原発通信 329号2012/11/01発行
![]() 時間:13:00~ 国会・霞が関周辺デモ 安倍晋三のあの軽やかな足取りはなんだ! 昨日の衆院代表質問に立つときの安倍晋三の足取り、ご覧になりましたか。まるで、これをやったらご褒美がもらえると言われて、舞い上がっている姿です。軽いというかふわふわしているというか、もう勘弁してくれという姿でした。 そして、思うのです、「あなたには言われたくない」と。野田首相や現民主党は問題ありですが、それとて、元を糺せば、自民党政権時につくられたものばかりです。よくも言うよな、という状況をつくり出した罪は大きいです。四方八方、皆「あなたには言われたくない」と言い出したら、どうにもなりません。しかし、現実、事実はそうした状況になってしまっていると思うのです。 第三極連携だなどと言っています。大阪の橋下は石原個人とは組みたいだのと、もう、理念も減ったくれもない。人の“欲”丸出しというさもしい姿をさらけ出していると思います。「国民の信を問う」という言葉のなんと薄っぺらなこと。でも、彼らにしても「勝手に議員になった」わけではありません。国民が選んだのです。 来月は都知事選です。宇都宮健児氏や湯浅誠氏の名が挙がっているとのことです(下記)。 ▶原子力規制委:拡散試算ミス、委員長が陳謝 【田中俊一委員長は31日の定例委員会で、「国民に関係する情報提供は委員会の信頼に関わる。初っぱなから誤りがあったことは国民に大変申し訳ない」と陳謝した。田中委員長は「人間は過ちを犯す。今回の件を反省材料に、根本的なことも含めて再発防止策を検討してほしい」と、事務局の原子力規制庁に指示】 「人間は過ちを犯す」、確かにそうなんですが、原発、原子力、核に関しては、「過ちを犯した」ではすまないのです。だから、脱原発・核廃棄しかないのです。 ▶柏崎刈羽原発:燃料集合体部品変形 規制委が改善命令検討 【使用済み核燃料プール内に保管されていた燃料集合体2体で、内部の部品が曲がっているのが見つかった問題について、原子力規制委員会の田中俊一委員長は31日の記者会見で、原子炉等規制法に基づく改善命令の適用を検討していることを明らかにした。 委員長は会見で「原子炉で、欠陥燃料を使うことは許されておらず大変遺憾だ」と東電の対応を批判。さらに「改善命令も検討せざるを得ない」と指摘】 「原子炉で、欠陥燃料を使うことは許されておらず」という、この発言を記憶しておきましょう。でも、何をもって「欠陥」というかです。それが提示されていません。いつのそういう定義をめぐって、「大丈夫」を連発していたのですから。 ▶原子力規制委人事の同意手続き見送り 【政府は、ことし9月に発足させた「原子力規制委員会」の人事について、与野党の対立が激しさを増すなか、国会で同意を得るのは難しいとして、今の国会でも同意を得る手続きを見送る方針を固めました】 ▶原子力委:見直し有識者会議初会合 年内に意見取りまとめ 【原発や核燃料サイクル事業を推進する立場で原子力政策を決めてきた内閣府原子力委員会(近藤駿介委員長)のあり方を見直す有識者会議が31日、初会合を開いた。メンバーは原子力政策に批判的な学者や団体代表を含む10人で、座長には互選で大西隆・東大教授が就任した。原子力委の廃止を含めた見直し案を年内に取りまとめ、政府の「エネルギー・環境会議」に提言する。 原子力行政を担当する前原誠司国家戦略担当相は「30年代に原発ゼロを目指す中でも原子力政策をしっかりやっていくための司令塔は必要だ」とあいさつした。会議は「外交に絡む内容も話し合われる」(内閣官房国家戦略室)との理由で非公開】 『官邸の100時間』を読むと、この近藤駿介という男、とんでもないというか、無責任男というか、こんな男の「知見」を頼っていたのかと思うとぞっとします。 ▶都知事選:脱原発訴えるグループ 候補者擁立の動き 【官邸前デモに発展した脱原発のうねりが都知事選の争点の一つになる可能性が浮上している。 擁立を模索しているのは、脱原発を訴えている複数の市民団体や労組。民主党の一部議員にも動きがある。関係者によると、候補者としては「脱原発基本法案」の作成に関わった前日本弁護士連合会長の宇都宮健児氏(65)や、元内閣府参与で「反貧困ネットワーク」事務局長の湯浅誠氏(43)らの名前が挙がっているという。4日に有志が候補者擁立に向けた集会を千代田区内で開く】 ▶大飯原発:活断層調査「従来評価を覆すデータない」…関電 【全国で唯一稼働中の関西電力大飯原発(福井県)の敷地内を走る断層(破砕帯)が活断層かを再調査している関電は31日、「活断層ではないという従来評価を覆すデータはない」とする中間報告を原子力規制委員会に提出】 【一方、調査では、関電が問題の破砕帯があると想定していた場所で存在を確認できず、一部をこれまで別の破砕帯と取り違えていた可能性が浮上。破砕帯調査の信頼性に疑問符がついたことにより、関電がさらに追加調査を求められる可能性も出てきた】 何か、ちょうどいい理由でも見つけることができたのでしょう。 ▶国土地理院:新たに7本の活断層を確認 秋田で 【秋田県北部にある能代断層帯と周辺で新たに7本の活断層(推定活断層を含む)を確認したと発表した。能代断層帯はこれまで考えられていた南北約22キロの2倍以上の長さがあり、八峰町から五城目町まで南北約50キロにわたる大規模な活断層帯と分かった。都市圏活断層図として同日、ウェブサイト(http://www.gsi.go.jp)で公開した】 【新たな活断層は「大槻野(おおつきの)断層」(八峰町、約3キロ)▽「久喜沢(くきさわ)断層」(八峰町-能代市、約2.5キロ)▽「横長根(よこながね)断層」(三種町(みたねちょう)、約7.5キロ)▽「鵜川(うかわ)断層」(能代市-三種町、約8キロ)▽「志戸橋(しとばし)断層」(能代市-三種町、約8キロ)▽「鹿渡(かど)断層」(三種町、約9キロ)▽「五城目断層」(五城目町、約4キロ)──の7本。 都市圏活断層図の「能代」と「森岳」の2面に詳細な位置が示されている】 大陸プレートがせめぎ合う真上に位置する日本列島の宿命です。 ▶知事、東電社長に申し入れ 賠償完全実施など4項目 【要望は(1)損害賠償の完全実施(2)除染の徹底(3)事故の収束および廃炉に向けた取り組みと徹底した安全対策(4)復興再生への取り組み-の4項目。損害賠償の完全実施では、田畑・森林に関する賠償基準の早期策定、地震・津波など複合要因のある財物損害への柔軟な対応などを求めた。廃炉に向けた取り組みでは、環境影響の適切な評価と情報開示などを要求した。 会談で佐藤知事は「何度も要望しているが、不十分な対応と言わざるを得ない」と不満を示した。さらに福島第一原発5、6号機と福島第二原発を廃炉とするようあらためて求めた】 ▶「原発事故風化」は半数超、防止対策の強化必要 福島民報社が県民世論調査 【国内での原発事故の風化状況について聞いたところ、「(風化を)感じる」とした回答が52・2%となり半数を超えた】 街を歩いていても「原発事故なんて」という雰囲気です。それが恐いです。 ▶九州電力:値上げ表明 給与削減、数値示さず 消費者「独占の上にあぐら」 【原発停止によって火力燃料費がかさみ、赤字が膨らんでいる以上はやむを得ないとして値上げに理解を求めた。一方、消費者に負担をかける代わりに、コスト削減など自らが新たにどれだけ身を削るかについての具体的な説明はなかった】 【大きな柱となるのは高額とされる社員給与の削減。