原発通信 320号2012/10/18発行
![]() 「11.11反原発1000000人大占拠」詳細はこちら “極楽とんぼ”を集めて地球環境フォーラムを開いた朝日新聞 ▶朝日地球環境フォーラム2012 パネル討論「エネルギーシフトと新世界秩序」 朝日新聞2012年10月16日付12版21面
・・・・・ 浜氏、基調講演の話を聞いて感じたこととして「共通のイメージは人間、ヒューマンファクターがこの問題の核心だということ」と、そんなこと当り前だろうということをちょっと小難しく言っています。「じゃあ、お聞きするが他に何か他に核心でもあるのですか」と。人間社会の活動について、それを問題にしているわけなのだから、そんなこと言わずもがなだと私は思うのです。 中国共産党の馬氏、福島第一原発事故後、「原発産業はもはや斜陽産業なのだろうか」と問いかけます。 これに対して、経済同友会副幹事の長島氏は、何を根拠にそう思っているのか、皆目わかりませんが、「必要最低限の原発をもってもいいのではないかと個人的に感じる」などと訳のわからないことを、しかも「個人的には」という但し書きをつけて(つまり逃げをつくっておく)言っています。そもそも「必要最低限」とは何を基準に線を引いていうのでしょうか。やはり「核武装」?のためと勘繰られても仕方がないでしょう。というより、自民党の石破茂らははっきりとそう明言しています。 お節介にも韓国や中国が原発ゼロとは考えられないと口を出し、さらには「事故でも大惨事にならない技術を開発し」などと、原発事故、大惨事でなければいいのかというトンデモ発言まで飛び出す始末です。 長島氏は福島第一原発事故をどう評価しているのでしょう。大惨事と見ているのか、あんなもの大した事故じゃないと思っているのか、そこのところを言わないで(もちろん紙上掲載部分だけで判断しているので、実際は触れているのかもしれませんが)、無責任極まりないことを言っているのです。「惨事」とは被害面積をいっているのか、被災人口をいっているのか、環境に対しての被害の程度をいっているのか、はたまた、事業者の「損害額」「賠償額」をいっているのか。小さな事故なら構わないという発想そのものが許せません。 それに対して、朴氏は「1%の可能性で事故が起きれば、大変大きな問題が発生する」と指摘します。 * もう一つ、訳のわからない浜氏の発言があります。 「地球にリフレッシュしてもらえるような経済のあり方がサステイナブル(持続可能)な成長ではないか」と。 「地球にリフレッシュしてもらえるような」などという発想そのものが西洋近代主義的であり、自然は人間の意のままにできるなどと思いあがった発想だということに気づいていないようです。地球の自然の姿にふれリフレッシュさせてもらっているのは、私たち人間です。主客転倒とはこういうことをいうのでは。 紙面は長島氏のトンデモ発言で締めくくっています。 長島「自然エネルギーがもっと活用されると、原子力はフェードアウトする(なくなっていく)のでは。ただし、何百年かかるかもしれない」と。 もう、ここまでくると恐れ入谷の鬼子母神です。ノーテンキに原発はあと何百年も続くだのと無責任極まりないです。多くの人に知られてしまった不都合な事実=「核のゴミ」の始末ができないということは、ほとんど、いやまったく長島氏の頭のなかにはないようです。石油にしたって人類が使い始めてまだ200年とたっていません。核燃料のウランにしても埋蔵量が怪しくなっているともいいます。それなのに何百年も原発が使えると「想像力」豊かに「発想」できるのですから、極楽とんぼもいいところです。想像力が欠如した者は、四の五のといわずに去るべしです。 米国の大学教授は相変わらずパワーこそ政治と、女性というスパイスを利かせただけで、パワーゲームとしてしか世界を見ていません。ソウル市長や前フィンランド大統領のほうが想像力は豊かです。 それにしても野田首相、「私たちが進むべき道は明らかだ」といったそうですが、その割には歯切れの悪いことばかりです。