原発通信 294号2012/09/12発行
「原発は専門家に任せる」と伸晃クン。 昨夜のテレビ朝日報道ステーションに次期自民党総裁選に出馬の石原伸晃が出演。古舘氏の突っ込みに、たじたじでした。話初めに声を甲高く荒げる喋り方は、好感度低しと思いましたが、皆さんはどう思われましたか。まあ、自信ない人の喋り方ではあるでしょう。そして、古舘氏の次から次の突っ込みによせばいいのに“余計な”発言までするし、産経新聞からは、「甘い」などといわれるしまつです。(産経新聞)。 原発問題には、再稼働について、わけのわからぬことを「はっきり」言って煙に巻こうとしたようですが、そこは「言葉の世界」で飯を食っている古舘氏、食い下がり、言質を取ろうと仕掛けます。すると、手続き論でなんやかんやといっていたのですが、最後は、「私は素人だから、専門家に任せる」などと連呼するしまつ。 と、なると、「自分が専門でないこと」は、すべて「専門家」に任せるという論になるわけで、彼、到底、福祉から教育、防衛、交通、貿易…まで網羅したマルチ的専門家(本人は財政が専門などといっていましたが、それ以外は専門外ということになってしまう)とは思えません。となると、そんな「わからない」人に政治などまかせていいのかという問題になってしまいます。総理大臣、いや内閣不要論になってしまうわけです。 そもそも、その原発・原子力の「専門家」と称する連中ですが、この5月に起きた六ケ所村のウラン濃縮工場での非常用ディーゼル発電機1台が起動しなかったトラブルで、その原因をなんと、設置以来点検などしてなかったと。それも、「壊れるとは思っていなかったから点検項目に入れておかなかった」というまさに、アンゼン教もここまで来たかというお粗末さです(下記)。機械を扱う資格さえない連中です。形あるものはいつか壊れるという、この世の常=大原則さえ理解できない連中です。「諸行無常」と聞いて「平家物語」としか答えられない連中なのでしょう。そんな連中を「専門家」だの、といって頼みにすることはできません。 伸晃クン、すぐカッカ(と入力したら閣下と出ました。さすが親子、通ずるもの有りか)するようです。ならば、喋らせた方がいいようです。「口は災いのもと」という言葉もありますから。喋らせれば喋らせるほど、墓穴を掘るかもしれません。 さて、親父は親父で、尖閣諸島を購入し、民主党政権の鼻を明かすつもりでいたのですが、トンビに油揚げをさらわれたかのように、「残念、残念」と連発していたそうです。また、国が購入したという一報が入ったときは、「国に寄付金を渡す」などといっていましたが、「条件が整備されないと渡さない」などといっているそうです。よっぽど悔しかったのでしょう。自分の人生の最後の大仕事(うん?オリンピックがあるか?)とでも思っていたのでしょう。ところが、いざ、ふたを開けたら…。人生の終末で味わう、3度目(?)の苦い挫折でしょう。 ▶石原幹事長「中国は尖閣に攻めてこない」 ▶エネルギー・環境戦略:「30年代原発ゼロ」明記へ 青森に振興策──政府 【政府は11日、東京電力福島第1原発事故を受けた新たなエネルギー・環境戦略で、原発の稼働を2030年代にゼロとする目標を明記することで最終調整に入った。複数の政府関係者が明らかにした。原発ゼロ方針に反発する青森県には新戦略の骨子を示し、地域経済への影響を極力抑える地域振興策を提示した模様だ。今週末にもエネルギー・環境会議を開いて正式決定する】 【野田佳彦首相は10日の会見で、将来の原発政策について、民主党が示した▽原発の新増設は行わない▽40年運転制限を厳格に適用▽再稼働は原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ──との3原則を踏襲することを明言】 しかし、 【エネルギー政策は現行の法制度でも3年ごとの見直しが規定されているほか、次期衆院選後に政権の枠組みが変われば変更される可能性もある】 学術会議、核廃棄物処理白紙見直しをと 高レベル放射性廃棄物の処理は、原発マフィアにとって頭の痛いところです。