原発通信 265号2012/07/25発行
次は、高浜だ! ▶<関西電力>次の再稼働候補は高浜…社長が表明 イチローのほうがそんなに重要か NHKニュースウォッチ9 昨夜(24日)のNHK ニュースウォッチ9、違和感を持ってみたのは私だけでしょうか。 メジャーリーグでプレーするイチローが電撃トレードでヤンキースへというニュースがトップです。それも番組開始から15分以上もああでもない、こうでもないと。イチローの涙目を大写しし、ヒーローづくりです。まあ、イチローの軌跡はそれなりに評価しますが、この番組、スポーツニュース番組ではないということです。まあ、キャスターの大越健介は東大野球部出身だそうですから、野球の方に興味がいったのか。でも、国民から「受信料」を取っている公共放送です。 一方、新聞ですが、毎日新聞の1面トップの扱いです! 「イチローのリストラ」のニュースのわきに、まさに、首切り合理化=リストラの記事がだいぶ小さい扱いでしたが、左わきにありました。「<シャープ>数千人規模で削減 液晶パネル不振続く」。 その後NW9が報じた「放射性物質放出の新経路が判明か」というニュースは、先日のNHKスペシャルの内容のNW9版でした。昨年3月14日21時から1号機の水素爆発により関東地方全体に通常の10~20倍もの放射性物質が降り注いだという話です。 一方、この「NHKスペシャル メルトダウン連鎖の真相」については、犯罪的内容だとの投稿がネット上にあがっています。「自衛隊『化学防護隊』の福島原発事故対応を無視し、3号機のメルトダウンを『物資調達』問題に求めたNHKの犯罪的報道」という指摘です。 このNW9の後のNHKスペシャル「原発事故調 最終報告~解明された謎・残された課題~」も続けてみたのですが、3つの事故調の委員長が出ていましたが、これといって目新しいものはナシでした。専門的なことではいろいろあるのでしょうが、要は、よくわからないと。原子力ムラの連中が、適当に、デタラメにもたれあいながらやった仕事だということ。そして、これら3つの事故調は、いずれも「政治」については触れていません。歴代自民党政権の問題には手を付けていません。菅のところだけを問題にしただけです。 ところで、この番組で知ったのですが、「空気を読む」というのは、良い言い方なのだそうです。えっ!と思ったのですが、どうなんでしょうか。 ■スペインの財政破たん問題が取りざたされています。そんなスペインの状況は今の日本の原発事情にも通底するものがあるという一文が寄せられました。「寄せられた情報」のコーナーです。 ▶規制委員長 田中氏起用撤回を 脱原発派議員 【脱原発を訴える与野党の衆参国会議員七人らは二十四日、国会内で緊急記者会見を開き、原子力規制委員会の委員長に原子力委員会の前委員長代理・田中俊一氏を起用する政府の人事案の撤回を求めた】 【会見に出席したのは民主党の川内博史、橋本勉、社民党の福島瑞穂、阿部知子、服部良一、吉田忠智、参院会派・みどりの風の谷岡郁子の各氏と、金子勝慶大教授ら有識者や市民団体など】 【金子氏は「田中氏は原子力ムラの村長で、今もムラに居続けている人。人事案を作った細野豪志環境相は官僚のとりこになりつつある」と懸念】 福島でやっているらしい「除染作業」、スコップ持っての姿にだまされてはなりません。もう一人の田中=原発だんじり男=東大の田中知はスコップも持っていませんが。 ▶浜岡原発:5号機原子炉に海水、影響検討へ 専門家初会合 【中部電力浜岡原発5号機(静岡県御前崎市、2005年運転開始)で昨年5月、「復水器」と呼ばれる装置に海水約400トンが流入した事故について、経済産業省原子力安全・保安院は、海水が原子炉など広範囲に及んでいるとして、稼働に耐えるか判断するため、専門家による検討を25日から始める。原子炉の主材料である金属は塩分で腐食しやすくなることが知られており、最悪の場合、廃炉を迫られる可能性もある】 【今年3月には、原子炉の非常用冷却水をためるタンクの内壁に腐食によるとみられる穴が複数見つかった。