原発通信 316号2012/10/12発行
![]() 「10.13さようなら原発集会 in 日比谷」詳細はこちら 10.13日比谷野音「さよなら原発集会」行動提起 今週は、12日(金)、13日(土)連続行動! 再度確認しましょう! 私たちの生きる社会に原発はいりません! 明日13日の行動に参加を! いま私たちに問われているのは、原発がある社会(=世界)に生きるのか、それとも原発のない社会に生きるのかということです。原発という「高度な話」を聞き、考えることでもなく、原発が安全かどうかという議論をすることでもありません。また、同時にエネルギー選択について議論することでもありません。「いのちの問題」なのだということを確認したいと思います。 不幸にして3.11を経験しフクシマを経験した私たちの選択はただ一つ、「脱原発社会」です。原子力ムラと呼ばれる連中のデタラメさ(これ以外に彼らを形容する言葉が見つかりません)、いい加減さ、学問というもの――真理の探求とは程遠い我欲の集まりだということをいやっというほど見せつけられました。わが身にだけおこることなら、そして責任があるのなら引き受けなくてはなりません。しかし、フクシマ後の社会=世界は、私たちの世代が起してしまった取り返しのつかない負の遺産を次世代以降に押し付けることになってしまったのです。私たちの世代の責務としても脱原発社会を到来させなければなりません。明日の行動に参加し、脱原発、すべての原発を廃炉に、私たちが生きる社会=世界に原発はいらないと声を挙げていきましょう! そして、もう一つ、確認しておきたいことがあります。原発と労働組合です。本号で「共生の道を探して:「修羅」から「地人」へ/26 ある物理学者の選択/福岡」という毎日新聞福岡版に掲載されている記事を紹介します。そこには、原発労働者の人権を守ろうとしなかった、いやむしろ捨石として己が春さえ満喫できればいいとする「組織労働者」のエゴ、利己主義といっていいか、醜い姿が報告されています。この間の反・脱原発運動=闘争に参加されている方は気づいているかと思うのですが、(組織=大)ロードークミアイの参加はほとんどといっていいくらいありません。昨年もかろうじて、出し遅れの証文みたいに登場してきたのが夏以降です。明日の日比谷野音の集会はその組織労働者を基盤・母体としたところが多いかと思います。それだけを見ると、ロードークミアイもやっているではないかと思われるかもしれませんが、実態・事実は違います。参加している単組等を見ればお判りになるかと思います。原発と労働組合の関係は、さらに検証・検討する必要があります。 そう、彼らがこれまで何をしてきたのか――。 ▼ブログ「みんな楽しくHappy♡がいい♪」をリンクページに掲載しました。 ▶発信箱:ヤマナカ話法=榊原雅晴 ノーベル賞を受賞した山中伸弥さんのユーモアあふれる語り口です。 【「私はラッキーだったが、それまでに先人がめくった何枚、何十枚ものベールの一枚一枚が等しく大切なのです」と言われれば、半世紀近い研究の積み重ねが門外漢にも実感できるというものだ】 それに引き換え、 【福島原発の事故をきっかけに、東大出身の専門家で固めた「原子力ムラ」特有の語り口が、「東大話法」と皮肉られている。責任が及ばないよう周到に論点をずらし、専門用語で素人をケムに巻く。 命名した安冨歩・東京大教授が挙げた話法の一例が「(相手が素人だと)なりふり構わず、自信満々で難しそうな概念を持ち出す」。つめのアカをせんじて飲ませてあげたい】 まったく同感です。しかし、「つめのアカをせんじて飲まし」たところでも無理でしょう。そんなもので悔悛するような連中ではありません。本通信でも安冨歩・東京大教授が挙げた話法「東大話法」をよく引用させていただいております。昨日の号もそうでした。 大橋弘忠、ネット上にアップされている佐賀でのプルサーマルをめぐるシンポでのあの薄ら笑いを思い出すと精神衛生上悪いのは重々承知しているのですが、思い出すたびに怒りがわいてくるし、あんな人間をほっといてはと闘いの意気が上がるのも事実です。 ▶共生の道を探して:「修羅」から「地人」へ/26 ある物理学者の選択/福岡 【なぜ被ばく労働者は組織化されなかったのか。重ねて問うと、藤田さんの口から「旧総評の犯罪」という厳しい言葉が返ってきた。 「総評が労働組合の組合員の権利を守ろうとした時、原発の被ばく労働は組合員以外の労働者に移っていったんです。