原発通信 302号2012/09/24発行
![]() 『カネだけが人生を充足させるわけではない』──さて、どなたの言葉でしょう? 「すぐ経済、経済と言うけど … 金が人間の幸せ、人生を充足するわけじゃない」 いいこと言います。どなたの発言だと思いますか? 驚くなかれ、あの石原都知事閣下のご発言なのです。原発再稼働が問題になった時、今また、原発ゼロかどうかという「エネルギー戦略」が俎上にあげられているとき、そう言っていただきたかったと思うのは、私だけでしょうか。原発問題の時はたしか、「経済、経済」とおっしゃっていたのでは…。 紹介したのは昨日(2012.9.22)の知事会見での発言だそうです。中国の反日デモによる日本企業への影響をどう見るかと聞かれての発言です。正確には「…」のところは、「日本人は侍の気持ちを取り戻したらいいんじゃないの。」が入りますが。 こういうのを、何と言ったらいいのでしょうか。「文学方面」にはお詳しいようですので聞いてみたいものです。 しかし、この閣下、弱者や虐げられている人に対して「共感」することも「思いを寄せる」ということも無縁に生きてきた人です。その日の会見で、次のように言ったそうです。 記者が、「知事はしきりに『シナ』と言うが、相手が嫌がるこしょうを使うべきでない」というと、 と、まあ、またこんなやり取りが行われたそうです(毎日新聞2012年9月22日付東京版「石原語録」) さすが、小説家です。「想像力」が「豊か」です。と、思って次を読むと、メッキは剥がれるもの、地が出ます。例によって「シナ」問題です。何度か繰り返されているのですが、嫌がる理由は、あなた(他者)が判断、決めることではないでしょうにと思うのですが、閣下には理解できないようです。他者への「想像力」がないのです。 大人がこんな風なことを言っている限り、「いじめ」などなくなりません。「示しがつかない」という言葉がありますが、まさにこれなどもそうでしょう。 *石原語録(どういうわけか、22日付の語録には、「カネだけが幸せ…」の部分がアップされていません) 自分のことは棚に上げて解釈するテツガクシャとジャーナリスト NHK週刊ニュース深読み「どうなる“原発ゼロ” 民意は生かされるのか?」 NHKTV2012年9月22日(土) 午前8:15~午前9:30 【ゲスト】増田英彦,山田まりや,【解説】ジャーナリスト…江川紹子,【解説】津田塾大学准教授…萱野稔人,【解説】ジャーナリスト…津田大介,【解説】NHK解説委員…城本勝,【キャスター】小野文恵,高井正智,小松宏司 とんだ内容でした。 デモとは何ぞやということ自体が理解できていなさそうでした。官邸前の抗議行動、60年安保と比較して言われることが多いからでしょうが、城本勝NHK解説委員においては、60年安保闘争も70年安保闘争の区別もできていません。山田まりやにいたっては、デモは鬱憤のはけ口だと言う始末です。まあ、中国のデモを見せつけられた後ですから、それを割り引いてもひどいものです。まるで、大勢の人が集まって表現すること自体不快なものという感じでしゃべっていました。そういう人に限って、「私は私」みたいな、自分が大事風な発言を意味なくするのです。 反原発の抗議行動をなぜマスコミが報道しないのかということが問題になりました。この件についてゲスト人たちは言わないものですから、小野文恵アナが水を差し向けて、初めて話し始めるという感じでした。 NHK解説委員の城本勝、要は社会ではいろいろなことが起きているから云々、と言い訳を並べるのですが、「なぜ」の答えは言わずじまいでした。ただ、ジャーナリストと称する金髪の津田大介が、いくらマスコミが報道しなくてもネットで情報が発信されていったと自分の専門分野から発言。 哲学が専門という津田塾大准教授の萱野稔人と津田大介は、官邸前での抗議はシングルイシュー=「再稼働反対という一点のみだ」というのです。たぶん、この二人、官邸前での抗議行動に来たことないのでしょう。「再稼働反対」は当然、もちろんです。「原発反対」「原発即時廃炉」「原子力規制委員会人事(案)反対」、なにより「子どもを守れ」「未来を守れ」「孫たちにツケをまわすな」と自分たちだけではなく、次世代への責任を痛感している人たちが集まっているということは見えないのでしょう。