原発通信 358号2012/12/17発行
原発の真下に「活断層」! 今度は東通原発 自民党の大勝利の次にあるものは…。覚悟はよろしいか…。 12月16日投票で行われた第46回衆院選、自民党の圧倒的勝利で終わりました。野田のデタラメ解散はみじめな敗北でした。わかっていたとはいえ、これが「民意」なのでしょう。「脱原発という運動をやっているんじゃない。俺は政治をやっているんだ」などと息巻いていた仙谷由人は、ものの見事に爆沈してしまいました。当選すると思っていたなら、よっぽどのお人よし?です。それと、どうでもいい存在に落ちていった連合ですが、何の役にも立たなかったロードークミアイ──前途多難です。城内平和も保てることやら。存在価値が問われるでしょう。えっ、もう答えは出ている? でしょうね…。 しかし、野田民主党、そもそも勝算などというものあると思って臨んだのか、行きがかりで「近いうちに」などと言ってしまったからなのか。だとすると野田佳彦という人物は何? ■都知事選、東京都の大人(全有権者数)の半数近くが支持したのです。石原の番頭を 東京都知事選では、石原慎太郎のちょうちん持ちをしていた猪瀬が全有権者数の半分弱という「国内選挙では個人の最多得票記録となる433万8936票を獲得」して、これまた大勝利してしまいました。連合東京が「支援」していたのです。 街の声として紹介されるものに、国防軍を創設し、中国に対抗せよという勇ましい声があります。よかろう、自分、または自分の子どもたち、親類縁者の若者たちを、わが祖国日本を守る兵士として差し出す覚悟があるのなら。都合がいいことに、今は男女共同参画の時代です。うちは女の子だからなどということは通用しないでしょう。あの米軍だって女性兵士は「活躍」しているご時世なのです。少子化の時代です。男だの女だからなどと言っていたら、石原慎太郎が言う「中国の属国」になってしまいます。なにしろ、わが国の15倍以上の人口を持つ国と事を構える、構えたいと申しておるのですから。そのくらいのご覚悟があってのことと推察いたします。そんな覚悟もなく、誰かがやればいいなどとよもやお考えではないことを祈ります。 しかし、この政治状況に絶望しつつも、次を見据えなければなりません。 年が明け、オバマの就任式が終われば、TPPなど政治課題が目白押しでしょう。そのとき、どう出るのか…。 政治とは責任をとること、と以前にも書きました。その責任を取るのは何も政治家だけではありません。投票したものも、それを引き受けなければならないのです。 早速始まりました ▶電事連会長、自民大勝で「原発ゼロ政策の見直しを」 【電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は17日、衆院選の自民党大勝を受け、「国家の再生に向けて現状打破を求める国民の意思のあらわれだ」と歓迎】 【新政権において見直しをお願いしたい」と】 そうさせないためにも、今まで以上に声を挙げていかねばならないのです。今回の選挙結果は予測できていたわけですから、それはそれとして受け止め、これからも粘り強く、しつっこく展開していきましょう! ▶脱原発デモ:東京で市民5000人参加 【衆院選の投開票を翌日に控えた15日、東京都心で脱原発を訴えるデモが行われた。日比谷公園を出発地に約5000人(主催者発表)が参加】 冷たい雨の中行なわれ、私も仲間とともに参加してきました。集会では、「明日、現実が見せつけられるだろう」との挨拶でした。しかし、何も、一回ぐらいの選挙でどうのと言ってはいられません。それ以上の見識と、決意をもって、今後、未来のことを見据えている人たちが声を挙げているということ、むしろ、「敵」がはっきりしてくれたと思えばいいのです。原発54基をこの地震国日本につくった張本人たちが前面に出てきたのです。確かに、民主党政権に対して、いろいろ言ってきました。貧乏くじを引いた民主党という思いがどこかにあったのも事実です。そもそも、原発をつくった自民党連中を引きずり出さなければと思っていたのですから。本来の敵が、ちゃんと姿を現してくれたのです。ところで、この記事、なぜか、警視庁発表の数字がありません。今回も、ご苦労様に私服警官を大量動員し、メモはとるは、双眼鏡で参加者の顔を見ているはと“一生懸命働いて”いましたが。 ▶12月15日放送TBSサンデーモーニング雑感 敦賀原発、東通原発の敷地内を走る断層に関して規制委員会の調査で、活断層の疑いが濃いとの認定に関して、原発推進派の論調をオウム返ししていた、お調子もんで、かつ無責任、ちょうちん持ち「評論家」大宅映子に発言求めず、サッカー評論家の中西哲生にふる関口宏です。いえ、彼は、この番組の出演者のなかでは原発に関してはまともなことを言うほうです。