原発通信 87号2011/10/27発行
汚染土壌中間貯蔵施設 毎日新聞の調査によると、汚染土壌中間貯蔵施設の設置は受け入れられないという自治体が除染を実施する自治体の半数を占めるといいます。細野事故担当相は「1ミリシーベルトを目標にするという考え方で」と言っていますが、何回も書いていますが、持っていき場所がなく、実際は先が見えないのが現状。でも、週刊新潮や週刊ポストによれば、1ミリシーベルトなんて大した数値ではないはず、税金の無駄遣いだ、煽りだ!と言っていますので、彼らの本社社屋にでも保管してもらったらいいのです(とても足らないでしょうが)。近所の住民にとっては迷惑かもしれませんが。 何を考えているんだという記事2本 ▶大飯原発、再稼働容認へ 3、4号機で町長表明 産経新聞 10月25日(火)7時55分配信 【福井県おおい町の時岡忍町長は24日までに、定期検査で停止中の関西電力大飯(おおい)原発3、4号機の再稼働について、「関西のエネルギー事情を考えるとやむを得ない」と述べ、容認する考えを表明した。産経新聞の取材に答えた。 再稼働は、実施中のストレステスト(耐性検査)で安全性が確認されれば、野田佳彦首相らが政治判断をするとしているが、最終的には、地元自治体の同意が必要。テスト後の再稼働について、立地自治体の首長が容認方針を明確にするのは初めて。 時岡町長は「大飯3、4号機は原子炉が(平成3、5年の稼働で)比較的新しい」と述べ、安全対策を条件に容認する考えを示した。町としての最終判断は議会で協議した後に出すとした。ただ、運転開始から30年を超えている大飯1、2号機については、「住民の理解を得ることは難しく、再稼働は絶対に反対」とした。 これに対し、福井県の西川一誠知事は、福島原発事故を踏まえた安全基準の策定を国に求めており、「県の要請に応えなければ、再稼働はできない」として、ストレステストに合格しても再稼働を認めない考えを示している。】(引用ここまで) * この時岡町長、「関西のエネルギー事情を考える」とか言って人に恩を売るような言い方です。「大飯3、4号機は原子炉が(平成3、5年の稼働で)比較的新しい」とも。事故が起きてしまえば、古いのを止めていても同じでしょうがと思うのですが。そこまでの「想像力」はないようです。しかし、原発防護圏が半径30Kmに拡大されるらしいので、周辺自治体の発言も無視できなくなるでしょうが…。 ところで、「核燃料税」(=地方税。この件について、前福島県知事の佐藤栄佐久氏が興味深いことを書いています。これについては後日に)というのがあります。21日の報道によると福井県は実質税率を国内最高の17%に引き上げることが認められたといいます。これまで運転状況によって左右されていたものが、このことによって約300億円が安定的に確保できることになったとのことです。(毎日新聞2011.10.22 大飯安全評価、核燃料税) 「微修正」、「つまみ食い」で乗り切れると思っている神経がわかりません! ▶<九州電力>やらせメール「知事関与否定」再報告書提出へ 毎日新聞 10月24日(月)23時46分配信 【九州電力は24日、やらせメール問題は古川康佐賀県知事の発言が発端だったとする九電第三者委員会(郷原信郎委員長)の見解を認めない最終報告書の修正版を国に再提出する方針を決めた。眞部利應(まなべ・としお)社長の強い意向に沿った修正版で、同日の副社長以上の経営陣が出席した幹部会議で確認した。 14日に提出した最終報告書は臨時取締役会で決めたが、今回は「微修正」にとどまるとして、取締役会を経ずに提出することも検討している。 九電の最終報告書は、知事の関与など第三者委報告書の核心部分に触れず、提言だけを受け入れた内容だったため、枝野幸男経済産業相が「つまみ食い」だとして痛烈に批判、再提出を求めていた。 枝野経産相は24日にも「(九電が)自主的に判断できる組織であることが信頼の大前提ではないか」と発言。修正版は、こうした国の方針と真っ向から対立するため、ある九電幹部は「再提出する報告書を国は100%受け取らないだろう」と悲観した。(中山裕司)】(引用ここまで) 当たり前でしょ! これがこの国の姿です ▶<生活保護>義援金受給で支給中止458世帯 半数が福島・南相馬 毎日新聞 10月25日(火)7時39分配信 【東日本大震災の義援金や東京電力福島第1原発事故による仮払補償金を収入と見なして被災者の生活保護が打ち切られる問題で、日本弁護士連合会は24日、青森、岩手、宮城、福島、茨城の5県で458世帯が生活保護を止められたとの調査結果をまとめた。