原発通信 111号2011/11/30発行
●県内の全原発廃炉へ <福島県>「全原発の廃炉前提」復興計画の方針固める http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111130-00000043-mai-pol というニュースが入るかと思えば、欲に目がくらんだというか、それしか頭にないというか、いやそれほど地方は追い詰められているのだ、批判するのは都会に住む人間の無責任な思いあがりだという人もいるかもしれません。しかし、これはないでしょうと思います。大間町長の金沢満春とその一派です。朝日新聞11月30日付によると「経済に影響が深刻」と工事を早く再開してくれと上京して要望したといいます。「勝手にしろ!」と言えないのが原発問題です。対岸の函館市の工藤寿樹市長は、そんなことしたら提訴するとのことです。 ●国会事故調委員に田中耕一さんと石橋克彦・神戸大名誉教授(地震学)も委員に起用する方向 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111130-00000004-mai-soci ●福島大波地区だけではなく、今度は伊達市でもセシウム汚染米 こうしたこと、前から予測、想定されていたことではないでしょうか。というよりも、普通に考えてみれば当たり前だと思うのです。雨や雪、ほこりなど、広いエリアに“均等”に降り注ぐなんてありえないということぐらい普通の生活体験をしていられる方ならわかることだと思うのです。雨、自分のところはザーザーぶりだったが、ちょっと離れたところでは降っていなかった(少なかった)などということいくらでもあるのです。それに庭の水まきだってそうです、均等に水撒きできますか? それと同じです。ましてや、ドカーンと爆発し吹き飛ばしたんですから、どこへ飛んで行ったのかわかるわけがない。何箇所かちょこちょこっと測って、OKだとしていること自体がまやかしなのです。何せことは広島型原爆168個分の放射性物質が、当初だけで放出されたのですから。 それに対して、記者会見した鈴木義仁福島県農林水産部長、「複数の市町村にまたがっていたこと」(東京新聞11月29日)に大きな衝撃だと。朝日新聞では、農水省は「知見がなかったから機械的に制限をかけた」とのこと。まったく何が起きているかという基本的認識が違うということです。毎度のことですが、人為的なラインで止まってくれるのですかという当たり前のこと=常識が通用しないようです。 そして、今日の通信でも紹介しますが、「産地偽装」です。とうとう出たかという感じです。これだって「想定内」です。人間そんな〈正直モン〉ばかりいるわけではありません。この機会に一儲けをたくらんでいる連中というのはごまんといるでしょう。 精魂込めて一生懸命お米を作っている農家の人たち。ここ毎日、「自慢のコメなのに…」「なぜ…」などと落胆する農家の方たちの声が新聞に出ています。何代にもわたって受け継いできた豊かな土地を「たかだか電気のために」、これから何代にもわたって汚してしまったのだということです。 「山あいに段々畑のように広がる伊藤さんの水田は、父親が樹木を倒し、少しずつ開墾して広げたものだ」「春から秋はコメ作り、冬は東京や名古屋などへ出稼ぎに行って生活を支えてきた。ぜいたくな暮らしはできなかったが、『大波のコメはおいしい』と言われることが誇りだったという」(毎日新聞11月29日)という記事を読むとなおさらです。 こうしたことを、何でも「経済効果」とやらを計算するのに嬉々としている連中、市場主義者たちは計算してみて見ろと思います。それでも「原発の発電が安い」とでもいうのかと。 ●通販生活のCM見ました 昨夜の報道ステーションで、カタログハウスのCM見ました。“普通に”始まり、いつもの感じでしたが、最後に現在の号の表紙が映っていました。当然ナレーションはなしでしたが。 朝日新聞11月30日付に原発特集号CMが放送できない顛末が報じられています。「番組内容と混同されない」ことは必要らしいです。また、国民投票、「すぐにでも可能であるかのような誤解を招く」とも。 ●玄海原発1号機、想像以上の劣化で廃炉にとの意見 毎日新聞 2011年11月29日 19時19分 (以下、引用) 玄海原発1号機:専門家「廃炉を」 保安院小会合で検討へ 経済産業省原子力安全・保安院が29日に開いた原発の老朽化(高経年化)対策に関する意見聴取会で、九州電力の原発で最も古い玄海原発1号機(佐賀県玄海町)の劣化の問題が取り上げられた。