安全教の信者、応援団員である大宅にそこは意見を求めるのが筋だと思うのですが、都合の悪そうなのはスルー。こういうところにも作為を見るのです。 ▶東京都知事選:猪瀬氏は433万8936票 国内最多得票 「国内選挙では個人の最多得票記録となる433万8936票を獲得」──これが現実です。全都の有権者数おおよそ1000万人だそうです。その4割強が猪瀬を選んだのです。 ▶衆院選:維新の会、鈴木望氏 比例で当選 浜岡廃炉訴える 【中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)を抱える静岡3区から立候補し、廃炉を訴えた日本維新の会新人で前磐田市長の鈴木望氏(63)が、比例東海ブロックで復活当選】 【鈴木氏は市民団体「原発県民投票静岡」の代表として、浜岡原発の再稼働の是非を問う住民投票条例制定を求め、署名活動を行ってきた】 なぜ、維新の会なのか――。 「運動をやっているんじゃない。政治をやっているんだ」との結果がこれです仙谷さん 仙谷由人、落選。これが政治なのでしょう。脱原発に舵を切ろうと民主党内で動きが出たとき、仙谷氏は言いました「運動をやっているんじゃない。政治をやっているんだ」(本通信343号)。それがどういうことか思い知ったことでしょう。政治を語るものが一番政治に疎かったという笑い話にもならない話です。 ▶【都知事選】 宇都宮けんじ氏敗北 「醒めた目の都民に声が届かなかった」 15日に雨の日比谷野外音楽堂での集会に現われ、だいぶ演説もうまくなってきたと思っていたのですが。 ▶原発政策、自民圧勝で転換点 民主党政権が残した“呪縛” 【ある大手電力幹部は、「夏の電力需要期と重なる参院選では、原発の再稼働が話題となっているはず。(未来の党に合流した)小沢一郎氏は、嘉田由紀子代表を利用し、脱原発を集票の原動力にしようとしている」と警戒を強める】 電力会社等、マフィア連中は、「民主党政権が残した“呪縛”」というより小沢一郎の呪縛にとらわれているということでしょう。 ▶福島第1原発「冷温停止」から1年 炉内把握なお困難 汚染水と闘い続く 【毎時17トンの水を注入するが、原子炉が損傷しているため、1日約400トンの水が原子炉建屋地下に流出、これに地下水も流入し汚染水はたまる一方だ。こうした水は敷地内のタンクに保管するが、設置済みのタンクは計約800基で、総容量約27万トン分のうち残りは約4万トンだけ。タンク敷設のため森林を伐採し用地を確保、今後2年間で約70万トン分を増設する予定だ】 【汚染水を減らすための新装置の導入も急ぐ。セシウム1種だけしか除去できなかった装置に加え、放射性物質62種類の濃度を下げる能力がある多核種除去装置(アルプス)も年明けには本格稼働する見込み】 【しかし、内部の放射線量は毎時約11シーベルト。1時間で死に至るレベルで、人が入って作業できる状態ではない。2号機も今年3月の調査では毎時約73シーベルトで、内視鏡も十数時間で使い物にならなくなったほどだ】 【ただ、1~4号機のプールには新燃料も含め約3100体の燃料がある。線量の高い使用済み燃料の取り出しには特に注意が必要だ。1、3号機のプールにはいまなお多くのがれきが積もっており、クレーンでの遠隔操作による作業は困難が予想】 と、産経新聞も書いている状況なのです。さて、安倍自民・公明政権どう出てきますか。 ▶除染「重点」解除へ…みなかみ町など3町村 【東京電力福島第一原発事故による放射性物質の除染を国の財政負担で自治体が行う「汚染状況重点調査地域」について、環境省が群馬県みなかみ町など3町村の指定を解除することが14日、同町への取材でわかった】 みなかみ町周辺は、東京をはじめ関東各県の水系である利根川の上流域です。「町内の空間放射線量調査では、回を追うごとに放射線量が低下」ということは、消えてなくなったわけではなく、水に溶け、水に運ばれ移動し、広範囲に散ったということです。当然水道水にも…。 IAEAは福島で何をやろうとしているのか ▶原子力マフィアによる被ばく強制の歴史“IAEAとICRP”12/14広瀬隆氏郡山(内容書き出し) 【放射能汚染された地域での避難住民の早期帰還を目指す。汚染地帯に人間を戻すって? チェルノブイリ原発事故時の調査や復興に関わったベラルーシやウクライナ、ロシアの研究者らによるチームをIAEAが結成し、福島に派遣するって? 一体こいつら頭のおかしなIAEAとは何者なのか・・・】 ▶「IAEAが今、郡山に乗り込んで福島県民を殺そうとしているんです」広瀬隆氏12/15(文字起こし) 【そのIAEAの人達がなにをしたか、というと、要するに被ばく隠しをずーーっとやってきたんです!