原発通信 102号2011/11/17発行
「原発」の是非を決めるのは誰? 実現させよう!「原発」都民投票 「受任者」になって、署名を集めましょう! 原発の稼働、廃止は私たちが決める! 都民投票実現へ! 都民投票実現のための署名12月1日からです! まずは、やれることから。皆さんに呼び掛けたいと思います。まず「受任者」になる。それが署名集めの第一歩です ◆詳しくは、下記アドレスをクリックしてください。 「がんばろう!さようなら原発1000万人署名」12・10集会 日時 12月10日(土) 13:30開会 (40分程度の集会の後に、パレードを行います。) 会場 東京・日比谷野外大音楽堂 http://sayonara-nukes.org/ *一緒に参加していきたいと思いますので、本通信で詳しいことなど載せたいと思います。 孫社長、米倉経団連会長を批判 経団連の米倉会長、TPPといい、原発といい、言いたい放題です。まるで自分が全経済界や国民の代表かのように振る舞っています。しかし、このTPPをめぐって自民党との仲もおかしくなっているそうです。原発に関しては、ソフトバンクの孫社長が、「十分な議論がある前に、みんなの総意であるかのごとく(原発擁護の)発言を繰り返している」(毎日新聞11月16日付)と批判しています。 「放射能に負けない子に育ってほしい」… 15日は七五三でした。わが子が健やかに育ってほしいと願うのはどこの親も同じです。15日の夜7時のNHKテレビニュースで福島の親子が出ていました。そのお父さん、「放射能に負けない子に育ってほしい」とインタビューに応えるのです。気持ちはわかります。しかし、「放射能に負けない子」ってどういうことなのでしょうか。このお父さんを悪く言うつもりはありません。でも、何か違うだろうと思うのです。 その前日には、B-1グランプリで「浪江焼麺太国」(福島県浪江町)が4位になったとの記事。表彰状を受け取った八島さんという方、涙を流しながら「絶対に古里を取り戻します」語ったそうです。いい話です。でも…と思ってしまうのです。誰が、なぜ、どうして、自分たちをこのような目に合わせたのかというところが大事だと思うのです。飛ぶようですが「レコンキスタ」、その点ははっきりしているのです。 でも…です。なぜ、どうして、どのように、誰が、何の理由でということの追及なしに感情、情緒で流れてはなりません。 日本人は戦争も、原爆も(原爆投下を「神の御摂理」「神が与えた試練であり、神に感謝」すべきと説いたのは永井隆博士ですが)、台風と同じ、自然災害や運命だとしてしまうところがあるとよく言われます。なんだか、それと同じように思えてしまうのです。原因と結果、このことをしっかりと忘れずに追及することが、いかにこの日本では「大変」なことかということをあらためて感じます。同様なことが、福島第一原発事故でもなるのではないかと危惧します。 落合恵子さん、FM東京の番組では原発のゲの字も発言なし 15日の19時前のFM東京の番組でした。何気なく聞いていると、当初は、TPP賛成派の人が出て、反対は時代遅れだ、国益ではなく省益だなどと言っていました。その後のコーナー、3.11以後のことについて語ってもらうコーナーでしたが、落合恵子さんが出ていました。なんていうのかなあと聞いていると、地震・津波での被災地の子どもの話と情報を自分たちでつかむようになってきた、3.11以降、人々が政府の話は正しいとは限らず、何が正しいかを一人ひとりが探し求め始めたという話で終わってしまいました。原発事故の件は一言もなし。発言できなかったのかどうか…。話が終わった後このコーナーを取り仕切っている人と、TPP賛成派の人によって、落合さんの話(録音)、ソーシャルメディアの話にうまく収れんされてしまいました。FM東京、調べてみると読売新聞東京本社とみずほ銀行が株主(2社で10%)でした。原発のことを言っていくのは難しいことなのでしょう。「何が正しい情報なのか」といったことが精一杯だったのでしょう。16日は、高橋源一郎ということでしたが聞き逃しました。 内閣府:「セシウムは地表2cmに大半が蓄積し、土壌濃度が高くても果樹の実には移行しない」 福島県:「南相馬市のキウイと伊達市の畑ワサビから500Bq超のセシウム検出、出荷自粛を要請」 上の内閣府の記事は、毎日新聞11月17付の記事です。調査地域は富岡町と浪江町だそうです。落葉樹の葉は1Kgあたり60~2万6000ベクレル。常緑樹は同1万8000~22万ベクレルと10倍以上の差があったといいます。ただし、土壌濃度が高いところでも果実の実にはほとんどセシウムは移っていないと。学校や公園、他などでは、地表2cm以内にセシウムは蓄積されているとも。それをはぎ取ればいい?(でも、はぎ取った土、どうするのでしょうかね?)(毎日2011.11.16 福島のキウイとワサビからCs) そんななか、細野事故相は、作業着と長靴という出立で除染作業とのんきなもんです。このようなパフォーマンス(「想像以上に大量の土が出る」と言ったそうです。そう、それをどうするのかです、問題は)、いかほどの効果があるのでしょうか。 下の記事は、その前日11月16日付の毎日新聞です。(毎日2011.11.17 内閣府、Csは地表2cmに) 変ですね? 内閣府、「濃度が高いところでも果実の実にはほとんどセシウムは移っていない」と発表しているのですが、前日の福島県の発表ではキウイから暫定規制値以上を検出と。キウイは果実ではない? このように信用できない話が出てくるのです。しかも、たいして大きな扱いではありません。というより、汚染キノコ、野菜などもう当たり前になってしまい、ニュース価値がなくなってきているからでしょう。要注意です。