原発通信 96号2011/11/07発行
10月の原発稼働率 18.5% 過去最低をさらに更新 原発の稼働、廃止は私たちが決める! 都民投票実現へ! 都民投票実現のための署名12月1日からです! 11.6経産省テント村前での葬儀へ行ってきました 前号(95号)でお知らせした経産省前での「原発にサヨナラ! 原発の供養祭」に行ってきました。人数は御世辞にも多いなんて言えないくらいの少人数でしたが、別口(?)のデモもあり、解散地点が経産省前ということで合流。それなりの人が集まりました。と、桜田門の方からやけにいいラウンドスピーカーでのシュプレヒコールが聞こえてくるのです。どこだろうと待っていると、なんと日の丸を掲げた一団。「民主党政府は、原発の情報をすべて公開しろ!」とコール、しかし、「大日本帝国憲法はまだ生きている」とのコールも。 4万5000年前、「現生人類と旧人が共存?!」 11月4日付の毎日新聞に、【4万5000年前、「現生人類と旧人が共存?!」】との記事。以前、イタリアと英国で発掘されたネアンデルタール人のものとされていた歯と骨を再判定したところ、最高4万5000年前の欧州最古の現生人類と判明したとのことです。とっても大昔の話です。でも、放射能が「無害化」するのにはこれの倍近く、10万年といいます。 女川原発反対運動の阿部宗悦さんの娘さん・阿部みきこさんが女川町議選に立候補 女川原発建設反対運動を担ってきた阿部宗悦さん(6.11芝公園での集会に元気な姿を見せてくれ、力強いあいさつをされました)の娘さんの阿部みきこさんが女川町議選に立候補されたとのことです(11月13日投票)。小出裕章さんからも「美紀ちゃんの当選を大阪から祈る」との応援メッセージが届いています。 細野事故担当相、低線量影響分析ワーキングチームを新設 低線量だから問題ない等の言説が、にわかに大きくなってきています。そんななか、細野事故相は放射性物質汚染対策顧問会議の下にワーキングチームをつくり検討を始めるとのことです。(毎日新聞2011.11.6細野事故相、低線量影響分析) それにしても、週刊ポストの今秋発売の号、これまでとは違い踏み込んだキャンペーンを始めたようです。【どうせまた「核分裂だ!」「臨界だ!」と煽る人々の科学的無知を先回りして批判する】と、わざわざ「先回り」してとのことです。小学館、広瀬隆さんの反原発の本を出したりと「忙しい」です。まあ、新潮社や、各マスコミみんなそうですが…。 中川恵一にだまされてはいけません 毎日新聞日曜日に連載をしているのですが、今回は「見直し進む食の安全基準」を題して書いています。 「生涯1ミリシーベルト未満」を目指すためには食品からの被ばくの上限は年1ミリシーベルト」「例えば、野菜の現在の暫定規制値は1キロあたり500ベクレルですが、単純に5分の1にするならば100ベクレルが上限になります。これは、米国の基準の12分の1に相当し、生産者にとっては非常に厳しい数字」などと、あたかも米国の12分の1なので「より安全」かのように見せかけています。米国の数値がどうかということを出さずにです(まあ、計算すればいいのですが)。しかも、放射線の感受性が高い子どもに対しての配慮もなく、大人といっしょの値です。 鎌田實氏だって、「放射線への感受性が高い子どもに配慮し、外部被ばくした福島の子はさらに厳しくすべきである」といっているのです。ただし、注意が必要なのは、鎌田さん、自分の「意見」を言っていないことです。暫定規制値についても「一応~でいいという考え方のようである」といっているだけです。その数値が妥当性があるのかどうかについては答えていません。かつ、米国の規制値、なぜ出さないのでしょうか? アメリカから比べれば、まだまだこんなに低いといえるのに?(毎日新聞2011.11.6連載中川 食安全基準、毎日新聞2011.11.5 鎌田實 厳しい基準を) 米国の数値ですが、これ、とんでもない数値なのです。放射性セシウム134と137、水、牛乳・乳製品、野菜類、穀物、肉・卵・魚・その他がなんと1200ベクレル/Kgというとんでもない値なのです。それと比べての値だということです。米国、あれだけ国内で核実験をやり、核兵器を国内でつくって「貯蔵」しているし、巨大原子力産業があるわけですから、そうもしないと無理だというだけの話です。