カネで何とか黙らせてやってしまえと思っていたのでしょうが、なかなかうまくいかず、3.11以後は、それまで隠しに隠していた問題がさらけ出され、暗礁に乗り上げてしまっています。 この問題がクリア(たぶんできないでしょう)しない限り、原発・原子力利用は前へ進めないことが明らかになってしまいました。 下記の記事ですが、東京新聞はその重大性を書いていますが、日本テレビの「のんき」な報道にはあきれてしまいます。読み比べてください。その緊張感のなさがわかるというのもです。どこかで問題になっている「ゴミ問題」という扱いです。 ▶核のごみ 地中廃棄「白紙に」 学術会議 原子力委へ提言 【打開策を検討していた日本学術会議(会長・大西隆東大大学院教授)は十一日、地中深くに埋める国の最終処分計画は安全とは言えないとし、処分に関する政策の白紙見直しを求める提言をまとめ、原子力委員会に提出した】 【使用済み核燃料を再処理した後に出る高レベル放射性廃棄物は、毎時一五〇〇シーベルト(一五〇万ミリシーベルト)と人がわずか二十秒で死に至る放射線を放つ。国は二〇〇〇年、廃棄物をガラスで固め、地下三百メートル以上の地層に埋める「地層処分」とするよう関連法で決めたが、処分地は白紙のままだ】 【今回の提言は、原子力委から打開の糸口を見つけてほしいと要請された学術会議が、原子力工学や地質学、歴史、社会、経済など各分野の研究者で検討委をつくり、二年がかりで検討してきた。 提言は、地震や火山活動が活発な日本列島で、万年単位で安定した地層を見つけるのは難しいと指摘】 【交付金などのお金で処分地を決めようとする方針は、「かえって問題を深刻化させる」と根源的な問題があると指摘した。その上で、「政策をいったん白紙に戻す覚悟で見直すべきだ」と結論付けた】 【安全な処分方法が見つかるまでの数十~数百年の間は、地中深くではなく、いつでも移送できる形で暫定的に保管するよう提言。保管を担う地域には交付金などで無理やり納得させるのではなく、保管地に政府機能の一部を移転して安全性への信頼を得るべきだと訴えた】 ▶高レベル核廃棄物処分の見直しを~学術会議 【原発の使用済み核燃料から出る高レベルの放射性廃棄物の処分をめぐって、日本学術会議は「白紙に戻す覚悟で見直すべき」などとする提言をまとめ、11日に国の原子力委員会に提出した】 【提言では、この地層処分について、「今の科学的見地ではリスクが高すぎる」として、将来的に取り出しが可能な状態で数十年間から数百年間、暫定的に保管し、その間に最終処分の方法などを決めるよう求めている。 また、「原子力政策についての社会的合意がないままに、処分場選びを進めるのは適切ではない」として、国の計画をいったん白紙に戻す覚悟で見直すべきだとしている】 ▶社説:核燃サイクル 核抑止は論拠にならぬ 【日本が核兵器を持つことは核拡散防止条約(NPT)体制の否定を意味し、北朝鮮のように国際的な孤立を招くことになる。エネルギー禁輸などの制裁を受ければ、資源を海外に頼る日本は生きていけない。狭い国土で核実験は困難だし、核の傘を提供している米国は日米同盟の否定と受け止めるだろう。アジアの核軍拡にもつながることを考えれば、日本の核武装がもたらすマイナスの影響は計り知れない】 【日本は潜在的な核抑止にこだわるより、核保有国にはならないことを明確にして核軍縮を先導する方が世界の信頼を得られるだろう。核燃サイクルの是非は、防衛政策ではなくエネルギー政策の観点で現実的に判断すべきである】とは、毎日新聞です。 ▶東電:柏崎再稼働狙い 原子力監視委を設置 【東京電力は11日、原発部門を社外有識者で監視する「原子力改革監視委員会」を同日付で設置したと発表した。閉鎖性が指摘される同部門の透明性を強調し、経営再建に不可欠とする柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働につなげるのが狙いとみられる】 【委員には下河辺会長のほか▽米原子力規制委員会元委員長のデール・クライン氏▽日立製作所の原子力技術者出身で経営コンサルタントの大前研一氏▽名古屋高検の元検事長で国会事故調委員を務めた桜井正史氏──の4人】 【社内を直接監査する権限はない。