原発通信 92号2011/11/01発行
「再びマグニチュード9の地震が発生する確率が高くなってきた」と北大の森谷武男氏=北海道大学理学院付属地震火山研究観測センター(ただし北大の統一見解ではなくあくまでもの個人的な見解とのことですが)。(下記に記事を掲載) 別の報道では、千葉・房総沖でプレート滑り 「群発地震誘発も」と。福島第一原発、ますます気になります…。 ツケ買いをしてその支払いを孫世代に回しているだけでしょう! 電力3社が赤字だと言っています。なんでも火力発電の燃料費がかさんでということです。だから、原発の方が安いと言いたいのでしょうが、とんでもないです。放射性廃棄物の処理、使用済み核燃料の「処理」費、それに、今は、史上最大の原発事故を起こしてのその処理費・補償費(今後現われるであろう福島第一原発からの放射線による健康障害への対応や、現在福島で働いている作業員の方々の問題等)というものをも積算しなければなりません。そんなのみんな先送りし、ツケは孫が払うとばかりの放蕩生活と同じことを電力会社と政府はやっているのです。 さんざん放蕩生活をして追及されている大王製紙前会長の方がまだましといえるような話です。要は、いつ支払わなければならないかという問題だけなのです。支払う相手が目の前(例えば、石油の場合はアラブの王様やメジャーに)にいるという話で、原発は、まだ生まれていない子や孫、ひ孫たちの代に回しているということです。いまのわが国ではそうも言っていられない状況になってしまいましたが、まだまだそうしようと企んでいる連中がいます。 電力不足キャンペーン 来年のことを言うと鬼が笑うといいますが、電力会社と政府は、今冬の電力不足キャンペーンだけでは“効果”がないとみたのか、来夏も電力が不足するなどと大キャンペーンをし出しました。野田首相、英紙「フィナンシャル・タイムズ」のインタビューに答え、再稼働に前向きの姿勢を示したとのことです。 本当に飲んだ岡田政務次官、でもその手は震えていました 「内閣府の園田政務官が、福島第1原発5号機と6号機の地下にたまっていた汚染水を処理した水を実際に試飲して、安全性をアピールした」とのことです。しかし、ふるっているのは、これで安全が確かめられたということではないと。じゃあ、何…? 行きががりで飲んだというだけでしょう。見逃した方は下記をクリック。でも、これ、フジTVなので園田次官の最後のコメントがカットされていますので注意です。 http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00210642.html http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00210609.html いつから野蛮になったのだと、あの武田邦彦さえ言っています。 【狂牛病の恐れのある牛肉をほおばる議員、汚染されたほうれん草を食べる都知事、そして汚物を飲む政務官】【福島の子ども達は汚染された給食を食べ続けているのだ。バカにするな!!】と。 http://news.livedoor.com/article/detail/5984087/ アルメニアの原発放射能漏れ、誤報か? 先日お伝えしましたが、トルコでの大地震で、アルメニアの原発が放射能漏れを起こしたかとお知らせしましたが、どうも誤報のようです。アルメニアの原発を危惧するトルコが流した情報のようです。しかし、アルメニアの原発ですが、チェルノブイリと同様、格納容器がないらしいのです。これでは安心できないでしょう。続報が入ることを願っています。 でも、こちらは気になる情報です 再びマグニチュード9の地震が発生する確率が高くなってきました (これは北大の統一見解ではなくあくまでも森谷武男の個人的な見解です)http://nanako.sci.hokudai.ac.jp/~moriya/M99.htm 【もしもこのまま3月11日の地震の前と同じ経過をたどるとすれば,再びM9クラスの地震が発生すると推定されます.震央は東北地方南部沖から関東地方沖の日本海溝南部付近であろうと考えられます.震源メカニズムが正断層である場合には海底地殻上下変動が大きいので津波の振幅が大きく巨大津波になる可能性も考えられます.発生時期は12月から2012年01月にかけてと考えられますが…以下略…】 本日、NHK TVや毎日新聞で報道されていました。気になりますね。 ▶<スロースリップ>千葉・房総沖でプレート滑り 「群発地震誘発も」 毎日新聞 11月1日(火)9時0分配信 【 防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は31日、千葉県の房総半島沖で、フィリピン海プレート(岩板)と陸側プレートの境界面がゆっくり滑り(スロースリップ)を起こしていると発表した。広瀬仁主任研究員は「群発地震の誘発も考えられる」と説明している。 この場所のスロースリップは約30年間観測が続いており、前回までの5回は平均6年間隔で起こっていた。今回は07年8月以来4年2カ月ぶりで、間隔は過去最小。東日本大震災の影響で早まった可能性もあるという。07年には、スロースリップに誘発されたとみられる群発地震が房総半島周辺で発生した。 防災科研が全国に整備した、高感度地震観測網のうち、房総半島6地点のデータを分析。最大の動きは、10月26~30日の5日間に深さ約20キロで約6センチ滑ったと推定した。(安味伸一)】(引用ここまで) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111101-00000011-maiall-soci この件、注視していきたいと思います。