さらに4月に実施した抜き取り調査で、制御棒を動かす装置のねじがさびているのを確認し保安院に報告】 その後、まさか、「No problem!」とはならないでしょうね。注視する必要あります。ところで、この記事のなかに「原子炉の主材料である金属は塩分で腐食しやすくなることが知られており」などと、たいそうなもののように書いていますが、金属は塩に弱い(錆びる)ということぐらい小学生でも知っている話だと思うのですが。「形あるものは壊れる」のです。それが世の常です。原発とて、無縁ではないということ。 ▶反原発抗議行動に考える 人々の声が政治を変える 【七月二十日夕、鳩山由紀夫元首相が官邸前に現れ、こうスピーチした。 知った顔で、政局だ、選挙だとしかの発想がないものにとっては理解することは難しいのでしょうが、要は、本通信でも書きましたが、首相官邸前での抗議行動を無視できなくなったということです。 ▶福島第1原発事故 双葉町が独自調査へ 4報告書に不満 福島県双葉町の井戸川【町長は政府の事故調の最終報告書について「何万人もが避難し、事故はまだ現在進行形なのに、なぜ『最終』報告書なのか」と疑問を呈した。原子炉建屋内の冷却装置が地震によって損傷した可能性を否定したことに関して「内部が十分に調査できないのに、なぜそう言い切れるのか。報告書を信頼できず、読む気が起きない」と不満をあらわにした】 ▶<福島第1原発>ストロンチウム、10都県で最大値以上 【事故後、土壌から検出された宮城、福島両県以外に、関東・東北の10都県の値が、2000年~事故前の最大値以上となった】 ストロンチウム90というものがあると知ったのは、私が中学生だった頃、当時、“科学少年”として「夢のエネルギー原子力」などと言う本をよく読んでいたころです。1960年代半ばのころです。最初は、まさに夢の世界で、原子力というものはすごいものだと驚嘆しつつ読んでいたものです。しかし、あるとき、負の面、それは社会科の教師が第5福竜丸などのことを話してくれたあたりからだったと思いますが、原子力に疑問を持つようになりました。たしかに本にも、半減期が何万年などという放射性物質・放射性同位元素があることなども書かれてあり、一気に目が覚めたことを覚えています。 ▼文部科学省 都道府県別環境放射能水準調査(月間降下物)におけるストロンチウム90 の分析結果について ▶福島第1原発:部下は「地獄の中の菩薩」 吉田前所長 【「原子炉の冷却作業をする人間は撤退できない」と死を覚悟していたことなどを生々しく明かしている】と、もう一方の主役が言っています。 しかし、浪花節的に感傷に浸っていては目が曇ってしまいます。原発が、暴走したら手がつけられない、死を覚悟して当たらなければならないほどの危険物であることが、あらためてわかります。 ▶<東京電力>財産賠償基準を発表 算定根拠などを提示 【東京電力は24日、福島第1原発事故の避難区域再編に伴う宅地、建物や家財などの賠償の具体策を発表した。政府が20日に示した基準に基づき、賠償額の詳しい算定根拠やモデルケースを提示。個人所有の建物については31日から順次請求書を送付し、賠償額の一部前払いを受け付ける。大人3人、子供2人の5人家族が、5年以上帰宅できない「帰還困難区域」に住宅を所有する場合、精神的損害なども含めた賠償総額は6021万円超となる】 また、これでコミュニティーに亀裂が生じることにもなるのでしょう。原発、罪作りなものです。6021万円超で生まれ故郷も、生きてきた軌跡も連綿と続いた人の営みがすべて断ち切られるのです。 ▶浜岡原発:住民投票条例制定へ、選管に17万8240人分署名 法定数の2.8倍に/静岡 【川勝平太知事は署名が提出されたことを受け、記者団に「法定数の3倍に迫る署名が集まったことは重く受け止めている。住民の意見をくみ上げるのは賛成だが、条例の中身を判断するに至っていないので、条例への賛否は決めていない」と述べた】 ▶美浜原発:2号機運転40年 財政依存、延長にすがる地元 【今月12日、同町の山口治太郎町長らが40年ルールの慎重適用を求める要請書を経産省に提出した。