原発通信 345号2012/11/26発行
総選挙を前に、「政党」の離合集散があわただしい 野田首相の破れかぶれというか、デタラメの上塗りのような衆院解散で、各政党の離合集散が日替わり定食のようにめまぐるしいです。まさに目先の問題としてちょうどいいとばかりに消費税だ、国債の日銀買取りだ、TPPだ、国防軍だなどと政争課題を次から次とぶち上げ、原発事故、原発問題を後衛に押しやろうとの意図が見え見えの芝居を、民主党首脳部と自民党、公明党、維新の会が演じています。しかし、そうした陰謀も見え透いたもの。多くの人々には、これからのこと、孫子の代までを考えたとき、「原発をどうするのだ」という疑念がマグマのようにあるのだろうと思います。 原発問題は避けて通れないという状況が、原発問題を軸にした新たな結集軸を生み出しています。民・自・公・維新らの陰謀にだまされることなく、「原発をどうするんだ」との声を大きく上げていかなければと思います。(末尾に反原連作成のチラシ) ▶<衆院選>滋賀県知事が「卒原発」で新党設立検討 ▶滋賀県知事、新党結成を検討 脱原発掲げる ▶生活と脱原発が合流検討…みどりにも呼びかけへ 宇都宮氏、11.23首相官邸前抗議行動で脱原発を訴える 前号で報告しましたが、東京都知事選に立候補を表明している宇都宮健児さん、首相官邸前行動で、明確に、はっきりと「脱原発、すべての原発を廃炉へ」と訴えています。何度も本通信で書いていますが、いま私たちに問われているのは、原発・核がある社会を存続させていくのか、認めていくのかどうか、ということなのです。原発はいいものか、悪いものかなどという、すでに答えが出た問題を再度、解くような時ではないのです。推進派と言われる連中でさえ、「いずれ原発に依存しない社会に」などと言っている始末なのですから。その意味では原発は「ノー」なのです。それが3.11後、福島第一原発事故を経験してしまった私たちのスタンスなのです。 未だ3.11前まで暮らしていたところに戻れない、還ることができない16万人の人々と、彼らが「避難」=棄てざるをえなくなった街の姿、田畑のことを思い起こせば、今何が問われているのかはおのずとしてはっきりしています。 原発のことを考えようという時ではないのです。原発をいかになくすことができるのか、そのプログラムをどう立てるのかということこそを考えなければならないのです。 エネルギー転換の問題でもないのです。また、イデオロギーの問題でもない、いのちの問題だからこそ、社会の各層から、さまざまな人々が声を挙げているのです。 11.23行動では、年配の女性が脱原発を訴えていました。そして「警備」にあたっている機動隊員にも呼び掛けているのです。「選挙では脱原発の候補者に」と。珍しいなと思って聞いていると、その女性のお連れ合いは元警視庁の警察官だというのです。そういう立場の人も発言しているのです。 「政策はちゃんぽん、候補者はじゃんけん」と民主党岡田氏が批判 橋下、何を勘違いしているというのか、人を舐めているというのか、じゃんけんで決めようとみんなの党の渡辺代表に提案したとか。民主党の岡田氏に「政策はちゃんぽん、候補者はじゃんけん」と揶揄されるしまつです。(下記) それに対して、橋下は反論にもならない反論をしている。聞く方が間違っているのだと言わんばかりの開き直りというか、言い訳です。しかも、自分のことは棚に上げて。人をバカにしているのか、見下しているのか分かりませんが、お調子者の極みです。 【「(批判は)言葉のセンスないですよ。理屈で決めなくても、最後はまとまりましょうよという強烈なメッセージだ」と反論した。旧太陽の党との合流で政策が変わったという批判にも「表現方法が変わっただけ」と】 【橋下氏は24日、「表現力の乏しい人が発言を取り上げている。