原発通信 281号2012/08/23発行
![]() 昨日の面会は「NHK青年の主張」だったのか! 昨日行なわれた野田ドジョウ首相と首都圏反原発連合との面会、さすが自分でドジョウといっているだけあります。のらりくらりはしても目が物語っていたと思います。ニュースでは野田の眼だけを大アップしていました。きっと小生と同じことを思ったカメラマンと編集者がいたのでしょう。野田首相の目、それほど落ち着いていませんでした。 反原連のミサオさんが「福島の事故が本当に収束しておらず、今、安全性を保てていない政府が、どうして安全だと言えるのか?」と問いただしたのに対し、「政府側はグウの音も出なかった。だが、官邸報道部のカメラは政府側の方に首を振らない」でいたようです(田中龍作ジャーナルより、下記)。 また、「インディペンデント・メディアが同行できるよう、官邸側と粘り強く交渉してくれた」ようでしたが、やはり、「ひとっこ一人入れなかった」とのことです。 その理由は、ミサオさんによれば、「記者クラブが拒んだ」とのことです(田中龍作ジャーナル)。情報を「独占」し、「商品」にしなければならない大マスコミにとっては、邪魔な存在なのでしょう。まして、「本当」のことを言うとなると。だからネット右翼などに「マスゴミ」などといわれるのです。 さて、彼らとの面会を終えた野田首相は、その後、日本商工会議所の岡村正会頭と面会。岡村は大飯原発再稼働で中小企業は助かっているなどと。そしてその後の記者会見で、原発ゼロには無理があるなどといっていました。中小企業なら、例えばソーラーパネルの設置等で仕事が増えるなど、これはビジネスチャンスだとはならず、何が何でも原発再稼働だとは、構想力、想像力の欠如ということなので、もう引退し若いもんに道を譲ればと思います。 しかも、関西でも節電効果は出ています。関西電力がいうには、猛暑だった2010年比で今年の節電効果は約11%(約310万キロワット)に上ったということです。約5%だった昨夏の2倍以上の節電効果といいます。しかし、なぜ、昨日発表しなかったのかです。 どっちを向いてもこれほどいい加減な話はないでしょう。それほど「原発関連」というのは、説明に窮するデタラメさで動いているということです。 あげくの果てには藤村官房長官、言いたいこと言わせたのだからもうオシマイだと。まるで「青年の主張」とでもいいたげです。このツケは彼らの「就活」(=選挙)の結果に反映されることでしょう。 そういえば、以前の本通信で、このお盆には議員たちは「就活」=自分の選挙区回りで忙しいことでしょうと書きましたが、義父の初盆で連れ合いの実家に帰っていると、早速現われました。「遅くなって申し訳ございませんでした」と。そして線香をあげて帰っていきましたが、同様なこと、各地にみられたことでしょう。ちなみにこの議員、比例区で復活当選した自民党議員です。 反原連のイルコモンズさんが言うように、「政府が子供にでも分かるような言い方で“原発を止めます”と言わない限り、僕らはこの抗議を決して止めない」。粘り強く、「しつっこく」抗議行動と展開していきましょう! ▶反原連、首相に面会 「子供にでもわかるよう“原発止める”と言わない限り抗議を続ける」 ▶<野田首相>面会の反原発団体代表「不完全燃焼」の声 ▶首相との会談に合わせ抗議活動 ▶野田首相、大飯停止要求を拒否=「中長期は脱原発依存」―市民団体と面会 ▶官房長官 反原発グループと再会談ない 【藤村官房長官は記者会見で、「野田総理大臣は、きちんと国の考え方を話し、参加したたくさんの団体も、それぞれ主張を行ったと聞いている。団体の連合体の皆さんとの話は、これで終わったと思う」と】 昔あった(今もやっているのかな?)「NHK青年の主張」ではあるまいし、主張させたのだからオシマイとは人をなめた話です。 「青年の主張」、今は「NHK青春メッセージ」といっているそうです。1989年からそう言っているそうでした。個人的なことですが、小生、小学校の頃、なぜかこれが好きで、よく一人でテレビ中継を見ていたことを急に思い出しました。 山本美香さんの死をご都合主義に利用するな シリア北部アレッポで取材中に死亡したジャーナリストの山本美香さんについて、昨夜のNHKTVニュースウォッチ9で大越キャスターの言っていることが振るっています。山本美香さんの著書から「見たくないものを見ないからといって変わるわけではありません。見ることによって何かが変わるかもしれません」という一文を引いていっていました。まったく山本美香さんの言っているとおりです。しかし、「見たくないものは見ない」「言わない」とジャーナリストの風上にもおけないことをしてきたのはどこの誰だと問いたい。ご都合主義にもほどがある。山本さんに対して失礼極まりないことです。