原発通信 312号2012/10/05発行
![]() 「10.13さようなら原発集会 in 日比谷」詳細はこちら 福島健康調査検討委「秘密会議」続報! すり合わせの中身が暴露される 昨日(10/4)の本通信でお知らせした毎日新聞スクープ記事の続報です。「ここで、話がそっちに移ったら、こう話をそらす」など、議事進行のシナリオを県当局がつくっていたことが暴かれました。本通信も参照しているブログ「みんな楽しくHappy♡がいい♪」に昨夜放送されたテレビ朝日報道ステーションでの報道が内容書き出しでアップされていますので、参考にしてください(下記)。 その時、古舘さんが「この件で、今日の毎日新聞などではですね、この秘密の事前会合で、何らかのすり合わせがあったのではないかというような事も書いているんですね」と発言しています。その「何らかの摺合せ」が本日付毎日新聞朝刊に掲載されています(下記)。 ▶福島第1原発事故 福島健康調査検討委が「進行表」 「結論ありき」県民憤り 議論の場、意見出ず 【福島第1原発事故を受けて福島県が設置した県民健康管理調査の検討委員会で、県が委員らと事前に調整していたことを示す「議事進行表」の存在が明らかになった。内部被ばく調査の結果については「結語」として「相当に低い」との発言予定を記し、問題となりそうな話題については「そらして下さい」と要望。A4判2枚の文書には県による「振り付け」とも受け取れる記載が列記】 だからでしょうか、この会議を傍聴した人は、 「不気味なほど意見が出ない。おかしい」と感じたと記事にあります。【「やっぱり、結論ありきの議論だったのか」と憤りを隠さない】。 SPEEDIに関しても、詳しく話すな、出たら話をそらしてほしいなど、これが住民を守るなどといっている県当局なのかと。以下が、そのメモのひとつだそうです。
<福島県が作成した進行表の主な記載>
▶福島健康調査検討委、進行表を作成 委員発言、県振り付け 上記、罫囲みの文章について県の話です。 【毎日新聞が取材で確認したのは「第3回『県民健康管理調査』検討委員会 進行」と題された文書。関係者によると、県保健福祉部の担当者が作成し、昨年7月24日に開かれた第3回検討委の前日の同23日に委員らに送られた。それ以前の同17日には秘密会を開いたことが分かっている】 【県の担当者は「座長(山下俊一・県立医大副学長)のメモ的なものとして作った可能性はある」と】 ▶福島健康調査検討委、進行表を作成 前宮城県知事の浅野史郎・慶応大総合政策学部教授の話 「予定調和を重んじる役所のやり方」と。 甲状腺検査めぐる不満も… 福島健康調査で「秘密の会合」10/3報道ステーション(内容書き出し) 上関原発、建設中止へか 本日(10/5)午後、上関原発建設問題が動き出したようです。枝野は着工を認めずと言い、山口県は埋め立て免許更新をしないとのこと。あんな内海につくろうなどと思うこと自体、正気の沙汰ではありません。 ▶<上関原発>着工を認めず 枝野経産相が明言 【枝野幸男経済産業相は5日の記者会見で、中国電力が建設を計画している上関原発(山口県上関町)について「この原発も、原発を新増設しない原則の適用対象だ」と述べ、着工を認めない考えを示した】 【今回の枝野氏の発言は、原子炉の新規着工を事実上認めない考えを示したもので、上関以外の5基についても適用される可能性がある】 ▶上関原発、免許更新申請へ 山口県、埋め立て認めぬ方針 【山口県上関(かみのせき)町で建設が計画されている上関原発について、中国電力は5日午後、予定地周辺の海域の埋め立てに必要な免許の更新を山口県に申請する。県は1カ月ほどかけて審査する方針だが、これまで「延長を許可できない」との立場を示している。県が正式に延長を認めないと判断すれば、東日本大震災後、初めて原発の新増設計画が止まる】 ▶原子力規制委:断層点検、全原発で…島崎委員長代理 【原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理(前地震予知連絡会会長)は4日、毎日新聞のインタビューに応じ、建設中も含めた全原発で、敷地内に活断層があるか総点検する方針を明らかにした】 【建設工事を再開したJパワー(電源開発)大間原発(青森県)についても、「事業者から(断層の調査結果の)報告があれば、同様の扱いを考えている」と述べ、現地調査を検討する考えを示した。