原発通信 89号2011/10/27発行
ベトナム政府、日本の原発を導入方針変えぬと ベトナム政府、日本の原発を導入する件、あきらめていないようです。急成長を続けるベトナムですが、電力不足・安定化のために原発をということですが、残念ながらフクシマの経験を何も学んでいないようです。毎日新聞によると、タイでの人件費の高騰、そして現在進行中の洪水ということもあり、ベトナムへの工場移転は加速するのではないかということです。人口はASEANのなかで3番目(8800万人)、平均年齢27.8歳!(ベトナム戦争が影響しているのでしょう) 最低賃金は月80ドル(約6080円、ハノイ、ホーチミン)で、タイ・バンコクの半分以下といいます。資本にとっては魅力的な国なのでしょう。そして、勤勉さということも魅力です。ベトナム製のものそうよくは知りませんが、縫製等、中国製よりいいのではと思うときがあります。ある意味日本と似ているのかも。 原発輸出です。官民一体で進めていた初の原発輸出第1号(になるはずだった)ですが、フクシマ以後を考えると輸出に抵抗感があるとも。しかし!野田は9月の国連での発言が批判され、輸出解禁については、今のところはっきりしたことを言っていません。 発電コスト試算のこと 昨日、発電コストの試算が出たことお伝えしましたが、東京新聞に試算をした原子力委員会の委員である東大村松敏弘教授が疑問を投げかけている記事が載っています。当初、損害額を約5.7兆円としていたのを3.9兆円に減額。当初は記載されていた損害額は福島第一原発3基分の額であったのに、半分の出力の原発をモデルにしたことなど、そのいい加減さを指摘しています。どこまでいっても原子力マフィア=原子力ムラの連中は懲りないようです。(東京2011.10.26発電コスト試算疑問) フランス緑の党エバ・ジョリさん来日、福島を視察 フランス緑の党「ヨーロッパエコロジー・緑の党」の欧州議会議員エバ・ジョリさん(大統領選に立候補予定)が来日、福島などを視察。彼女は言います。「そんな中で気になったのは、人びとが深刻な事故が何もなかったかのように生活していること。政府はリスクが小さく見えるように誘導している。無責任だ」と。そして「戦うことなしに現状を打破できない」とも。 放出された放射性物質セシウム137は、約3万5000テラ・ベクレルか! ▶放射性物質放出量、政府推計の2倍か 読売新聞 10月27日(木)3時11分配信 東京電力福島第一原発事故の初期に放出された放射性物質セシウム137は約3万5000テラ・ベクレルに上り、日本政府の推計の2倍を超える可能性があるとの試算を、北欧の研究者らがまとめた。 英科学誌「ネイチャー」が25日の電子版で伝えた。世界の核実験監視網で観測した放射性物質のデータなどから放出量を逆算。太平洋上空に流れた量を多く見積もっている。(引用ここまで) http://www.atmos-chem-phys-discuss.net/11/28319/2011/acpd-11-28319-2011.html * いったい全体、どうなっているんでしょう!! どの数値を信用していいのかわからなくなります。ただいえることは、日本政府、東電の言っていることは眉唾もの、信用できないということだけでしょう。 福島産コメ、「安全宣言」出たが… 二本松のコメ以外、大丈夫ということで佐藤雄平福島県知事は「安全宣言」を出しましたが、消費者の不安を払拭できているとは言えません。消費者だけではなく、産地からもサンプル検査だけではなく、全袋検査をという声があがっているといいます。 土壌環境学が専門の新潟大学の野中昌法教授は、調査地点が少なすぎること、きちんと対応しないと来年以降も検出されることになると警告しています。 全袋検査ですが、東京の富士電機というところが先月「食品放射能測定システム」を開発販売したといいます。これ、東大の児玉龍彦教授が言っていたベルトコンベアに流しての検査方法があるし、そのようなもの直ぐにできると話していたものでしょう。30キロの袋なら12秒、1時間で200袋検査できるといいます。 しかし、農水省、サンプル検査で十分だと言ってやるつもりはないようです。しかし、とんでもない数値が出て、「実はすることになりました」などという、いつものようにならないことを願います。肉牛の例もあるのですから。(東京新聞2011.10.24 コメ検査①、②) 黒塗り手順書 彼ら(東電)言葉の意味を改ざん! 昨日報告しましたが、手順書の件です。東京新聞10月25日付(1面トップ)によると、東電はこの機に及んでも見苦しい言い訳をくりかえしています。あの松本純一本部長代理、なんと言っているかというと、「今回の事故では電源設備が津波を受け、復旧が困難を極めた。