原発通信 318号2012/10/16発行
「11.11反原発1000000人大占拠」詳細はこちら 10.13さようなら原発集会後のデモ行進
「叱る」のではなく、「指摘」「注意」「批判」を 先週も引用させていただきました心療内科医・海原純子さんの毎日新聞日曜版での連載「新心のサプリ」からです。タイトルは「『叱る』ではなく冷静に指摘を」です。 海原さんは言います。ちょっと間違いを注意するとめげてしまう若者。海原さんの教室にもいるとのことです。プレゼンで論理的に矛盾があるので、その点を質問したら突然泣き出してしまったというのです。どうしてこういうふうになるのかと思っていると「今の若者は叱られることになれていない」という記事が目にとまったというのです。 叱ってはいけない、ほめて育てるなどという育児方法が目立ちます。その反動で「ほめられてばかりいて育つからちょっと言われるとすぐめげる。だから上手に叱ろう」ということも言われるのですが、その内容に彼女は疑問を呈します。彼女は自分や他者の命の危機に瀕したときにだけ叱ることにし、それ以外は「叱る」のではなく、「指摘」「注意」「批判」をというのです。もっともです。しかしその加減(?)が難しい。 彼女は言います。 「若者は叱られ慣れていないからめげるのではない。きちんと理由を提示し客観的に指摘される経験をしていないのである。ほめていればいい、と安易にいいところばかりを褒める風潮が問題なのだと思う」と。まったく同感です。しかし、そこがうまくできないんです。 ただ、これは私の個人的な感想なのかもしれませんが、「指摘」「注意」をすると自分の存在、人格が否定されたかのごとく反応する若者、子供たちが増えているような気がするのです。そう多くを知っているわけではないのであくまでも「気がする」のですが。「逆ギレ」などというものもその一つの現象ではないでしょうか。 ちょっと長くなりましたが、引用したわけは、先日国会前行動での10代の若者の発言(前号)を聞き、一生懸命さは十二分にわかるのですが、その発想はどうなのか、推敲なり検証ということの訓練がされていないのではないか、とちょっと気になったからです。「若いのに一生懸命、こういうところに出てきて発言もするんだから」ということで済まされてしまい、そういう点がおろそかにされているのではないか。若さゆえに不十分さを不十分と「指摘・注意」する大人がそばにいないのか。 海原さんの文章を読んでいて思ったのは、あのプルトニウムなんか恐くないの東大の大橋忠弘センセイのことです。なんとなく思ったのです、独断ですが、あの人、優等生で来て、おぼちゃまって言われてあの歳まで来たのではと。あの、3.11以後の対応、まさに、今時の若者と同じ「逆ギレ」です。 「自分ヲ勘定ニ入レズ。シカシ、欲ハアリ」 今朝のNHKラジオ「ビジネス展望」に日本総研チーフエコノミストと称する山田久(1987年京大卒)が出て、改正派遣法についてしゃべっていました。後半しか聞いていないのですが、とんでもないことを喋っていました。NHKのアナウンサーが派遣から正規雇用の道が本当に開けるのかと問うと、きちんと答えず、雇用主の「善意」にすがる話をするのです。そんなこと、何の根拠もありません。それはここ「失われた20年」(これとて、10年が、20年になり、30年…となる可能性の方が大きいのです)で、いやというほど思い知らされたことのはず。しかも、熟練労働にももっと派遣を増やした方がいいなどという始末です。 えっ!と、わが耳を疑ったのは、定年延長と生涯賃金の話です。派遣労働者が増えれば正規労働者の賃金も下がるだろう。しかし、定年が65歳に延長されるのだから、生涯賃金は変わりないだろうとのたまうのです。つまり、同じ「生涯賃金で長く働かせる」ということです。こんなの小学校の算数の問題です。分母を大きくして割られるほうが同じという話ですから。こんなことを恥ずかしくもなくいうのです。さらに加え、賃金が下がっても家賃やその他が下がるのだから同じだという、まさに暴論を吐くのです。そのことはこの10年、デフレ経済社会のなかで何が起きたかを見れば明らかです。この人も「東大話法」の使い手です。 そして、ミソは、「自分を勘定に入れていない」ということなのです。天上から下界を見下ろしているのです。想像力も共感力もゼロです。自分を勘定に入れない発想は、原発問題でも顕著です。 ▶大間原発:函館市長、建設凍結の要請書 【北海道函館市の工藤寿樹市長らは15日、斎藤勁官房副長官と首相官邸で会い、Jパワー(電源開発)大間原発(青森県大間町)の建設凍結を求める野田佳彦首相と藤村修官房長官宛ての要請書を提出した】 【工藤市長は記者団に対し、大間原発から50キロ圏内の人口について、青森県側の約9万人に対し、北海道側は約37万人に達すると説明。「建設再開には30キロ、50キロ圏内の全市町村の同意が必要ではないか」と訴えた】 当然です。昨夜のNHKTVで、大間町民のひとりは「函館市大間」という感じですと言っています。日常生活圏は、フェリーで海をわたった函館。買い物も、病院もだそうです。そこにこの問題の温度差がある、といっていました。 ▶関経連:原発の早期再稼働、要望書を送付 【関西経済連合会は15日、原発の早期再稼働や政府の「革新的エネルギー・環境戦略」の見直しを求める「電力にかかわる経済性と安定性の確保を求める緊急要望」を発表した。同日付で経済産業省や環境省など関係省庁と民主党、自民党などに送付した。 