原発通信 343号2012/11/22発行
自分だけは大人ぶった、仙谷由人センセイ──核燃、もんじゅを従来通り動かすこと、それが「政治」だそうです 当初は原発推進(容認)派だった古川元久(46)国家戦略担当相(当時)が、放射性廃棄物の処理について知っていくうちに脱原発派に変わっていきました。その彼が、脱原発に国家戦略のかじを切ろうとそのたたき台をつくるに当たって関係者を集めての席に、後から来た仙谷がテーブルを叩きながら、「運動をやっているんじゃない。政治をやっているんだ」とほざいたそうです。(下記) 仙谷にとって、政治とはなんなのでしょうか。理想ばかり掲げる青臭いことではなく、まあまあ、こんなところだろうと落としどころを探ること政治だなどと勘違いしているのでしょう、きっと。ならば、彼には哲学も、倫理もありません。中曽根が以前、政治倫理を聞かれ、「倫理(リンリ)、倫理(リンリ)とスズムシのようだ」と言いましたが、それと同じ感性の持ち主なのでしょう。そうして、「俺は大人だ」などと大人ぶっているどうしょうもない奴に、仙谷さんは堕落した──以前から、という声も聞こえてきそうですが。 ▶脱原発 崩れたシナリオ 仙谷氏「運動じゃない、政治だ」 【紙に目を通した仙谷は「これは野党の国民運動じゃない。政治をやっているんだ」。脱原発運動のように受け取ったのか、党の重鎮で、エネルギー政策を主導してきた仙谷が机を激しくたたき、一同は一瞬静まり返った】 こういうものの言い方が、“優等生”的なのです。いや、3年生で司法試験に合格なさったとかですので、優等生でした。それにつけても思います。彼にとって政治とはなんなのでしょうか。その解を聞きたいです。 ▶原子力規制委:原発事故究明巡る検証チーム先送り 【だが、放射線量が高い原子炉内を本格的に調査できるまでには時間がかかることから、早期に発足させることを検討してきた「検証チーム」は、当面見合わせることにした。田中委員長は「原子炉内まで調べる必要があるが、あと2、3年かかると思う」と指摘】 依然何にもわかっていませんね。あと2,3年かかるかもと言っていますが、これとて確証があるわけではない。そもそも、田中委員長、その間委員長としているのかどうかさえ分からないのですから、「さて、どうなるんでしょうね、困った…」というところでしょう。 ▶無料検診、原発作業員の3.7% 収束宣言後打ち切り 【東京電力福島第一原発で原発事故から今年9月までに働いた2万4118人のうち、国と東電のがん検診制度を無料で受けられるのは904人で全体の3.7%にとどまることがわかった。国と東電が、50ミリシーベルト超の放射線を昨年12月の野田政権による事故収束宣言までに浴びた場合に限る、と期限を切ったからだ】 昨年、野田が突如宣言してしまった「事故収束宣言」の結果がこういうところにも出てきてしまっているのです。まるで、その後は、大したことがないかのごとき東電の対応、許しがたいです。 ▶高浜3、4号機の再稼働想定 関電が事業計画で 【関西電力が取引金融機関に融資を要請する際に提示した事業計画に、保有する原発11基のうち4基の稼働を盛り込んだことが21日、明らかになった。7月に再稼働した大飯原発3、4号機(福井県おおい町)に加え、高浜原発3、4号機(同県高浜町)の再稼働を想定している】 再稼働の機会を虎視眈々と狙っています。気を緩めてはいけません。再稼働反対、すべての原発を廃炉にを、言い続けなければなりません。 ▶脱原発法制定へ緊急集会 賛成候補、HPで公表へ 【国民の生活が第一、社民、減税日本、民主の各党などから賛同する前衆院議員と参院議員十八人が出席した。 賛成の候補者と当選後は法案成立に努力する契約書を交わし、候補者名をホームページで公表。支援候補であることを示すステッカーを配る】 それだけ、周辺住民が不安だということです。 ▶「ヨウ素剤の配布待って」 原子力規制委、副作用を懸念 【新潟県長岡市内の住民で作る自主防災会が、東京電力柏崎刈羽原発の事故に備えて独自に各戸に配布している。