同町では、電源3法交付金や原発の固定資産税など原子力関連の歳入が今年度一般会計当初予算の44%。原発関連の雇用も多く、飲食店や民宿も原発関連の客が頼みだ】 原発依存体質からの脱却は、一度はまったら抜け出すことは難しいということの例です。だから、大枚を積んできたのです。結局はカネだろうと。オスプレイで揺れる岩国も同様の問題を抱えているとTVで報じていました。岩国も基地交付金で医療費等が優遇されているそうです。それがなくなると困ると岩国のお母さんがTVで言っていました。 ▶北海道:地方交付税 道には実質8719億円 市町村には9368億円 地方交付税額が決まったそうです。そんななか、【泊原発の固定資産収入がある泊村は90年度から23年連続で、交付税を受け取らない道内唯一の不交付団体となった】 ▶島根原発:県の原子力安全対策PT、改定申し入れを確認/鳥取 【県は23日、半径30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)が法的に位置づけられるとみられる9月以降に、中国電力島根原発(松江市)のUPZ圏内にある米子市、境港市と連携し、中国電に原子力安全協定の改定を申し入れることを明らかにした。同日開かれた県の「原子力安全対策プロジェクトチーム」の会議で確認された】 ▶川内原発:薩摩川内ほどの内容は求めず 原発安全協定で鹿児島市長/鹿児島 【鹿児島市の森博幸市長は23日の定例会見で、同市など九州電力川内原発から30キロ圏に位置する6市町が求めている九電との安全協定締結について「(立地自治体の)薩摩川内市ほどの内容は求めない」との認識を示した。森市長が安全協定の内容について発言するのは初めて】 ▶「菅元首相は日本を救った」と細野環境相 政府事故調も、官邸が余計なことをしたということにしたので、ここは一気に民主党内脱原発派を叩き潰すという狙いからでしょうか。 ▶菅前首相、鳩山元首相「脱原発」仲良く吠えた 【菅氏はすべて「原子力ムラ」に責任転嫁。脱原発の旗手として復権を狙う】 ▼原子力ムラ 今日の「No problem!」 ▶放射性物質:62種類を除去、東芝が設備開発 東芝、恐るべし。どっちに転んでもというやつです。そもそも、原子力ものというのは、「完成」しないほうがいいのでしょう。素人にはちょっと目に難しそうなので、あれやこれや数式を並べ、「脅しておけばいい」と。難しいものだから、なかなか「完成」しない、完成にはもっと予算をつけてもらわないととなり、カネを引き出すツールとしてはもってこいなのでしょう。 それにしても問題が残ります。フィルターで濾したものはどうするの? これが大問題。そう、「除去=消えてなくなる」ではないからです。 ▶野田首相:原発技術、海外に貢献へ 【野田佳彦首相は24日の参院予算委員会で、「脱原発依存」の立場は維持しながら、日本の原発技術を蓄積し、海外での原発の安全性維持に貢献する考えを示した。首相は「廃炉には、相当高度な技術が必要で、使用済み核燃料の問題もある。国際的に粗製乱造的な原発が出てくるのは望ましくない」と強調。東京電力福島第1原発事故を踏まえ「日本の持つ反省や教訓を生かし、安全のために技術を生かす貢献もある」と】 あの寺島実郎が言っていることと同じです。フクシマの事故を踏まえて? どうなってしまったのかさえまったく分からないのに何を教訓とするのでしょうか? どうでつくなら、もっと上手なウソを。 ▼トンデモナイ話 ▶記者の目:大阪市職員の政治活動規制=原田啓之 【橋下徹・大阪市長が成立を目指す「職員の政治的行為の制限に関する条例案」が27日の臨時市議会で成立する公算が大きい。昨年11月の市長選で橋下氏と対立した当時の現職を市幹部や労働組合が一体となって支えた「役所ぐるみ選挙」の排除を狙ったものだが、市職員に禁じる政治活動の範囲を地方公務員法(地公法)より大幅に拡大し、国家公務員法(国公法)並みに規制する内容だ。規制は勤務時間外の活動にも及び、憲法が保障する表現の自由を過度に制限している。