実質的な業務は、社内の中堅・若手を中心に原子力部門の改革案を練る「原子力改革特別タスクフォース」の追認にとどまる可能性】 ▶原子力規制庁長官に池田前警視総監を起用へ この池田克彦前警視総監、原子力問題にどれだけの見識があるのでしょうか。とても「専門家」などと呼べる人ではないでしょう。というのも、昨夜のテレ朝「報道ステーション」でキャスターの古舘さんに、盛んに「再稼働派」と突っ込まれ、「私は素人ですから、専門家に任せる」との発言をくどいくらい繰り返していたものですから。 【原子力規制委員会の事務局となる「原子力規制庁」の初代長官に、池田克彦前警視総監(59)の起用が11日固まった。 規制庁長官は、原子力規制委の委員長に内定した田中俊一氏が任命する形を取る。次長には、森本英香・内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室長を起用する方向だ】 ▶<原子力規制委員会>19日発足を閣議決定、首相5氏任命 【事務局となる原子力規制庁の長官や職員人事などの準備を進めるため、政府は11日付で田中氏と、委員候補の中村佳代子・日本アイソトープ協会プロジェクトチーム主査▽更田豊志・日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究部門副部門長▽大島賢三・元国連大使▽島崎邦彦・地震予知連絡会会長──の計5人を内閣官房参与に任命した】 ▶「原子力規制委員会発足」 閣議決定の日、経産省包囲 【委員5人のうち3人は、原子力村の恩恵に浴していた人達で違法性さえ指摘されている。委員長候補の田中俊一・前原子力委員会委員長代理は、「3・11」後も原子力推進のために謀議を練る秘密会合に出席していたことが明らかになっている。 にもかかわらず、田中俊一氏は13日にも福島県庁を訪問する予定だ。事故の教訓は何だったのかと言いたくなる。 呆れ果てるのは原子力村の総本山とも言える経産省だ。5日、超党派で作る「原発ゼロの会」が経産(資源エネルギー庁)官僚らを呼び、国会内で「再処理」について事情を聴いた時のことだ。 経産官僚は原発を止めれば莫大な費用がかかる、と説明した。核廃棄物の直接処理は環境にも負荷がかかる、とも。再処理を進めたいがための理屈である。だがこのイカサマは河野太郎議員(自民)が素早く見抜いた。 河野議員は「再処理で出てくるプルトニウムの処理にかかる費用は全く見積もられていないではないか」と厳しく追及した。経産官僚は涙目でうつむく他なかった】 ▶六ケ所村のウラン濃縮工場:発電機トラブル、原因は回路劣化/青森 【六ケ所村のウラン濃縮工場で5月に非常用ディーゼル発電機1台が正常に起動しなかったトラブルで、日本原燃は10日、電気回路が劣化し故障したのが原因】 【発電機を設置した89年以来、一度も点検していなかった。「故障するという認識がなく、点検項目に入っていなかった」と説明】 この原子力ムラというか原発を動かしている連中、原発どころか、あらゆるプラントに携わらせてはなりません。「モノは壊れる」ということわかっていません。「形あるものはいつか壊れる」という大前提を理解していないようです。「諸行無常」と聞いて、条件反射的に「平家物語」と答えることができる頭脳はお持ちのようでしょうが、それ以上でも、それ以下でもないということを自ら明らかにしたようです。 ▶保有プルトニウム減少 毎日新聞2012年9月12日総合・経済面 【内閣府は11日、日本が保有する核分裂性プルトニウムは2011年末時点で29.6トンで、前年に比べ0.5トン減少したと原子力委員会に報告した。国内で保管中が6.3トン、使用済み核燃料の再処理を委託した英国とフランスに保管中が23.3トン。再処理前の使用済み燃料中のプルトニウム量は含まれていない。九州電力玄海原発3号機(佐賀県)でプルサーマル用にプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を原子炉に入れる一方、日本原燃の再処理工場(青森県)が稼働せず新たなプルトニウムは取り出されなかったため、保有量は減少した】 ▶エネルギー政策転換、使用済み核燃料2442体が返還の可能性 運転への影響必至/福井 【再処理工場を運営する日本原燃と地元自治体は98年、再処理が困難になれば使用済み核燃料を各原発に返還するとの覚書を締結しており、エネルギー政策の転換でこの覚書が適用される可能性が浮上している。