「シングル」ではありません。原発問題というシングルイシューだ、というなら別ですが、番組では「再稼働一つ」を強調していたので、そういうことではないでしょう。自分だけのことしか思い浮かばないからこそ、「私は私」「人と違うのよ」などと勝手な、のんきなことを言っていられるのです。言い古されていますが、個の自立(自律)と身勝手の混同です。 いずれにしても何が問題にされているのか、理解していないようです。 まあ、冒頭、「デモは一つの物差し」論を振りかざしていたので、それに誘導し、話をまとめたかったのでしょう。萱野は(デモの背景には)政府に対する不信があるなどと分かったようなことを言っていましたが、そんなこと、今回が初めてではない。歴史を学べはすぐにでもわかります。江川紹子は全方位外交をしているつもりなのでしょう、焦点が定まっていません。ある意味「実践」がないからなのでしょう。 少なくともここに出てきた人たち──「高度情報化(消費)社会」で飯を食っている彼らにとって「原発問題」は、たんに消費されていくテーマで、それ以上でもそれ以下でもないということだけはわかりました。 ちなみに先々週だったかの官邸前で、小松宏司アナが官邸前をマイク持ってカメラクルーと一緒に走っているのを見かけました。 「毎週」の力──首相官邸前抗議行動雑感 ここ毎週、官邸前で行われている抗議行動に仲間と参加しています。実にいろいろな方々が、自分の思いを表現し伝えようと様々に趣向を凝らし集まって来ています。目の不自由な方もいます。盲導犬と一緒に来られている方もいます。小さなお子さん連れのお母さん、ご夫婦もいます。年配の女性でしたが、歩道にシートを敷いて正座して始まるのを待っている方を見受けました。椅子を持ってこられている方、もちろん年配のかたですが、もいます。 先に触れたNHKのニュース深読みで山田マリアは「お祭りに行っているようだ」と何か揶揄しているかのような言い方でしたが、確かにそういう人も見かけます。でも、いいのではないでしょうか。ことは深刻な“命”の問題なのですが、たとえ、物見遊山で来ても、それによって何か感じるものを得ると思うのです。それくらい、ここの場には「空気」があります。 「今日はじめてきた」という声も聞かれます。広がりは衰えることがないようです。一緒に行っている仲間の一人は言います。「こうして毎週ここで大勢の人が声を挙げ続けている、いくというのが大事じゃないか」と。この抗議行動が無視できず、自民党代表選でさえ、候補者4人が、選挙目当てバレバレであれ、安全対策をおろそかにし原発をつくってきたことに対して「謝罪」するというポーズを取らざるをえない状況をつくり上げているのですから。 横須賀のかたが発言していました。核燃料が横須賀の工場でつくられている。そこでの抗議行動をこれから行いますと。 福島から来られた方からは、今回の事故で住み慣れた土地を追われ、避難されている人たちへの厳しい意見がありました。「事故で被害者となったが、原発を誘致したことで原発ができ、事故が起きた。その意味では(彼らは)加害者でもあるのだ」と。その彼らから謝罪の言葉がないと。すると、おおい町、福井県、今また、新エネ戦略の「見直し」「撤回」意見書を採択した美浜・高浜両町議会(下記)の責任は、それどころではないということになります。 民主党を脱党した姫井由美子さんが発言、野田に騙されたと野田のいい加減さ、でたらめさを怒りあらわに訴えていました。共産党の志位委員長も発言。2030年代では遅いと。 ▶原発ゼロ「変更余地残せ」 閣議決定回避 米が要求 【野田内閣が「二〇三〇年代に原発稼働ゼロ」を目指す戦略の閣議決定の是非を判断する直前、米政府側が閣議決定を見送るよう要求していたことが二十一日、政府内部への取材で分かった。米高官は日本側による事前説明の場で「法律にしたり、閣議決定して政策をしばり、見直せなくなることを懸念する」と述べ、将来の内閣を含めて日本が原発稼働ゼロの戦略を変える余地を残すよう求めていた】 やはりという感じです。どうしても原発=原子力にはコインの裏としての「軍事」がでてきます。核燃サイクルの問題があるわけですから。