原発通信 307号2012/09/28発行
自民党総裁選、かれらが言う「民意」って、「自民党員の意」では? ここ数カ月、「民意」という言葉があふれています。もちろん、原発再稼働をめぐっての反対、抗議行動と例のパブリックコメントあたりからなのですが、何か勘違いしているんじゃない、という使われ方をしています。 自民党総裁選に敗れた石破茂が、敗北の記者会見で「民意とかけ離れた永田町」などといっていました。また、石破を支持する筋からも同様の声が聞かれるというのです。国会議員と地方の意向がかい離しているということが言いたいらしいのですが、それを「民意」というのはいかがなものでしょう。ためしに広辞苑を引くと「人民の意思」とあります。「党員の意思」とはありません。安倍晋三の家庭教師を務めたことがある平沢勝栄は言っています。 「総裁選の投票権を持つ自民党党員はかつて500万人もいたが、今は80万を切った。残った党員はかなり保守的な層とみられるから、一般国民の意識とは若干違う」(下記)と、一般国民の意思とは違うといっているのです。。 総裁選は党員の意思を聞いたのであって、私たち「人民」の意思は聞かれていません。勘違いも甚だしい。こうして言葉が消費されていくのでしょう。 ▼お詫びと訂正 安倍新総裁に聞いた特効薬、ありました! 本通信前号(306号)「マスコミ各社はもう安倍首相誕生かと」で、「どんな特効薬なのでしょうか?」などと書きましたが、実は、2年前に特効薬が発売になっていたとの情報が提供されました。安倍自民党新総裁、【「潰瘍性大腸炎」という厚生労働省が難病指定するほどの悪疾】とのことで、2009年にゼリア新薬工業が発売した「アサコール」という名の薬だそうです。ゼリア新薬工業によると、売れ行きもいいとのことです。とんだ思い込みで書いてしまいました。まあ、「潰瘍性大腸炎」に対しての特効薬ができてよかったです。しかし、対立をあおる「ナショナリズム」を鎮静化させる特効薬は、今のところなさそうです。「時間が最良の薬」という言葉がありますが、ある程度の冷却期間が必要なのでしょう。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120914-00000006-jct-soci 原子力マフィア、「再稼働」です ▶大間原発、建設再開へ=来月1日に地元説明―Jパワー 3.11後、フクシマを見ても懲りないというか、自分たちの欲のためなら人の命など三文の値打ちもないということなのか。こういう連中にこそ「報い」を! 【電源開発(Jパワー)が、東日本大震災以降は中断している大間原発(青森県大間町)の建設工事を再開する方針を固めたことが28日、明らかになった。10月1日に幹部が同町など地元自治体を訪問して説明し、理解を求める予定】 ▶敦賀市長「もんじゅ」研究継続要望 新戦略は年限区切ると文科相強調 【福井県敦賀市の河瀬一治敦賀市長は27日、堂前一幸市会議長、有馬義一敦賀商工会議所会頭とともに、2030年代に原発ゼロを目指すとした政府の革新的エネルギー・環境戦略を見直すよう平野博文文部科学相らに要請した。高速増殖炉「もんじゅ」について文科相は「年末までに今後の具体的研究のプランをつくり、説明したい」とあらためて言明】 【河瀬市長は「今後も国の役に立つエネルギーの研究を継続してほしい」と要望】 本心は、エネルギーの研究でもなんでもないでしょう。「カネのなる木」を手放したくないということです。そうはいっても、批判するだけではまた問題で、そうさせてしまった根幹から変えていかなければなりません。交付金頼み行政からの脱却です。 ▶指定廃棄物最終処分場 候補地提示「唐突」、地元の疑心暗鬼 まさに絵に描いたような日本の行政、いや政治のホンネが出ています。 誤用なのですが、「寄らしむべし、知らしむべからず」を地でいっているというところでしょう。本来の意で行なうことの大切さが問われています。 【環境省は最終処分場の建設候補地を、地形・地質、住宅や公共施設、農地からの距離などを点数化し、現地確認をして決定。