原発通信 104号2011/11/19発行
11月15日から12月14日までの間で、宮城県沖でM7超の地震発生の確率15.1%と! ▶北大・森谷氏は、来12月~翌1月までにM9と巨大津波の可能性を 18日に、気象庁は、今後1か月(11月15日から12月14日まで)の間にM7以上の余震が起きる確率15.1%と発表しました。(毎日2011.11.19M7の地震発生15.1%の確率) 今月最初の本通信=92号(11月1日)で、北海道大学・森谷武男氏(北海道大学理学研究院附属地震火山研究観測センター)の個人的見解として「再びマグニチュード9の地震が発生する確率が高くなってきた」とのことと、NHKや毎日新聞の報道として千葉・房総沖でプレート滑り、「群発地震誘発も」指摘されているとお知らせしましたが、現実味を帯びてきました。それに備えての「準備」もしてくださいとのアナウンスも聞きました。 昨日の『夕刊フジ』では1面Topに森谷氏の見解がデカデカと出ていました(見出しだけですが)。 ●北大森谷先生のHPのアドレスまた貼っておきます。 http://nanako.sci.hokudai.ac.jp/~moriya/M99.htm 92号も再録します。 【もしもこのまま3月11日の地震の前と同じ経過をたどるとすれば,再びM9クラスの地震が発生すると推定されます.震央は東北地方南部沖から関東地方沖の日本海溝南部付近であろうと考えられます.震源メカニズムが正断層である場合には海底地殻上下変動が大きいので津波の振幅が大きく巨大津波になる可能性も考えられます.発生時期は12月から2012年01月にかけてと考えられる】と言っています。 予測、外れたっていいんです。備えは重要! 「備えあれば憂いなし」です。こういうことに、大げさだ、騒ぐことはないなどと「冷静さ」を“競うようにする”人たちが見受けることがありますが、こういうこと、「外れたっていいんです」という気持ちで見守っていきたいです。なにも「破滅」を待ち望んでいるわけではないのですから。後の祭りとならないように。 【現在も東北地方をはじめ日本中が地震活動が大変高い状態ですから強い地震に備えることは大変重要です】とは、北大・森谷先生の言。 福島第一、第二、六ケ所村、そのほかの原発も心配になります。少なくとも福島第一は補強工事等しっかりしてほしいものです。 経済同友会、発送電分離を提言 原発はコストの明確化 同友会、コストを透明化し、送電網への公平なアクセスを現行以上に保証すべきとし、多様なオプションを消費者が選べるようにと。原発に関しては、災害時のリスクや使用済み核燃料の再処理などの費用を明確にすべきとし、政府保有化半官半民での運営を検討すべきとしたようです。このような提言は、経済団体では初めてといいます。 7月、東京でセシウムに汚染された肉牛発見 しかし、もう市場(8都道府県)に出て食べてしまったと 毎日新聞19日付朝刊トップに、【肉牛検査 2100頭中2頭 東京で7月セシウム汚染 責任あいまい「素通り」】の見出しで報じられていました。 それによると7月8日に南相馬市から出荷された肉牛から2300ベクレル(暫定規制値の4倍)が測定されたといいます。大変だということで、厚生省に確かめるとそこから出荷された牛がほかに6頭あるということが分かったそうです。出荷した農家は、震災で井戸水が使えず、池の水を飲ませたとのことです。餌にばかり気をとられての指導の盲点だったようです。 問題は、東京都、最初の汚染牛が見つかる7月8日までの2か月間に検査したのは2100頭のうち2頭だけという現実です。そのほか、汚染牛も含めてすべて食べられてしまいました。そして、責任があいまいで、福島ばかりに負担がのしかかると記者は締めくくっています。 ふたを開けて見てみないとわからないし、すべてはデータからのみと 昨日お知らせした「冷温停止」ですが、18日付毎日新聞を読むと、細野大臣、「原子炉のふたを開けて見ないと溶けた核燃料がどうなっているかわかりません」、安定冷却できているというのは要するに、データ上の話だと言っています。