同社の平均年収は833万円で、従業員1000人以上の大企業の全国平均596万円(福岡県平均526万円)を大きく上回る。 9月に電気料金を値上げした東京電力も社員給与の2割削減に踏み切ったが、瓜生社長はこの点について「しっかりした切り込みをやっていかざるを得ない」と述べるにとどまり、具体的な数値に触れなかった】 ▶この国と原発:第7部・メディアの葛藤/8 エネ庁、4050万円かけ報道監視 漫画1コマにもケチ 原発推進とマスコミのなれ合い、推進派によるマスコミ監視についてが、原発関係の本を読まれた方にとってはご存知のことです。中傷、恫喝は当たり前。そんなトンデモ調査を税金で行っていたのです。しかし福島原発事故以降、さすがに存続はできないと廃止になりました(既報)。 しかし、「美味(おい)しんぼ」について、【「新エネルギーだけで将来のエネルギー需要を満たすことは不可能である。もしそう思うならキチンと実行可能性を定量的に示すべきである」とかみついた】(本通信105号)そうですが、ならば、核廃棄物、使用済み核燃料の最終処分方法、場所、費用についての「実行可能性を定量的に示」してほしいものです。というより、それが先でしょう。できるのならですが……。 【新聞、雑誌などの不適切・不正確な情報への対応」(10年度仕様書)といって、全国紙、地方紙、雑誌から「不適切・不正確」な記事を抜き出し、それに評価のコメントをつけた報告書がエネ庁に提出】 【委託されていたのは、社会経済生産性本部(08年度)▽日本科学技術振興財団(09年度)▽エネルギー総合工学研究所(10年度)】 【佐賀新聞が紹介した原発反対派を「目立ちたがり」と呼び、愛媛新聞の読者投稿欄にプルサーマル導入に慎重な意見を投稿した人を「まともな見識のある人間ではないことを自ら証明している」と非難するなど、中傷まがいの表現もある】 「美味(おい)しんぼ」がチェックされていたのは有名。 【海産物の安全性をめぐる議論の場に原子力研究者が登場。「これ以上原発は増やさず、今ある原発が稼働しているあいだに新エネルギーの開発に力を注ぐべきです」と話す。 報告書は「新エネルギーだけで将来のエネルギー需要を満たすことは不可能である。もしそう思うならキチンと実行可能性を定量的に示すべきである」とかみついた】 【「不正確な記事」が対象のはずなのに、なぜか称賛しているケースもある。原発輸出を温暖化対策につなげる施策を政府が検討していることを報じた日本経済新聞10年3月26日朝刊1面の記事は「大いに期待したい内容」と評価された】 【東京電力福島第1原発事故後の11年度以降は「原子力推進の観点からの広報は見直す」として廃止】 ▶現代をみる:ノンフィクション時評 10月 なぜ原発を始めたか 【さらに次の総選挙で、原発を営々と推進してきた自民党が政権を奪い返すかもしれない。「原発ゼロ」政策がひっくり返される可能性もある。 そもそも原爆でひどい目に遭った国の為政者たちがなぜ、原発を持とうとしたのか。『原発と原爆 「日・米・英」核武装の暗闘』(有馬哲夫著・文春新書)によれば、エネルギー確保のためだけではなく、核武装の選択肢を得るためだった。 たとえば岸信介首相はその核保有カードをちらつかせて、日米安保改定にこぎつけたと有馬はみる。そしてそのカードはこれからも持っておく必要があると説く 読者に選択肢を示すのがノンフィクション、ジャーナリズムの役割だ。しかしマスメディアは結果として、その役割を果たせなかった。 『原発とメディア──新聞ジャーナリズム2度目の敗北』(朝日新聞出版)は、朝日新聞が原発容認論をどう展開し、「安全神話」の形成にかかわったかを、編集委員の上丸洋一が振り返る。 