しかも「国民各層」には「覚悟をもって」などとお説教までする始末。 と、朝日新聞10月16日付20、21面に掲載されているものだけで「感想」を書いてみました。相当の意訳もされているかと思いますが、そう大意は変わらないでしょう。いずれにしても、何をのんきなこと、無責任なことをというのが正直な感想です。朝日新聞、昨年もフォーラムを開いていますが、原発に対する立ち位置がわかるフォーラムです。 ▶溶けた核燃料計量に復興予算 「兵器転用防止」5億円 【東京電力福島第一原発にウランやプルトニウムはどのぐらい残っているのか-。文部科学省はその計量技術を開発するため本年度、復興特別会計で五億円を投じている。核兵器に転用されていないことを国際機関に対して証明する義務がある、というのが理由だ。しかし福島第一の溶融した核物質を誰かが持ち出したり、転用したりすることがそもそも可能なのか。復興予算の使い道としては疑問】 ![]() ▶原子力規制委:透明性「後退」指摘も 発足1カ月 例の田中俊一委員長、「六十何年生きてきたが、こんなに仕事をしたのは初めて」だそうです。そんなに一生懸命働かないで地球上の人々いや全生物の命を左右するものを“いじくって”いたのですか…。 【規制委が直面する最大の任務は、原発の運転について科学技術的に判断する「安全基準」の策定だが、再稼働をにらむ首相官邸や経産省からの圧力が高まる可能性がある。今月3日には「(電力事情など)経済的観点を含めた再稼働判断や、地元への説得・合意形成は電力会社や経産省が担当すべきだ」とする見解を公表。こうした動きをけん制】 【一方、「透明性」については疑念を抱かせるケースが相次ぐ。先月26日、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」記者の会見参加を拒否していたことが発覚。原子力規制庁は当初「政党機関紙は報道を事業としていない」と説明したが、翌週には「保安院時代の会見出席状況を勘案した」と一転して出席を容認。今月10日の定例会には、傍聴者席に私服警察官がおり、傍聴者の抗議で退席する騒ぎがあった。規制庁は「会議の静穏な運営が目的」というが、規制委に相談せずに警察官の出動を要請したという】 ▶原子力規制委:災害対策指針、福島固有も 【原子力規制委員会が見直しを進めている原子力災害対策指針について、田中俊一委員長は17日、事故を起こした東京電力福島第1原発を念頭に、通常の原発より不安定な事故炉への防災対策を盛り込む考えを明らかにした。 この日、福島県の荒竹宏之生活環境部長が出席し「(福島第1原発は)さらなる危険があった場合の影響が普通の原発と違う」と、県固有の指針策定を要請。田中委員長は「福島は防災というより現に被災している。その状況をどう(指針に)組み込んでいくかが大事だ」と】 ▶原子力規制委:6施設で活断層のデータ収集 【文献などによるデータ収集が必要な6原子力施設を公表した。 対象は、Jパワー(電源開発)大間原発(青森県)▽日本原燃再処理施設・特定廃棄物管理施設(同)▽東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)▽中部電力浜岡原発(静岡県)▽関西電力高浜原発(福井県)──5事業者6施設) ▶福島・大波地区:「面的除染」1年 放射線量再上昇も 【福島市東部の大波地区で市の「面的除染」が始まり18日で1年。空間放射線量は市の測定で漸減傾向だが、一般人の年間追加被ばく線量限度1ミリシーベルト(毎時0.23マイクロシーベルト)を超す数値が続く。市は2度目の除染を求めるものの、費用負担する国は応じていない。「高線量を我慢させるのか」。住民には不満が渦巻く】 【3月の除染前後で毎時9マイクロシーベルト台から同2マイクロシーベルト台に低下したが8月には同10.36マイクロシーベルトに。「除染後しばらくすると上がっている」とため息をつく】 放射線管理区域についてもう一度見てみましょう。 