原発通信 335号2012/11/12発行
11.11大行動
▶Jパワー本社前で大間原発工事再開抗議 その後、国会前へ 11.11大行動、あいにくの天気でしたが仲間たちと参加してきました。午後3時からの一斉行動で私たちは、大間原発を建設している電源開発(Jパワー)の本社(東銀座)前で大間原発工事をやめろ!と抗議の声を挙げてきました。その後、雨も降り始めましたが、国会正門前での大集会に向かうため、銀座方面へシュプレヒコールをあげながら向かいました。 出発する際、警察は何を根拠にか、「旗を丸めろ」「プラカードは外せ」などと言いがかりをつけてきましたが、拒否。途中、歩行者天国となっている銀座通りを「再稼働反対」「大間を止めろ」「大飯を止めろ」などのコールをあげながら進みました。銀座通りでは、ハンドマイクでシュプレヒコールをあげている人に、ハンドマイクを使うなと警察はこれまた言いがかり。東電本社前、日比谷公園、霞が関と進み、国会前交差点へ。東電本社前、首相官邸前、経産省、厚生省、外務省、文科省、財務省の各庁舎前でも抗議行動が展開されていました。 国会に続く歩道は大勢の人であふれ、次から次と詰めかけてきます。国会前につくころには本降りの雨。しかし、国会前は「再稼働反対」「原発反対」「いのちを守れ」「子どもを守れ」のコールが響き渡り、反・脱原発の意志を示す熱気で熱くなっていました。 東京での大行動に合わせ、全国各地、北海道から鹿児島まで多くの集会・デモが行われました。 ところで、日比谷公園を使わせないという東京都の決定により、日比谷公園は機動隊によって出入り口にピケが張られたそうです。
▶脱原発:国会周辺で大規模抗議行動 【主催した市民団体「首都圏反原発連合」によると、約10万人(警察当局調べで約7000人)が参加。降りしきる雨の中、「原発いらない」の声が国会を囲んだ】 「警察当局調べで約7000人」とか。多くなればなるほど、少なく、少なく発表したがるものです。 ▼イベント情報 ▶NPO「ふくしま支援・人と文化ネットワーク」が12月2日に、講演と討論会を開催 テーマは、「『福島支援』2013年に向けて──原発事故の責任を問いつつ、今私たちにできること」 『犠牲のシステム 福島・沖縄』の著者・高橋哲哉氏(哲学者/東京大学大学院教授)の基調報告ののち、「原発告訴とこれからの福島支援」と題したパネルディカッションを佐藤和良氏(いわき市議/福島原発告訴団副団長)+高橋哲哉氏+同NPO理事長で講談師の神田香織さんで行います。 ◎日時12月2日(日)午後1時~4時 (詳細は同NPOホームページで) ▶韓国原発で亀裂6か所、電力供給危機の可能性 【韓国原子力安全委員会は9日、南西部・全羅南道(チョルラナムド)の霊光(ヨングァン)原発3号機で、原子炉の出力を制御する燃料棒を通す「案内管」に6か所の亀裂が見つかったと発表した。 同原発の5、6号機は今月5日、品質証明書を偽造して納品された部品が大量に使われていたことが発覚し、交換のため運転を停止している。韓国メディアは、この2基に加え3号機の運転再開も年内に実現しなければ、来年初めの電力供給余力はゼロになる可能性もあると伝えた】 韓国でもとんでもないことが起きていました。韓国の原発が事故起こしたら、日本全体がその影響下に置かれます。福島での事故後、ドイツなどが予測した放射能拡散予測、ご覧になった方多いかと思いますが、福島の場合は東が太平洋でした。韓国の東は…、想像しただけでもぞっとします。 カネになる仕事があればそこからもっと利益を上げようとするのが人情。つまりインチキすればもっと儲かる。「品質証明書を偽造して納品された部品」もまた人間の性のあらわれでしょう。しかし、事が原発ということが大問題なのです。 ▶社説:東電の追加支援 国の責任回避のツケだ 【東電は原発事故の賠償費用について、5兆円を上限に原子力損害賠償支援機構を通じ国から調達している。これは毎年の利益から返済する仕組みで、最終的に国民負担は発生しない建前だ】 【国が賠償責任を負わずにきたのは、原子力損害賠償法に根拠規定がないからだ。だから、東電が破綻すれば賠償の主体がいなくなるというのが、東電の法的整理を回避した大きな理由でもあった。そうであれば、直接支援の前提として原賠法を改正し、電力会社と国との責任の分担を明確にする必要があるはずだ】 【税金による直接支援は国民負担ということだ。