理屈じゃなくて、どっちを取るかという政治決断を『じゃんけん』と表現した」と】 【また、他党との合流を急ぐ維新の姿勢に「野合」との批判が出ていることに対しては、「国防軍について自民党は賛成、公明党は反対で選挙を一緒にやる。野合の極みだ。民主党も原発やTPP(環太平洋パートナーシップ協定)で一致しているか分からない。自らを棚に上げてひどい話だ」と反論】 ▶衆院選:じゃんけん発言、橋下氏反論 言葉のセンスない ▶首相、TPP推進を公約に明記 原発ゼロも 【野田佳彦首相は25日のテレビ朝日番組で、27日に発表する民主党のマニフェスト(政権公約)に、環太平洋連携協定(TPP)の推進や2030年代の原発ゼロ目標を盛り込むと明言した】 まあね、というところでしょう。この番組で、野田首相の次に登場したのが、安倍晋三。【自説】を自信がないものだから、キャスターの言葉をさえぎってまくしたて、後は、お得意の日教組批判。 ▶道原子力防災計画:原発事故時、車での避難にルール 事前登録など、道が方針/北海道 【21日に開かれた道防災会議の有識者専門委員会で、道は自家用車利用者の把握手段として▽事前登録制▽自宅に「自家用車で避難済み」を知らせる表示▽通過を義務付けるチェックポイントを原発から30キロ圏外に設置▽役場の移転先を事前に周知──などの案を提示した。原子力防災計画策定後、案を参考に、町村ごとに地域に合った効果的なルールを設定してもらう。 また、同委では自家用車利用を前提に、住民避難に要する時間や渋滞などの課題を調べるため、避難時間推計シミュレーションを来年度実施することも決めた。シミュレーションは国の原子力施設防災対策の交付金事業として実施。季節や時間帯、天候、自家用車使用率などの条件を変えて、最大135通りのケースを検討】 こんな一見もっともらしい、「現実的」と見えるようなことを考えつくところが、いかにも役所的というか、机上の空論というか、あきれてしまいます。じゃあ、登録していないものは通さないということでしょうか。登録したものがいつもいつのそばにあって、使える状態であるかということが大前提なのでしょうが、可能でしょうか。これ、本気で考えているのでしょうか。“秩序だった“大渋滞よりももっと大変な混乱が想像されます。事故が起きたら、みんな自分の命が大切となるのです。その時、登録車両かどうかなど関係なくなるでしょう。検問で登録車でないと言って通さないとなったら、それこそ、刃傷沙汰にもなりかねないでしょう。 そんな無駄なことを考えるより、最も現実的なことが、そんな事態にしないこと――原発をとめ理うこと、脱原発、廃炉しかないのは自明の理です。 ▼福島のがんリスク ▶福島のがんリスク、明らかな増加見えず WHO予測報告 【東京電力福島第一原発事故の被曝(ひばく)による住民の健康影響について、世界保健機関(WHO)が報告書をまとめた。がんなどの発生について、全体的には「(統計学的に)有意に増える可能性は低いとみられる」と結論づけた。ただし、福島県の一部地域の乳児では、事故後15年間で甲状腺がんや白血病が増える可能性があると予測した】 これ、はいそうですか、良かったなどと思う人、どれだけいるのでしょうか。3.11以降知ってしまったことは、そう結論づけたメンバーは誰なのか、その背後はどうなっているのかということを調べ上げなければならないということなのです。それほど地に堕ちてしまったということです。 ▶東日本大震災:福島第1原発事故 18歳以下に甲状腺検査 県内避難者を対象に──長岡/新潟 【新潟県内に避難している18歳以下の子供を対象にした甲状腺検査が23日、長岡市の中央公民館であった。福島県が県外避難者の不安解消につなげようと全都道府県で実施を計画した。新潟県内では初めて】 ▶東日本大震災:福島第1原発事故 二本松市、子供の被ばく量増加 昨年比、半数近く 屋外活動増え 【福島県二本松市が実施した市民の外部被ばく調査で、半数近い小中学生が昨年より線量が増えたことが23日、市民への報告会で発表された。