原発通信 317号2012/10/15発行
「10.13さようなら原発集会 in 日比谷」詳細はこちら 10/12-13連続行動参加報告 10.13さようなら原発集会後のデモ行進
▶92歳も国会前行動に参加。私など、まだまだ若輩者です 12日、13日と連続行動に行ってきました。12日の金曜日は首相官邸前ではなく国会議事堂正門前へ向かいました。国会議事堂前では、たんなるコールの繰り返しではなく、参加者の多くがスピーチをします。その途中、「お医者さんはいませんか!」との呼びかけがありました。スピーチの順番を待っていた方が倒れたというのです。なんでも北海道旭川市から来られた92歳の方だというのです。抗議行動参加者のなかに医師の方がおられ、その後救急車が呼ばれ、「また来てね!」の声に送られ、搬送されていきました。 夏は暑かったので涼しくなってからと思い、国会前の抗議行動に参加するために上京されたと言います。92歳! まだまだ私など若輩者です。 ところで、参加者のスピーチのなかで若干気になる発言がありました。16歳の男子、行動に参加されている方はよくご存知かと思いますが、よくがんばって発言をされている方なのですが、その日は復興予算について発言されていました。 復興予算の使い方のデタラメさが問題になっています。その一例として、法務省が、少年院に収容されている少年たちに対して社会復帰名目──「出所した若者が被災地で瓦礫処理 の仕事に就くかもしれない」との理由でフォークリフト費など──での予算を要求しているのはご存知かと思います。彼はそのことに対して、「復興予算を犯罪を犯した子どもたちに使うのは問題」という趣旨の発言をしていました。 復興予算を充てることはたしかに問題ですが、そのことと罪を犯した少年の更生問題とは分けて考えなければならないと思います。そういうことを話し合える、またサジェスションできる“大人”がまわりにいなかったのでしょうか。残念です。 福島の方からは、先日いわき市で開かれた第78回全国麺類飲食業者福島大会で、主催者・福島の会長さん(?)が「私たちと原発は相いれない」等の挨拶をされたという報告がありました(首都圏反原発連合のHPにその一文をアップすると言っていましたが)。 人数は減ってきているようですが、議事堂前の行動も一カ所だけではなく、霞が関へ向かう坂の途中2、3カ所で「別行動」的に行っているグループなども生まれています。 ところで、「11.11反原発1000000人大占拠」行動ですが、当局からまだ許可が下りていないそうです(12日現在)。しかし、断固決行すると言っていました。 ▶参加者も警備も“オールドスタイル”の「さようなら原発」集会 さようなら原発集会。10月13日、日比谷野外音楽堂
13日は、日比谷野外音楽堂で行われた「さようなら原発」集会に仲間たちと参加。首相官邸前、国会議事堂前などとは趣が違います。労働組合、生協の旗が目立ちます。労働組合といっても自治体労働者、郵政労働者などです。自治体労働者といっても組織動員はどこまでという感じでしたし、郵政関係も少数派組合の人たちです。あとは地域労組、争議団が見かけられました。赤い腕章や「闘争勝利」と染め抜いた腕章などが目立ちました。野音の外にはドラム隊を先頭にデモでやってきた一団がありました。野音内はそのエネルギッシュさに一時圧倒されました。集会後、デモ行進。東電前、外堀通りに出て銀座、東京駅、常盤橋公園のコース。先頭には大江健三郎さんがいたそうです。 全体に若い人たちが少なく、参加者もオールドスタイル、方法もオールドファッション。そういえば、「警備」の機動隊も官邸前とは違い、デモ出発時の「警告」が昔と同じでした。指揮車輌の上からラウンドスピーカーで「本日のキミたちの行動は横5列の隊列でうんぬん」という、昔をご存知の方なら、ああ、あれねという、威圧的な「警告」です。注意なんて言うものではありません。彼らも参加者がオールドスタイルの連中と踏んでのことなのでしょうか。そういえば、横路で待機している機動隊員の顔つき、緊張気味で、何かあったらとっ捕まえるぞという空気です。 ちょっと感想を言わせていただけば、昔の集会・デモという趣を残しています。原発問題も数ある課題のなかの一つ、という捉え方なのかという印象を持ちました。それで大丈夫、いいのかというのが私の感想です。それと、うまく言えませんが、このスタイル、空気だと若い人が参加してこないのではと。何かがズレていると感じるのです。 ▶<さようなら原発集会>6500人が参加 東京 【脱原発を訴える「さようなら原発集会」が13日、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂で開かれた。