他のキャスターと称する連中も似たようなものでしょう。山本美香さんのご冥福を。 ▶山本さん、あすにも「帰国」=死因は特定されず *ところで、この時事通信の見出し、気になりませんか? 「死因は特定されず」──この事件にあう見出しでしょうか? ▶原子力規制委:人事差し替えず…政府 【政府は23日午前、国会内で開かれた民主党政調幹部会で、原子力規制委員会の政府人事案を差し替えることはないと伝えた】 ▶パブリックコメント:原発ゼロ支持9割 7000件分析 【寄せられた8万9124件のうち約7000件を分析したところ、「ただちに原発ゼロ」が81.0%、「段階的にゼロ」が8.6%だった。原発容認と支持は合わせて約4%にとどまった。残りの約8万件も集計が終わり次第、公表する】 ▶原発ゼロ 民意鮮明 意見公募経過89% 意見聴取会81% ▶志賀原発:破砕帯調査の業者、県「同じで問題ない」──議会総務委/石川 とんでもないことを平気で言っています。共産党の県議に質されての答えが以下です。 【「同じ会社に委託したことに県民から疑念の声が上がっている」とただした。浜田孝・危機管理監は「重要なのは調査の内容や結果がどのようなものになるかだ」と答え、問題ないとの認識を示した。 北陸電力などによると、追加調査を担当するのは、鹿島建設▽ダイヤコンサルタント▽応用地質──の3社による共同企業体(JV】 そう、「重要なのは調査の内容や結果がどのようなものになるか」です。前にも本通信で書きましたが、自分がやって、たんまりカネをもらってやった「仕事」をやり直してみたら、以前の「答」は間違っていましたなんて誰が言うでしょうか。間違っていたといえば、「いい加減だった」ということになり、親会社にも迷惑がかかる…。それなのに、同じ会社に発注してやれるという神経が、もはや尋常ではありません。 ▶福島第1原発事故 大熊町の団体、中間貯蔵施設の早期建設を要望 【東京電力福島第1原発事故の除染で発生した汚染土壌などを一時保管する中間貯蔵施設について、福島県大熊町の市民団体「大熊町町政研究会」(木幡仁代表)が22日、施設の早期建設を求めて、町民1626人分の署名とともに要望書を環境省に提出】 またしても「大熊町」です。この町に何が起きていたのだろうと考えてしまいます。 ▶福島第1原発事故 福島沖試験操業、7魚種を追加へ 【来月初めから新たに7魚種の試験操業をすることを申し合わせた。】 【7魚種はキチジ(キンキ)▽ケガニ▽スルメイカ▽ヤリイカ▽巻き貝のチヂミエゾボラ▽エゾボラモドキ▽ナガバイ。いずれも県のモニタリング調査で1月以降、放射性セシウムは検出限界値未満(ND)が続いていた。相馬市沖約50キロの水深150メートル以深の海域で9月から、沖合底引き網漁で漁獲する】 ▶福島第1原発事故 自家栽培野菜で内部被ばく確認 東大医科研、検査呼びかけ 【市場に流通しない自家栽培の野菜を食べた福島県の70代男性2人が、比較的高い1万ベクレル超の放射性物質を取り込む内部被ばくをしていたことが、東京大医科学研究所の調査で分かった。うち1人は約2万ベクレルに達したが、これによる被ばく線量は年0・85ミリシーベルトで、国が設けた食品からの被ばく限度(年1ミリシーベルト)は下回った。調べた坪倉正治医師は「健康被害が出るレベルではないが、自家栽培の野菜などを食べる場合は検査してほしい」と】 ▶福島第1原発事故 避難区域再編、富岡町が表明 【避難区域の再編で、福島県富岡町の遠藤勝也町長は22日、現在町全域が指定されている警戒区域を「帰還困難区域」など3区域に再編する方針を町議会の全員協議会で表明】 ▶原発審議会委員:寄付金受け取りは14人と訂正…市民団体 ▶抗議団体と首相面会 脱原発世論に押され 「15%誘導」思惑不発 【政府内では当初、15%案を有力視する見方が多く、DPには急速な「原発ゼロ」によるコスト増などへの理解を広げ、世論を15%に誘導する狙いもあった。しかし、実際の議論では安全面への懸念が強まるだけで、思惑は裏目に出た】 まあ、中庸の精神が大好きな日本人ですから、真ん中あたりに集中するだろうと踏んだのでしょう。ふつうならそうでしょうが、こと原発に関してはそうならなかったようです。3.11後を知ってしまったのですから。 ◇報道各社の世論調査と各種調査結果◇ 実施日 原発0% 15% 20~25% 朝日 8/ 4~5 43% 31% 11% NHK 8/10~12 36% 39% 15% 毎日 8/11~12 31% 54% 10% 読売 8/11~12 38% 38% 17% 共同 8/11~12 42% 34% 17% さすがの読売新聞でさえ、38%―38%―17%とせざるを得なかったのでしょう。 ▶会計検査院:東京電力を検査対象に指定 国有化で 【会計検査院は22日、検査官会議を開き、国から1兆円の公的資金を投入された東京電力を検査対象に指定することを決めた。