そして総評は、その業務に従事する労働者たちの人権を守ろうとはしなかったため、彼らは未組織のまま放置された」】 【末端の危険な作業には農漁村や日雇いの寄せ場などから集められた未組織の労働者たちが主として従事してきた。さらに85年に労働者派遣法が制定され、95年に日経連が「新時代の『日本的経営』」を打ち出すと、非正規労働者や間接雇用が急増した。そして、99年の派遣対象業務の原則自由化、03年の製造業への派遣解禁を経て、今や全産業にその構図は広がっている。 今年1月に日本弁護士連合会が出したブックレット「検証 原発労働」の中で、福島県いわき市の渡辺博之市議が地元で聞き取り調査した結果を報告している。それによると、他の製造業と同様に原発が派遣先として解禁された03年以後、地元の零細企業は本業とは別に労働者を原発に派遣することで収入を得てきた。今の原発では何重にも連なる違法派遣と中間搾取が構造化されており、ほとんどの労働者が社会保険にすら加入していない。その複雑な派遣の仕組みに暴力団が介入する余地が生まれ、福島の事故後は介入が一段と激しくなっているという。 原子力産業はウランの採掘から放射性廃棄物の処理まで、全過程において末端の労働者の被ばくが避けられない。低線量被ばくでも線量に応じた一定の比率で人ががんで死ぬと想定されている以上、この産業はある程度の労働者の死を前提にして成り立っていることになる。 「原子力とは、都市住民の便利で豊かな生活を維持するために、アメリカやオーストラリアやアフリカで先住民族などが被ばくしながら採掘するウランを使い、原発で未組織労働者の被ばく労働によって作られた電力を供給するシステムです。そこには徹底した差別の構造がある」】 傾聴に値する話です。いかに組織労働者、労働組合というものが弱者を踏み台にし、わが世の春を謳歌し、自分たちだけが甘い汁を吸ってきたかということです。そのツケまで背負うことになってしまったのです。私たちの次の世代からは…。 ▶毎日・北九州フォーラム:テーマ「昭和史を再考する」 ノンフィクション作家・保阪正康さん講演要旨/福岡 保坂さんの書かれたものよく読むのですが、ここにも書かれていますが、まったくその通りです。本通信でも原発事故と先の大戦での軍部の行動様式、考え方はいっしょとたびたび書いていますが、何十年たっても変わりません。絶望的にすらなります。でも、絶望ばかりしてはいられません。希望を持たなくてはと言い聞かせ、脱原発社会をめざす闘いに立っていきたいと思っています。 ▶特集ワイド:原発の呪縛・日本よ! 精神科医・斎藤環さん <この国はどこへ行こうとしているのか>と題しての連載です。 【原発の「安全神話はまやかしだ」と肌で感じた】 【「日本にいる限り、原発事故のリスクから逃れて無関係に生きることはできない。よく飛行機事故の確率より原発事故のほうが低いという主張があるが、間違っている。飛行機には『乗らない』という選択肢があるが、原発にはない。日本人は皆、平等のリスクにさらされている」 だが、考えあぐねた末に斎藤さんがたどり着いたのは「感情的で非合理的と言われても、『原発のない国』の選択をすることこそが日本人として正しい道ではないか」というシンプルな論理だった】 【前例がある。現在の日本が選択している核兵器を持たない国防政策は、核武装した国から見れば非合理的だと思われるかもしれない。唯一の被爆国であり、かつ二度と戦争をしないという決意を込めた平和憲法を国防の基本政策とするのは、感情的だと思われるかもしれない。しかし、多くの日本人はその事実を納得して受け入れている】 【「原発も同様に考えるべきだと思うんです」】 【『こんなに危険な原発なんて、もう懲り懲りだ』という思いをエネルギー政策の根幹に据えた方が、よほど人としてあるべき姿です。いつまでも愚かなままじゃないという意思表示、言い換えれば日本人の自尊心をかけた選択……それが『脱原発』なんです】 【「『脱原発』を、政権交代や政策変更に左右されない国の基本方針、国是としなければならないんです」】 【この国は、既に核についての「国是」を持っている。言うまでもなく「非核三原則(核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず)」である。「この先例を踏襲して『非原子力三原則』を設ける。持たず、作らず、依存せずという新たなルールを確立する。それが、この国の進むべき道だと思う。そういう国に生きることに誇りを感じたいんです」】 ▶福島県平田村:内部被ばく 男性1人が国の基準超える 【県内外8200人の内部被ばく検査結果を公表した。99%以上が検出限界未満だった。