成立したとしても速やかに見直すべきだ】 【問題はこれだけではない。地公法が禁ずる政治活動は、特定の政治団体などの支持を目的にした▽投票の勧誘▽署名運動の企画──など5項目なのに、これに国公法に合わせて▽政治目的を持つ文書の配布▽デモ活動などの企画▽政治的な演劇の演出──など10項目を加えたことだ】 そして、これらに違反したら、「ばんばん公務員の地位から排除していく」と言っています。橋下のような人(性格)は、執念深く、やられたことは倍にして返すような、ある意味被害妄想的傾向をもっていることが多い。「あの人に目をつけられたら大変よ」という感じの人。東京といい、大阪といい大変な人を選んでしまったものです。人のねたみ、ひがみをテコにするお二人ですから、始末に悪いです。で、それがまた、あながち的外れともいえないところに根の深さがあるのです。 ▼寄せられた情報 ▶過去から学ばぬ失敗を繰り返すな 原発事故調報告を読んで 朝日新聞 2012/07/25朝刊 朝日新聞社「ニッポン前へ委員会」加藤陽子委員(東大教授)の寄稿です。 【6月、野田内閣は、国会と政府二つの事故調の報告書を待つことなく、関西電力大飯原発の再稼働を決定した。首相官邸周辺のデモを「音」と表現した首相は、報告書を「紙の束」とでも考えたのだろうか。また、首相は記者会見で「国民生活を守る」ことだけを考え、全電源を失っても、「炉心損傷に至らないことが確認をされて」いると大見えを切った。3・11の後でこう発言できる精神構造と、その帰結には既視感がある】 【道路拡張、緑地整備、建物耐火などの対策をとることはなく、レーダー網による防空システムも構築しなかった。敵に本土上陸を許すことなどあり得ない】とした帝国軍隊と同じ精神構造だと喝破します。 そう、いやなことはなかったこと、ないことに。聞きたくないことには耳をふさぐ、見たくないものには目をふさぐ。それでも声を挙げるものに対しては「非国民」とレッテルを張り、自分に都合のいいように解釈する。まあ、ここまでは個人的な問題として片づけてもいいでしょう。公的責任などない私や、そのへんのオヤジのたわごとなら。しかし、日本人1億2千万に責任がある立場だとしたら違います。「歴史に学ぶ」とよく言われますが、悲しいかな人間は一回性の生きものです。学ぶことをしないものにとって、歴史は「紙の束」なのです。そういう人間が今、わが国の最高権力者になっているのです。 それにつけても、政府事故調の報告、報道されている内容だけからの印象ですが、何か喰い足りないのです。最後に出たからだけなのでしょうか。いえ、どことなく、人ごとのように書いてある匂いがするからなのでしょう。 ▼鹿児島の仲間より転送 各位 諸留さんの表題の文章を転送いたします。 原発狂気からの覚醒五原則は重要なので「命第一」(金や、物・力あるいは快適・便利は命あって初めて可能)の順に並べ替えて「原発覚醒五原則」として当方ブログに注記しましたので、下記に引用させて戴きます: 1.命破損・破壊するものは排除する。 被害者救済は最困窮者・必要者から直ちに行う。
▶狂ってるのはスペインだけではない!! [2012(H24)年07月16日(月曜)AM05:02送信] 《パレスチナに平和を京都の会》諸留です ****転送/転載/拡散 歓迎**** スペインの財政破綻に関し、スペイン在住の童子丸開氏から、シリーズ:『スペインの経済危機』の正体(その4)「銀行統合」「国営化」「救済」の茶番劇というテーマで、詳細な報告・分析・批評が送られて、大変参考になります。 http://doujibar.ganriki.net/webspain/Spain-4-ridicule_resque_of_banks.html 以下は、その一部抜粋です。 ------------------------------------------- このときにすでに「生命危篤」を宣告されたわけだが、より厳しい運命が2年後にラホイにやってきた。そして今回は「支援」という名のさらなる膨大な借金を背負い込まされたうえで「脳死状態」にさせられ、「生命維持装置」を取り付けられた。