主催者発表で約6500人が参加】 【生後3カ月の娘を抱いた横浜市の自営業の女性(35)は「将来、子供に『なぜお母さんは原発に反対しなかったの』と言われないようにしたかった」と参加の理由を語った】 ▶<原発新増設>政令で防止を検討…経産相 【枝野幸男経済産業相は12日の閣議後の記者会見で、原発の新増設を防ぐための政省令の改正を検討していることを明らかにした。原子炉等規制法の規定では、許認可権限は原子力規制委員会にあり、経産相は新増設について意見を求められるだけ。原発の新増設の権限をどこが握るのか、民主党政権の原子力行政の決定メカニズムがますます不透明になってきた。 枝野氏は会見で、経産省設置法に定められた所掌事務に「エネルギーに関する原子力政策」とあるのを根拠に、「前(建設)に進んでも意味がないと電気事業者が判断せざるを得ない」(枝野氏)ような政省令改正が可能との考えを示した。改正対象となる政省令は「まだ検討を省内に下ろしていない」として明らかにしなかった】 【一方、規制委の田中俊一委員長は10日、枝野氏が原発新増設について反対意見を出す方針を示したことに対し、事業者が原発を安定的に運転するための財務基盤があるかや防災上の問題など、安全審査に関する意見だけを求めるとの見解を示した。これに対し枝野氏は「規制法の条文の解釈は、規制委と整理する必要がある」とし、法解釈にズレがあるとの考えを述べた】 ▶防波壁19メートル以上が条件=浜岡原発再稼働で―下地防災担当相 【下地幹郎防災担当相は13日、「(想定)津波高19メートルという数字が出ているにもかかわらず、18メートル(の防波壁)で再稼働を申請するのは、理解を得ることはできない」と述べ、同原発の再稼働には防波壁19メートル以上が条件の一つになるとの考えを示した】 当たり前というか、それでいいやと思う中部電力、論理がわかるところではないということです。自分がそう思うことは、皆そう思えという連中ですから。 http://backnumber.dailynews.yahoo.co.jp/?m=7662385&e=hamaoka_nuclear_power_plant ▶東電「対策取れば対処できた」=社内事故調の見解変更―原子力改革チーム・福島原発 【東電は12日、「事前の津波評価に基づく対策や、過酷事故対策を取っていれば、事故に対処することはできた」とする見解を明らかにした。同社は今年6月、旧経営陣下の社内事故調の報告書で「結果的に備えに甘さがあったが、知見を超えた地震・津波は想定できなかった」と、不作為に基づく責任を否定していた。 見解は12日、同社の原子力事業改革を進める「原子力改革特別タスクフォース」が、有識者でつくる取締役会の諮問機関「原子力改革監視委員会」に提出した改革プラン策定方針の中で示された。同タスクフォースは広瀬直己社長がトップを務めており、記者会見した姉川尚史事務局長(同社原子力設備管理部長)は「会社の見解と考えていい」と述べた】 これも、情報が一元的なものではなくなってきたネット社会の影響と、多くの人たちが官邸前やパブリックコメントなどで声を挙げ、無視しえない環境をつくり出しているというある意味、成果です。 ▶冬の電力不足、回避の公算=供給余力、北海道は5.8%―節電要請など検討・政府 【政府は12日、今冬の電力需給の見通しや節電要請などの対策の議論を、「需給検証委員会」(委員長・白真勲内閣府副大臣)で開始した。沖縄電力を除く電力9社はいずれも、需要のピークとなる来年1~2月時点で、供給余力である予備率を最低限必要な3%以上確保できるとの予測を報告。予定外の火力発電所の運転停止などがなければ、今冬の電力不足は辛うじて回避される見通しとなった】 ということですが、そもそも、各電力会社が正確な数字をあげているかどうかが怪しいのです。何を理由にあげてくるかを注視しておかなければなりません。 ▶関西電力:電気料金値上げ検討 来年4月に家庭向けなどで 【大飯原発3、4号機(福井県おおい町)以外の原発の再稼働が見通せない中、火力発電用の燃料費負担がかさみ、値上げが不可避と判断したとみられる。関電が、政府の認可を伴う値上げに踏み切れば第2次石油危機の80年以来、33年ぶり】 これとて、そもそも1年と半年という時間があったのに何もしてこなかったということと、取りやすいところから取ればいいということだけです。そして、大口契約者のことは出てきません。 ▶福井・高浜原発:再稼働協議、安全協定が前提──京都知事 【京都府の山田啓二知事は12日の記者会見で、関西電力高浜原発(福井県高浜町)をめぐり、同社との原子力安全協定締結に関する協議が難航していることについて「京都府は『準原発立地県』だ。