プルトニウム、日本が持っている量、並みではありませんから。 ▶米 圧力で「骨抜き」 補佐官派遣しお伺い ▶枝野経産相:計画9原発、新増設に含み 【枝野幸男経済産業相は21日の閣議後の記者会見で、計画段階にある着工前の原子力発電所について「地域ごとの要望や事情を丁寧に精査をしたうえで結論を申し上げるべきだ」と新増設に含みを残した。その上で、建設を認めない場合には、原発に代わる地域振興策を新たに講じる考えを示した。政府が14日に決めたエネルギー・環境戦略では原発を新増設しないことを盛り込んだが、計画中の原発について明言を避けた。枝野氏は「立地自治体は原発が何年使われるかを前提に地域計画を立てており、原発に代わる支援や地域振興策をしっかり相談しないといけない」と述べた】 「立地自治体は原発が何年使われるかを前提に地域計画を立てており」と言っていますが、本当でしょうか。立てていないからこそ、交付金が切れそうになると、原発の増設を嘆願するということを繰り返してきたのではないでしょうか。 しかし、原発の建設続行などということがどこから出てくるのでしょうか。 ▶連合会長「2030年代原発ゼロは乱暴」 政府方針批判 【連合の古賀伸明会長は21日、2030年代までに原発ゼロを可能にするとした政府の「革新的エネルギー・環境戦略」について、「道筋やビジョンが明らかでないなか、(目標時期を)デジタル的に書き込むのは少し乱暴」と批判】 フクシマを見ても、古賀会長は原発推進です。その後ろに控えている電力総連、電機連合が暗躍しているのです。古賀会長自身、“明るいナショナル”の出身です。あの石原都知事閣下も「すぐ経済、経済と言うけど … 金が人間の幸せ、人生を充足するわけじゃない」と、申しておられますが…。そして、日ごろ、労働者の生活だ、権利だ、健康だと言っているロードークミアイですが、福島第一原発で日夜暴発防止のために働いている下請け労働者には無関心、冷たいです。本工主義丸出しです。 ▶IAEA:日本の「原発ゼロ政策」、理解得られず 【IAEA加盟国を最も戸惑わせたのは、総会期間中の19日に行われた日本政府の閣議決定だ。新戦略の「検証と見直し」を強調し、「原発ゼロ」に言及しなかったため、新戦略の重要性が低下。加盟国に先行きの不透明感を与えた。……日本の脱原発方針には産業界だけでなく、核燃料サイクルの継続によるプルトニウムの蓄積を懸念する米国なども反対。新戦略の後退につながったとの見方が有力だ】 それはそうです。二枚舌なんていうものではありませんから。IAEAそのものが世界の原子力ムラの元締めのようなものですから、なおさら看過できないのでしょう。 ▶今「原子力」を考える:新エネ戦略、「見直し」「撤回」意見書採択──美浜・高浜両町議会/福井 【30年代の原発ゼロを目標とする新たなエネルギー・環境戦略を巡り、美浜、高浜の両町議会は21日、見直しや撤回を求める意見書をそれぞれ採択した。いずれも近く政府に提出するという。同様の意見書は敦賀市議会が採択している。 美浜町議会の意見書は「原子力発電との共生を指向した町づくりにまい進、協力してきた」とし、新戦略について「拙速、短絡的に結論が導き出されたことは極めて遺憾。到底受け入れることはできない」としている。全会一致で可決した。 高浜町議会は「原発ゼロを目指すとしながら矛盾した方針が示され、使用済み燃料の最終処分方策が不明確であるなど問題が多い」などとし、抜本的に見直して現実的な政策にするよう求めている】 フクシマを経験した2011年3月11日以降、原発を誘致し、しかも国のエネルギー問題まで立ち入っての決議を挙げたのですから、それ相当の責任を負ってもらわなければなりません。「想定外だった」「騙された」などという言い訳は通用しません。 その責任を取る覚悟があるのかと突きつけたい。以後、何か起きた時、福島の人々に対して援助、救援をしたようには、たぶんならないでしょう。知ったうえでやったのですから。 というより、この町を助ける余裕などその時はないでしょう。見捨てて皆逃げ出すでしょうから。東京は、東に位置しているからなおさらでしょう。冬に起きれば、大阪、京都は風下です。 ▶原発ゼロの衝撃:岐路に立つ青森/4 なくなった選択肢 聴取会、核燃料サイクル議論されず 【全量再処理▽全量直接処分▽併用──という核燃料サイクル政策の三つの選択肢を議論してきた原子力委員会の核燃料サイクル技術等検討小委員会(技術小委)】 【だが国民の声は、関係者の予想を上回る規模で「原発ゼロ」を求めていた】 【意見聴取会、原発比率とともに焦点だった核燃料サイクルについては、議題にすら上っていない】 【これに対し、六ケ所村は9月7日、「立地地域の声を無視している」として、使用済み核燃料だけでなく、高レベル放射性廃棄物などすべての「核のごみ」を拒否する意見書を可決。政府に「最後通牒(つうちょう)」を突きつけた。……最終的に、政府が決定したのは「原発ゼロ」と「再処理の継続」。さまざまな議論が行われたサイクル政策の「三つの選択肢」は、影も形もなくなっていた】 ▶青森・大間原発:工事再開反対デモ 函館で市民100人/北海道 対岸になる北海道の人たちも無関心ではいられません。先日は北海道を代表する北海道新聞が社説で大間原発建設反対と書いたばかりです。 ▶福島第1原発事故 周辺の線量、爆発直前に最高値記録 【福島県は21日、福島第1原発周辺19カ所の測定地点で計測した昨年3月11日の事故後の空間放射線量を公表】 【原発の北西5・6キロの双葉町上羽鳥で12日午後2~3時、原発敷地外で最高値となる毎時1590マイクロシーベルトを計測。同日午後3時36分に1号機建屋の水素爆発が起きており、爆発前に放射性物質が漏れ出した状況が裏付けられた。原発の西北西4・1キロの双葉町山田では2号機の圧力抑制室の圧力が低下し、白煙が確認された15日午前から線量が上がり始め、16日午前0時までの1時間に同1020マイクロシーベルトを計測した】 データは福島県のホームページ (出し遅れの証文? ずいぶん手間取ったものです) ▶<福島原発事故>爆発前に敷地外最高線量 昨年3月12日 【原発の北西5.6キロの双葉町上羽鳥で12日午後2~3時、原発敷地外で最高値となる毎時1590マイクロシーベルトを計測した。同日午後3時36分に1号機建屋の水素爆発が起きており、爆発前に放射性物質が漏れ出した状況が裏付けられた。……原発の西北西4.1キロの双葉町山田では2号機の圧力抑制室の圧力が低下し、白煙が確認された15日午前から線量が上がり始め、16日午前0時までの1時間に同1020マイクロシーベルトを計測した】 ▶爆発前から放射能漏れ? 第一原発 双葉の上羽鳥毎時1590マイクロシーベルト 【東京電力福島第一原発事故で1号機が水素爆発を起こす直前の昨年3月12日午後3時に、双葉町上羽鳥で空間放射線量が毎時1590マイクロシーベルトだったことが20日、分かった。県によると、原発敷地外では過去最大値。当時、現地にはまだ住民が残っていた可能性もあり、県は福島医大などと連携し健康への影響などを調べる参考にする】 ▶東電、家庭向けも環境税分上乗せ 毎日新聞2012年9月22日朝刊総合・経済 東電は、石油などに課税される地球温暖化対策税(環境税)の導入に伴い、9月分の家庭向け電気料金から増税分を上乗せしたといいます。増税分は1キロワット時当たり0.05円だそうです。 総括原価方式、良いもんです。何も考えることはありません。コストがかかったらみんなまとめてそれに自分たちのもうけ分の割合をかければいいのですから。消費税が増税されるといいます。企業、業者によっては増税分を転嫁できないというところもあるといいます。しかし、企業努力なんて無縁な電力会社です。 ▶民主党代表選:野田首相再選 総選挙へ迷う有権者 「声届かない」「消去法で支持」 【同市北区の会社員男性(56)は「原発を30年代にゼロにするエネルギー戦略を閣議決定しなかったことには失望した。経済界の声を優先する姿勢が明らかになった。国民の声を聴き、原発ゼロを実現する路線に乗せてほしい」と訴えた。 「民主党もダメだが、原発推進の自民党はもっとダメ。他の政党も政権を担えそうにはないし、誰に投票したらいいんでしょう」。 そんな中、会社帰りに集会を見守っていた東京都文京区の会社員、松山知生さん(36)は「消去法」で野田首相を支持。「2030年代原発ゼロの閣議決定を見送るなど、外圧には弱いと思うが、私たちの声を聞いてくれそうな気がする。