後は「腐肉」を取り除いたうえでの「解体処分」が待っているだけだろう。犠牲にさせられるのはこの国を死に追いやった支配階級の者たちではなく、一般勤労階級であり、その若者であり老人であり母親であり子どもである。20世紀に中南米で繰り広げられたIMFを使う金融支配と国家・地域の破壊が、21世紀には欧州各国で行われるのだ。 ------------------------------------------- 快楽は幻想・幻覚に過ぎず、それがそのまま地獄絵になっているのだと考えてみたいような気がする。幻覚を剥ぎ取ればそこは既に地獄であり、そしていずれにせよ幻覚を失うときが来るだろう。そうなれば快楽の遊戯はそのまま地獄の苦しみに変わっていく。 ------------------------------------------- バブル経済の中で夢から夢を紡いでいたスペインは、そのままの姿で紛れもない地獄だったのだ。ただ浮かれている者たちにはそれが見えない。その虚構から醒めたとき、そこにあるのはありのままの地獄でしかない。それでもあくまで虚勢をはり大嘘で自らを飾り、国民を虚構に閉じ込めたままで地獄に突き落とそうと試みるこの国の指導者たちのありのままの姿が、この十年間でむき出しにされた。そしてそんな指導者しか作らないこの国の「民主主義」とは、いったい何なのか ------------------------------------------- このように、童子丸開氏は、スペインやEUの経済危機(財政破綻)を述べています。しかし、これは、単に我が国から遠い外国の話だけではない。我が国の原発情勢にも、まさにピッタリ「符合」する!! 先日7月14日(土)PM21:00から、NHKが放映した番組、NHKスペシャル「激論!ニッポンのエネルギー」の番組をご覧になった方も多いと思う。 いつものことながら、NHKの見え透いた政治宣伝的と、国民世論誘導操作の、露骨な意図が、丸見えの「国策宣伝」番組であった。 そこに、ゾロゾロ登場する連中の、愚か極まる発言の連発……そのいちいちに、コメントを付けて、反論したり、批判する気も、いまさら起きないほどの愚論続出……!! ただただ、呆れるばかり! 福島第一原発事故後、一年半近く経過して、多分、そうなるだろうなぁ……と、事故発生直後から、私(諸留)は予想していたとは言え……ため息の連続でした。 今回送られてきた童子丸開氏の言葉を、そのまま転用させてもらえば、 「40年前の高度経済成長やバブル経済期の中で、エネルギー政策の夢を原子力に置き、夢から夢を紡いできた我が国も、経済成長そのままが、紛れもない地獄だったのだ。日本のGNP世界第一という「経済成長神話」に、ただただ浮かれている者たちには、エネルギー政策の根幹を原子力に求めたことの誤謬が見えなかっただけだ。3・11福島第一原発事故という悲劇を経験するまで、その虚構から醒めることはなかった。 しかし目覚めたとき、そこにあるのは、ありのままの地獄でしかなかった・・・福島の避難民、被害者にとって、まごうことのない悲劇も、しかし、それでも「あくまで、原子力エネルギーは必要だ」との虚勢をはり、大嘘で自らを飾り、国民を虚構に閉じ込めたままで、更なる地獄へと突き落とそうと試みる、我が国の、原子力ムラの亡者たち、政府や官僚、マスコミ、御用学者たちの、事故前と何ら全く変わっていない、ありのままの姿が、今現在もむき出しにされている……。 ○中長期のエネルギー戦略をとりまとめる責任者 古川元久国家戦略担当大臣 などなど……この程度の「識者」だか、企業家だか、学者だか知らないが、この程度の連中が、「我が国の科学技術は依然優秀だから」と豪語して止まない……そんな、エセ学者や技術者しか輩出しないような、この日本という国の「民主主義」とは、いったい何なのか……? 福島第一原発事故が起こる以前での、度重なる原子力発電所事故があったにもかかわらず、そして、今回の3・11福島第一原発事故で「日本人のいのち」が「危機」が宣告されたにもかかわらず、今回も、またまた、「経済成長とエネルギー維持政策堅持」という『正論』が横行氾濫する有様!! 