原発通信 280号2012/08/22発行
政府の「討論型世論調査(DP)」では半数が「原発ゼロ」と このような三択の設問では、中間のところに集まるものですが(たぶんやった方もそれを予想していたでしょうが)、調査結果の発表によると、「ゼロ」を選択した人が討論実施前に比べ、5.6ポイント増えて46.7%に上ったということです。 野田首相と反原発首都圏連合の人たちとの面会、ネットで見ていましたが、反原連の人たちは、目がきちんと座っていましたが、野田首相、またもや“泳いで”いました。目は口ほどにものを言うの例え通りでしょう。しかし、「もう、終わったことだよ」という顔していました。 また一方、公開されている東電のテレビ会議の様子、次から次といい加減なことの様子が明らかになってきます。こんな連中が…と、言葉を失ってしまいます。何の責任も感じることのない大日本帝国軍部上層部と同様、無責任、恥知らず、まずいことはすべて「天災」とばかり、自らの責を問うことをしない連中と同根です。 ▶討論型世論調査:「原発ゼロ」46.7%に増加 【新たなエネルギー政策の策定に向け政府が今月実施した「討論型世論調査(DP)」の実行委員会は22日、調査結果を発表した。2030年の総発電量に占める原子力発電の比率について「ゼロ」を支持した参加者の割合は、討論実施前の41.1%から46.7%に増え、「15%」と「20~25%」を含めた3案の中で最大となった。「15%」と「20~25%」の2案は横ばいか減少した。 「15%」を最も高く支持した人の割合は討論前後で18.2%から15.4%に減少、「20~25%」は13.3%から13.0%とほぼ横ばいだった】 ▶<原発再稼働抗議>首相、22日に市民団体メンバーと面会 本日14時から面会が始まったようで、途中からでしたが、ネットで見ていました。野田首相、「我々は基本的には脱原発、中長期的な展望のなかで原発に依存しない社会をめざしている」などとぬけぬけといっていました。また、再稼働の決定にあたっては「これまでの知見と対策を踏まえて安全性を確認した上で、国民生活への影響などを総合的に判断した。特定の経済団体に影響されての判断ではない」と白々しくいっていました。安全には上限がないといい、これまで得た知見等にもとづいてだとも。その「これまでの知見と対策」ではだめだったというのが福島第一原発事故ではなかったかといいたい。だからこそ「想定外」などという言葉で逃げようとしていると。そもそも、福島第一の事故原因でさえ分からないと書く事故調報告があるなかでです。 東電公開テレビ会議録画から見えてくるもの まあ、人間模様が見えるというか、そんなのんきなことを言っている時ではないのに、東京の本店にいる連中の体たらくな姿には語る言葉が見つからないほどです。東日本がダメになる、3000万人が放り出されるかという瀬戸際だというのに薄笑いを浮かべながら事に当たれる神経、メンタル・タフ(とか何とかいうそうです)、見上げたもんです。先日、長野県だったか、田園風景しかない村のイベント(地域を訪ね歩く)について、ある会社の人事担当の人がメンタル・タフになる効用としてこのイベントに注目したというニュースをやっていましたが、そんなところへ行くより東電に行って松本クンを講師にしたらいいと悪い冗談も言いたくなるひどさです。(そのイベントを悪くいっているのでは決してないことお断りしておきます) ▶福島第1原発事故 東電テレビ会議公開映像検証 現場、募るいらだち 首脳、危機感乏しく 事実かどうかわからないなか水位計が突然復旧したため、免震重要棟で拍手と歓声が上がったそうです。ワラをもつかむ感じで懸命に事に当たっていた現場では、水位計が下がったことに安堵したのだろうということは想像できます。それに対して、本店、「誰かの誕生日?」などとおどけて言ったそうです。何度も書いていますが、本当に事の重大性を全く理解していない連中だった(いや、今も)ということです。原発稼働不適格者の集まりだということを改めて確認できます。 【本店「高圧の状態で炉心損傷しますと、ほんの数時間で格納容器破損までいきます」】 この段階で、もうメルトダウンだといっている。 【<本店「県庁、具体的には知事から、『今、北西の風で、観測された放射線量から健康に被害が出る心配はない』との文言を入れたい、入れてほしいとの話があった。こう言いたいのは山々だが、これでいいか諮りたい」(14日午後1時半ごろ)>】 福島の佐藤雄平知事、当初からメルトダウンのベントでの放射性物質の放出も知っていたということになります。 