協定が結ばれなければ再稼働に賛成する気は全くない」と述べた】 当たり前です。福井の原発立地の各自治体は再稼働だなどと議会で決議をあげていますが、事が起きたら真っ先に避難してくる先は県内ではなく京都府でしょう。人に迷惑をかけるかもしれないのに、自分らだけ甘い汁をという魂胆がいけません。京都からはそういう意見が出るのは当然です。 ▶脱原発:JA県5連の山田会長、慎重姿勢/福井 フクシマは人ごとと思っているのでしょう。自分に火の粉が降りかからないとわからない御仁たちなのでしょう。その時はもう遅い…のですが…。 【JA県5連の山田俊臣会長は12日、「立地自治体の状況を考えると、明日から中止とは言えない」と慎重な姿勢】 【山田会長は「(将来的には)脱原発は当然」とJAグループの方針に理解を示したが、「運動として脱原発を掲げることはありえない」と強調した。来月7日のJA県大会で決める13年度から3年間の活動方針に、脱原発宣言は盛り込まない見込み】 【山田会長は、JAグループの政治団体「全国農業者農政運動組織連盟」(全国農政連)会長】 ▶県原子力広報協:解散し清算終了/福島 【原発の安全性をPRしてきた県などの外郭団体「財団法人県原子力広報協会」が3月解散し、清算が12日に完了した。同協会は81年に設立。原子力広報誌「アトムふくしま」の発行、「原子力を考える日」のイベントなどを行ってきた。しかし、原発事故で、安全性PRの「目的を達成できなくなった」として休眠状態となり、3月1日付で解散していた】 「安全性PRの目的を達成できなくなった」と。当たり前です。でも、原発アンゼン教は福島以外ではいまだ生息しています。 ▶脱原発候補、認定マーク 超党派議員呼びかけ 【脱原発を訴える超党派の国会議員でつくる「原発ゼロの会」が、次の衆院選や参院選で脱原発に賛同する立候補予定者を募っている。脚本家の倉本聰さんの発案でロゴマークも作製。このマークを掲げて選挙を戦い、国会勢力の過半数確保をめざすという】 クラゲですか…。わかるのですが、ふわふわした根無し草、根拠なき話などと揶揄されないでしょうかね…。 津波と原発事故を同列に論じる思想家とは何か ▶時代の風:原発事故と安全対策=仏経済学者・思想家、ジャック・アタリ 【原子力は危険で、例外的な安全対策が必要なエネルギーだ。福島第1原発の事故は、原子力が扱いにくいものだと改めて教えてくれた。今なお福島第1原発2号機、3号機で実際に何が起きているのか分かる人はいないし、4号機の使用済み核燃料プールにある燃料棒を取り除く前に、再び大地震が起きれば大惨事になる。日本の対策は遅れており、今後も影響が心配だ。 これに対し、日本の原子力の問題は、すでに知られているように管理が非常に悪く、腐敗し、不透明だったことにある。重大な不注意があっただけでなく、電力会社と監視機関のもたれ合いがあり、政府は職務を怠った。日本では近年、小さな原発事故が相当数起きており、原発の品質が維持できていなかったと推測される。使用済み核燃料再処理工場やプルサーマル原発で使うMОX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)燃料工場すら稼働していない。日本の原子力産業は、生産という意味でも点検、管理という意味でも良質とは言い難い】 と、まあ、いい指摘はしているのですが、次がいけません。福島の事故、津波が原因というのです。津波が到達する前に配管等がいかれてしまったという指摘がされていることについては無視です。そして、東京に津波が襲ったらなどとご心配までしてくれています。 津波は、確かに甚大は被害を生み出すかもしれません。しかし、「復興」「再建」は可能です。放射能で汚染され、人が住めなくなるくらいよりも。その対策は当然立てなければなりませんが、津波被害と原発事故とを同列に論じる経済学者・思想家というのはなんなんでしょうか。難しい顔でいかにも思想家という風貌ですが、案外物事を深く考えないか、考え過ぎてぐるっと一回り、何のことはない、元に戻ってしまったというところでしょうか。 【福島の事故は、原子力そのものの事故ではなく、発電所が非常に悪い場所に設置されたために起きた。原発の建屋が爆発したのであり、損傷をもたらしたのは津波だった】 【私が日本人なら、原発に不安を抱くと同時に、津波が東京の街を襲ったらどうなるかと不安になるだろう】 ▶社説:新聞週間 震災・原発報道の深化を 【息長く被災地の現状を取材し、政治や行政の動きをチェックする。また、重要な課題について深く検証する。