「データ上は」ですが、これまで、何回となくその数値がでたらめだったこと、いい加減だったこと、後で訂正(それも悪い方に)して、燃料は溶けて圧力容器の底を突き抜けメルトダウンしていましたというとんでもない発表までありました。実際どうだったかなど分からないことだらけということはお分かりだと思います。「なるほど、そうならよかったですね。でも、実際のところどうなんですか?」ということが付いて回るのが現実ではないでしょうか。 枝野+経産省幹部と九電の綱引き 給電のやらせ問題をめぐり、枝野は再稼働など「到底再稼働を認めることができない会社」といい、経産省幹部の「大臣は辞任を求めている」ということにも耳を傾けず、真部は辞めないと言い張っています。今頃、九電ら電力会社と原子力ムラの連中、あこぎなこと企んでいることでしょう。マフィアですから。と、もう一つありました。北電、やらせのメールが見つかっても「信憑性」だの「北電社員も住民」だのと悪あがきです。 毎日新聞インタビュー 日本よ! 悲しみを越えて 佐野眞一さん ▶「思いを寄せられるか、その想像力を問うているのが今回の震災です」 ノンフィクション作家の佐野眞一さんのインタビュー記事が18日付の毎日新聞夕刊に載っていました。 佐野さんは言います。地震直後、略奪ひとつ行われなかった日本は素晴らしいとの「美談」が東京や海外で報じられたが、実際は行われていたと。石原慎太郎が「天罰」と発言し、「がんばろう」の連呼、エラソーな評論家がもっともらしい顔で空虚なコメント。「日本人のすべてが彼ら(引用者注:被災者)の身の上を思いやられるか、その想像力を問うているのが今回の震災」だと言います。その想像力が欠如していたら、それこそ、精神の瓦礫になるとも。今月12日に行われた都民投票説明会で、3.11以降涙もろくなったと言っていた男性がいました。 佐野さんは「日本は一つ」というキャンペーンが嫌いだと言います。冗談じゃない、福島の原発は東京のため中央のため、普天間と同じだと。 原発労働には歌がないとも。炭鉱労働、漁師にも歌があった。誇りがあった。しかし、原発で働く人たちは、体を張るというより体を売っている。そして、最後は捨てられる。その上に今の繁栄があるということに鈍感すぎた。想像力の欠如であり、罪深いとも。 今、佐野さんは、ソフトバンクの孫正義さんの人生記に取り組んでいるそうです。孫さんと言えば、先日、日曜日にテレビ東京「ガイヤの夜明け」で【エネルギー攻防戦~密着!孫正義の4カ月~】と題した番組をやっていました。震災、原発のことで、なぜそんなに行う(スマートグリットやメガソーラー、風力発電など)のかと問われ、ちょっと間をおいて言っていました。「日本国籍を取って…、やはり日本が好きなのでしょう」と。 佐野さん、孫さんに、震災のとき何をしていましたかと尋ねたら、「ずっとテレビを見ていました。三陸の海岸で赤い服を着た女の子が、海に向かってお母さんと叫んでいる姿が映って、思わず泣いてしまった」と。その時、どう思ったかと聞くと、「自分は非力だ」って三回も繰り返したといいます。 孫さんのこと、ビジネスチャンスととらえている商売人という人もいるかもしれません。しかし、少なくとも次世代に向かっての「ビジネス」を提起できている経営者が他にいるかと問いたいのです。電力会社の経営陣なんて経営者でもなんでもないと思います。誰にだってできる仕事です。例の「総括原価方式」というやつです。これなら、素人でもできます。 【「総括原価方式」、事業にかかわるすべての費用を「総括原価」として計算し、そこに一定の利益を上乗せして消費者が払う料金を決める方式。電気、ガス、鉄道など公益性があり、長期的に安定した設備投資が必要な事業の料金を決める際に使われる。電気料金の場合、発電・送電・電力販売にかかる費用と利益を利用者は負担している。】 こんなことなら、冗談抜きにして、誰にだってできます。少なくとも、電力会社の連中、経営者としてみた場合、孫さんを批判なんてできないでしょう。 