原発通信 337号2012/11/14発行
そう、原発は「小異」ではありません。 解散だ、民意を問え、第三極だ、新党だと騒がしいこの頃です。野田首相は、またまたTPPをもちだし争点をずらそうと画策しています。あちらこちらから「憂国の士」を気取った時代遅れ、周回遅れのトップランナーが大はしゃぎです。そうしたところ、党利が当然あるでしょうが、自民党の高村副総裁、原発は小異ではない、野合や選挙互助会は国民の迷惑といったそうです。毎日新聞の今日(11月14日付)の社説でも言っています。 まったくその通りです。東京都知事を放り投げ、「憂国の士」を気取っている小皇帝=石原慎太郎のデタラメさが、また暴露されています(下記「編集室から」)。 そんなところへ、野田首相、今日行なわれた自民党の安倍晋三との党首会談で、「次期通常国会で(衆院の)定数削減を必ずやると決断してもらえるなら、16日に解散してもいい」と表明したそうです。今度は野田が安倍に「約束できるか」と。さあ、今度はお鉢はこっちに回ってきたかというところでしょうか。解散の条件ではないといったり、忙しいです。 ▶高村氏“第3極は国民の迷惑” 【自民党の高村副総裁は「消費税や原発などの政策の違いは、決して『小異』とは言えない大きな問題だ。野合や選挙互助会は国民に迷惑をかける」とけん制しました。そのうえで、高村氏は「民主党の数少ない功績の一つは、選挙互助会が国民に迷惑をかけるということを示してくれたことだ。基本的理念が一致せず、綱領もないままに党を作り、政権交代を実現したとたんに目標を失って、何かやろうとするたびに、バラバラになる」と】 ▶首相“定数削減なら16日解散も”11月14日 15時36分 ▶野田首相「16日に解散してもいい」=自民が定数削減確約すれば 「規制庁にプログラムを開発する能力はない」 ▶拡散予測図 孫請け業者が計算 【拡散予測図に相次いで誤りがあった問題で、規制委の前身、経済産業省の旧原子力安全・保安院が、原子力安全基盤機構(JNES)に作業を丸投げし、JNESはさらに孫請けのコンサルタント会社に随意契約で、ほぼ丸投げしていた。原発周辺の気象データは規制される側の電力会社頼み、予測も外部頼みでは、規制委の能力が疑われそうだ】 【電力会社によって気象データを記録する様式が異なるのに、様式を整えずに予測したのがミスの大きな原因の一つ】 【規制庁にプログラムを開発する能力はなく、また外部頼みになる可能性が高い】 私が仕事上で、よく言われ、心していることが、スタートラインを同じくすること。それぞれバラバラではダメだということ。書式等々揃えて、次の段階へ仕事を回すということでした。 そういえば、「働く」ということは、「はたを楽にすること」だという話を聞き、また読んだこともあります。そうした昔から言い伝えられてきたことには真理があります。それをどこかで「古い上着」とともに、もしかしたら脱ぎ捨ててしまったのかもしれません。 そうした先人たちの教えを捨て去り、効率化の名のもとにアウトソーシングだのとしゃれた名前に惑わされ、労働の中身など問うこともせず、日常を過ごしているのが現実なのでしょう。その結果が原発問題に象徴的に表れているという気がするのです。だから、原発問題は根が深いのです。 ▶原子力規制委改革へ柳田氏ら専門家 【国の原子力規制委員会は、規制組織として必要な専門性や透明性を確保するため、原発事故を巡る政府の事故調査・検証委員会に参加した柳田邦男さんなど外部の専門家5人の意見を聞いて業務の改革を進めることになりました】 ▶中間貯蔵施設 大熊町に調査を要請 【除染で出た土などを保管する中間貯蔵施設の建設を巡って、14日、環境省の園田副大臣が、候補地の1つである福島県大熊町の渡辺町長と会談し、建設に向けた現地調査を要請しましたが、町側は調査の受け入れに慎重な態度を示しました】 【町側は議会などと協議する必要があり、受け入れには慎重な態度を示したということです。会談のあと、渡辺町長は「これまで不明確だった部分の説明があったので、前に進んだ部分はある。現地調査をしないと分からない部分もあると思うので、今後どのように取り組むべきか協議したい」と】 久々に大熊町が出てきました。