社説や記事の検証のみならず、原発推進の筆を執った先輩の元記者に取材し、現在の視点で厳しく批判する。<自らの体にメスを入れるかのような緊迫した取材、執筆>だったという。さらに原子力の「平和利用」というフィクションを広げたのはメディアで、それは戦前「満州国」という虚構創出に加担して以来2度目の敗北だ、とも】 ▶原発政策、研究者の価値観訴え 立命大・安斎名誉教授が講演 /京都 【放射線防護学者の立場で国の原発政策を批判し続けている安斎育郎・立命館大名誉教授(72)の講演会「福島原発事故と生命(いのち)──研究者の倫理を考える」が28日、京都市北区の立命館大で開かれた】 【講演では「(東京電力福島第1原発の)事故後の今も社会に、国家や産業界の(原発維持の)価値観を反映し、事実関係を否定するような雰囲気があることを認識しなければならない」と】 ▶街頭宣伝:「自由を守る会」結成 弁護士や労組など、「時代に逆行」県警に抗議/群馬 【県警は今年5月から、車を走らせたまま拡声機などで宣伝する「走行宣伝」と停車して行う「停止宣伝」を分け、それぞれに申請を求めるようになった。申請費用は1回2300円。従来は1カ月に1回の申請のみで許可が下りたが、停止宣伝について週1回、警察署ごとの申請が必要になった。前橋市内で停止宣伝する場合は、前橋署と前橋東署への申請が必要となるという】 【同会は改善を求め、「反原発デモなどの動きが広がる中、こうした規制強化は時代に逆行している。国民が街頭で訴える行動そのものを実質的に萎縮させかねない」と危機感を抱く。 立命館大学法科大学院の大久保史郎教授は「街宣活動は本来、道交法で定める『一般交通に著しい影響を及ぼす通行形態』などにあたらず規制対象にならない。(規制強化は)道交法の趣旨を逸脱した細則をさらに拡大解釈したもの」と】 ▶国会記者会館:取材利用めぐりフリー記者が仮処分申し立て 【申立書によると、3人は政府と東京電力の共同記者会見に参加を認められたフリーの記者で結成する「フリーランス連絡会」の事務を担当。7~10月に3回、会館の屋上や4階からの撮影を許可するよう文書で申し入れたが、記者会側は「非会員の立ち入りを原則として認めていない」として拒否】 この記者会館、首相官邸の目の前にあり、デモ隊がその前の歩道に陣取っています。いつも黒塗りの車が出入りし、門には、年配の人が腕章をつけ、立ち入らないように「番兵」しています。ご丁寧に、問題になってからは立札をも立てています。以前にも本通信で報告しましたが、この建物、国有財産だそうですが、家賃もないようです。大手マスコミが“特権階級”だということです。 ▼私も気分は秋晴れです。都知事としてのあなたの顔を見なくて済むので。 ▶石原知事辞任:「マイ・ウェイ」演奏の中、都庁を去る 「かなりいい小説を書き終えた後のようだ」と言ってますが、この人、どんな“いい小説”を書いたっけ? まさか、例の…、何十年たっている? 【臨時会閉会後、都議会本会議場を出た石原氏は「今日は曇っているが、心は秋晴れのよう」とすっきりした表情で語った。一方、都幹部を集めた庁議では、実現しなかった都営地下鉄と東京メトロの一元化を例に挙げ「財務省のバカが」と国政批判を展開。お気に入りの「マイ・ウェイ」を東京消防庁音楽隊が演奏する中、約1000人の職員に拍手で見送られ都庁舎を後にした】 「マイ・ウェイ」がお気に入りのようですが、ある調査によると、この曲が好きな人、好む人というのは自己陶酔型の人が多いということです。映画「ロッキー」のテーマソングも流したというのですから、推して知るべしです。 | ||