理解を得るには、法改正の審議を通じて過去の原子力行政の問題点を洗い出す必要がある。株主や大手銀行など債権者の責任を問わずに、税金を投入することには反発も予想される】 責任問題についてきちんと筋を通して来なかったことが噴出したということです。 賠償費用について、東電が自分で支払う(当たり前です)ので「最終的には国民負担は発生しないたてまえだ」といいますが、東電の利益はこれまた当たり前ですが、電気を売ったカネです。その電気料金、何度も出てきますが、例の「総括原価方式」です。つまり、みんなかかったカネぶち込んで、それをもとに算出です。つまり、何のことはない、「国民」=東京電力管内の消費者が負担するということです。 ▶東電「原賠法見直しなど政府は約束履行を」 【──5兆円といわれていた損害賠償や除染費用が10兆円に拡大するという 「(除染対象の拡大などで)5兆円を超える可能性のあるシナリオが出てきたということで、積み上げで明確に決まった数字はない。東電の経営が行き詰まれば賠償などもできなくなるので、とにかく(経営再建スキームの見直しを)議論していただきたいということだ」 ──1000億円の追加コスト削減は実現できるのか 「料金値上げの申請段階で年間3300億円規模の削減を盛り込んでおり、上積みは簡単ではない。料金値上げでは査定で人件費の追加削減が決まった。これ以上の削減は難しく、約20ある関連会社にも同様の給与カット拡大をお願いするなどして、何とか達成させる」】 「5兆円を超える可能性のあるシナリオが出てきたということで、積み上げで明確に決まった数字はない。東電の経営が行き詰まれば賠償などもできなくなる」──これは開き直りというものでしょう。除染費用にしたって、言った通り、まあ適当に数字を挙げておいたということを認めたようなものです。10兆円といったらそういうシナリオをつくる、20兆円といったらそれに沿ったシナリオをいうことです。 そんないい加減なことをしておいて人には約束守れだのと言える神経見上げたもんです。 ▶東電:再生エネ電力料金…顧客が選択、14年度から導入へ 【福島第1原発事故を機に「クリーンな電力を増やしてほしい」との声が高まっていることから、広瀬社長は「高くてもそういう電気がほしいという顧客はいるはず」との見通しを示した】 本当に、何か勘違いしていませんかの世界です。あなたが言うことではないでしょう。原発の方が安いだと。なら、政府のもっとカネを出せだの約束守れだの、四の五のと言わずに、自分たちのカネで全部始末つけろ!と言いたくなります。 まだ、原発が安いと言っていられる神経、これも見上げたもんです。 ▼世はデフレだというのに、毎回更新時にアップしていたとは 「デフレ経済からの脱却を」などというお題目名まったく無縁の世界だったようです。上げても痛くもかゆくもありません。例の「総括原価方式」という打ち出の小づちがあるんですから。そして、ぜ~んぶ、一般消費者がかぶってきたのです。お人よしでした。 ▶宮城県、核燃料税率据え置きへ 女川再稼働見通せず 【宮城県は9日、東北電力に課している核燃料税について、次期課税期間(2013年6月~18年6月)の税率を現行の12%のまま据え置く方針を固めた。税率維持は1998年の更新時以来、15年ぶり】 ▶<原発>被ばく労働考えるネット設立…安全や権利守ろう 【同ネットワークは、原発労働が多数の会社が関与する下請け構造の中にあり、労働者が安全や労働条件の不安を抱えていることから結成された。昨年10月、労組や被ばく労災問題に取り組む市民らが集まり準備会を結成。地元福島のグループと交流し、厚生労働省や経済産業省と交渉を重ねてきた。労働者からは「募集の際に示された作業とは違う危険な作業をさせられた」「安全教育が不十分」などの相談が寄せられてきた】 こうした未組織末端の労働力なしには維持できない原発です。ようよう、声を挙げたということです。ロードークミアイの皆さんの給料も何も、こうした人々の上に築かれたものということを、自覚している人は、いないでしょうね…、残念ですが。 ▶美浜原発:「放射能、外に出ない」 防災計画見直し、初会議で町長/福井 【美浜町の山口治太郎町長は8日、町の原子力防災計画の見直しを議論する防災会議で、美浜原発について「外に放射能を出すことはないと思っている。