専門家からは、圧力容器の想定以上の劣化が明らかになったとして、廃炉を求める意見も上がり、劣化に関する現行の安全評価を見直すべきか小会合を設置して検討することを決めた。 75年に運転が開始された玄海1号機は、炉心から出る中性子を浴びて圧力容器がもろくなる「脆化(ぜいか)」の進行が従来予測を大幅に上回っていることが判明し、急激に冷却すると圧力容器が壊れやすくなっているとの指摘がある。 同1号機は来月1日から定期検査入りするが、小会合が安全評価の結論を出すのは来年3月末までの予定で、少なくともそれまでは再稼働が厳しくなる可能性が出てきた。また結論次第では九電の「安全性に問題はない」との説明を揺るがしかねず、廃炉を求める声が一層強まりそうだ。 この日の意見聴取会では、井野博満・東大名誉教授が「予測をはるかに超えた劣化が進む玄海1号機を廃炉にすべきだと思う」と主張し、定期検査後の再稼働は「聴取会での議論もクリアすべき必要条件だ」と指摘。他の委員からは「圧力容器の安全性を評価する従来の手法そのものも見直す必要がある」との意見が出た。【阿部周一】(ここまで) ●安全委、「全喪失」に備え長時間の代替電源を義務化 原子力安全委員会、外部電源も非常用電源も使えない「全電源喪失状態」に陥った場合に備え、非常用発電機の代替電源を設置し、持続時間を長くするようにとの方針を決めたといいます。今までは30分もあれが回復するだろうということでその分しか用意がなかった(していなかった)と言います。その根拠が、日本は停電が少なく、これまでの経験から復旧まで大体30分だったからということが根拠と言えば根拠だったと(これは、27日のNHKスペシャルでも言っていました)。そして問題は、これまで各事業者に任されていたことが問題だったということは昨日の通信にも書いた通りです。 ●推進派、過酷事故の確率1基当たり500年に1回との試算に猛反発と 東京新聞の筆洗(11月29日)によると、このことに原発推進派が猛反発しているとのことです。つまり、現在日本には50基以上の原発があるので、見方を変えれば10年に一度はどこかで福島第一原発事故級のものが起きる計算になるということからだそうです。推進派、なんと言っているかというと、「10万年に1回」にしろと言っているそうです。しかし、日本で原発が稼働して45年しかたっていない間に3基が事故を起こしたにもかかわらず、まだそんなことを言っているといいます。東京新聞の筆洗子ではありませんが、こんなことを「平然と言える神経」が信じられません。 ●東電管内の自治体、電力購入で東電離れ 東京電力管内の386市区町村のうち、60の市区町村が東電以外から電力を買うことを検討しているということが毎日新聞の調査で分かったといいます。 同調査によると、茨城県筑西市では市内の主要施設のほぼすべてでPPS(特定規模電気事業者)からの購入し、「脱・東電」が完了するといいます。東京では立川市が手始めだった競輪場をPPSに切り替えたところ電気料金が30%も削減できたということで、今年度は小中学校など市の施設にも拡大したといいます。これ、「立川モデル」というそうです。 ●汚染マップ、新潟県では再計算後減少 文科省が、ヘリコプターを飛ばしてモニタリングし、その後公表しているセシウム汚染マップですが、天然の放射性物質の量を差し引いたものが公表され、ほとんどが1万ベクレル以下になったといいます。文科省、以前から天然由来のものは除外していると言っていましたが、十分でなかったと言っています。ただし、東京新聞11月29日付によりますと誤差が当然あるのですが、平野部で2割前後、山間部では5割程度あるところもあるとのことです。ホットスポットは当然わからず、地上データがあるならそちらの方が正しいといいます。 このヘリコプターを使っての調査で、地上1メートルの線量や、セシウムの沈着量を検査しているといいます。じゃあ、あれはなんだったのだと思うことがあるのです。本通信で以前書きましたが、東京都はこの夏前だったか、放射線の不安を訴える住民対策で始めた線量調査ですが、その時、「地上1メートル」だの「地上何センチ」だのと、やけに「正確」にというより、ばかばかしくなるくらい「厳密」に測って(?)いたことです。それも線量ではなく、地上からの高さを! あれはいったいなんだったのだと思うのです。文科省、ヘリコプターを飛ばして地上1メートルの線量(率)を測っているんですから。そして、その時「専門家」と称する人も出てきて、「これは(地上からの高さを)正確に測らなければなりません。そうでないと正確な数値がわかりません」などと、しゃべっていたのです。これ、すべて根拠がなかったということでしょう。よくこういうこと、やるのだということ覚えておきたいものです。