新聞の大きな役割】と、期待しております。 ▶原発反対が62%=日立の受注計画見直しも―リトアニア国民投票 《【ベルリン時事】リトアニアで14日、日立製作所が受注で合意している同国東部のビサギナス原発の建設の是非を問う国民投票が行われ、15日未明(日本時間同日午前)までの集計によると、賛成が34%にとどまっているのに対し、反対は62%に上った。政府の政策は投票結果に縛られないが、民意が「ノー」を突き付けた。 国民投票と同時に実施された議会選挙は野党が優勢で政権交代の見通しとなっており、同原発の建設計画が見直される可能性も指摘されている》 ▼原子力ムラ 今日の「No problem!」 ▶3号機建屋で水漏れ=汚染水か、外部流出なし―福島原発 【15日、福島第1原発3号機のタービン建屋1階で、水漏れが見つかったと発表した。協力企業の作業員が午前10時10分ごろ発見し、約10分後に建屋地下の汚染水をくみ上げるポンプを停止させたところ、水漏れも止まった】 ▶ファイル:福島1~3号機なお立ち入れず 【東京電力は12日、事故収束作業が続く福島第1原発(福島県双葉町、大熊町)を報道関係者に公開した。4号機の使用済み燃料プールでは核燃料の取り出しに向けてフロアのがれきの撤去がほぼ終了した一方で、放射線量が高い1~3号機は燃料プールフロアに作業員が立ち入ることもできていない。事故から1年7カ月がたってなお、後始末の困難さを印象づけた】 ▶第1原発事故 1号機の容器内セシウム、外側より低濃度 【東京電力は12日、福島第1原発1号機の格納容器底部を撮影した新たな映像を公開した。また、容器内部の放射性汚染水250ミリリットルを採取して調べた結果、1立方センチ当たり最大5万4000ベクレルの放射性セシウム(セシウム134、137の合計)を検出したと発表した。 東電によると、格納容器には約2・8メートルの深さで汚染水がたまり、鉄製の底部には、さびや塗膜片などが散らばっていた。実際の色はグレーだが、写真では光の反射のため青く見えている。溶け落ちた燃料は確認できなかったとしている】 牛乳瓶1本強の量をようやく取ってというところでしょう。「1立方センチ当たり最大5万4000ベクレル」もあるのです! 「格納容器には約2・8メートルの深さで汚染水がたまり...」──先日報告したように毎時5トンもの水をぶち込んで、これです。 塀の中の東大話法の使い手 ホリエモン、大きなお世話です ▶ホリエモン「脱原発デモは日本人の“ケガレ思想”そのもの」 【堀江はこの時の坂本龍一氏の「たかが電気のために命が危険にさらされなければいけないのか」という発言に大変違和感を覚えているとのことです】 【「されど電気」──これが堀江の論でして、「原発製の電気がどれほどの命を救っているか、考えたことがあるのだろうか?」という逆の考え】だそうです。 【一方で、「日本には放置されたままの放射性廃棄物、処理するための巨大な負債、対策を行なう二流の技術者だけが残るだけでなく、電力会社の多くは債務超過(原発の資産価値がゼロになるので)となる」と指摘。デモに参加している人たちに対し、「それがどれだけ大変なことか、わかっているのだろうか?」と心配】し、 【今週の金曜日もまたデモが行なわれるのでしょうが、このデモの行き着く先はどこなのか、御大ともども気になるところです】 と、「大変心配」なさっているとのこと。余計なお世話です。ホリエモン、刹那な生き方をしてきた方ですから、興味関心があるのは、原発を稼働させないと債務超過(原発の資産価値ゼロ)になるということだけです。そもそも原発が止まっている関電管内以外(これとて怪しいですが)、ホリエモンがご心配なさっている事態は発生しておりません。カネの亡者は何を見てもカネになるか、損をするか得するかという尺度でしか見ることができないという典型です。あのエコノミックアニマル池田(信夫)同様です。聞きかじった「ゲンパツ―ケガレ」論でちょっと味付けしているだけです。これも「東大話法」です。 ▶読売新聞の誤報問題 iPS細胞を使って手術をしたなどというガセを掴んだ読売新聞です。日ごろちょうちん記事ばかり書いているところが、たまには新聞らしいスクープでもと、慣れないことをするから大やけどをしたのでしょう。身の丈のことをやっているのが一番です。野球は巨人、テレビは日本テレビと面白おかしい記事を載せていればよかったのです。だって、日本テレビ、「面白くなければテレビじゃない」なんて言っているでしょ。「ニュース報道」などと慣れないことはしなくていいのです。読売新聞にそんなもの期待している人などいないでしょ。関心あるのはチケットと、契約時に配っている景品くらいでしょ。 | ||