(放射性物質が外に漏れない)対策はとれている上で、防災体制を進めていくということをご承知いただきたい」】 こういうのを極楽とんぼというのでしょう。 ▶九州電力:また誤入力 放射性廃棄物、濃度算出の数値—99年、02年搬出 【九州電力は9日、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)から99、02年に搬出した低レベル放射性廃棄物について、放射性物質濃度を算出する数値を誤入力していたと発表】 【誤入力が分かったのは、99、02両年に日本原燃の低レベル放射性廃棄物埋設センター(青森県六ケ所村)に搬出したドラム缶計920本分で、既に埋設されている。当時の担当者が数値を記録用紙に転記する際に誤った。99年以降の搬出分を調べたところ、00年336本、10年320本、11年440本に誤りはなかった。九電は「放射性物質濃度に大きな違いはなく、人体への影響はない」と】 九州電力、まじめに仕事をしているのかと思いたくなります。一から十までいい加減だと言われても仕方がないでしょう。一事が万事という言葉もあるのですから。 ▶JCO:廃棄物焼却炉計画 6月の試運転を撤回、住民の不信感拭えず/茨城 【1999年に臨界事故を起こした東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」は、低レベル放射性廃棄物を処理する焼却炉の設置計画について、13年6月としていた試運転開始時期を白紙撤回することを決めた。10月末から3階にわたり開かれた住民説明会で表明した。背景には住民の根強い不信感があり、当分見通しがたちそうにない状況】 底抜けに純粋な新聞記者、というより年取った“学級委員長”って言うところでしょ ▶閑想閑話:普段は取材をする立場にいるが…/島根 【なぜメディア監視に多額の税金をつぎ込んだのだろう。今になっても理解ができずにいる▲異なる意見をぶつけ合い、互いに尊重しあうことが「ちょっとでもよい社会」に向かう基本だと思ってきた】 どこまで、純粋無垢なのでしょうか。権力というものをとらえたこと、考えたことがないと言われても仕方がないでしょう。頭のなかはいつまでたっても優等生的模範回答。「学級会」「ホームルーム」のままですか。 【しかし、霞が関の官僚の皆さんは国家体制と少しでも志向を異にする考えは、認めないという考え方なのだろうか】 でも、少しはわかり始めているのでしょう。 ▶<都知事選>民主が舛添氏に出馬打診 【民主党内で、新党改革代表の舛添要一参院議員(63)を推す声が高まっている。立候補すれば都連や都議会が支援する構えで、既に国会議員らが出馬を要請。舛添氏は返事を保留しているが、毎日新聞の取材に「(衆院選や参院選も含め)選択肢を閉ざさない」と話している】 これ、本気で考えているのでしょうか? どうかしているぜ、という感じです。もう、言葉も見つかりません。信を問うのであれば、わが民主党は“自民党民主仲良しグループ”と改名した方がいいでしょう。 ▶与謝野氏、自民復党へ 【自民党は2010年に除名処分にした与謝野馨元財務相(無所属)を復党させる方針を固めた】 選挙民をバカにするにもほどがある!と言いたいのですが、民意以上の政治家は持てないということですので、まあ、日本の選挙民、国民のレベルはこんなものなのかもしれません悲しむべきことです。 ▶<橋下代表>「核廃絶誰ができるか」広島で発言 【「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則についても、「基本は堅持だが、『持ち込ませず』は日米安保条約で本当に可能なのか。(日本に基地を持つ)米軍の第7艦隊が核を持っていないなんてありえない」】と、正しいことはいいます。 しかし、 【「日本は国連の安全保障理事会の理事国でも何でもない。日本は平和ぼけしすぎている。国際機関の中で無視されかけている中で、(核兵器の)廃絶といっても誰ができるのか。現実的な戦略を訴えないといけない」と】言うのです。さあ、そこで「現実的な戦略」というのですが、その中身は? まさか、核武装などと慎太郎と同じことをいうのじゃないでしょうね。橋下、ルサンチマンの心理を巧みに使います。 | ||