県内の原発は、使用済み核燃料を保管するプールの容量が残り少なく、今後の運転への影響は必至だ】 ▶福島県富岡町:遠藤町長、管理型処分場受け入れ拒否の考え 【遠藤勝也町長は11日の町議会一般質問で、住民への一律賠償を国が認めない場合、震災がれきなどの管理型処分場の受け入れを拒否する考えを示した。国と対立する遠藤町長は、年内予定だった避難区域再編でも越年の見通しを毎日新聞の取材に示したばかりで、徹底抗戦の構えだ】 ▶<福島第1原発事故>東電、写真600枚を公開 【600枚の中には、津波が押し寄せた後、水面が通常よりも極端に低くなる「引き波」をとらえたものや、水につかったタービン建屋の地下、水素爆発する前日の4号機建屋の写真などもある】 【東電は「どのくらいの枚数の写真があるのか把握しきれなかったため」と説明。集まった写真のうち、核物質防護上公開できない画像は除外したという。同社のホームページにも掲載している】 ▶原発事故後の緊迫写真、東電が600枚追加公開 さすが、読売新聞です。実にあっさりしています。こんな記事を読まされていると、もう原発事故などとうの昔という気になってしまうでしょうね。そこが狙いでしょうが。 【東京電力は11日、福島第一原子力発電所事故当日の昨年3月11日から28日までに、同社社員らが撮影した写真600枚を新たに公開した。 原発周辺の被害状況を把握し、復旧計画を検討するために撮影したもので、緊迫した現場の様子が伝わる。電源を失って炉心溶融を起こした2号機では、防護服と全面マスクを着用した作業員が、電源室で懸命にバッテリーをつなぎ、電気を確保しようとしていた。 公開写真は、今年7月に最終報告書をまとめた国会の事故調査委員会の指摘を受け、東電が社員らに改めて確認し、見つかった。】 ▶<甲状腺がん>検査で子ども1人確認 原発事故と関係否定 【福島県の子どもの甲状腺検査で初めて1人が甲状腺がんと診断されたことが11日、県民健康管理調査の検討委員会(座長=山下俊一・福島県立医大副学長)で報告された。同大で担当の鈴木真一教授は「チェルノブイリ事故後の発症増加は最短で4年」などとして、福島第1原発事故との因果関係を否定】 さて、事実は……。 ▼原子力ムラ 今日の「No problem!」 ▶島根原発:燃料集合体覆う金属製の筒に欠損 放射性物質漏れなし/島根 【中国電力は10日、島根原発1、2号機の炉内と使用済み燃料プールにある燃料集合体を覆う金属製の筒(縦横14センチ、高さ4・1~4・3メートル)の計13体の上部に、それぞれ10~20ミリの欠損が見つかったと発表した。放射性物質の漏えいはないという】 ▶敦賀原発:1号機で部品筒にすき間 原電、保安院へ調査計画を提出/福井 【敦賀原発1号機の燃料集合体を覆う金属製の筒(縦横各14センチ、高さ4・1メートル、厚さ2ミリ)に変色やすき間が見つかったトラブルで、日本原子力発電は10日、今後の調査計画などを経済産業省原子力安全・保安院に提出】 ▶河瀬・敦賀市長:原発排除は“非現実的”/福井 【河瀬一治市長は提案理由説明で、今後の国のエネルギー政策の方向性について「国民の間に脱原子力を訴える声が広がりを見せていることは事実だが、原子力を排除することは現実的な選択ではなく、今後も重要なエネルギー源として位置づけられるべきだ」と】 国のことをおもんぱかってくれる市長サンです。 ▼何を考えているんだか 安倍晋三、自民党総裁選に出馬とか。なんでも「強い日本」だとか、やり残したことがあるだとか、代表質問が予定されていたその日の午後、その答弁に立つ直前で総理大臣という重責を給食当番を投げ出すようにやめてしまったという前代未聞のことをしでかしたことなどすっかり忘れてしまったかのような顔で出馬だと。そんなもんを担ぐ方もどうかしています。それとも「御輿は軽くて、パーがいい」というやつですか。といっても、もし…を考えたら危険極まりない僕ちゃんです。 | ||