【<本店「日曜日(3月13日)のテレビ報道ぶりが非常によくない。特にTBSの関口宏氏のサンデーモーニングでは、東電は何もやっていないという言いっぷりが出された。営業ルートで今すぐ抗議している。他にも目に余る部分があればきちんと厳正に対処する」(13日午前11時ごろ)>】 これを圧力といわないで何というのでしょう。 それにしても、武藤栄副社長。たびたび発言がありますが、あのウドの大木のような図体で、日頃から下品な物言いをしているのでしょう、「最低の男」です。 武藤栄(左)と高橋明男 ガソリンがない、軽油がないと右往左往しているというのに、 【<高橋明男フェロー「ポリバケツに入れて持って行ってやって」(14日午後9時半過ぎ)>】 ポリバケツでだと! どうかしています。この連中! 【<吉田氏「そりゃね、用意してと言うだけの人はうらやましいよ。なあ、誰だってそう思うよ。】 この高橋にしてもろくでなしです。本当に、どうかしている連中しか本店にはいなかったということなのでしょう。弁護するわけではありませんが、菅前首相が怒鳴りつけたという気持ちよくわかります。きっとへらへらと薄笑い浮かべ、「スルメイカでもかじりながら」やっていたのでしょう。 ▶福島第1原発事故 東電テレビ会議公開映像検証 二見常夫・東工大特任教授の話 【東京電力福島第1原発所長を務めた二見常夫・東京工業大特任教授(69)は、「だれが指揮命令するのか、という危機管理の根幹を明確にしないまま事故対応に突入したのではないか」と指摘】 まったくその通りなのでしょう。しかし、この御仁も、きっと「ああ、俺の知己じゃなくてよかった」と思っているに違いないのです。当事者でなくなれば、「正しいこと」をいうという見本。 【テレビ会議では終始一貫、清水正孝社長、原子力トップの武藤栄副社長らが会議室真ん中に陣取り、陣頭指揮を執っていると想像していた。だが武藤氏らが不在の場面が多く、本来の指揮命令系統ではないフェローらが入れ代わり立ち代わり、吉田昌郎所長に指示していた】 【その典型は3月14日午後4時15分以降の映像だ。2号機について現場が圧力抑制室経由のベント(排気)操作に全力を挙げている最中に、班目春樹・原子力安全委員長からSR弁(逃がし安全弁)を開けて、炉内圧力を下げて注水することを優先するよう電話で求められた際、吉田氏は何度か本店に「技術的に大丈夫か」と確認した。 しかし、武藤氏は移動中のため不在で、結局、ベントにてこずる様子を見ていた非技術系の社長の指示で委員長指示に従った。本来は現場対応に追われる吉田氏に代わり、原子力担当の武藤氏が技術的妥当性を判断すべきだった】 【武黒氏は海水による再臨界を懸念する官邸の意向をそんたくし、吉田氏に中断を指示した。しかし海水注入は、燃料溶融を阻止するための極めて技術的な手段であり、政治介入の余地はない。東電は体を張って海水注入の妥当性を官邸に説明し、現場を守るべきだった】 ここにあるように武黒の“ヒラメぶり”はあきれるばかりです。このことについてはもう何回も書きました。 ▶<福島第1原発>プール冷却遅れ爆発 「ヘリで氷投下」断念 【ヘリコプターからプールへ大量の氷を落として冷却する作戦も検討したが、周辺の放射線量が上昇し、パイロットの手配がつかずに断念。後手に回ったプール対策が事故を拡大させたことが裏付けられた】 当初、自衛隊さえも「逃げ出す」事態だったからには、誰がヘリをということだったのでしょう。 ▶東電テレビ会議映像、危機感欠如あらわ 保安院・圧力上昇「公表を控えて」 東電本店・海水注入「もったいない」 【高橋明男フェローが「要はさ、(12日に水素爆発した)1号機を3号機に変えただけだってんでしょ。それで水素爆発かどうかわかんないけれど、保安院が水素爆発と言っているから、もういいんじゃないの。この水素爆発で」と爆発の確認作業をせずに保安院発表を追認することを提案。さらに「これは保安院がさっきテレビで水素爆発と言っていたけど、歩調を合わせた方がいいと思うよ」と発言した】 この無責任、どうでもいいさ加減、なんと形容したらいいのか、もう言葉がありません。 ▶本社幹部が右往左往=「地震、やめてくれ」―原子力部門出身者も・東電テレビ会議 【「また地震だ。やめてくれ、もう」。14日午後、圧力が高まった2号機原子炉の爆発を防ぐため、格納容器の水蒸気を放出する「ベント」や海水注入の進捗(しんちょく)状況を現場から聞いていた本社の高橋明男フェローは、携帯電話から鳴り響く地震速報の音に、声をうわずらせた】 取り上げるところが、こうも違うと、この高橋、「いい人」のように思ってしまいます。