【外部放射線に係る線量については、実効線量が3か月あたり1.3mSvを超えるおそれのある区域を指す。「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」などで定められている。毎時に換算すると、0.59μSv/hである】 上の記事、もう一度よく見てください。コンマ以下の数字ではありませんよ! こんな環境のなかで福島の人たちは暮らさざるを得ないのです! ▶福島第1原発事故:東電独自、賠償打ち切りに基準 【東電は、避難指示を受けていない男性との結婚や、結婚後に福島県外に転居したことを打ち切りの基準にしていることが分かった。東電が取材に判断基準の一例として明らかにした。これらを基に「帰宅する意思がない」「生活基盤が整った」と判断、賠償を打ち切っているとみられる】 【東電の賠償受付窓口に結婚後の精神的賠償について問い合わせた別の女性は、担当職員から「同じ被災者の男性との結婚なら打ち切らない」と言われたという。いずれも東電が明らかにした基準と合致する。 30代女性の母親は「好きになった人がたまたま県外の人だったり、結婚相手の都合などで県外に転居したら、精神的損害はなくなるというのか」と疑問を投げかけた】 【賠償範囲を定めた文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会の中間指針(昨年8月)に結婚に関する規定はなく、同省や賠償状況を監督する経済産業省資源エネルギー庁も「結婚で精神的損害は消えない」と批判。憲法は「居住移転の自由」(第22条)と「婚姻の自由」(第24条)を保障しており、結婚相手や新居によって賠償の対応に差を付ける東電独自の基準は、基本的人権との関係でも論議を呼びそうだ】 ▶条件付き受け入れ方針 中間貯蔵施設で双葉町議会が町民懇で示す 【双葉町議会は、東京電力福島第一原発事故による汚染廃棄物を運び込む中間貯蔵施設建設を条件付きで受け入れる方針を固めた】 大熊町に続いてです。 ▶敦賀3、4号機着工に意欲 原電社長 福井 【日本原子力発電の浜田康男社長は17日、敦賀市内で報道陣の取材に応じ】【敦賀3、4号機の新増設計画については「平成16年に申請した本体着工の許認可について、原子力規制委員会で審査を進めてもらい、建設を進めていきたい」と意欲を示した】 昨日、沖縄での米兵によるレイプ事件に関して沖縄の仲井眞弘多知事が「正気の沙汰ではない」といいましたが、こちらも正気の沙汰ではありません。 ▶記者の目・福井:原発推進一辺倒の立地市町議会 「ゼロ」時代、見据え対策を/福井 【戦略決定後の先月19日、経済産業省資源エネルギー庁の担当者が美浜町を訪れ、議会に新戦略を説明した。議員の1人は「とんでもない内容。立地住民をばかにした内容だ」と怒りをあらわにした。別の議員は、原発の運転期間を40年に制限したことについて「理解できない」と強く反対】 【美浜町住民に聞くと、原発推進を求める意見は多い。しかし、根底にあるのは、原発が無くなった場合に雇用や財政を維持できるかという心配であり、子や孫の世代の暮らしへの不安だとひしひしと感じる。決して、原発の推進自体が目的ではない】 【原子力政策は国策で進められた。脱原発にかじを切るなら、国は立地地域を十分に支援し、電力消費地も相応の負担をすべきだ。一方で、立地自治体の議会も、ただ原発推進を訴えるのではなく、「原発ゼロ」時代を見据えた地域の姿をしっかりと描き、活動してもらいたい】 正論です。雇用、地域の自立そして自治をどう原発なしでも保証できるのか、またそのために何が必要なのかが課題です。 ▶あなたの電気代も流用されている 河野太郎ブログ・ごまめの歯ぎしり2012年10月17日 18:36 トンデモナイ話です! 【流用されているのは復興予算だけではない。あなたの電気代も流用されている。 日本原子力発電という会社がある。東海第二原発と敦賀一号機、二号機を保有する原子力専業の発電会社だ。 この会社は3月決算だ。 