そんなのといっしょにしてほしくないです。 ところで、この件について、古いのですが『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』文春文庫=という本が興味深いです。だいぶ前、単行本が出たとき読んだのですが、ユタ州、西部劇で有名は砂漠地帯など相当汚染されていると知り驚いたこと覚えています。つまり、ジョン・ウェイン=西部劇=砂漠=汚染地帯=肺がん=死という図式です。 避難勧奨指定基準にバラつき ホットスポットの指定基準(1年間の積算放射線量20ミリシーベルトを超える恐れのある区域)をめぐって住民に不安が広がっています。南相馬市などが子どもや妊婦のいる世帯に特別の基準を設けましたが、福島市ではそうした基準はなく、同じ子供なのに差があるのはおかしいとの声があがっているとのことです。(毎日新聞2011.11.4 避難勧奨指定基準ばらつき) 児玉教授、一律に線を引くのではなく低線量のところに拠点をつくり、復旧活動をと。(毎日新聞2011.11.6 児玉教授、低線量地区を復旧拠点にと) EUの原発、フクシマ以後検査拡大。電源喪失など想定していなかった 毎日新聞の先月の記事です。ざっと見ると、自分のところの原発を「安全」だといっているのは、旧ソ連圏のチェコ、スロベニア、ルーマニア、それにイギリスです。旧ソ連圏の3か国は、“生い立ち”からいって当然そう言うでしょうし、イギリスは説明不要でしょう。テロ・飛行機衝突などの項目がないところがほとんどだということ、気にかかります。でも、どこの原子力推進派は同じで「安全神話」を根拠なく唱えていたということです。(毎日新聞2011.10.29 EUの原発評価) 3号機、線量高く近づけず 今でも毎時620ミリシーベルトを確認しているとのことです。近づけずということは当たり前ですが、人がそこへ行ってどうなっているか確認できていないということ。それなのに「冷温停止」だの「ステップ2へ」だのと言っています。何を根拠に言っているのかです。(毎日新聞2011.11.6 3号機、依然高線量) 次世代燃料=藻 以前にも紹介しましたが、藻がつくる油です。今度は、川崎の会社が開発したということです。(毎日新聞2011.10.29 次世代燃料藻) 丸写し問題で原子力機構、これまでの手法は妥当であり、変更しない?! 丸写し問題が毎日新聞にすっぱ抜かれて、少しはシュンとするのかと思ったら、そう思うのは「下々」の考えで、彼ら、原子力マフィアでした。原子力機構は「妥当な手法であり変更するつもりはない」といってきたが、ちょっとだけ「反省」のポーズをとらないと思ったのか、「過度に依存」していた「可能性」があり、「国民から疑念を持たれている」ので第三者委員会を設置して検証するとのことです。つまり、「丸写しなんてしていません、ほんのちょっとまね(写した)ことがあったのかもしれない」といっているだけです。 さて、第三者委員会です。後で、九州電力の真部社長と同じことを言うのかな?(毎日新聞2011.11.5 丸写し、検証へ) ▼寄せられた情報 <哲>ブログより 新たに、<哲> 様の情報(ブログ)をこれから転載させていただけるようになりました。 先日の核分裂か再臨界かの件についての、海老沢徹・元京大原子炉実験所助教授からのメールでの見解が載っています。また、なぜ、炉の温度100度をこだわっているのかについても解説があります。また、臨界自体は、どこかで常に起こっていた可能性があり、臨界が起こったとしても炉心冷却が優先されてきたのだという話など、新聞などには載っていない情報があります。 懲りない面々の再蠢動への「抑止力」にはならないのか?―福島2号機の「臨界可能性」! 2011年11月03日 M君へ!皆様へ! 哲です。 海老澤先生&Y氏の貴重な資料=見解(下記2点)を送って頂き有り難う。福島2号機の現状(「微量のキセノン検出」)には、「あーなんかやっぱり」と大いなる危惧を禁じ得ません。この問題は、皆さんが仰るように、すぐにどうこうという程のことにはならないのかも知れませんが、ポイントは、この事態が、10/28に初めて稼働したという「ガス管理ステム」によって初めて検知されたのだという点にあるのではないか?即ち、これまではたとえ何があったとしても、検知システム自体がなかったのだから、誰も知りようがなかっというのが真相であり、かなり恐ろしい事態も“知らぬが仏”で通り過ぎて来ただけのことではなかったのか?