原発通信 98号2011/11/10発行
★11・11 たそがれの経産省 キャンドル包囲「人間の鎖」アクション 午後6時 経済産業省本館正門前に集合 [雨天決行] ★12月11日(日)午後には、銀座方面から東電(各電力会社)前を通り、経産省前までのデモが予定されています 原発の稼働、廃止は私たちが決める! 都民投票実現へ! 都民投票実現のための署名12月1日からです! 福井県が「幸せ度」No.1だそうです。でも… 法政大学大学院の全国幸せ度ランキング調べで、福井県が1番になったとのことです。もう一つ、福井県には1番のものがあります。原発です。その幸せ度No.1も福島のように原発事故に見舞われたら……。福島だって「うつくしま」などといっていたのですから。 なぜ、もっと早くできなかったのか 福島で、線量計を配布 昨日(9日)から、福島県の妊婦さんに線量計が配られたそうです。しかし、思うのです。なぜ、今頃なのかと。前にも書きましたが、線量計を配ったからといって、放射線から逃れられるわけではないという現実があります。見識ある方々が言っていますが、そのようなところからの避難、疎開こそ必要なのではないかと思うのです。しかし、そうはいっても行かせるところがない。この理由こそがすべてであり、仕方がないからうまいことを言ってそこにいさせろという話だということです。「もっと早くほしかった」との声、もっともだし、当然です。(「毎日新聞2011.11.8 福島県に線量計貸与」) でも、福島で行われる選挙では、原発議論は避けられているとのことです。「ずっと原発で食ってきたのに、脱原発なんて言えるか」との声が…。「復興といえば、聞こえはいい。でも、新しい議員は現実的な選択を示すときに来ているのかもしれません」「原発事故が起きてから県議は何をしているのでしょうか。国が動かないと変わらないなら投票に行く意味はない」とも。希望はあるのでしょうか…。(毎日新聞2011.11.7 フクシマ手探りの1票上、同 11.8 同 中) 東京都も、食品の検査を開始 福島の話と同様、東京都はなぜ、もっと早くやらなかったのかです。なんでも、検査するところの職員がスーパーなどで買ったものを「ゲルマニウム半導体検出器」で「正確」に測るという話です。でも、行政のやるべきことは、流通のはじめのところでやらなければ意味がないだろうということです。スーパーの店頭商品? 放射能が検出されたら回収するなどといっていますが、もう都民のおなかの中に収まってしまっているでしょう。したがって、きっと公表されるものは、「下回っていた」とするしかないということです。これ、やらないよりやったほうがいいなどというレベルの話ではないと思うのですが……。この春、石原というインチキ男をまた知事にしてしまった都民の責任です。(毎日新聞2011.11.8 都、食品検査へ) 千葉県柏市、放射性セシウムを含んだ草木、焼却処分再開 国から指針は出ない、といって物は増えるばかり…。貯め置くところもなくなったと、こうしたことがこれからあちらこちらで始まるのでしょう。「たいしたことありません」との理由をつけて。(毎日新聞2011.11.9e 柏市が草木焼却再開) 東京海洋大学名誉教授の水口憲哉さん、海の汚染と食物連鎖 11月4日早朝のNHKラジオ深夜便からです。「明日へのことば」に「海と魚と人と」と題して、東京海洋大学名誉教授の水口憲哉さんが出ていました。 福島第一原発から垂れ流された放射性汚染水と、放射性物質による福島近海と太平洋の汚染について話していました。 垂れ流された量は、今までに経験したことのないものすごい量であり、実際これからどうなるかは想像がつかない。イギリスの再処理施設から北海への流出があるが、そんなレベルの話ではないということ。食物連鎖については、プランクトン→スズキ→その他の魚へ…と、これから始まるということ。汚染海域については、福島からは、一つは南に下って広がった。しかし、銚子以南は少ないとみられるのでは。理由としては、銚子は利根川の河口になっており、利根川から大量の水が供給されており、海に出たところで渦を巻いているので南に流れる確率は低いのではないか。規制値については10ベクレルがいいのではとも。いずれにしても500は高い。 また、海の「ホットスポット」があるということ。先ほどのイギリスの例では、ノルウェーの方まで流れ、その近海だったかグリーンランドに近いほうだったか(うろ覚えです)に高線量の海域が出現していることが分かっている──というような話でした。 ▼寄せられた情報 横尾忠則氏が抗議した。櫻井よしこ氏の「原発推進意見広告」 先日の「通信」でも取り上げましたが、櫻井よしこの顔がでかでかと載っていた「原発推進広告」に対して、その「国家ナントカ」という団体のロゴマークを作成した横尾忠則さんが抗議、以後ロゴマークの使用を認めないと通知したようです。別に櫻井よしこの言うことを真に受ける人は本通信の中には居ないので、どうでもいいんですが、この「国家ナントカ」を構成するメンバーの名前が広告より詳しく出ていたのでお知らせしておきます。なかなか豪快な人たちが参画しています。それにしてもこんな極右の政治結社のどこが「公益財団法人」なのでしょうか。こんなのこそ、サッサと「事業仕訳け」で潰せよ、民主党! http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-1074.html * という情報が寄せられたので、早速見てみました。「国家基本問題研究所」の役員一覧は、こちらから見ることができます。あの奈良林直・北海道大学教授の名前もありました。覚えておくといいかも。 除染業者決定 いつもの大手ゼネコンです。原発をつくるときも受け、爆発して放射能をばら撒いたら今度はそのおそうじで大儲け、だって、終わりは見えないのですから。仕事はそれこそこなしきれないほど今のところあるのですから。でもそのうち、カネがソコをつき始めたら、いい加減なことを言って縮小していくのでしょうが。そして、大手ゼネコンの正社員たちは例によって安全なところから号令をかけているだけ、実際作業するのは、いつもの通り中小零細の下請け、孫請け、ひ孫請けでしょう。でも、大熊町など、除染して済むところなのでしょうか? そうだとなったら、何だ、原発事故なんてたいしたことない、放射能なんてどういうことないじゃないということになってしまいませんか。(毎日新聞2011.11 除染モデル業者決定) 原発避難民 戻る気なしが27% 福島大学が避難している人たちにアンケート調査をしたところ、元の居住地に戻る気がないと答えた人が27%、34歳以下に限っては、5割以上の人が戻る気はないといっています。会社員の3割、自営業者の6割が職を失ったのですから。理由は、除染の問題です。除染が困難と答えている人が83%もいるのです。住民の方がシビアに見ているということです。また、前回の池田君の福島ルポにもありましたが、「ここにいたら殺される」と退職していった人たちもいるのですから。(毎日新聞2011.11.8e 原発避難民27%戻る気なし 同11.9アンケート集計) 報道現場に影落とす「人事システム」 鳥越俊太郎氏、毎日新聞のコラム記事(11月5日)で、鉢呂前経産省の「失言問題」などをとらえ、なぜ、これが大臣の首を飛ばす問題にまで発展するのかと危惧しています。どうしてそのようなことになるのかということを、鳥越さんは言います。日本の報道現場は20~30歳代の若い記者たち経験の浅い連中で、人間としてモノを見る目が成熟するころになると現場を離れてしまう人事システムにあるといいます。欧米では、ベテラン記者が現場にいるのと大きな違いがあると指摘。そういえば、時々TVで見る外国の記者会見など、結構年配の人が出てきますね。なるほど、言われてみれば、です。 | ||