これに対して田中氏は21日の定例会見で「(ヨウ素剤は)劇薬指定になっていて注意がいる」と指摘。「住民が安心できる方針を急いで作っている。来年3月までに作る自治体の地域防災計画の中で服用や配布を検討する。それを待ってほしい」と】 ▶原子力規制委:地域防災計画策定まで、ヨウ素剤配布やめて 【田中委員長は会見で「ほとんどの原発は現在停止しており、(半減期が短い)放射性ヨウ素が外部放出されることはない。服用によってアレルギー症状が出る場合もあり、意味のない犠牲が出る恐れもある」と述べた。安定ヨウ素剤は薬事法で劇薬に指定されている】 ▶検証・大震災:再生エネと原発、揺れる欧州 【仏政府は07年に、環境への影響について住民に対する説明が不十分だとして解体許可を取り消したが、仏電力公社の再申請に対し4年後の11年、炉中心部などを除く一部解体の許可を出した。だが今も完全解体は認めていない。要因の一つに、仏東部サンビュルバの原発敷地内で進んでいた廃炉解体物の保管施設の建設中断がある。 サンビュルバの施設は仏国内9基の解体現場から出る放射性物質を含んだ廃棄物を保管する計画で、10年に着工し、14年の完成を目指していた。だが環境への影響を危惧する隣接地の住民が建設許可の取り消しを求め、行政裁判所は今年1月、建設計画は地元サンビュルバ市の都市計画に違反するとして訴えを認めた。ブレニリスの廃棄物は行き先を失ったままだ。 ブレニリス村のジャンビクトル・グルア村長(62)は「技術は進歩しているので原子炉本体の解体は問題ない。ただ時間が経過するほど、運転時を知る元従業員が減って作業に支障が出るうえ、汚染物質が地下水に浸透する恐れも高まる」と工事の早期終了を支持する立場だ。一方で、「実際に工事を担当するのは仏電力公社ではなく下請け業者で、安全対策を担保してほしい」と条件を…】 原発はどこまで行っても、この「処分」「解体」問題から逃れることはできません。諸行無常を理解しなかった、いや無視したツケなのです。我欲のためだけに…。罪深き存在です。 ▶検証・大震災:廃炉、見えぬ終着点──仏、60年代の原発 フランス・ブレニリス原発、【停止後間もなく始まった解体作業は、今も終着点が見えない。60年代の建設当時、廃炉を十分に想定して設計しなかったのが大きな理由だ。「政府の安全規制、企業の経験、従業員の知識、全てが足りなかった」。85年から約9年間、解体作業に従事したミシェル・マルザンさん(75)は言う】 【仏会計検査院によると、工期の延長や安全対策の強化から、ブレニリス原発の解体費用は当初見積もりの2000万ユーロから現在は4億8200万ユーロ(約482億円)に跳ね上がった。60~70年代に建設された「第1世代」と呼ばれる初期の原発は、「世界中どこも、開発に必死で解体のことなどほとんど考慮していなかった」と石川迪夫(みちお)・日本原子力技術協会前最高顧問は指摘する。日本にも70年代に運転開始した原子炉が18基あり、東海発電所(茨城県)の解体作業が続く】 私たちが生活しているところは、諸行無常の世界なのです。キリスト教徒の国も例外ではないのです。しかし、本当に技術者というのは、「その後」「使用後」というところに気が回らないものなのでしょうか。 私などは小心者ですので、つくったらいつか壊れる、解体しなければならない時がきっと来るのだろうから、どうやって、これ壊すのだろうと、最近では、東京スカイツリーを見上げながらいつも考えてしまうのですが。 どこも同じです。いいことしか並べず(セールストークともいう)、カネをとったらあとはテキトーに。とりあえずもっともらしい数字を掲げ、後は、足らなくなった、もっと出せ。いやと言ったら、放り出していいのかと恫喝です。 記者は、仏から何を学べるのかなどと言っていますが、原子力村や原子力マフィアの連中には何を言っても無駄、カエルの面に何とかでしょう。下記の記事にあるように、厚顔無恥というか、「反省」などありません。 