一部の専門家は、敷地内や周辺に活断層がある可能性を指摘している】 【島崎氏は「新しい安全基準を作り、それにバックフィット(適合)させて規制が進む。(断層評価は)将来的には結局、全部見直すことになる」と強調】 ▶志賀原発:運転差し止め訴訟 “安全”はない/“福島”起きず 北電、住民が真っ向対立──第1回口頭弁論/石川 【「安全性が確保されていない」「福島のような事故は志賀原発では起きない」──。3日、金沢地裁であった北陸電力志賀原発(志賀町)の運転差し止め訴訟の第1回口頭弁論で、被告の北陸電は請求棄却を求め、住民側と真っ向から対立した】 ▶浜岡原発:「安全性確保に安心」 経団連会長ら視察/静岡 【政府要請で運転停止中の中部電力浜岡原発(御前崎市)を3日、経団連の主要役員7人が初めてそろって訪れ津波対策工事を視察した。「安全性確保のため二重三重の対策を取っているのが分かり非常に安心した」と話した経団連の米倉弘昌会長】 ほう、ちょっと「見学」したくらいで「安全性確保」がわかるのでしょうか。こんなのは社会科見学で飛行場に行き、飛行機を見せてもらったような話です。つまり、小学生の社会科見学以上でも以下でもないということ。それを「責任ある」日本の経済界のトップが言っていいのでしょうか。 ▶欧州委:全原発で欠陥 改修費2兆5000億円…安全評価 昨日(10/4)の本通信「ドイツ通信」にもありましたが、ヨーロッパの原発、どれもアウト!ということです。 ▶東電、会議の録画映像を検察に提出 原発事故めぐり 先日の日本触媒の爆発事故ではすぐに捜査に入ると報道されていました。福島は1年半以上もたっているのです。 【東電が震災発生後の社内のやりとりを収めたテレビ会議の録画映像などの関係資料を、検察当局に任意で提出したことがわかった。検察当局は映像などの分析を踏まえて関係者の事情聴取を進め、東電幹部や政府関係者の業務上過失致死傷容疑などについて、今年度中にも立件の可否を判断する模様だ】 ▶エコノミックアニマル・池田信夫、吠える──「問題は安いか高いかだけだ」 朝まで生テレビ 2012.9.29 激論!~原発ゼロ社会の検証 先週の官邸前抗議行動の時、いっしょに行っている仲間から「朝まで生テレビで原発やるから見ておいてくれないか」と言われたのです。まあ、本通信でテレビニュースのことをよく書いているのでそう思われたようです。実際は、テレビはニュースや特集などを見るくらいで、民放は見るものがないのであまり見ないのです。というわけで、「生」では見なかったのですが、ネットにアップされているのを見つけ、見てみました。以下はその感想です。 見終わっての感想は、澤や澤田の人を喰ったような、小馬鹿にしたような顔、喋りは影を潜めているように感じました。澤、澤田にしても傲慢顔は相変わらずですが、情報がいろいろ出て、彼らのウソに、多くの人たちが気づき始めているということを薄々感づいているのでしょう。 いずれにしても、よほどの夜型の人以外、またコアなファン以外見る価値はないでしょう。まあ、出ている人たちが、どういうリアクション、顔をするかぐらいが興味深いところですが。 官邸前で、いつもハンドマイクの調整など一生懸命走りまわっている人、原田さんといって筑波大大学院で物理を専攻している人だったのですね。 ■司会:田原総一朗 ■パネリスト: 池田信夫、これぞ「エコノミックアニマル」です。論点を微妙にずらし、わけのわからないことをさも自信ありげにしゃべることを得意としています。話の中身は、コストが高いか安いかしかありません。それに関して、同番組で吉岡氏がうまいことを言っています。 「物理学をやってきたせいか、私は計算というものを信用していない。コスト計算など信用していません。いくらでもいじくることができるから」と強烈(吉岡氏だからそうでもなかったですが)なパンチ。でも、池田、ちらっとバツの悪そうな顔しただけ。 それにしても池田、人間として風上にも置けない奴です。