まさに、「みんなウソだった」のです。 ▼寄せられた情報 東北のニュース/仙台の米穀卸「ケンベイミヤギ」 産地や銘柄を不正表示 結局こういうことをやりだすわけで、そうすると日本の農産物の信用力はゼロ。そもそも福島に作付を許した政府の方針が誤りなわけです。 福島の農産物を食べることが「痛みを共有する」と言うことではない。あえて「食べてはいけない」と言うべきなんです。 京大の小出助教は「50代、60代は福島産を食べろ」と言いますが、それを見分ける「表示」に偽装が出てくることは予想済みなわけで、その現実を見た時に、こんな血債思想でいまの「食」の問題を解決することはできません。子供達、妊婦には可能な限り汚染度の少ない食材を提供することを政府・行政に追求させるのが、「いま」の私達に求められる闘いだと思います。 この間の農政は防げる汚染を全国に拡散させ、日本の一次産業全体を経済的に壊滅させるようなことをしていると言うことです。(K) ●千葉県柏市で45万ベクレル! 【千葉】45万ベクレル、柏市危機感 千葉県柏市根戸の市有地で局所的に高い放射線量を測定した問題で、1キロ・グラムあたり最高約45万ベクレルという高濃度の放射性セシウムが確認されたことが、環境省の調査で28日わかった。 市総務部は「これだけ数値が高いと、除染を請け負う業者も見つからない。汚染した土を持っていく場所もない」と危機感を募らせている。 調査は、市有地の中でも特に放射線量の高い地点(4平方メートル)で行われた。45万ベクレルが確認された場所から1・5メートル離れた地点でも、地中10~15センチで同約34万ベクレルと高い数値が検出されており、同省は「広い範囲に放射性物質が広がっている可能性が示唆された」としている。今後、追加調査を行い、汚染範囲を推定する。 同市が10月に発表した調査結果によると、この近くでは最高で同約27万ベクレルの放射性セシウムが検出されており、住民からは早期除染の要望が多数寄せられている。同市と国は、どちらが除染作業を行うかなどについて協議を進めている。 (引用ここまで) ●厚労省、除染ルール公表、規則やガイドラインは来年1月1日に新設と 厚労省、除染についての決まりが、これまでなかったが空間線量が毎時0.23マイクロシーベルトで24時間換算すると年間1ミリシーベルト)を超えるところは専門業者がすることを義務付けたということです。そして安全衛生法に基づく規則やガイドラインは来年1月1日に新設するといいます。上記の柏市の場合などはどうなるのでしょうか。 ●汚染牛流通に見る厚労省の危機管理意識のなさ 事故後、全国に出回ってもう食べてしまった汚染が疑われる肉牛、5000頭もあったそうです。しかもそのうち100頭は暫定規制値を超えていたといいます。そこで問題になったのは厚労省の役人連中です。ヤレ「それは自治体の仕事だ」「メールは出した」「自治体の連中がサボっていた」などと、人のせいにして自己検証はなし。平時ではないという認識もなく、「平常」のまま過ごした結果が招いたことと記者は書いています。本当に民主党が掲げる「政治主導」とはなんだったのかということが問われています。(毎日2011.11.29 検査怠った厚労省) ●東芝川崎実験炉再稼働に抗議 昨日お伝えした東芝の川崎市にある原子炉再稼働に市民・労組が抗議に詰めかけたとのことです。神奈川労組交流センターのメンバーや主婦たちが集まったとのことです。 ●<原子力協定>今国会成立へ…4カ国対象、民・自が大筋合意 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111129-00000012-mai-pol ●EU、安全基準バラバラ EU内の14か国の原発安全基準がばらばらで、深刻な欠陥が明らかになったということです。(毎日2011.11.25 EU安全基準バラバラ) 「原発」の是非を決めるのは誰? 実現させよう!「原発」都民投票 「受任者」になって、署名を集めましょう! 原発の稼働、廃止は私たちが決める! 都民投票実現へ! 都民投票実現のための署名12月1日からです! まずは、やれることはやっていこうと思っていますので、 皆さんに呼び掛けたいと思います。 まず「受任者」になる。それが署名集めの第一歩です ◆詳しくは、下記アドレスをクリックしてください。 「がんばろう!さようなら原発1000万人署名」12・10集会 ●日時 12月10日(土) 13:30開会 (40分程度の集会の後に、パレードを行います。) ●会場 東京・日比谷野外大音楽堂 *一緒に参加していきたいと思いますので、本通信で詳しいことなど載せたいと思います。 | |||