前号で、「あそこしかないでしょう」と書き、多くの人、政府要人も東電も、薄々思っているところの話です。 大熊町の市民団体=「大熊町町政研究会」(木幡仁代表)が町民の署名1626人分を添付して中間貯蔵施設の「誘致」を請願したということを本通信281号で報告しました。1626名という数字はどの程度なのか調べてみました。昨年11月に行われた町議会選挙の数字を見てみると、総有権者数は8591人、投票者数は5871人だったとあります。つまり、町議会選挙の投票数の3割弱の人数を集めて「請願」しています。 ▶敦賀原発で来月1日から断層調査 【原子力発電所の敷地を走る断層が活断層かどうかを調査している国の原子力規制委員会は、専門家による2例目となる現地調査を、福井県の敦賀原発で来月1日から行う方針を決めました。規制委員会は、活断層と判断した場合、運転再開を認めないことにしています】 そもそも規制委、本通信333号で報告した通り、活断層かどうかというより、「地滑りしないところ」といっているのです。 しかし、彼らのことは本当に注意しなければいけない。その文言に続けて、シッカリと手は打ってあるのです。「大きな事故が発生しないと考えられるところ」と。したがって、地滑りが危惧されるところであろうと、次の手、「大きな事故が想定されない」と判断してしまえば、これまで通りということになるのです。手ごわい相手です。 毎日新聞の追跡調査で明らかに ▶福島第1原発事故 福島健康調査、秘密会で重要方針 情報公開、議事録で確認 【県は毎日新聞の情報公開請求に応じて準備会の「議事録」を開示した。準備会について県は、10月の内部調査で「資料の事前説明の場」と位置付けているが、議事録からは、重要な方針や検討委での議論の範囲まで決めている実態が改めて確認された】 【第3回検討委(11年7月24日)の準備会(同17日)は、検討委より約1時間半長い約3時間半に及んでいた。甲状腺検査の対象年齢について、座長の山下俊一・県立医大副学長が「(この日の)打ち合わせで決める」と発言し、委員の意見を聞いた後、「委員会の提言としては18歳以下とする」との方針を示した。 他の委員から異論は出ず、「本番」の検討委では別の県立医大教授が「18歳以下を対象にする」と説明。同年10月から実施された】 【第5回準備会(12年1月25日)では、住民の外部被ばく線量の推計調査を巡り議論。11年度中に、健康診査の対象とする一定の基準値を設ける予定だったが、一部委員から「線引きが難しい」などと異論が出ると、山下氏が「理論武装した方が良い。今回は議論しない。結論は年度を越えてとなる」と先送りする考えを示した】 ガレキ説明会で逮捕者 大阪 大阪がれき説明会での4人逮捕について。- 2012.11.13 http://www.youtube.com/watch?v=QhLnnm5FPbs&feature=player_embedded ▶震災がれき:大阪、24日にも試験焼却 此花区で説明会 【会場では、受け入れ反対を訴える市民団体などが警察官らともみ合いになり、逮捕者が出る騒ぎになった。 府市の計画では、市舞洲(まいしま)工場(此花区)で木くずなど約100トンを月内に焼却し、放射線量を計測。安全性を確認し、来年2月以降、本格的に受け入れ、来年度までに約3万6000トンを処理する】 ▶震災がれき説明会 抗議グループが大騒ぎ「ふざけんな!」 ▶川内原発:熱傷事故で九電課長ら8人書類送検 【10年1月に鹿児島県薩摩川内市の九州電力川内原発1号機で作業員1人が死亡、6人が重軽傷を負った熱傷事故で、県警は13日、作業計画を策定するなどした九電の課長ら7人を業務上過失致死傷容疑で、死亡した九電子会社社員(当時29歳)を業務上過失傷害容疑で鹿児島地検に書類送検した】 【県警幹部は「九電は利益を追求し、誤った手順書で漫然と作業をさせた」と指摘】 九州電力が訴追されるのであれば、東京電力はなぜ「利益を追求し、再三指摘されていたのにもかかわらず、地震・津波対策を怠り、福島県民をはじめ日本国民(だけではありませんが)に損害を与えた」と、ならないのかです。 ▶北海道・泊原発廃炉訴訟:621人が追加提訴 廃炉求め、原告計1233人に 【北海道電力泊原発(北海道泊村)の原子炉全3基について、道内外の住民が「安全性が確保されていない」として北電に廃炉を求めた訴訟で、新たに621人が12日、札幌地裁に追加提訴した。原告数はこれで計1233人。弁護団によると、泊村の村民はいない】 ▶青森・大間原発:現地反対集会に380人 函館市民も45人「まだ間に合う」/北海道 【Jパワー(電源開発)大間原発(青森県大間町)の建設工事中止を訴える現地集会が11日、同町で開かれ、函館市民45人を含め、約380人が参加】 【一方、デモ行進を見ていた同町の会社員男性(22)は「工事再開は国が認めた。いまさら止めろと言っても」と複雑な表情。主婦(26)も「町内には原発関係の仕事をしている人が大勢いることを知ってほしい」と】 地元の声、「ショウガナイ」と、雇用です。しかし、事故が起きたらもっと多くの、ほぼ壊滅的なことになるのだということも事実です。 ▶大館ミーティング:俳優・山本太郎さん、焼却灰の危険訴え/秋田 【山本太郎さんと、放射性物質汚染焼却灰問題について話し合う「山本太郎さんと語ろう! 大館ミーティング」が12日、大館市の市北地区コミュニティセンターであった。 小坂町の焼却灰受け入れ再開に反対する市民団体「米代川の清流といのちを守る流域連絡会」(栗山京三代表)有志が市民との意見交換を目的に企画。連絡会メンバーや市民ら約50人が参加した。山本さんは自身の活動体験を基に「焼却灰問題は小坂町だけの問題ではない。危険にさらされる米代川流域にもっと訴える必要がある」と】 ▶柏崎刈羽原発:住民投票へ7万人の署名提出 再稼働の是非 【柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)の再稼働の是非を問う住民投票実施を目指す市民団体「みんなで決める会」(新潟市)は13日、県知事選などで一時延期された新潟市西蒲(にしかん)区分を含む7万2027人の署名を各市町村の選挙管理委員会へ提出】 ▶街角:札幌・17日にドイツの脱原発講演会/北海道 【秋山記念生命科学振興財団の主催。ドイツ政府原発問題倫理委員会委員を務めたベルリン自由大学環境政策研究所所長、ミランダ・シュラーズさんが、22年までに原発17基の廃止を決めたドイツ政府の決定や、経済界の新たな取り組みについて、日本語で講演する】 ▶社説:「第三極」の結集 違いは、ささいでない 【原発政策も隔たりが解消されていない。維新の会は「2030年代までに原発ゼロ」目標を政権公約に掲げる検討をしているが、石原氏は同調するのか。TPPについては民主党に争点化を図る動きも出ている。石原氏はかつて「原発(問題)はささいなこと」と語った。だが、国の針路にかかわるこうした課題をはっきりすり合わせず結集を急いでも有権者の共感は得られまい】 ▶広島知事:橋下市長の核発言「認識改めて」 【湯崎英彦広島県知事は13日の定例記者会見で、「大阪市長としてなら目くじらを立てることもないが、国会議員も所属する公党の党首としては認識を改めてもらいたい」と】 ▶<広島市長>橋下大阪市長に苦言 核廃絶巡る発言 ▶スペイン:66年米軍機事故で水爆落下、土壌放置進む汚染 【東西冷戦期の1966年1月、スペインのパロマレスで米軍機が搭載していた核兵器の水素爆弾4個が落下し放射性物質プルトニウムが漏れ出した「パロマレス事故」で、当時撤去の対象とされず現場に放置されていた土壌5万立方メートルから、プルトニウムが変化し、同程度に有毒性の高いアメリシウム241が検出されたことがスペイン科学省の調査で分かった】 【現場周辺は立ち入り禁止となり、一部住民からは被ばく反応が出たとの報道もあるが、センターは「事故との因果関係を証明できる事例はない」としている】 ここでも出てきました。「事故との因果関係を証明できる事例はない」──これです。放射線障害はどこでも、いつでもこの問題があるのです。 【編集室から】 ▶アンゼン教、その思い込みの連鎖 海原純子さんの連載「新 心のサプリ」(毎日新聞2012年11月11日日曜クラブ)からです。題して「思い込みと」と「レッテルはり」の連鎖。 