早ければ今秋にも検査を始める。経営合理化や福島第1原発事故の賠償、保有資産などの状況を幅広く検査するとみられる。経営悪化で公的資金を投入された民間企業が検査対象になるのは異例】 【検査院は、巨額の公的資金が適切に使われるかを確認するため、検査が必要と判断】 ▶今夏の節電効果11%=関電が中間報告 【関西電力は23日、今夏のこれまでの節電効果が、猛暑だった2010年比で約11%(約310万キロワット)に上ったと発表した。約5%だった昨夏の2倍以上で、現段階では今夏の節電目標(10%)を達成】 ▼原子力ムラ 今日の「No problem!」 ▶<福島第1原発>男性作業員が心肺停止 病院搬送後に死亡 本来は、このコーナーで扱う事例ではないのですが。このような過酷な籠城環境のなかで働いてくれている人がいるからこそ、「現状」が保たれているのだということを認識しないわけにはいきません。 【福島第1原発で作業していた男性が心肺停止となり、福島県いわき市の病院に救急搬送されたと発表した。県警によると、男性は57歳で同日午後に死亡した。東電は「倒れた原因は不明だが、被ばく線量から放射線の影響ではない」としている。同原発の収束に当たった作業員の死亡は、東電の把握分で過去に4例ある】 【男性は22日午前9時過ぎから、全面マスクと防護服を着用し、作業員5人と汚染水貯蔵タンクの増設に従事】 ▶原発下請け被曝、電力社員の4倍 より危険な業務に従事 【原発で働く電力会社社員に比べ、請負会社など社外の作業員の放射線被曝(ひばく)が平均で約4倍の線量にのぼることがわかった。全体の9割近くが社外の作業員であるため、総被曝線量では約30倍になる】 ▶古川知事:今夏の電力需給「大飯再稼働で余力」 玄海原発の必要性強調/佐賀 久々に登場の古川佐賀県知事です。 【21日の定例記者会見で、関西電力大飯原発の再稼働で電力会社間の融通が可能になっているためとの認識を示した。今後も安価に安定した電力供給をするためには原発の再稼働が必要との考えを改めて強調】 原発を見るたび、「ああカネがうなっている」と思う御仁ですから当然でしょう。 ▶の・ボール:四国電力にはあきれた/愛媛 事務処理能力もないお粗末な四国電力の話です。記者も言っています。【伊方原発を預かる組織の業務がずさんでは、不安を感じてしまう】と。そうでしょうね。 ▶関西電力:普通社債200億円、来月発行 【関西電力は21日、普通社債200億円程度を9月に発行することを明らかにした。過去の社債の償還や修繕費などの設備資金に充てるという】 【償還期間は3年。主幹事は野村証券と大和証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券で、金利などの条件は8月中に決定する】 城南信金の吉原毅さんが言っています。 【原発は、事故の危険性や放射性廃棄物などツケを将来に回す仕組みなのに、メガバンクはなぜ融資するのでしょうか。国が保証しているからです】 【「経団連の加盟企業は自分で原発を買い取って運営できるのか」と斬り込んだ。(9日、テレビ朝日「報道ステーション」) 「そもそも、銀行が融資に応じるはずがない。最後は国民負担と見越して自分たちにできもしないこと(原発継続)を提言する。それで『現実的』とは話がさかさま、無責任きわまりない」と歯に衣(きぬ)着せぬ名調子】 儲けだけは自分たちへ、何かあったら国(=税金=国民)がなんとかするだろうというスケベ根性丸出しという話です。そもそも、そろばん高い連中です、リスクマネージメントやらを「得意」としているのですから、彼らが手を出すということは……と考えなければなりません。 ▼吉原毅さんの発言 ▶特集ワイド:原発の呪縛・日本よ! 城南信用金庫理事長・吉原毅さん ▶風知草:信金理事長の直球=山田孝男 ▼トンデモナイ話 ▶原子力学会のトンデモナイ中身 日本原子力学会の役員名簿が酷過ぎる! 会長「日本原子力研究開発機構」副会長「東芝」 20人中9人が原発運営企業・団体 昨日の本通信で、原子力学会が「事故調」を発足させたと書きましたが、その原子力学会、ヒドイ陣営です。やはり、これではとてもとてもです。はじめから結果は想像できるというものです。 赤で囲われていないものも、マフィアの一員です。 http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65820553.html ▶オスプレイ:ハワイの訓練を中止 環境への影響を考慮 ハワイ2か所での「訓練」は中止だそうです。それに比べわが国は…。 尖閣、竹島、北方四島と、周辺部がここへきてザワザワしています。これについてはまた改めて。 | ||