2010年3月期の電力料収入は1441億円。 2010年3月期の発電量は136億kWh。 前々年の14分の1の発電量で、電力料収入はほぼ同じ。 なぜこんなことになるかというと、日本原子力発電は電力会社との契約で、発電しようがしまいが「基本料金」にあたるお金がもらえる。 2013年3月期は、発電量はおそらく0。しかし、売上は2012年3月期とほぼ変わらない。原子力発電のコストは無限大! 原子力はコストが安いと言ったのは誰だ! そして、東京電力は、おそらく年間400億円を超える金額を日本原子力発電に支払うことになる。 2011年4月から9月に、東京電力は232億円、関西電力220億円、中部電力195億円を支払っている。 いや、正確に言うと、東電が支払っているのではない。この年間四百数十億円は、東電管内の企業と世帯に東京電力が請求する電気代に含まれている。 kWhあたり144円というギャグのような原子力コストを消費者は選択の余地なく支払わされたのだ。 そして、日本原子力発電は、九電力と電源開発、日立製作所、みずほコーポレート銀行、三菱重工が作った会社で、東京電力は28.23%の株式を保有している。 売るものがない東電の子会社から東電は四百億円以上の買い物をして、請求書をあなたにまわした。そしてあなたが支払った電気代であげた日本原子力発電の利益の4分の1は東電のものになるのだ。 では、あなたは電気代でいったいどんなもの、あるいはサービスを買ったのか。 電力会社と日本原子力発電の契約に基本料金が盛り込まれているならば、電力会社が基本料金を支払うが、それは電気代には含まれるべきではない。電力会社が身を削ってまかなうべきものだ】 (まだまだ続きます。ブログへアクセス!) ▼トンデモナイ話 ▶石破氏に外国人企業から献金 6年で75万円、昨春返還 【自民党の石破茂幹事長が代表を務める党支部が2006~11年の6年間、鳥取市内の韓国籍の男性が経営する複数の会社から計75万円の企業献金を受けていたことがわかった】 やはりはじまりました。リーク合戦です。近々行なわれるでしょう総選挙。そしてまた自民党政権かと──。そこでです。霞が関をはじめとして自民党の復活を望む人もあれば、3年前の民主党政権誕生で日の目を見た人もいたでしょう。自民党復活を待ち望む人、報復人事等を恐れる人さまざまでしょう。そんななかできっと始まるだろうと「想定内」の話です。しかし、石破も“身体検査”やり直した方がいいのでは。かつて「返せばいいというもんじゃない」と言っていたのはどなたでしたか…。 ▶昨日の最高裁判決、「○○状態」について考える。 参院、2010年の選挙は「違憲状態」と。 【「1票の格差」が最大5.00倍だった10年7月の参院選が違憲だとして全国の有権者が選挙無効を求めた17件の訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は17日、定数配分規定を違憲状態と判断】 今回は、1票の格差があるかどうかという問題ではなく、「違憲状態」と判決したその「○○状態」という言い方について考えてみたいと思います。 昨年の野田首相による「福島第一原発事故収束宣言」のとき言った「冷温停止状態」といい、今回の「違憲状態」といい、この「状態」という意味は、○○であるとはっきりは言えないが(言ってしまうとまずい!)、まあ、それっぽいもの、似たようなもの、もしくはそう勘違いさせるために使う言葉のようです。 そこで思うのです。1941年12月8日大本営発表の開戦の放送です。 【臨時ニュースヲ申シ上ゲマス。臨時ニュースヲ申シ上ゲマス。 大本営陸海軍部、十二月八日午前六時発表。 帝国陸海軍ハ今八日未明、西太平洋ニ於ヒテ、アメリカ、イギリス軍ト戦闘状態ニ入レリ。】 これ、上記の意味で使うと「戦闘のようなもの」になったということになりませんか。つまり、本当の戦闘ではないと。そんなわけないですよね…。 毎日新聞 10月17日(水)15時23分配信 | ||