そうしていたら、なんと、福島県産のコメからセシウムが! 福島産のコメからセシウム検出 ▶<放射性セシウム>福島市のコメから規制値超630ベクレル 毎日新聞 11月16日(水)21時58分配信 ◇政府が出荷停止検討 福島県は16日、福島市大波地区産のコシヒカリ(玄米)から国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える放射性セシウム630ベクレルを検出したと発表した。コメの暫定規制値超過は全国で初めて。政府は同地区のコメを出荷停止にする検討を始めた。【清水勝、佐々木洋】 県は同日、大波地区の稲作農家154戸に出荷自粛を要請。厚生労働省は県に対し、同地区や周辺で収穫したコメのサンプル検査の強化と、既に流通したコメの追跡調査を要請した。 県や市によると、今月14日、地区内の一農家が自宅で消費するために保管していたコメの安全性を確かめようとJAに持ち込み、簡易測定器で測定。高い数値が出たためJAが福島市に連絡し、県で詳しく検査した結果、玄米で630ベクレル、白米で300ベクレルを検出した。農家はこのコメの出荷も予定していたが、まだ市場には出回っていないという。 大波地区は東京電力福島第1原発から約60キロ離れた中山間地で、154戸の稲作農家がある。原発事故による放射線量が比較的高く、福島市は10月18日から地区の全世帯を対象に、本格的な除染作業を進めている。この農家の水田はくぼ地にあり、沢水を使っているといい、周囲の放射性物質が蓄積された可能性があるとみられる。コメは収穫後に天日干ししていたが、市は「セシウムの濃度が高かったこととは関係がない」としている。 原発事故を受け、政府は17都県を対象に収獲前の予備検査と収獲期の本検査を実施。大波地区では9~10月に予備検査を1地点、本検査を2地点で行い、検出値は17ベクレルだった。県内すべての検査が終了し、佐藤雄平知事は10月12日、県産米の「安全宣言」をしていた。 厚労省監視安全課は「予備検査と本検査で何カ所も調べ、すべて規制値以下だったのに、なぜ今ごろ規制値を超えるコメが出るのか。消費者の信頼を得るには、いったん出荷停止とし原因を究明する必要がある」と話している。(http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/radioactive_material_in_food/) * 大波地区、例の汚染地図と重ねるとまさにあの赤く表示されている線上の周囲と言ってもいいと思います。ちっちゃな記事にこそ、真実のシグナルが隠れているということです。 藤村官房長官、「特殊なケース」だと 産経新聞(ネット11月17日(木)12時29分配信)によると、藤村官房長官、今回の福島大波産コメ問題、「やや特殊なケースで大きく広がる話ではない」とし、国の検査態勢については「基本的には、(JAなど)それぞれの自主検査が重要だ。必要なら検討する」と、これも人任せ。セシウム汚染米、そのものが「特殊なケース」でしょうがと思うのですが。この緊張感のなさ、いったいなんなんでしょうか。 時事通信によると、JA新ふくしまは17日、福島市で生産されたコメから国の暫定規制値を上回るセシウムが検出された件で、JA経由で流通させる同市産のコメについては改めて放射性物質の検査を行う方針を明らかにしたとのことです。 IAEA、「都市部の線量低いものは中間貯蔵しなくてもよい可能性がある」と 除染支援のために日本に来ているIAEAの専門家チームによる最終報告書が出たそうです。チェルノブイリでは国土が広いので土地放棄できたが、日本はそうはいきません。そこで出たのが、この報告書でしょう。「線量の低いものは中間貯蔵しなくてもよい」──これ、拡大解釈されそうな表現です。今後の推移に注視していく必要あります。(毎日2011.11.16IAEA,最終処分施設の確保を) 毎日新聞連載【「想定外」後の浜岡】 ▶「根拠なく、安易に数字を出すな」 中田高広島大学名誉教授、地震で御前崎半島を隆起させるかもしれないと。中国電力は、80年代から01年の古い調査技術によっての評価とし、警告しています。しかし、中電、そんなことは知ったこちゃないばかりに「80年代から01年の古い調査技術」をもとにしての「評価」で1000億円もかけてせっせと堤防をつくっています。そして、驚いたことに、中電は「万全を期した」というこの数字の根拠を示さず「社内で出した数字」と答え、静岡県危機管理監から「安易に」言うなとくぎを刺されるしまつ。その1000億円かけてせっせとつくっている堤防にしたって、遡上高15~20Mの津波が襲う可能性を指摘する先生もいます(都司東大准教授・地震研)。(毎日2011.11.15e 「想定外」後の浜岡 上、11.16 同 中) ドイツのエーオン社、原発で損害こうむったと提訴 脱原発に異議を唱えるものではないとしつつ、それで損をしたんだから、弁償しろという話です。これから、そうした提訴、増えるんでしょうね。その意味でも、とんでもないもの(核)に手を出してしまったツケということでしょう。(毎日2011.11.15 ドイツ企業、脱原発で損害と) 一方、意味合いは違いますが、東電監査役に提訴し、5045億円の賠償を求めたのは脱原発派の株主42名です。 ▼ここだけの話ですが 110万人を擁する産別に加盟しているある単組の定期大会。来賓は大震災については語りましたが、「ゲンパツ」なんていう言葉なしです。社の最高責任者が一言「○○や○○や放射能の影響」と語り、大会の最後、今しかないという感じで、執行部の一人が「ゲンパツ」という言葉をちっちゃな声で早口で言っていました。原発問題、タブーなのでしょう。 | |||