原発通信 82号2011/10/18発行
学校はレントゲン室か!子どもたちが線量計を首からぶら下げて登校! 避難解除になったことで、学校が再開され、子どもたちが登校してきたというニュースをTVで見ました。しかしマスクをし、首にからは線量計。レントゲン技師と同じです。いつから日本の学校はレントゲン室と同じになったのでしょうか? 子どもたちはレントゲン室で勉強し、給食を食べ、遊んでいるのと同じことなのです。 また、福島県渡利地区、本当に大変な状況のようです。3マイクロシーベルト以上の特定避難勧奨地点の条件を十分示しているとのことです。こんな線量があるところに子どもたちや若い女性たち(男性も)がいて大丈夫なのでしょうか? 報道ステーションで古舘が深刻にレポートしていました。が、TV局内部で何があるか知りませんが、例の朝日新聞の五十嵐浩司、コメントなしです。タイの洪水とギリシャ問題には得意になってしゃべっていました。 今、福島第一からの放射線は、毎時1億ベクレルになったとか。この数値がどれほどもものか。広島型原爆168発分の放射性物質の放出、800兆ベクレルから800万分の一に減少というが、これを少なくなったというかどうか…。 九州電力社長の真部、都合悪くなったら逃げ出した古川佐賀県知事、欲に目がくらんだ玄海町の岸本町長と、この世の中で興味関心があるのはカネと権力だけという輩ばかり見せつけられていたら、なんと今度は、放射能汚染水を浄化した水を、東電の「口に入れても大丈夫」という答弁を真に受けて(?)、「しっかり飲水させていただく」と宣った御仁がいたとのこと。 もう、どうかしているとしか思えない、知的にも、道義的にも、劣化している日本(人)の現状=惨状です。野田首相にいたっては、原発建設再開に「前向き」のようです。いったい「日本人」には「学ぶ」「教訓」という言葉、概念がまったくないかの如くです。 ●事故後2年間は家畜の排せつ物や落ち葉から作った堆肥を土壌改良に使用しない フィンランド放射線及び原子力安全局放射線・原子力安全センターのタリア・イカヘイモネン理事の助言だそうです。「(放射性物質の夜汚染を防ぐため)事故後2年間は(家畜の排せつ物や落ち葉から作る)堆肥を土壌改良に使用してはいけない」と。このようなこと、いつから伝わって(知っていた)のでしょうか? まったく無策であったため、今日のニュースでも栃木の農業高校で汚染堆肥を使ったなどという報告が出てくるのでしょう。(毎日新聞2011.10.17除染作業決定に住民参加必要) ●東京・荒川区長と東電の密接な怪しい関係 荒川区の西川区長、区内の線量測定をなぜはかたくなに拒んでいるそうです。23区では荒川区だけが一度も測定していないそうです。なぜか、探っていくとやはり東電の影が見えてきたという東京新聞の記事です。西川区長、前は衆議院議員で小泉政権の時発覚した東電トラブル隠しの際、経産副大臣で、再稼働に奔走したそうです。 3.11震災後、荒川区教委がこの8月に「今、中学生が立ち上がるとき」との講演を開き、その時の講師がなんと!東電社員とは恐れいいった話です。さらに首都大学東京の福士政広教授も呼ばれたそうです。彼は「正しく、安全な原子力エネルギーの利用方法」などの冊子を書き、東京新聞の取材(4月)には、「東京周辺の線量はまったく問題ない」と言い放ち、山下俊一と同じこと、くよくよしている人間にこそ悪い影響が出るなどと言い放っています。調べていくと、荒川区の保養所の管理を東電の子会社が行うなど、怪しい関係が見えてきたといいます。(東京新聞2011.10.15荒川区と東電) ●足立区の小学校で3.99マイクロシーベルト というところで、18日の東京新聞には、荒川区の隣り、足立区の小学校で3.99マイクロシーベルトを計測、立ち入り禁止の場所ができたといいます。(東京新聞2011.10.18足立区で高線量) ●炉心損傷は5000年に1回の出来事だと! 冷温停止、工程表改定が行われたとのこと。