このうち約半数に相当する233世帯が福島県南相馬市で、日弁連は「南相馬市での取り扱いは問題があり、是正されるべきだ」として、市に改めて改善を求める方針。 日弁連は8~10月、5県の県庁と全福祉事務所(126カ所)にアンケートを実施し、約7割から回答を得た。調査結果によると、5県では震災後、4288世帯(8月1日現在)の生活保護が止められ、義援金や補償金を理由にしたケースが458世帯と約1割を占めた。内訳は南相馬市233世帯のほか▽同市を除く福島県相双地域30世帯▽同県田村市19世帯▽宮城県多賀城市18世帯▽同県気仙沼市9世帯──などだった。 生活保護は受給者に収入があれば減額や打ち切り対象になるが、厚生労働省は、義援金などを生活の再建に使う「自立更生費用」は収入とは見なさないとの通知を出している。震災の混乱を考慮し、使い道を確認しなくても、第1次義援金の一定額を丸ごと費用として計上することも可能だが、実際に認めていた福祉事務所は18カ所にとどまっていた。 日弁連の担当者は「通知の趣旨が徹底されていないのは厚労省にも責任がある。教育や介護なども自立更生費用に含まれることを具体的に説明していない自治体もあり、改善すべきだ」と指摘している。(石川隆宣)】(引用ここまで) * この国は本当に冷たい国です。これが「美しい」国の姿です。 ▼寄せられた情報 資源エネルギー庁があっさり認めた「東電に返済義務はない」──復興増税を国民に押し付けながら銀行と株主を守ろうとする野田政権 枝野経産相は、東電に対し「2.5兆円の賠償資金の捻出なしに税金の投入はない」と言ったそうですが、そんな表のパフォーマンスの裏で、官僚どもの「東電救済プロジェクトクト」は着々と進行しています。 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20111024-OYT1T01263.htm?from=main3 以下、『週刊現代』記事より。 「こうして政府が決めた東電の賠償枠組みをあらためて検証してみると、国民負担の最小化という話は支援機構という官僚お得意のプレハブ住宅に交付国債と現金、それに特別負担金を仕掛けを埋め込むことで、東電に兆円単位の税金を流し込む「壮大なデタラメ」だった。 東電は政府から受け取った資金の相当部分を結局、返済しない。それは国民負担になる。野田佳彦政権は9兆円の復興増税を国民に押し付けながら、それ以上のカネを東電につぎ込んで銀行と株主を守ろうとしているのである。」 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/23658 政府は、加害者である東電を我々(被害者)の負担で「救済」しようとしています。こんなふざけた話を認めるわけにはいきません。送・発電の分離=インフラである送電網を東電から切り離し、東電は解体以外にあり得ません。(K) 福島原発が開けた「パンドラの箱」 野田政権が答えるべき「国民の7つの疑問」 元内閣官房参与 多摩大学大学院教授 田坂広志 2011年10月14日 日本記者クラブで行われた講演です。動画と資料のPDF 貼っておきます。 http://www.youtube.com/watch?v=bMRD3p2nuuI ここまで あの中川恵一です。この人にとって「被ばく限度」とはなんなのか? 「年間5ミリシーベルトは、住民の平時の「被ばく限度」である1ミリシーベルトを超えますが、これによってがんの発症が増えるレベルではありません」ですと。ではお聞きしたい。「住民の平時の「被ばく限度」である1ミリシーベルト」とは、いったいなんなのか? 5ミリにしておけばよかったのではないか。そもそも、1ミリシーベルトから5ミリシーベルトになったこと=5倍!を「……超えますが」などとさらっと言える神経がわかりません! 来春、スギ花粉の季節が怖い 花粉症の人要注意です ▶スギ花粉のセシウム調査、林野庁が来月にも実施 読売新聞 10月21日(金)3時2分配信 【東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、林野庁は来月にも、福島県内のスギ花粉に放射性物質がどれだけ含まれているかを調査することを決めた。