過去40年間の原発による「いのちへの脅かし」の上に、3・11事故による、さらなる「いのちへの脅かし」を背負い込まされた私たち日本国民、一般市民大衆が、自らの頭で放射能の危険性を思考することを停止し、「いのちを根元的に脅かすもの」であることへと思索を廻らすことへの「思考停止状態」へと誘導させられ、洗脳させられ、その結果として、「原子炉再稼働」強行を阻止できなかった。そんな我が国の市民大衆に、これから与えられるのは、子々孫々まで残される膨大な量の「高濃度汚染の放射性廃棄物」と、何兆円もの膨大な「原子炉解体」「再処理」に伴う天文学的金額の税負担が待っている!! まさに、スペイン同様、犠牲にさせられるのは、この美しい日本の山河を、放射能汚染に追いやった支配階級の者たち、「原子力ムラ」ではなく、一般勤労階級であり、その若者であり、老人であり、母親であり、子々孫々にまで及んで、そんな日本であっても、そこで生きて行かねばならない、子々孫々にまで及ぶ子どもたちである。 かつては「国破れて山河あり」であった。だが、それが今や、「原発事故起こって山河なし」だ!! 福島第一原発事故の責任は未だに誰一人罰せられず、福島の被害者への保障も皆無に近い現状で、電気の必要性を根拠に原子力発電を、いまだに主張し続ける、この連中の、身勝手さ、いのちの軽視(=ソロバン勘定最優先)には、ただただ、呆れる……。 「原子力発電は原子核エネルギーの平和的利用であって、その軍事利用(核兵器)とは、全く違う性質のものだ」とか、「我が国は原子力技術を維持する責任がある」「要は、リスク(危険)と便宜性の、バランスの問題だ」「原発は止めたいが電気が無くなるのは困るから……」 といった、問題のすり替え論、全く愚かとしか言いようがない発言が、原発推進論者だけでなく、脱原発、反原発論者でさえ、堂々と語られるのが昨今の風潮である…… 放射能には安全値など、そもそも存在しない。放射能は、どんな科学技術を駆使しても、いのちを損なうことを防ぐことは出来ない。「この程度の微量放射能だから問題無し」とするのは、人体の「免疫機能」の力で「相殺」された結果であって、免疫機能が働こうと働くまいとに関わらず、放射能によるいのち(生命現象)への「破壊現象」「その毒性」は、少しも減らず、厳然として存在しているのである。この事実を、免疫力に依拠した「相殺論」を引き合いに出して、破壊もするが免疫再生力で相殺され、再生されるから安全だ……との主張は、人に傷を負わせておきながら、自然治癒力で傷が治癒したから、大したケガではない……!と加害者が言い張るようなもので、生命を冒涜する論だ。 原発賛成派だけでなく、反原発・脱原発の人でも、放射能測定に携わる一般市民までもが、「放射能レベルが政府の基準値以下だから心配しなくてよい。安心だ!」などと、言い出す始末……!放射能の何たるかを忘れた、本末転倒の現象まで起こっている。 放射能とはどういうものなのか?今一度、基本に立ち返って、根本から考え直すべき。 狂っているのはスペインだけではない!!いまや、日本も完全に狂っている! 原子力発電に触手を伸ばした40年前(大阪万博)のあの時から、狂い始めていた日本人が、今回の3・11福島第一原発事故後、1年半経過して、ますますその狂気の度合いを深めつつある! この狂気から目覚めるために、私は以下の5点を、しっかり再確認することが、必須不可欠の大前提である。 (1)原子力の平和利用はその軍事利用と表裏一体である 以上の5つの基準が、しっかり保持されねばならないと私(諸留)は思う。
------------------------------------------------------- 社会が激動している今この時 《パレスチナに平和を京都の会》 "Peace for Palestine" in Kyoto Movement(PPKM) 代表:諸留(モロトメ)能興(ヨシオキ) ******************* | ||