市調査では空間放射線量は昨年比約3割減っており、市の放射線アドバイザーを務める独協医大の木村真三准教授は「昨年は制限された体育の授業や部活動など屋外活動が増えたため。影響が大きい子どもや妊婦は長期的に気を使うべきだ」と指摘】 【昨年もデータがあり今年と比較可能な小中学生ら4344人中1969人(45・3%)は被ばく量が増加。うち46人は1・5ミリシーベルト以上も増えていた。今年調査した小中学生4210人の76%(3190人)は、一般人に許容される年1ミリシーベルトを超えていた】 線量計を常時身に付けていなければならない状況下に福島の子どもたちが置かれているのです。 ▶西尾正道・国立病院機構北海道がんセンター院長の講演会資料が寄せられました 【2012年11月23日に東京大学で開催されました西尾正道・独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター院長の講演会時の資料です。西尾先生のご了解をいただいておりますので,拡散させていただきます】 「甲状腺被曝をめぐる放射能リテラシー~福島原発事故後の子どもの健康をめぐって」 西尾正道・独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター院長講演会資料 ▶原発オフサイトセンター支援業務 電力系列社が全て受注 【独立行政法人原子力安全基盤機構(JNES)が、原発事故時の対策拠点となるオフサイトセンター(OFC)の運営支援業務を、いずれも各原発を保有する電力会社のグループ会社に発注していたことが、JNESへの取材で分かった。消費者が支払う電気料金から国に納められた税金が、最終的に電力会社の身内に還元していた形だ】 【ただし、電力や原子力への特別な知識は不要といい、JNESも「業務自体は電力会社のグループ会社でなくてもできると思う」と認める】 【JNESは原子力規制委員会に統合される予定の公的機関。その運営費用は電気料金の一部で賄われている。一者応札や随意契約は高コストや不透明な契約につながるとして厳しい目が向けられているが、JNESではこうした状況を改善する考えを示していない】 ムラの住人は、ムラ以外のものを異物として排除したがるものです。得るものはすべて村の中で分け与えるということを原則としているが故に「ムラ」なのです。こういうものを見て、強欲どもの姿と思わない人はいないでしょう。いったん出したとしてもまた自分のところへ戻ってくるシステムをどう構築できるかが最大の関心事なのです。 ▶にじ:火を恐れる/愛知 【地元紙に1967年に載った当時の原子力船開発事業団理事・西堀栄三郎さん(故人)の寄稿文だ。「原子炉事故と原爆とを結びつけ、『原子』と付いたものは何でも恐ろしいと宣伝するのは、火を恐れる野獣のたぐいだ」との趣旨で書かれていた。 西堀さんは優秀な登山家で、初代南極越冬隊長も務めたが、文面には今の言葉で言う「上から目線」が流れていると思う。「科学者が大丈夫と言うんだから、心配しなくていい」と言いたかったのだろうか】 ここに知識人、学者、学界の傲慢さが表れているのです。無学なものは考える必要はない。俺たちの言うことを聞けと。しかも、「野獣」扱いです。事実は、人々を虫っけらのごとくあつかう「野獣のような感性」を持った連中だということです。 ▶放射性廃棄物処分場:建設反対決議しデモ行進──幌延/北海道 【幌延町で「北海道への核持ち込みは許さない!11・23幌延デー北海道集会」を開き、道内各地の労組や市民団体などの900人が参加】 ▶電気料金:家庭向け、関電12%値上げ 九電は8%で調整──4月目指す 冗談じゃありません。原発を動かした方が安いのだと見せかけようとしているのでしょうが、じゃ、使用済み核燃料の処分費は、廃炉にした時の費用はと、事故を想定しなくとも全く合わないものだということを多くの人がもう知ってしまったのです。 