64歳男性1人が、生涯で受ける累積量の推計値「預託実効線量」が健康に影響を与えるとされる国基準(1ミリシーベルト)を超えた】 【男性の内部被ばくは1.055ミリシーベルト。自宅が避難指示解除準備区域にあり、イノシシの肉や川魚を食べていたという】 ▶福島産葉タバコ基準値超え=セシウム検出―JT 【日本たばこ産業(JT)は9日、2012年産の乾燥葉タバコに対する放射性物質検査を実施し、福島県産の一部で放射性セシウムが同社基準の1キロ当たり100ベクレルを上回ったと発表した。JTは検出された約4.5トン(850万円相当)の購入を取りやめる。福島県では昨年、葉タバコの栽培を見合わせていた】 ▶行政ファイル:伊方原発は先月の地震で異常なし/愛媛 【先月8日に伊予灘を震源に起きたマグニチュード(M)4・4の地震で、伊方原発(伊方町)1~3号機で検知した地震動は5~7ガル(加速度の単位)と弱く】 当たり前です。そんな程度で壊れたらそもそも構造物として失格です。建設時に想定しているガルにしても百桁の位です。その想定値以上の揺れを新潟県中越沖地震で経験し、そして今回の東日本大震災があるのです。また、六ヶ所村再処理施設などは古い基準のままであり、その後着工した原発においてはそれ以上が想定されているにもかかわらず、低位水準とばかり(つまり建て替えができないから)に古い=低い値で「妥当」と判断されているのです。 ▶復興予算 衆院小委流会 誰のための復興か 被災者ら怒りと諦め 【大熊町から南相馬市に避難中の元タクシー運転手、佐々木久さん(52)は「ここらはまだ田んぼの中に車が落ち、ガードレールもさびたまま。民主党が私利私欲のために動いていることがよく分かった」とあきれた様子】 と言っていますが、確かにそう思う気持ちはわかりますが、白アリの如くありついているのが霞が関の官僚どものようです。その点もきちんと見ていく必要が大でしょう。 ▶若狭町:環安協委員が研修会 原子力安全協定見直し説明/福井 【事業者側の回答には、原子炉施設の変更に関する計画の報告や、安全確保のための現地確認、損害の補償などが盛り込まれた。4市町からは「前進した」「事故があれば立地自治体より被害が大きい」と評価と不満の声があり、温度差が表面化している】 ▶今「原子力」を考える:規制委、大きな権限と責任 中川英之・県原子力安全専門委員会委員長に聞く/福井 【各プラントごとに検証すべきだ。新しい原子炉が、新しい科学技術的な評価を踏まえて昔より安全に作られているのは事実だ】 ならば、「古い原発」は今より安全ではないということ。美浜などどうする? 破砕帯再調査を聞かれ、 【設置の段階で疑いのないところまでデータを整備しておけば、このようなことにはならなかった】 いい加減にやっていましたと認めたことです。 ▶公開講座:原子力テーマに 京大で来月17日 /京都 【京都大大学院エネルギー科学研究科は11月17日午後1時~4時、「原子力利用における安全と防災の科学」をテーマにした公開講座を京都市左京区の同大学で開催】 三沢毅教授が「原子力発電と原子力防災」、森下和功准教授が「原子力の安全と保全」だそうです。何をこの期に及んで安全と保安というテーマで話すのでしょうか。 ▶関西広域連合:協議会委員、発言力評価 知事と初の意見交換 /滋賀 ▶三菱電機:タービン発電機、生産強化 火力見直され累計生産2000台 【東日本大震災で原発の再稼働が見通せない中、国内の電力会社が原子力から火力への電源シフトを進めていることに加え、海外でも発電所建設が相次いでいるため、生産を強化している】 【中野直広副所長が「世界一のタービン発電機メーカーを目指し、世界中の電力安定供給に貢献していく」とあいさつ】 さっさと原発事業から手を引き、こちらにシフトした方がよっぽど感謝されます。しかし、その前に、しこたま原発で儲け、挙句は事故を起こし、とんでもない事態にした責任もあるわけですからたのですから、きちんと何百年かかるかわかりませんが人員を配置し原発(廃炉になっても)の「御守」をしていただきたい。 ▶JA全国大会:安倍自民総裁がTPP慎重姿勢 【全国農業協同組合中央会(JA全中)などJAグループは11日、全国大会の式典を東京都内で開き、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉参加に反対する特別決議や、将来的な脱原発を宣言する活動方針を採択】 先日お伝えしましたが、JA 「脱原発」宣言です。しかし、毎日新聞、見出しは脱原発よりTPPです。 | ||