評価の途中では公表せず、一つに絞った段階で、横光副環境相が自治体を訪れ報告した。「寝耳に水」との批判に、「複数の候補を事前に出すとどこも反対運動が起こり、より調整が難しくなる」と同省指定廃棄物対策チームの担当者は説明】 ▶原子力規制委・揺らぐ公開性「赤旗」を会見から排除 【こちら特報部の取材にも、佐藤暁政策評価・広聴広報課長は「実際に主義主張で判断することは一切ない」と強調。一方で、「政党機関紙は一般の報道機関ではない」と繰り返した。……赤旗社会部の三木利博デスクは「今度は会見のスペースが足りないという。拒む理由が日々変わり、理由になっていない。本音は別にあると疑われても仕方がない」と話す。会見で追求したフリー編集者の渡部真氏も「席は3分の1しか埋まっておらず、言い訳にすぎない」。……とりわけ、田中氏の「政治からの独立」発言には「記者会見の意味を理解できていないトンチンカンな発言」とあきれる】 と、あきれられた佐藤暁政策評価・広聴広報課長、どんな人かと下記のブログを書いている方が調べてくれました。 7月19日福島市のコラッセふくしまで行われた会合で【住民からの「福島県民にだって無用の被ばくを避ける権利があるでしょ?」の問いに雛段から「権利があるかどうかは分かりません」と答えた】、その人だというのです。(動画あり) 危惧した通り、とんだトンデモナイ人が、保安院から規制庁へ横滑りしているのです。通勤するところが霞が関から六本木に変わっただけ。民間でいえば勤務先の売り場や営業所が変わっただけというものです。 下記のブログ、参考になります。皆さんもぜひ「お気に入り」に入れてみてください。 ▶温暖化対策税:来月から課税 価格転嫁、家庭に負担 電気・ガス各社検討 【地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出抑制を目的に、10月1日から石油や石炭などすべての化石燃料に地球温暖化対策税が課される。原発再稼働が見通せず、火力発電への依存度が高まる中、既に東京電力が9月1日からの値上げに増税分を織り込んでいるほか、他の電力会社やガス業界も料金への転嫁を検討中で、家計の負担増は避けられそうにない。コスト増となる産業界からも「競争力が損なわれる」と困惑の声が上がっている】 これまで、リスクゼロとまでは言いませんが、コスト削減など無縁という経営=総括原価方式に安住し、原料代上がればその分上乗せだと、のんきにやっていました。3.11後に及んでもそのぬるま湯からは抜け出せないという証明です。いいきなもんです。 ▶マスコミ倫理懇:全国大会が閉幕 【26日から那覇市で開かれていた新聞、放送、出版などメディア各社でつくるマスコミ倫理懇談会全国協議会の第56回全国大会が27日、閉幕」 同日は290人の参加者が「沖縄に依存する日本の安全保障を問う」「原発報道 ジャーナリズムがめざすべきもの」など5分科会に分かれ、メディアの抱える課題を議論。各分科会の座長による報告の後、「沖縄や震災・原発事故の被災地で生じている問題は、日本のありようを厳しく問うている。不透明な時代にあって、的確な情報提供を通じ、社会問題解決に向けて役割を果たしていく」などとする申し合わせを採択した】 不透明なのは、何も時代だけではありません。マスコミ各社自身です。 自分の不透明さを時代のせいにするな 詩人・茨木のり子は、「自分の感受性くらい」という作品のなかで、自分自身に「ばかものよ」と投げかけています。一方、自己を顧みることもしないマスコミ各社です。 ▶人口移動:福島、転出超過1万人超 3~8月期 【福島県は転出者が転入者を上回る「転出超過」が1万1552人で全国最多。東京電力福島第1原発の事故直後だった前年同期の約2万5000人から減っているが、依然として高水準の人口流出が続いている】 悲しい現実です。これが原発事故というものなのでしょう。なのに、再稼働を求める「故郷」があります。福井で、佐賀で…。 ▶関西電力:カタールの会社とLNG購入契約 【関西電力は26日、カタールのカタール液化ガス会社からLNG(液化天然ガス)を購入する長期契約を締結したと発表した。年間約50万トンを、来年1月から15年間購入する。契約金額は非公表】 【今後、既存の長期契約が期限を迎えることを見据え、将来的に安定的な燃料調達をするのが狙い】 「原発依存度を引き下げる政府の戦略に対応した契約ではない」といっているそうですが、原発1本にしぼった経営戦略こそが間違いなのです。 ▶メガソーラー:花盛り 県内23カ所、110メガワット計画 遊休地活用で参入進む/鹿児島 【県内でメガソーラー発電所の建設計画が相次いでいる。九州経済産業局のまとめによると、計画中のものも含め鹿児島市、日置市、肝付町など23カ所で出力合計は110メガワットに上る。理由はもちろん、7月に始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度。これを「遊休地活用」などの事情が後押ししている】 【「『自分でエネルギーを作って自分で使う』分散型エネルギー社会が実現するかもしれない」。同研究所の阪口健治・主席研究員はそう期待する】 ▶【速報】本日、山下俊一氏の証人調べを求める申入書を仙台高裁に提出 【本日(9月28日)、疎開裁判の原告弁護団は、仙台高裁に、福島県の放射線健康リスク管理アドバイザー山下俊一福島県立医科大学副学長を公開の法廷で、証人として出頭させ、矢ヶ崎克馬琉球大名誉教授・松崎道幸医師と同席して行なう証人調べ(対質尋問)を実施することを求める書面を提出】 ▶放射性物質検査、水揚げ魚類や給食も 亘理町、対象広げる 【宮城県亘理町が放射性物質の測定活動の範囲を広げている。地元の荒浜漁港で水揚げされた魚などのほか、2学期からは町内の小中学校で出される給食の「まるごと検査」も開始。精度の高い検査機器を最大限活用し、幅広い分野で町民の不安解消を担う】 そういう細かな検査体制の整備が求められていると思います。アンゼン、アンゼン、直ちに健康を害するものではないといわれても安心・信用できないということなのです。 ▶京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました Radio News「たねまきジャーナル」2012年9月28日水曜日 ・1000万ベクレル/時放出ってどんな数字? ▶平沢勝栄氏「永田町日記」 自民党総裁選を振り返る 書かれている話は平沢勝栄の与太話なのでどうでもいいのですが、本音が書かれているのでちょっと紹介します。 【今回は議員全体に「勝ち馬に乗る」心理が大きく働いている。3年間の野党生活でポストに飢えているからだろう。昔と違って配るカネがないから、あらゆる人間関係を駆使してお願いするしかない。……総裁選の投票権を持つ自民党党員はかつて500万人もいたが、今は80万を切った。残った党員はかなり保守的な層とみられるから、一般国民の意識とは若干違う】 要は、「政治」をダシにして、カネと名誉を求める貪欲な連中だといっているようなものです。正直です。 支持者から、安倍晋三の家庭教師をしていたのに、何で石原支持なんだといわれたそうです。26日、党員票の速報で予想以上の少なさに驚き、後は「自主投票」と体のいい言葉。要は勝手にしろということです。 ▼原子力ムラ 今日の「No problem!」 ▶福島第1原発:1号機格納容器の内部映像公開 【東電は今後、格納容器内部を小型カメラなどで調べる準備のため、容器底部から高さ約8.5メートルの壁面にある配管付近から内視鏡を入れた。格納容器内部は、この配管の内側にあった厚さ7.6センチの鉛板がなくなったり、がれきが散乱したりしていた】 「配管の内側にあった厚さ7.6センチの鉛板がなくなったり」とあります。溶けてなくなったか、吹っ飛んでしまったのでしょう。しかし、7.6センチもの厚さの鉛でくるまないと放射線が漏れるという代物だということです。それがないとなると…。 | ||