「原子力災害に備える文化」なんていらない ▶「原発事故備える文化を福井から発信」 福島の課題取り組み、研究者ら報告 「原子力災害に備える文化」などいりません。福井から発信してほしいものは、「いかにして私たちは脱却したか」「脱原発という文化をいかにして作り得たか」というメッセージです。 【福井大附属国際原子力工学研究所と同大大学院原子力・エネルギー安全工学専攻の本年度原子力セミナー「研究成果報告会」は21日、福井市の同大文京キャンパスで開かれた ▽迅速な放射線量把握技術、情報伝達手法▽新しい放射線被ばく評価手法―の研究も紹介し「原子力災害に備える文化を福井から発信したい」とした】 ▶東芝、福島第一原子力発電所向けに4足歩行ロボットを開発 【東芝は21日、福島第一原子力発電所向けに、4足歩行のロボットを新たに開発したことを発表した。人が作業できない場所、従来の車輪やクローラタイプのロボットでは到達困難だった場所での調査・復旧作業を実施するのが目的】 “マッチポンプ”とまでは言いませんが、つくって儲け、事故って儲け、壊して儲け──資本の論理とはすごいものです。 宇都宮候補──「生活が第一」も支持決定。菅直人も個人的に応援 ▶首都急転:’12知事選 生活が宇都宮氏支持 【「国民の生活が第一」は21日、東京都知事選で前日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(65)を支持すると発表した。既に支持を決めている共産党、社民党との相乗りになる】 【民主党の菅直人前首相も同日、都内で開かれた脱原発基本法制定を目指す集会で「個人的にはしっかりと宇都宮さんを応援したい」と支援を明言】 「田中龍作ジャーナル」より2本 ▶自民党前に響く原発反対の大合唱 「与党に戻るな」 【今夜、永田町の自民党本部前がシュプレヒコールの嵐に包まれた。「約200人が集まって原発反対の声をあげている」。参加者のツイートを見るや、筆者は押っ取り刀で駆け付けた。国会図書館あたりに差しかかると、ドラム隊の弾ける音と「再稼働反対」の声が耳をつんざいた。現場に着くと参加者は400人近くまで増えていた。抗議行動の主催者は金曜日の官邸前行動と同じ「首都圏反原発連合」だ。 「自民は落ちろ、全員落ちろ」「安倍(晋三・総裁)も要らない、甘利(明・元経産相)も要らない」「与党に戻るな」……パーカッションや管楽器の音に乗った強烈なアピールが自民党本部ビルに突き刺さった。】 ▶カルディコット博士 「福島では“犯罪的”で“非道徳”なことが行われている」 オーストラリアの小児科医で放射能障害に詳しいヘレン・カルディコット博士の記者会見。 【冒頭、カルディコット博士は「福島の高線量地域で、子供や妊婦、妊娠可能な年齢の女性を避難させないのは“医学的犯罪”だ。18歳未満の子供に超音波検査を実施したところ、約40%の子供に甲状腺異常が見つかったという。これは小児科の見地からみて極めて異常だ。」と語り、福島の被曝量がチェルノブイリをはるかに上回っていることを指摘した。 カルディコット博士:「そうだ。広島、長崎の例からみても(事故後)5年で白血病の発病ピークを迎えることは分かっている。その他のガンはそれ以降からだ。私はなぜ医師たちがメディアで声を上げないのか、驚いている。“Total Blackout(完全な報道管制)”だ」。】 中学生の校内言論大会? 自民党が「マニフェスト」を発表とか。しかも、「できることしか書かない」とか。あなたが言うことかよと言いたくなります。 ▶衆院選:自民党政権公約(要旨) 日本を、取り戻す。 【◇エネルギー ◆現在および後世の国民生活に責任の持てるエネルギー戦略の確立 ▶自民が公約発表 政権見通し「安全運転」 【ただ、衆院選後の政権復帰をにらみ、全体として数値目標や達成年次を曖昧にする「安全運転」の姿勢が目立つうえ、原発をはじめ争点化しそうな政策にはあえて踏み込まなかった】 | ||