この犯罪を全部、過去の事を洗い出して全部、一人づつ名前を挙げて証明してあげました。この事はみんな知らないんです。 山下俊一たちがどこから出てきたか?全部その流れから出てきたんです。1950年代に、あの核実験をやった連中が言った言葉と、全く同じ言葉をあいつらは話しているんです。なにも、一語一句変わりません。】 ▶福島第1原発事故 福島に廃炉研究拠点 政府正式表明 IAEAが協力 【東京電力福島第1原発事故に関連し、政府は15日、福島県内に原発の安全な廃炉を進めるための国際的な研究開発拠点を整備する方針を正式表明した】 ▶除染や健康管理で協力 福島県とIAEAが覚書締結 【福島第1原発事故に関し、国際原子力機関(IAEA)と福島県は15日、放射線測定や除染、緊急時対応を研修する拠点の設置などで相互協力する覚書を結んだ。国際的な専門家の知識や技術を活用し、復興を促す。郡山市で開かれた原子力安全に関する福島閣僚会議に合わせ、IAEAの天野之弥事務局長と佐藤雄平知事が署名した】 【相互協力するのは(1)放射線測定、除染(2)健康(3)緊急時対応-の3分野。財源は、日本からIAEAへの拠出金で賄う】 はっきりしていることは、チェルノブイリの時より西側国である日本のほうがデータが集めやすいということ。これまでわからなかったこと(わからないままに推進してきた)を、福島からデータをとってみていこうというのが原子力マフィアの思惑でしょう。 ▶脱原発:首長ら福島で集会 閣僚会議参加国に声明 【政府と国際原子力機関(IAEA)共催の閣僚会議が始まった福島県郡山市で15日、「脱原発をめざす首長会議」の集会が開かれ、低線量被ばくリスクを過小評価しないことなどを閣僚会議参加国に求める声明を発表した。 世話人を務める桜井勝延・福島県南相馬市長や三上元・静岡県湖西市長ら元職を含む首長12人と、欧州の専門家約20人を含む約120人が参加。福島の現状や欧州の再生可能エネルギーの普及状況について意見交換した。 声明では、福島第1原発の安定化と放射性物質封じ込めに国際的支援▽健康管理や除染は透明性と説明責任▽日本政府は「原発事故子ども被災者支援法」に基づき被災者の現実に即した施策を行うこと──など】 翌日投票の衆院選に関して、参加首長には「にわか脱原発派が多い」と南相馬・桜井市長。そして、三上元・静岡県湖西市長が危惧した通り、原発推進に積極的な自民・公明・維新が大躍進しました。原発事故なんて大したことないと…。 ▶福島第1原発事故 視察の米規制委員長「プール耐震性確認」 【原子力安全に関する福島閣僚会議」のために来日している米原子力規制委員会(NRC)のマクファーレン委員長は15日、福島県郡山市内の会議会場で記者会見し、耐震性が懸念されている東京電力福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールについて「がれき撤去が進んでいることや、プール下はコンクリートで強化されていることを自分の目で確認した」と】 ▶【投票時間繰上げ】 全国1万6千ヶ所で 自・公が得するイカサマ選挙の匂い 15日付けのNHK(ウェブ版)は、全国49,000ヶ所の投票所のうち、30%にあたる16,000ヶ所で投票終了時間が繰り上げられる、と伝えた。これは大ニュースなのではないか。自分が住んでいる自治体が繰り上げていることを知らずに投票所に足を運んだ有権者はいなかったのか。 この「投票終了時間の繰上げ」は、公職選挙法第40条1項に定められていたのだが、そこには「特別の事情がある場合」と規定されている。それが平成12年に施行された地方分権一括法により、各自治体の判断で変更可能になった。 ▶<1票の格差>2.425倍 2倍超は72選挙区 【総務省は17日、衆院選投票日当日の有権者数を発表した。300小選挙区のうち、最も有権者の少なかった高知3区(20万4196人)と、最も多かった千葉4区(49万5212人)の「1票の格差」は2.425倍だった。最高裁が違憲状態とする09年衆院選の最大2.30倍から拡大した】 【最高裁から違憲状態と判決を受けたまま衆院選が実施されたのは1983年の中曽根康弘内閣以来で、現憲法下では2度目の異例の事態】 違憲状態の総選挙、さて…。 ▶米小学校乱射事件で追悼集会、オバマ大統領「悲劇に終わりを」 自己決定、自己責任のお国です。自らの命は自ら守るというお国です。全国民総武装しかないのでしょう。恐ろしい国です。趣味で軍用ライフル銃が持てる国です、対戦車砲さえも。持てないのは核ミサイルぐらい? こんなことは、あなたたちの国内だけにしていただきたいものです。くれぐれもこれをグローバルスタンダードになどと言ってほしくはありません。 | ||