これは、挨拶と同じ。笑い話にあるような、英会話を習い始めた人と同じで、「How are you?」と聞かれたら、具合が悪くても「I’m fine thank you.」と答えてしまうようなもの。そのまま信用などできません。 ▶<敦賀原発>ボーリング調査中、誤って地中の配管に穴 【日本原子力発電は9日、福井県敦賀市の敦賀原発構内でボーリング調査中、海水を通す地中の配管(内径4.2メートル、厚さ2.6センチ、地下約5.4メートル)に誤って穴を開けたと発表した。原発が停止中で配管を使用していなかったため、安全上の影響はなかった】 【原電の担当者は「安全上重要な設備ではないため、すぐには発表しなかった」と説明】 ▶福井・敦賀原発:破砕帯危険判明なら「運転は困難」 班目氏見解 【班目(まだらめ)春樹委員長は26日の記者会見で、日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)の原子炉建屋などの直下を通る古い断層「破砕帯」が近くの活断層と連動して地震を起こすと分かった場合、「安全性を証明しない限り運転はできないと解釈すべきだ」と】 ▼ほんとはどうでもよくないのでしょうが 民主党がガタガタです。消費税増税案をめぐって、「国民の生活が第一」と言って小沢派が離党。それをめぐって、離党名簿に自分の名前があると記者にいわれて、「俺の名前載っていたの」などと無責任極まる返事をするセンセイや、すぐに離党届を取り消す腰の据わっていないセンセイ。処分すると息巻いたはいいが、処分=党員資格停止6カ月を3カ月にとバーゲンセールよろしく“減刑”する民主党執行部。造反者を選挙になったら公認しないということはないなどとわけのわからないことをいったり、挙句は他党=自民党から、もっと処分しろ、そうしないと話に乗らないぞと脅かされたりと、めちゃくちゃです。 今日の午前中、国会中継をちょこっと見ていたのですが、自民党の川口順子に、「よくも言うよ、あんたには言われたくないという話だな」と民主党を弁護するわけではないのですが、思わず口から出ました。 もう、自分が何をやってきたか、言ってきたかなど忘れたか、いい気なもんです。お互いに。これでは、若いもんに示しがつかないと叫びたくもなります。また、アメリカさんにコケにされるわけです。 そしてはっきりしていることは、野田政権で民主党が終わったということでしょう。さて、お次は…、これが問題です。 と書いていたら、また、橋下です。今度は、野田政権評価するだと。 ▶橋下市長:一転して野田政権評価 政界再編も期待 【消費増税法案を巡る野田佳彦首相の政権運営について「当初言っていたことを着実に進めている。民主党の支持率は急回復すると思う」と述べ、これまでの政権批判から一転、評価する姿勢を示した】 自分(もしくは意のままになるものを)が大将になるときのために「保険」ということなのでしょうか。 | ||