しかも、平均以上に高い給料ということも。 ▼2012衆院選 ▶衆院選:国防軍巡り応酬 安倍氏「憲法改正」 首相「公明は否定的」 【これに対し、安倍氏は同日、岐阜市内での記者会見で、「あくまでも憲法改正していく。(改正に必要な衆参両院の)3分の2を得る道程を経て、多数派を形成する」と反論】 民主主義手続きを踏んでやるのだと言っているのです。民主主義とは、多数決とは等、根本的な問題が問われるでしょう。 ▼安倍晋三の妄言 昨日のテレビ朝日「報道ステーションSUNDAY」に出ていた安倍晋三、国防軍構想やぺらぺらとにわか勉強で身につけた暴論を全面展開していました。中身などは新聞等で報道されていることなので触れません。ただ、よほど「戦後民主主義・戦後教育」がお気にめさないようで、なにごとも日教組は悪い、悪くしたのだ論を展開していました。「民主党のポスターを日教組の組合員が貼って歩いている」と叫ぶのです。そういうことを吠えることで、諸悪の根源は日教組だと言いたいそうです。ずいぶん、日教組も持ち上げられたものです。 以前にも書きましたが、日教組、それほど、過去も含め力があったのかと問いたいです。また、それはそのコインの裏側として、歴代自民党教育政策はダラしなかったのかということです。森など教育が専門だなどと言っていた連中のだらしなさを逆に言ってしまうようなことになるのではと思いますが。 安倍晋三や、東西の小皇帝・石原、橋下らに共通して言えることは、論旨がもともと通らないことをイキがよいだけで言っているデマゴギーなのですから、言わせればいいのです。褒め殺し的に言わせる、そのうちにボロが出たら、そこをついていけばと思うのです。もちろん、手遅れにならない前にですが。 ▶橋下氏、みんなに合流打診 橋下氏に焦り 選挙区調整譲歩「じゃんけんで決めてもいい」 【一方で、橋下氏が合流時の候補者調整を「じゃんけんで決めてもいい」と発言したのは、選挙区調整で大幅に譲歩することで、そうした問題を棚上げし、みんなをひきこもうという考えが背景にある。 だが、渡辺氏は「じゃんけんとはいかにも乱暴だ」と不信感を示した。さらに「(橋下氏は)よっぽどせっぱつまっている。質より量の候補者擁立が行われている」と述べ、橋下氏が焦りから合流を提案したとの見方も示した。 自民党の石破茂幹事長は大分県中津市の街頭演説で橋下氏の合流提案について「国民にまじめに向き合う態度か」と批判。民主党の岡田克也副総理も埼玉県所沢市内で「政策はちゃんぽん、候補者はじゃんけん。ちょっとひどい」と語った】 政治を何かの人気取りと勘違いされては困ります。テレビのバラエティー番組に出ていたノリでやられては困ります。それにしても、岡田氏、頭の堅い原理主義者のような顔をして、そういうことを言う人だと知りました。 ▶過半数擁立は困難=衆院選、目標を下方修正―維新・橋下氏【12衆院選】 【橋下徹代表代行(大阪市長)は24日の読売テレビの番組で、単独で衆院議席の過半数に当たる240人超としていた衆院選の候補者擁立目標について「まだ目指しているが、現実的にはみんなの党と足して考えることになる」と述べ、困難との見通しを明らかにした】 こんなくだらないことがニュースになるほど、今のマスコミは腐っているということです。“当り前田のクラッカーです”。 ▶民主の街頭宣伝車が全焼、不審火か さいたまの駐車場 朝日新聞デジタル 11月24日(土)11時1分配信 【24日午前1時20分ごろ、さいたま市浦和区北浦和1丁目の駐車場で、民主党の街頭宣伝車付近から出火、車両1台が全焼】 こんな「事件」がこれから多発してくるような、いやな予感がするのですが。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121124-00000013-asahi-soci ■反原連チラシ | ||