電源喪失を想定していなかったが、われわれの判断が甘かったかどうかは、議論があると思う」との賜ったといいます。そもそも、1号機から4号機の状況を見て、あれを「復旧」というのかということです。「冷温停止」もそうですが、どうも東電(政府もですが)言葉の定義というものをご都合主義よろしく、勝手に変えているようです。ちなみに「復旧」=広辞苑によると=【もと通りになること。もと通りにすること。「―工事」】(広辞苑第六版)となっています。あれが、元通りですか…??? 「甘かったかどうかは議論がある」? そりゃ、泥棒にもわけがあるといいますから。そんな言い分、「理屈と膏薬はどこにでもつく」の例えと同じです。そもそも、電源喪失を想定していなかったということが大問題なのにです。自己検証など望むべくもないことでしょう。 三菱重工へのサイバー攻撃で原発資料が その東京新聞の記事(上記黒塗り手順書)の下には、なんと、三菱重工へのサイバー攻撃で原発資料が「盗み見られた」と報じています。黒塗りで隠すどころではありません。とんだところから漏れてしまいました。 Peace Philosophy Centreからの情報(専門的なことが書かれています) ▶IPPNW(核戦争防止国際医師会議)から日本政府へ勧告:国際的に最善といえる水準の放射線防護策を実施するには、いっそうの避難が必要」 http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/08/ippnw-ippnw-advise-japan-we-see-no.html 【IPPNWは1980創立、全世界63カ国の医師団体と2万人を超える医師たちで構成されています。冷戦中の1985年には、米ソの医師たちも協力し合い、特に核戦争や核実験の健康被害に重点を置き人道的な立場から、核による人類の滅亡を防ぐため、公衆の意識の向上に貢献したとして、ノーベル平和賞を授賞しています】(引用)とのことです。 ▶ベラルーシ・ゴメリでの、子どもの非がん性疾患の激増 【IPPNW報告の中に添付の表がありました。こどもたちの間で心臓病をはじめ、色々な疾患が文字通り「激増」していることがうかがえます。 この表では「心臓病」というカテゴリーはありませんが、「循環器疾患」に入ります。循環器だけではなく、チェルノブイリ以降、がん以外でありとあらゆる疾患が、チェルノブイリ事故で汚染されたベラルーシ南部、ゴメリで激増していることがわかります。】(引用) http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/09/sharp-increase-of-non-cancer-diseases.html 福島原発3号機が放射性蒸気放出継続中! 新映像が証明! ▶元スリーマイル事故調査委員:アーニー・ガーダーセン教授 現在、東電により各建屋のカバーが取り付けられつつあるとのことですが、同教授によると、カバーをかけ、大気中に漏れている放射性物質を捕捉し、フィルターを通したのち各原子炉に付属している煙突に送ってそこから大気中に放出するのだといいます。フィルターでは放射性物質は取り除けなく、高濃度のものを放出し続けることになると。新聞等で報道されている限りでは、カバーで放出が抑えられるというくらいの情報しか流れてきません。また、同教授によると、福島第一3号炉の爆発は、水素爆発ではなく、核燃料プールから始まったといい、臨界爆発だったのではないかとも。必見です! http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=Osv0_nVAANk#! (字幕付きです) ◆講演会等イベント情報 ドキュメンタリー映画「チェルノブイリ・ハート」の監督、マリアン・デレオさんが今月末来日予定です。長崎でのフォーラムに出たのち、都内で特別上映会とトークイベントを行うそうです。 ・渋谷、ヒューマントラストシネマ渋谷 ・11月1日 ・午後6時10分から上映 ・料金1300円 全指定 ・電話03-6861-0030 ドイツが脱原発に踏み切るうえで大きな影響を与えたゲルト・ヴィンターさん(ブレーメン大学ヨーロッパ環境法学研究所所長)も来日、講演します。 ・11月28日 ・午後6時から ・明治大学リバティホール ・「ドイツの脱原発に果たした憲法の役割」 ・無料、予約不要 ・問い合わせ 第二東京弁護士会 03-3581-2257 エステーのエアカウンター 先日ご報告したエステーの線量計、福士政広(首都大学東京教授)の監修だそうです。御用学者の一人に数えられている人です。さて、この線量計の性能はどうなのでしょうか? | ||