こちらの方が、もっと怖いことだと言わねばなりません。 このような深刻な2号機の事態の発生の直前、重大な事態の進行が見られた。①ベトナムへの原発輸出再開の動きであり、②11/1、九電の玄海原発再稼働(11/4フル稼働予定)の突然の発表である。深~い溜息が出るくらいに(それだけではいけないのだが)懲りない面々の懲りない蠢動が再び始まったのである。 ①については、ベトナムの側も何を考えているのか、余程バカな為政者か、一部高官が多額のバックリベートで動いているのかと勘ぐらざるを得ないほどの異様な事態であり、日本政府の側は、「え?この福島(の事態)をベトナムにも“輸出”するの?!」と、その人間としてのありよう、その超無神経・超無責任ぶりを憤りを持って指弾せざるを得ない異常事態である。 ②については、いわゆる“やらせ問題”で第三者委員会の見解を受け入れずに会長・社長が突っ張り通し、辞任どころか、開き直りの姿勢が増長する一方で、突如、11/1、「発電再開は事業者の問題」(←枝野もこれを容認)、「地元の了解、ある意味必要ない」と強硬姿勢を強め、11/2~4の通常運転再開を強行発表したのである。これに先立ち岸本玄海町長や古川佐賀県知事は、<地元首長も「国がOKと言うなら」(岸本英雄玄海町長)、「規制の責任を負っている国で判断された」(古川康知事)と、再稼働は「国の責任」で決まったと繰り返した。(毎日)>と報じられる。すべて国民無視の特定自治体首長の独断であり、周辺自治体住民や国民全体の運命を度外視する“原発地域エゴ”そのものに他ならない。この異常事態の頻発を我々心ある国民は、これ以上、ムザムザと許してしまってはならないのではないだろうか!皆さん、どう思う? <哲> 哲ちゃん、Mです。 福島第1原発2号機の件を心配しているのではと思い、以下のメールを転送します。このメールを送ってくれたのは、Yという大学の2年後輩で、数年前に毎日新聞を定年?退職しました。むかし科学部にいたらしく、“熊取6人衆”とも付き合いがあるようです。 ☆「今日の「福島第一原発2号機で核分裂反応が発生か」の報道について、熊取6人組のひとり、海老沢徹・元京大原子炉実験所助教授より、以下のメールが来ました。 ★さて、臨界問題ですが、事故直後、炉心温度が上昇して制御棒の配置が崩れた以降、 冷却水はどんどん入れてますから、臨界自体は,どこかで常に起こっていた可能性があります。 臨界がたとえ起こったとしても炉心冷却が優先されてきたということです。 1気圧に近い状態では、臨界が起こるとその部分の水が沸騰し、未臨界になり、 また臨界になるということが繰り返し起こっていた可能性もありますが、大規模に核分裂反応が起こらなければ良いと言うことです。 いずれにしろ、現状では、熔融し崩壊した炉心がどこにどの様な状況で存在するのか、全くわからないと言うことが最大の問題と思います。<海老澤 徹> ☆以上、少し分りにくいかも知れませんが、水は中性子の「減速材・吸収材」ですが、1気圧で100度以上だと、沸騰して、泡(ボイド)がいっぱい生じます。すると、中性子の吸収能力が落ちます。中性子が高速で飛び交うと、「下手な鉄砲」て゜はないですが、となりの原子核に衝突しにくくなり、核分裂が起きにくくなります。100度以下だと、中性子が減速されて、核分裂が起き易くなます。 しかし、核分裂反応が起きると、熱が出て、周囲の水がまた、沸騰して、核分裂反応は停止してしまいます。こういうことが繰り返されているのではないか、というのが海老沢さんの見解です。 政府の言う「冷温停止」で100度に拘っているのは、100度以下なら、水蒸気が発生せず、放射性物質の大気中への拡散が止まるからです。しかし、小出さんも言うように、原子炉(圧力容器)の中に核燃料がないのなら、熱源がないのだから、水温が100度以下になるのは当たり前で、こんな状態を「冷温停止」というわけには行きません。海老沢さんが言うように、熔融した核燃料がどこにあり、どうなっているのかが、爆発以降、全く分らないのが、最大の問題で、何故、分らないかというと、依然として、原子炉建屋内の放射線が強過ぎて近づけないためです。 この点は、事故から8カ月経っても、ほとんど改善されていません。<Y> | |||