要望書は「電力不足が1年以上も続いているのは明らかに異常事態」】 そんなに安定供給というのなら、自分の敷地内につくればどうですか。「そのご覚悟おありですか」と突っ込んでみたくなります。そのほうが、人につくってもらうより、よっぽど「安定的に」供給できるというのものです。電力のロスもないし。 ▶インドでも反原発運動「安全確保で政府を信頼できない」 【反対運動の中心になっているのは、約1万2千人が住むイディンタカライという漁村。2004年末のスマトラ沖大地震の津波で被災し、今も約2千人が「ツナミナガル(津波の村)」と呼ばれる特設住宅で暮らしている。ツナミナガルは原発から1キロ程度の近接地。政府は原発から半径2キロ以内の居住を禁じているが、稼働直前だというのにツナミナガル居住者に移転の動きはない。 原発を運営する原子力発電公社によると、原発の敷地は海抜7.5メートルで、タービンは8.1メートル、原子炉は8.7メートルにある。これに対し、04年の津波が到達したのは海抜3メートルまでで、津波の想定は最大5.4メートルだという。 だが、住民はこれに納得していない。稼働直前になっても環境影響調査や安全性評価の報告書などが公開されず、公聴会もろくに開かれない。 原子炉の設計も不安を刺激している。住民らでつくる「反原子力国民運動(PMANE)」によると、ここで使われるロシア製原子炉は圧力容器の中央に大きな溶接部があると分かった。 また、安全性を監督する原子力規制委員会が原子力省の下部組織に過ぎず、「安全確保について政府を信頼できない」という】 ▶さようなら原発北海道1万人集会:「脱原発」1万2000人訴え 倉本さんら呼びかけ──札幌 【北海道電力泊原発の再稼働反対など脱原発を訴える「さようなら原発北海道1万人集会」が13日、札幌市中央区の大通公園西8丁目広場であり、約1万2000人(主催者発表)が参加した。 札幌市の上田文雄市長も参加し、「私たちは節電という大きな武器を持っている。今ある道具を使いこなし頑張ることができると示さないといけない」とあいさつ。呼びかけ人の脚本家・倉本聰さんは「原発は絶対になくしたい」と訴えた】 札幌では市長も参加とのことです。 ▶福島事故から学べ 東海村でサミット 【原発が立地する茨城県東海村で十四日、「第一回脱原発サミットin茨城」が開かれ、佐藤栄佐久・前福島県知事や評論家の佐高信氏、地元の村上達也村長らが東京電力福島第一原発事故から学ぼうとしない国への不信をあらわにした】 ▶「たね蒔きジャーナル」打ち切りに至る舞台裏 【その内情について、MBSの幹部の人はこう解説した。 ▶「野田総理原発視察・大間建設再開・二大政党?・原発への関心」 こんなに惜しまれて打ち切りになった「たね蒔きジャーナル」ですが、15日には文化放送・吉田照美さんのところに小出さん登場。 ▼原子力ムラ 今日の「No Problem!」ではなく「Problem!」 ▶原発3社:海外の受注戦略見直しも リトアニアで建設反対 【日立が6月に発表した原発事業計画では、原発の海外売上高比率を20年度には5割程度まで高める方針。計画はリトアニア原発の成果をてこに、海外での受注を有利に進めることを前提とし、売上高目標も11年度比2倍超となる3600億円に設定した。 しかし、6月に建設を承認していたリトアニア議会は、国民投票と同時に行われた議会選の結果、計画再検討を求める野党連合が多数派を形成する見通し。日立は「今後、新たな国会での議論に必要な協力は惜しまない」としているが、野党が政権を取れば計画見直しの可能性が出てくる。こうした脱原発の世論が広がりを見せるようになれば、リトアニアのみならず海外での受注競争が影響を受けるのは確実だ。 原発大手の米ウェスチングハウス(WH)を傘下に持つ東芝は、トルコなどで受注活動を継続しており、17年度の原発事業の売上高1兆円達成を目標に掲げる。三菱重工業は仏アレバと合同で110万キロワット級の中型炉を開発中で、ヨルダンでの原発受注を目指す。14年度の事業全体の売上高を10年度比1.6倍に当たる4000億円まで伸ばす考え】 ▼トンデモナイ話 ▶<尖閣諸島>国有化のわけ、前原氏が説明 ほんと、あきれた都知事閣下です。これがそこらへんの偏屈じいさんの与太話なら顔をしかめるだけで済みますが、ことは国家と国家、領土問題という互いの利害が絡み合っている問題=「国際問題」なのです。 勢いだけは誰にも負けないと、のんきなことをいい加減にしゃべるまくる人です。ところで、最近、都知事が何を言っているか、もちろんこの尖閣と中国についてです。勇ましい声、聞かれないような気がするのですが。現憲法なんてうっちゃってしまえなどとトンデモ発言はしているようなのですが。こういう人あなたのそばにいませんか。それまでは勢いがいいのですが、生物的反応、嗅覚というのでしょうか、「やばい!」と判断したらスッーと巧みに姿を消してしまう人。あれっ、さっきまでここにいたのに、という人。その類の人です。 【前原氏は、同席者から聞いた話だと断ったうえで「知事がとにかくひどかった。『(中国と)戦争も辞さず』みたいな話をした」と説明。首相は首相公邸での会談後、「あきれた。東京都に(尖閣諸島を)持たせたら大変なことになる」と漏らしたという。内容は、中国側にも既に伝えてあると説明した。 前原氏は「石原さんが(都による購入を)言い出さなかったら、この問題は起きていない。海上保安庁も自衛隊も持たない都が『尖閣を守る』と気合だけで言ってもらっても困る」と批判】 | ||