インタビューの中で、佐野さんは言います。阪神大震災のとき、焦土をふるいにかけて何か探している夫婦がいた。何をと思って見ると、わが子の骨を探していた。しかし、三陸、福島ではそれすらできていないと…。 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20111118dde012040012000c.html *テレビ東京 「ガイヤの夜明け」で【エネルギー攻防戦~密着!孫正義の4カ月~】 http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber3/preview_20111115.html 毎日新聞 鎌田實さん連載「さあこれからだ」 ▶「いのちのラーメン」復活(11月19日付) 今回は、事故後、三条市に避難されていた双葉食堂がこの10月下旬から南相馬に戻り仮設住宅で再開したという話です。鎌田さん、「いくつもの絆があふれる双葉食堂。あなたも、懐かしい、命のラーメン食べに来ませんか」と結んでいます。ちなみに双葉食堂がある鹿島地区の線量を見てみました(前号でお知らせしたサイトで)。 鹿島地区 【7】福島原発から約32km北放射線情報 0.4 マイクロシーベルト/毎時 (換算:3504.00 マイクロシーベルト/年) 過去の平常値の範囲 0.037~0.046 測定時間 2011-11-18 11:35 測定地 測定エリア【7】(約32km北) 鹿島地区の西7~8キロ 【108】福島原発から約29km北北西放射線情報 1.9 マイクロシーベルト/毎時 (換算:16644.00 マイクロシーベルト/年) 過去の平常値の範囲 0.037~0.046 測定時間 2011-11-18 13:10 測定地 測定エリア【108】(約29km北北西) * この線量ですが、安全なのかどうか、教えていただきたいと思います。ちなみに東京の線量0.070マイクロシーベルト/毎時(17日)です。 「ウォール街を占拠せよ」、丸2か月、全米で集会 ニューヨークはもとより、全米各地で行われているようです。ミズーリ州やオレゴン州でも起きているといいます。また、この行動で、全米で200人以上が逮捕されているとも(毎日11月18日)。彼らは立ち上がるときは立ち上がります。それに引き換え…、…。 ろくでもない大学人が山ほどいる東京大学を頂点にした日本の大学、いやはやまったく静かです。少なくとも新聞ネタにはなっていません。今日の通信で紹介した佐野眞一さんではないですが、「(被災者)の身の上を思いやられるか、その想像力を問うているのが今回の震災」なのです。ろくでなしのオオハシをはじめ、追及されてしかるべき〈人材〉に事欠かない東京大学。東大生は何を感じ、何をしているのでしょうか。 どうでもいい話ですが あの西山英彦元審議官、復活(?)です。なんでも環境省が福島に設けた「福島除染推進チーム」の次長になったそうです。あれ(女性職員との不適切な交際――記事ママ)以後、大臣官房として無駄飯を食っていたのですから働いてもらわないと。それこそ細野もやったのだから、作業着に着替えてスコップもって、なんていうわけないか。 「原発」の是非を決めるのは誰? 実現させよう!「原発」都民投票 「受任者」になって、署名を集めましょう! 原発の稼働、廃止は私たちが決める! 都民投票実現へ! 都民投票実現のための署名12月1日からです! まずは、やれることはやっていこうと思っていますので、 皆さんに呼び掛けたいと思います。 まず「受任者」になる。それが署名集めの第一歩です ◆詳しくは、下記アドレスをクリックしてください。 「がんばろう!さようなら原発1000万人署名」12・10集会 日時 12月10日(土) 13:30開会 (40分程度の集会の後に、パレードを行います。) 会場 東京・日比谷野外大音楽堂 http://sayonara-nukes.org/ *一緒に参加していきたいと思いますので、本通信で詳しいことなど載せたいと思います。 | |||