原発推進の自民党では原発ゼロの言葉も出てこなかったでしょうからね」と】 「原発推進の自民党では原発ゼロの言葉も出てこなかったでしょうからね」との指摘、正しいでしょう。さて、総選挙です…。 ▼原子力ムラ 今日の「No problem!」 ▶福島第一原発3号機プールに鉄骨落下 【東京電力福島第一原子力発電所3号機で、22日午前、使用済み燃料プールの脇にあった重さ470キロの鉄骨が、誤ってプールに落ちるトラブルがありました。東京電力によりますと、プールに設置している線量計の値などに変化はなく、冷却も問題なくできているということですが、原子力規制庁は重大な作業ミスだとして、手順などに問題がなかったか調べています】 【3号機のプールには566本の燃料集合体が保管されており、東京電力によりますと、これまでのところ、プールに設置している線量計やプールの水に含まれる放射性物質の濃度、それに水位に変化はなく、冷却も問題なくできているということです。ただ、これほど大きなものがプールに落ちたことはないということで、東京電力は、燃料が損傷していないか、今後、水中カメラを入れて確認するとしています】 ▶470キロの鉄骨、貯蔵プールに落下…福島第一 【同日午前11時過ぎ、作業員が建屋5階にある重機を遠隔操作して鉄骨をつかもうとした際に失敗し、鉄骨がプール内に滑り落ちた。がれき撤去作業には東電社員2人と、協力企業の15人が当たっていたが、けが人はいない】 この実にあっさりと、普通の工事現場で事故があったというような扱いです。さすが読売新聞です。 ▶福島第1原発事故 警報未記録問題 正常作動を確認──規制委に報告/福井 【福島第1原発事故の際、1号機の警報の記録装置に不具合が起こり記録が残らなかった問題で、県内に原発を持つ関西電力、日本原子力発電、日本原子力研究開発機構は21日、全原発について事故時の記録や保存が正常に働くことを確認したと、原子力規制委員会に報告した】 当たり前、当然のことが作動しなかったということを、言われて動くようにしましたという情けない話です。 ▼どうでもいい話 ▶町村信孝 最年長 意地の戦い 毎日新聞2012年9月22日朝刊総合 町村派といわれる派閥の頭である町村信孝67歳、自民党総裁選に同じ派から安倍晋三が立ち、自分も。「なぜ、これまで総裁に推そうという動きがなかったのか」と聞かれ、「誠に至らぬ人間だし、もしかしたら間違った世界に入ったのかと週に1回は思うことがある」と、この15日、日本記者クラブ主催の公開討論会でそう答えたそうです。 それは年をある程度重ねてきたからなのか、私もそうですが、ふと後ろを振り返って考えてみてしまうことがあります。それは一種の感傷なのかどうかわかりません。 町村は東大闘争時、経済学部のスト反対派のリーダーでした。好きなタイプの人ではないのですが、時代の風をそれなりに受けてきた人なのかもしれないと思いました。 30年も前になるでしょうか、元中核派の幹部であった小野田譲二がある本で「自我の納めどころも知らずに政治などに足を突っ込んだから罰が当たったのだ」と全共闘運動にかかわった人たちに投げつけたことがありました。同じことを、町田信孝にも感じてしまいました。社会に出ることなく、オヤジの後、「政治という家業」を疑問なく継いだゆえなのでしょう。今ごろになって、「別の世界=生き方があったかも…」と。 こうして自己と向き合うこともなく、ただただ「強い日本」を叫んでいるほかの4人衆を見ていると不安に駆られます。 ▼こんな評価、喜んでいいのでしょうか ▶資金拠出「日本はいつも最初」IMF専務理事が評価 毎日新聞2012年9月22日朝刊総合・経済(共同) IMFの専務理事ラガルド氏、【「日本はIMF の活動に非常に協力的だ」と発言。人材育成や制度強化に関する技術支援に加え、増資や資金基盤の強化に向けた資金拠出でも「日本は一番だった」と】 “世界貢献”で先頭になって協力しているのはいいことかもしれません(IMF自体についての評価はここではしません)。しかし、この記事を読んで、とりあえず金さえ出しておけば文句は言われないだろうというエコノミックアニマルの処世術を感じてしまうのですが、いかがなもんでしょうか。 | ||