iPS細胞臨床応用誤報問題とインターネット脅迫メール問題を取り上げ、そこに潜む「思い込み」について書いています。 「これは真実だ」と「思い込む」と、それ自身の真偽を確認しなくなるといいます。そこにこの誤報問題や誤認逮捕問題では、スクープをしたい、逮捕して手柄をあげたいなどという願望が重なると、今自分が思い込んでいる以外の可能性に心の眼を向けさせなくなると彼女は言います。 これ、何もマスコミや警察だけではなく、原子力ムラ・その代貸連中にも言えることです。 海原さんは言います。医療現場では、患者さんに症状を聞き、診察し、その情報からあらゆる可能性を思い浮かべる。その鑑別診断がどのくらい多く思い浮かべられるかが意思の能力である。中立的な視点で観察し、症状の一つひとつを見逃さず、診断と治療の方針を決めるトレーニングを積んでくると。それができる医師がいい医師である。「思い込みで仕事をする医師には、こわくてかかれない、それは医師だけではなく、すべての分野にあてはまるだろう」とも。 そう、アンゼン教に染まり、思考をそこで停止し、思い込みで仕事をしている原発ムラ、原子力ムラの連中、怖くてなりません。 続けて、「思い込みは人間がついしてしまう心理である。自分が思い込みたい方向に思い込んでしまうものなのだ。自分だってそうした思い込みのワナにはまる可能性は十分にある、という自覚を持つことが大切だろう」と。「自分の思考を点検する客観性を常に持ちたい」と彼女は締めくくります。 私も同感です。私の思い込みは、周囲、顔が見える範囲の人にはご迷惑をおかけすることがありますが、原発ムラ、原子力ムラの連中はそうはいきません。顔が見えない、いやまだ生まれていない次世代にも影響を与えてしまうのですから。 自分が及ぼす範囲なんてたかが知れているなどと開き直らず、思い込みで見て、思い込みで書かないように自戒しつつ本通信も書いているのですが、さて…。 付け加えるならば、彼女、最後にこうも言っています。 「しかし、最もこわいのは、国民全体が他国を敵と思い込むことだろう」と。そう、その思い込みで、どれだけの不幸が起きてきたのか──。 ▶「憂国の士」を気取る「空疎な小皇帝」 「東京から日本を変える」だの、尖閣諸島を都が買って「実効支配」(そんなことしなくてもそうなっていました)するだのと、ときどきアドバルーンをあげては「僕を見て!」とばかりに駄々をこねる石原慎太郎です。尖閣諸島購入問題が急浮上したのが4月16日に、アメリカで発言したことか始まりです。いくらかけてアメリカまで行ったのか知りませんが、また相当なカネを使って、大名旅行をしたのでしょう。その石原が尖閣諸島を買うのだなどと発表したのは、ヘリテージ財団主催のシンポジウムでということになっています。そのヘリテージ財団というのが曲者で、「ミサイル財団」という別名もあるくらい、ブッシュ政権のシンクタンクでもあった、超保守系のいかがわしいところなのです。ヘリテージ財団で検索してみてください。きな臭い話がぞろぞろ出てきます。そんなところでぶち上げたのです。 「ノーといえる日本」だのと言っていますが、トンデモハップンの男なのです。そんなアメリカの代貸みたいなことをしている男が「憂国の士」を気取っているのです。 さて、都知事をしているときはほとんど(たぶん)報道されていなかった(ゆえに多くの人々が知ることはなかった)さまざまなことが、予想通り「暴露」され始めました。 こんどは、三菱重工などを集めてぶちあげていた「アジア機開発」という大風呂敷です。 毎日新聞11月13日夕刊社会面トップ、8段抜きで大きく取り上げています。タイトルは、<投げ出された都政◆1 アジア機開発 大風呂敷 「会社つぶれる」メーカー尻込み」>。 なんでも、今から10年前、都知事に就任して4年目の2002年6月28日に都庁大会議室に三菱重工などのメーカーや航空会社の幹部ら約20人を集めて第1回検討委員会を開き、そこでぶちあげた(同記事)そうです。 「YS11の後継機を開発していないのは政府の無気力だ」「問題を自覚する能力が国の官僚にもないし、政治家にもない」と例によって中央政府、中央官庁批判。