福島の人の気持ちがわかりますかと問われると、これまた、知らん顔。避難されている人たちの気持ち、信条などお構いなし。すべてはカネです。 福島の方が言っていました。「国破れて山河ありだが、原発事故はすべてを失う」と。この発言に、池田、目が泳いでいました。やはり、人としてハッとするところぐらいはあるのでしょう。しかし、多くの人々が避難を余儀なくされ、かつ帰還ができない問題をどうするんだと問われると、なんとそれらは「情緒的なこと」だと言ってのけるのです。 ならば、「お前の命は3千円だ」「いや、その価値もないかも…」「じゃ、マーケットで決めよう」となったら、どうします? もしも池田一族が福島の「帰還困難区域に永住する」と宣言し、実行してくれたら話は聞きましょう。いずれにしても、人をお金という尺度でしかカウントできない人です。それ以外のものはすべて「情緒的」なものであり、「価値なき」もののようです。こういう人、昔は「守銭奴」と言ったものです。しかし、今は「エコノミスト」と言うらしいです。 ところで、池田は、エネルギー政策という大枠をきちんと出さなければダメだとか、わかったようなことを言っていますが、吉岡氏が、「政府という後ろ盾がなければ原発なんて民間企業の手に余るものだ。保険のことを考えたら手を出せるものかどうか、マーケットが判断するだろう」というと、我が意を得たとばかりに、先ほどのエネルギー政策など忘れたかのように、マーケット論をがなり始めました。お調子もんです。 それに対して、吉岡氏のはじめに引用した発言──「私は計算というものを信用していません」になるのですが、こういう言い方は吉岡氏独特のものかもしれません。もうだいぶ昔ですが、仕事で吉岡氏を知り、話をしたり聞いたりしたことがあるのですが、ちょっと、斜に構えたような言い方をされるのです。言わんとすることが正しく理解されるかどうか、不安になります。 本来なら、池田信夫など論評に値しない相手ではあります。しかも「東大話法規則」の使い手です(「東大話法規則」をお読みになると池田のことが出てきます)。 それにしても、今回、推進派の澤、澤田の両名の元気のないこと。「原発が安い」という論を今まで盛んに声高に言っていたのに、トーンダウンです。「原発は安い」などというコスト論議はだんだん通用しなくなってきたということ自覚し始めてきたのでしょうか。 いずれにしても使用済み核燃料や高レベル廃棄物処理の問題になると、急に彼らは話を別に持っていきたがります。福島の事故以来、原発の安全性論議はともかく、「じゃあ、そのゴミはどうするんだ」という、彼ら原子力マフィアにとって触れられたくない問題が表に出てしまい、「無害になるには10万年もかかるのか」という事実を知ってしまったからでしょう。 田坂氏が言うようにいずれにしても「原発に依存できない社会」が早晩来ることだけは間違いないでしょう。よく「原発はトイレの内マンション」などといいますが、正確には「トイレ」はあるのです。ただしそれは、水洗式ではなく「汲み取り式」(各原発・原子炉横にあるプールなど)なのです。そこに使用済みのものをため込んでいるのです。その汲み取り式トイレの便壺がもう溢れんばかりになっているという話なのです。バキュームカーで汲み取り持っていくところもない。昔のように畑に撒くわけにもいかない。東京都が1960年代までやっていたように船で太平洋に投棄(「黄河」とも呼ばれていました)することもできない。まさに「糞づまり」状態がそこまで来ているということなのです。 国会事故調の野村元委員、弁護士のせいか、現実離れした法律論を持ち出していました。確かに法律的にはそうでしょうが、現実的にどうするんだとの福山議員の突っ込みには答えられず。 しかし、田原総一朗、いい気なもんです。「正論」を吐いて何か言っているつもりでいるのですから。自分が“原発芸者”をしていたことなど頬被りです。番組中、何があったのか知りませんが、大きな声で怒鳴っていました「お前何やってんだ」とか何とか。それも福島の方が発言中です。歳で、堪え性がなくなったのでしょう。以前、共産党の人に、「黙れ!」などといっていたのと変わりありませんでした。 | |||