東電、「中期的安全確保の考え方」と題したペーパーで1号機〜3号機で再び損傷が起きる可能性は、事故前の百万年に1回以下より低い五千年に1回と「試算」したそうです。ああそうですか、それがいったい何の意味があるのか!と突っ込みたくなります。そんな計算している時間があるなら、どこそこの連中のことばではないが、「福島へ行って水かけてこい!」です。 よろしい、今現在より、4999年と364日後に起きるでしょうと担保してくれるならそれもいいでしょう。そんなことできもしないことを言って何の意味があるのかです。事故というのは、いつもそうして起きてきたのです。バカも休み休み言えの類です。(東京新聞2011.10.18工程表5000年に一度) ●中電、周辺自治体に巨額の寄付 この3年間で少なくとも26億3千万円が浜岡原発周辺自治体にばらまかれていたといいます。何回か書いたかと思うのですが、いやはやという感じです。何か金が足りなかったら電力会社へ行ってもらって来いという体質、確かに麻薬中毒と同じです。ただ、問題は、麻薬は、本人とその「周辺」の人には害を及ぼすかもしれませんが、原発=放射能はそうはいかないということです。そして、品性をも卑しくしてしまうのだということです。(東京新聞2011.10.18中部電、自治体に26億円寄付、 同 中電、寄付②) ●ストロンチウムとヨウ素の吸着効率がいい「藻」発見 山梨大医学部で、ストロンチウムとヨウ素の吸着効率が現在使われているゼオライトよりいい、新種の藻が見つかったということです。これも、ゼオライト同様、吸着後の処分が問題です。高濃度の放射性廃棄物になるのですから。(毎日新聞2011.10.17e新たな吸着剤) ●「正しい防御、そして正しく怖がる」 政府が言うようには除染は進まない、と獨協大学準教授の木村真三氏の話です。木村氏は言います。「むやみにビビる必要はないが、正しい防御は必要、そして正しく怖がるべきです」。ニュースなど見たり、記事を読んでいたりして感じるのですが、決意で放射能は防げないということです。そう思っていたら同様のこと、風知草の山田氏が本稿最後に言っていました。(毎日新聞2011.10.17風知草) ●放射能汚染水、「しっかり飲水させていただく」と園田康博政務官!? 77号に添付した記事の中に、低濃度汚染水を浄化したのち、発電所内に放射性物質飛散防止のために撒くというものがあります。その後、10日の記者会見でとんでもない話に展開したという記事を見つけました。以下です。 【10月7日、東京電力は福島第1原子力発電所5、6号機にたまっていた「低濃度」とされる放射能汚染水を発電所内の山林へ散水しはじめ、発表した。 これに関連し、10日、東京電力の単独の記者会見で、ジャーナリストの田中昭さんが「我々、報道機関は福島第1原発の現地取材を拒否されている。本当に『低濃度』か確かめようがない」と追及。東京電力側が「(放射能汚染水は)口に入れても大丈夫」と答弁したことを捉えて、田中さんは「それならば、実際にコップに入れて飲んでもらいたい」と迫った。しかし、東京電力側は「飲料水ではないので……」と渋った。 園田政務官は、一瞬、困惑の表情を見せたが、開き直ったような口調で、「パフォーマンスということではなく、しっかり飲水させていただく」と答えた】というのです。 もう、どうかしているとしか言えません。まあ、園田さん(注:1967年生まれ、岐阜)には「しっかりと飲んでいただく」としても。また、世界の笑いものになること請け合いでしょう。 http://news.livedoor.com/article/detail/5937637/ ▼景気回復のカギは信頼感、反ウォール街デモには共感=米GE・CEO 【米国内で広がっている反ウォール街デモについては共感できるとし「失業率は9.1%で、不完全就業率はさらに高い。大学を卒業していない若者は特にそうだ」と発言。】 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-23671220111018 | ||