そしてアジアの繁栄と発展につながるものとしてうたった「アジア大都市ネットワーク21」(ANMC21)があるらしいのですがその目玉事業が、このYS11の後継機を開発することだそうです。 しかし、航空機開発に関する本などを読めば理解できることなのですが、日本は先の大戦の敗戦国。連合国からは自力で航空機の開発をすることが禁止されていたのです。解禁されたのは独立を果たした1952年からです。しかし、その間、航空機はプロペラ機からジェット機の時代に入っていました。朝鮮戦争ではジェット戦闘機が投入され、時代はジェット機の時代、米軍のセーバー対ミグの時代になっていたのです。その間の急激な技術革新に日本はおいていかれたのです。同じ敗戦国ドイツも同様です。 その間のブランクは大きくとても追いつけるものではなかったと当時のエンジニアたちは言っています(『日本はなぜ旅客機をつくれないのか』前間孝則 草思社)。ゼロ戦をつくった日本(三菱重工、富士重工など)、メッサーシュミットをつくったドイツもしかりなのです。両国とも独自で航空機(小型機は別)はつくれていません。そもそも航空機製造技術は高度に安全保障にかかわる問題なので、国の強力な規制下にどこも置かれているのです。そして開発費も莫大になります。 だからこそ、石原につくれとハッパをかけられても「知事は『造ったら』と言われておりますが、それだけでは、うちは「造ります」というわけにはいかん。これが失敗したら、はっきり言って会社はつぶれます」(同記事)というのです。 こんなシンタローの火遊びに費やした費用、会議費だけで約2億円、ANMC21全体だと20億円を超えるといいます。これみんな都民の税金からです。 しかし、この検討委(第9回)は10年11月に「アジア旅客機ビジョン」を策定し、100~1500席クラスの旅客機を10年以内に各国が協力して開発するという目標を掲げたそうです。が、この第9回目の会合以降開かれていないそうで、また海外の都市にも動きがないということのようです。 まあ、シンタローの独り相撲の感があるようです。それもしっぱなし──。でも、都の担当者の話としては、まだまだ継続してやるとの話だそうですが。 この話、オチがあるのです。「アジアの繁栄と発展」が目標とのことですが、都は、ニューヨーク、北京など世界11都市と友好提携を結んでいますが、石原都政になってから姉妹都市提携を結んだ都市は一つもないそうです。差別主義者石原としてみれば当然といえば当然です。その代わりがANMC21というのですから、相手にされないのは当然でしょう。 この話にのったアジアの国々の航空産業は、欧米メーカーの部品生産にとどまっているとのことです。 でも気になるのは、旅客機づくりは下手をすれば「会社がつぶれる」と危惧するメーカー(たぶん三菱重工でしょう)ですが、原発に関してはそんな危惧一つもありません。なぜ…。それは、事故が起きた時の免責条項や原発をめぐるマフィアといわれる世界があるからです。 この記事を書いた記者、最後に「立候補予定者のなかで、旅客機開発に言及した人はいない」などと書いていますが、そもそもこの事実を知っていた人などいたのでしょうか。あの道路公団オタクでナンデモ民営化教の信者、猪瀬クンぐらいでは。そもそも、毎日新聞(たぶん他社もか)、なぜ、これまで報道してこなかったのでしょうか。 20億円もの都税が使われているのですから、繰り返し報道する価値があったと思うのですが、その点については言わず、「言及しない立候補予定者」を「こんなことも知らないのか」風におちょくっています(書いた記者自身、「石原氏が推進したものの、あまり知られていないプロジェクトがある」と最初に書いています)。そういう高みからの物言いが嫌悪されているのです。知らなかったら教えればいいだけのことです。こういうところにマスコミの傲慢さが出てくるのです。新聞記者として、そういう情報に日々接するところにいるのですから、当たり前といえば当たり前、逆に「知らなかった」といったら職務怠慢です。 (注)「空疎な小皇帝」は、斎藤貴男さんの著書のタイトルから借用させていただきました。 ▼都知事選立候補表明者 ▶<都知事選>猪瀬氏が出馬固める 自民は支援の構え ▶笹川元科技担当相が出馬表明=五輪招致、防災に意欲―都知事選 | ||