これまで放射線量が高い地域で生育した植物の花粉データは、国内外を通してほとんどない。線量が高ければ、環境省が年末に発表する花粉飛散の予測に盛り込まれる。福島県の警戒区域内に育つスギの雄花を採取し、放射性セシウムの線量を調べる。林野庁は「初の調査なので、どのぐらい含まれるかは正直、わからない。きっちり計測し、客観的な数字を示したい」としている。 林野庁と福島県によると、同県内のスギ林は国有林と民有林を合わせて約18万4500ヘクタールで、同県の森林面積の約2割を占める。ただ、同庁によると、調査対象となるスギ林がどれぐらいの広さになるかは、まだ決まっていないという。 東京都福祉保健局によると、スギ花粉は200キロ以上飛ぶことがある。花粉に詳しい東邦大学の佐橋紀男・訪問教授(植物分類学)も「風速や風向などにもよるが、数十キロから数百キロ飛ぶと言われている。ヘリコプター調査で上空5000メートルでも採取できた。福島の花粉が首都圏に届く可能性は十分ある」としている。 ただ、人への影響については、専門家はあまり心配する必要はないと指摘する。放射線医学総合研究所放射線防護研究センターの吉田聡・運営企画ユニット長(放射生態学)は「汚染地域の花粉に放射性セシウムが含まれていても人が吸引する量はごくわずかなので、被曝(ひばく)線量の観点からは無視して構わない程度と考えられる」と話している。環境科学技術研究所の大桃洋一郎特別顧問も「花粉症の人は、普段と同じ対策をしていれば、それほど心配する必要はない」としている】(引用ここまで) * この記事を読んで、そうか、花粉があったかと思った次第です。私は花粉症ではないのですが、放射線医学総合研究所放射線防護研究センターの吉田聡・運営企画ユニット長(放射生態学)の「花粉症の人は、普段と同じ対策をしていれば、それほど心配する必要はない」との話、にわかに信じられません。ならば、「調査の必要などない」と「助言」すればいいのにと思うのです。と、思っていたら、次のように指摘する方もおられます。 * http://nucleus.asablo.jp/blog/ (以下、上記からの引用です) 【『スギ花粉のセシウム調査、林野庁が来月にも実施』【読売新聞10/21】 林野庁も動き出すようです。 しかし、この記事の中に、たいへんな認識違いがあります。 「花粉症の人は、普段と同じ対策をしていれば、それほど心配する必要はない」。専門家として意見を述べている環境科学技術研究所の大桃洋一郎特別顧問の発言です。 花粉に乗った放射性セシウムを吸い込むのは、花粉症の患者だけではありません。春先になれば、誰もが吸い込んでいるのです。私は患者なので、よく分かるのですが、花粉症の患者には、ある意味で、花粉が見えます。「今日はたくさん飛んでそうだな」とか。危なそうな日にはマスクをします。だから私たち花粉症患者には、花粉に放射性セシウムが乗ってくる絵がはっきりと思い浮かびます。 このままだと、花粉症と無関係な人たちは、まったく無防備のまま、放射性の花粉を吸い込んでしまうでしょう。これは恐怖です。 一方、その季節、花粉症の患者の鼻腔内やまぶたの裏側の粘膜は、炎症を起こしている状態です。そういった場所から、より多くの放射性セシウムが体内に入り込む可能性があるのかどうか… これもまた恐怖です。 実際、スギの花粉は200キロ以上飛ぶと言われます。これまでのエアロゾルとかホット・パーティクルといったチリや火山灰のような形状とは違った飛散の仕方をするでしょう。放射性セシウムから見れば、スギ花粉は、あらたな、そして大きな船のようなものになる可能性が高いのです。 果たして、有効な対策はありうるのか… 春が来るのが怖いというのが、正直なところです。 スギやヒノキに次いで、花粉症の原因となるケヤキも要注意。今はソースを明かせないのですが、東京多摩地区で、ケヤキからだけ、突出した放射性セシウムの値を検出した例があります。】(引用ここまで) 「劣化ウラン健康法できる」などと言っていた人、今は? ネットサーフィンしていると、時々下記のようなものにあたることがあります。下記にあげたものは2008年に書かれたものです。恐ろしいことに「そのうち劣化ウラン健康法などというのが現われるかも」などと書いてあります。この人たち、フクシマ以後、どのように思っているのでしょうか? | ||