(A) 作業員休憩所、高線量にもかかわらず「管理区域外」で危険手当支払わず 今現在も、休みなく事故対応作業を続けている作業員の方々が休憩を取る場所ですが、法令による放射線管理区域の設定基準を超える線量を計測しているにもかかわらず、設置者である東芝と鹿島は、当社は設定する立場にない、東電の指示通りにやっているなどといって東電が管理主体だといっているが、東電はそちらの問題だと、“俺じゃない俺じゃない”と言い合っているようです。敷地内か外かで大きく扱いが違っているそうです。そして、割を食うのは、いつも現場の人間、それも立場の弱い者というセオリどおりです。(毎日新聞2011.10.31 休憩上は管理区域外手当なく 同 休憩場管理区域外) 原発事故は、図らずも各自治体の“実力差”を周知してしまった? 先日、中野区のことを書きましたが、10月30日付の東京新聞「こちら特報部」の記事に「調査動かぬ浦安市」と題して、高線量のところがあると通報しても、一向に想定どころか見にも来ないという記事が掲載されていました。 同欄は言います。「福島第一原発事故による放射能汚染は、各自治体の“実力差”を周知してしまったかもしれない」と。浦安市に住む住民の一人は言います。「私たちの街が汚染されたのは市のせいじゃないけど、現状を配置し続けて汚染が続くなら市の責任は大きい」と。まったくその通りだと思います。住民の生命・安全を守るのが自治体の基本的な任務ではないのか。うがった見方かもしれませんが、同市には超有名なテーマパークがあります。もし、あちらこちらで高線量が測定されると来園者が減り、まわりまわって、税収なども減ってしまうことを危惧しているのか…。(東京2011.10.30 調査無し浦安市) 環境アセスメントがあれば、事故は防げた 環境アセスメントがあれば、事故は防げたのではという環境問題が専門の原科幸彦東工大教授。原科さんは言います。 「国内の原発すべては、建設用地が先に決められた」「アセスの最大の問題点は、放射能汚染そのものがアセス法の評価項目にないこと。昨年、アセス法改正案が審議された際参考人として呼ばれた。その時、それも評価に入れるように言ったが通らなかった。なぜか。電事連や経済界がアセス法そのものから原発を外すよう主張した。放射能評価が環境基本法から除外されているのはそのため」と。 法の外に置くということは、初めから〈やばいもの〉ということを知っているということの何よりの証明。そして原科さんは、続けて、自国で制御できない原発をよそに売り込もうなんて倫理上許されないとも。そう、欠陥商品を売りつけることと同じですから。(東京新聞2011.10.30アセス放射能項目なし) 「最悪を想定する」ことが苦手な人々 巨大プロジェクトであるJAXA(宇宙航空研究開発機構)に東電幹部が非公式に尋ね、どうしたらいいかを訊ねたそうです。 JAXAの場合、最悪を想定し、ロケットの破壊、ミッションの放棄まで選択肢にあるとのことです。いずれにしても、日本人といっていいのかどうかはわかりませんが、どうも「最悪を想定する」ということは苦手というか、逃げてしまう傾向があるのではないでしょうか。困ったら神頼み?…。 最近読んだのですが『日本海軍400時間の証言 軍令部・参謀たちが語った敗戦』(NHK取材班 新潮社)にも、根拠なく勝手に、「そうはならないだろう → ならない → なるはずがない」と3段論法でジャンプし、結局破滅的なところまで行ってしまったという軍令部の連中の「反省」が書かれていました。別のNHKスペシャル「原爆投下 活かされなかった極秘情報」(文化庁芸術祭参加)http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2011-10-29&ch=21&eid=6457でやっていましたが、参謀本部の対応などもそうです。原発、原子力問題もそうです。どうもそうした性癖があるのではないでしょうか。最近開かれた地震学会の議論もそうです。毎日新聞の記事によると、「そのような話がある」という程度のことが、いつの間にか「そうだ」になっていってしまったと反省しているという研究者の弁が紹介されていました。(毎日新聞2011.10.31 この国と原発 第3部3) 第6回 フクシマ―言われている以上の放射線量 Frankfurter Rundschau 紙10月29/30日土日版の政治欄にフクシマに関する小さな記事が出ていました。日本ではもう報道されていることだと思いますが、改めて報告します。見出しは、「フクシマ―言われている以上の放射線量」。 【破壊された日本のフクシマの原発から、これまで政府が主張していた以上の放射線物資が流失していることが明らかになった。学術調査(どこかは明記されていません‐注)に従えば、かなりのセシウム137が漏れていたと言う。その量は、日本の政府がこれまで言っていた量の二倍に達していること が分かった。チェルノブリの40%に相当すると言う。】 * これだけですが、日本(人)への信頼はもうガタガタです。(T・K) ▽2倍どころではないことは、先週や、昨日の前号でご報告した通りです。もう地に落ちたということです。きっとそのことも向こうで報道されるでしょうから、さて、どうなることか…。(A) 今後のアクション予定 今後、以下のアクションが予定されています。 詳しいことが決まり次第、随時お知らせいたします。 ▶「頑張ろう!さようなら原発1000万署名」集会(仮称) 日時:12月10日(土)午後13:30~予定 場所:東京・日比谷野外音楽堂 ▶「全国一斉さようなら原発1000万署名アクション」集会(仮称) 日時:2月11日(土・休)※時間は各会場による 場所:東京・代々木公園イベント広場(B地区)とケヤキ広場など ※この日は全国一斉行動日として、各ブロック、もしくは原発立地県で集会を開催します。 首都圏会場は代々木公園として開催します。 | ||