こういうところにマスコミの「操作」が見えるのです。 ▶「未公開部分も公開を」と枝野氏 東電の会議映像で 【枝野幸男経済産業相は21日、現在公開の対象となっていない昨年3月16日以降の映像についても「必要な部分は今のやり方に準じて(東電が)公開すると思う」と述べ、東電が今後公開するとの認識を示した】 ▶福島第1原発事故 東電テレビ会議、3月16日以降の映像も公表へ 【東京電力は21日、東日本大震災直後から録画している社内テレビ会議の映像について、未公開の昨年3月16日以降の映像も公表する方針を明らかにした】 東電、何が原因か調査する? 原発が爆発したからだろうに! はじめっから、タコには出なかったからと安心などしていません。やっぱり!と誰もが思っていることでしょう。しかし、「原因を調べたい」などとよく言えたものです。調べなくともはっきりしています。フクイチが爆発したからです。ホットスポットだろうがなんだろうが、それによって放射能がばら撒かれたという事実だけがあるのです。 ▶アイナメから基準の250倍の放射性物質 【福島県の沿岸で東京電力が行った魚介類の調査で、アイナメから食品の基準の250倍を超え、これまでの調査で最大となる放射性セシウムが検出】 【今回の調査では、これ以外にもクロソイやコモンカスベなど9種類の魚介類で1キログラム当たり最大で490ベクレルなど、国の基準を上回る放射性セシウムが検出されました】 【東京電力は、「これまで海底の土から検出された1キログラム当たり25ベクレル前後と比較すると高いので、いわゆるホットスポットにいた餌を食べたと考えられる。来週から9月末まで、毎週、今回と同じ沖合1キロを中心に2キロ四方でアイナメと、餌になるエビやゴカイ、それに海底土を採取して原因を調べたい」と】 ▶アイナメから2.5万ベクレル=セシウム濃度、過去最高値―福島第1から20キロ沖 【一般食品のセシウム基準値(同100ベクレル)の258倍。1キロ食べた場合の内部被ばく線量は約0.4ミリシーベルトと推定】 ▶福島第1原発事故 福島プルトニウム2次調査 新たに10地点で検出 【文部科学省は21日、東京電力福島第1原発100キロ圏内の62地点の土壌に含まれるプルトニウム2次調査結果を発表した。前回の検出地点の近くを中心に調べ、福島県南相馬市原町区の旧緊急時避難準備区域2地点で初検出するなど、飯舘村、浪江町、大熊町の計10地点から新たに事故で放出されたと見られるプルトニウム238、239、240を検出した】 ▶矢板で飼育の和牛 基準超え 【矢板市で飼育された牛の肉から1キログラムあたり130ベクレルの放射性物質が検出され県は今年度から導入した独自の基準を上回っているとしてこの牛の肉を出荷しないよう農家に求め肉は市場に出回っていないという】 防災訓練 静岡では初めて米軍が参加しての訓練 関東大震災が起きた9月1日の防災の日を前に各地で防災訓練の要項が発表されています。新潟では、テロを想定しての図上訓練を行ったとのこと。静岡県では、浜岡原発もあることから、今年は米軍も参加しての防災訓練ということです。しかし、ここで再確認しておかなければならないことは、軍隊は「救助隊=救助組織」ではないということです。あの仙谷は「撤回」しましたが、軍隊は「暴力装置」だということを忘れてはなりません。 加えて、静岡では富士山噴火の問題もあります。富士山、噴火だけではなく、それによっての山体崩壊まで想定しなければといっています。 ▶県国民保護図上訓練:原発テロ想定し 東電、県警など140人参加/新潟 【柏崎刈羽原発でのテロを想定した「県国民保護図上訓練」が21日、県庁であった。東電福島第1原発事故を受け、今回初めて原発でのテロを想定した訓練を行った。 県や県警のほか、東電、消防庁、第9管区海上保安本部など19機関の約140人が参加。武装したテログループが柏崎刈羽原発を襲撃して多数の死傷者が発生し、原発の外部電源喪失や原子炉冷却機能喪失といった原子力災害が発生したとの想定で行われた】 【原発から半径5キロ以内の住民約2万人の即時避難を決め、避難手順などを確認】 ▶県総合防災訓練:79万人、米海兵隊も初参加──25日~来月3日/静岡 【県は25日から9月3日まで県内全35市町で行われる今年度の県総合防災訓練の概要を発表した。期間中は計約79万人が参加する見込み。静岡空港を基幹的広域防災拠点と位置づけるほか、中部電力浜岡原発で原発冷却機能の復旧訓練も実施】 【メーンは9月2日に静岡空港、浜岡原発、磐田市を中心に実施する実動訓練。1万7750人が参加予定で、今回から初めて沖縄の米軍海兵隊が参加予定】 【浜岡原発では、津波により全交流電源喪失・冷却機能喪失と想定。復旧に向け、自衛隊による敷地付近のがれきの撤去や米軍(キャンプ座間)による敷地付近でのモニタリングなどの訓練が行われる】 ▶中部電力:浜岡原発の敷地や周辺、過去の津波調査へ 5地域で堆積物採取/静岡 【中部電力は21日、浜岡原子力発電所(御前崎市)の敷地内やその周辺で、過去の津波の発生状況を調べるための堆積(たいせき)物調査を今月末から行うと発表した。東日本大震災を受け、国の原子力安全委員会などが、原発敷地周辺での津波堆積物調査の必要性を指摘したため】 ▶県防災会議:火山分科会、噴火想定し活発論議 富士山の山体崩壊も/静岡 【県は来年6月の策定を目指す第4次地震被害想定で富士山噴火への対応なども盛り込む方針】 【富士山が山体崩壊を起こした場合の被災人口について試算を公表。東側に崩れた場合約40万人が被災するなどと指摘】 ▶原発事故は阿久根市にも連絡 【県が川内原発で事故が起きた際に防災対策を重点的に充実すべき範囲を拡大したことを受け、九州電力は原発事故について連絡する自治体に阿久根市を加えました。……国は、原子力災害対策特別措置法に基づいて九州電力に川内原発の事故に備えた防災計画を作ることを義務づけ、この中で原発事故が起きた際には県と薩摩川内市、それにいちき串木野市に連絡することを定めています。……九州電力はこの計画について県が川内原発で事故が起きた際に防災対策を重点的に充実すべき範囲をこれまでの10キロから20キロに拡大したことを受けてこのほど内容を修正しました。……それによりますと、原発事故が起きた際の連絡先として半分ほどの地域が原発から20キロの範囲に含まれることになった阿久根市を新たに加えました】 ▼原子力ムラ 今日の「No problem!」 ▶日本原子力学会、福島第1原発事故についての調査委員会を発足 【日本原子力学会は、東京電力福島第1原発事故についての調査委員会を発足させた。……日本原子力学会は、研究者や技術者など、原子力の専門家で構成される組織で、事故調査委員会では、原発事故と除染や住民の被ばくなど、その後の対応について、海外の知見なども取り入れながら、科学的・専門的な視点で検証することにしている。……そのうえで、今後の原子力の安全な運営に向けて改善策を提示したいという】 まあ、自分で自分の首を絞めるような内容になるわけはないでしょう。いかに、うまくごまかせることができるかと苦心はするでしょうが。金融工学とやらと同様、さまざまな数式をこさえて、たぶらかすことでしょう。 ▶福島第1原発4号機で高濃度汚染水がたまっているのが見つかる 【14日午前11時15分ごろ、4号機のタービン建屋1階にある電源室の床に大量の水がたまっているのをパトロール中の社員が発見した。……作業員らが調べたところ、この部屋の隣にある3号機の高濃度汚染水を移送する配管に小さな穴が開いていて、そこから1リットルあたり、およそ7,700万ベクレル(Bq)の放射性セシウムを含む汚染水4.2トンが漏れ出した可能性があるという。……海などへの流出はないとしているが、東京電力でくわしい原因を調べている】 首相官邸前抗議行動、反貧困に続き、今度はTPPです。 首相官邸前、毎日が活気というより、人々の怒りが集積する場と化してきています。火曜日はTPP、水曜日が反貧困、金曜日が反原発と1日おきです。これほどまでに人々=市民が声を上げる時というのはあったでしょうか。民主党政権になり、ある意味「政治の敷居」が低くなったのかもしれません。その意味では民主党政権の功績ともいえるかもしれません。 ▶STOP TPP! 官邸前アクション スタート! 火曜日も官邸前にGO!初日は300人が集まった! 【2012年8月21日(火)午後6時、残暑も厳しい中、首相官邸前にて「STOP TPP!官邸前アクション」の初回が行なわれた。集まったのは約300人。官邸前行動の初日としては最も多いという。主催は、安田美絵さん(『サルでもわかるTPP』著者)、内田聖子(アジア太平洋資料センター事務局長)、坂口正明さん(全国食健連)など、これまでTPP反対運動を行なってきた呼びかけ人からなる実行委員会だ】 【この日は、国会議員3名(紙智子参議院議員・共産党、田村智子参議院議員・共産党、首藤信彦衆議員議員・民主党)の他、北沢洋子さん(国際問題評論家)などのほか、日ごろTPP反対運動に取り組む団体・個人がかわるがわる熱いメッセージを話した】 | ||||