原発通信 115号2011/12/13発行
●この一週間の新聞まとめ読み 東京を空けていて読めなかった毎日新聞を取り置きしておいてもらっていた分、昨日夕方配達してもらいざっと目を通しました。一川の問責決議案だ、辞任だという「お前たち、そんな偉そうなこと言えるのか、自民党、公明党」と思うのですが、本当に情けない話です。そして、オリンパス問題、TPP問題と賑やかです。 そんななか、目を引いたのが、イギリスの再処理工場、高速増殖炉の取材記事、また、まあ、あちらこちらの原発で水漏れだ何だとの「事故」のなんと多いこと。そして相変わらずの「報告していなかった」です。また、東電の実質国有化へ1兆円の資金が注入されるということ。そして、これは毎日新聞だけかと思うのですが、文科省の小中高生向け放射線教育の副読本ですが、東電の役員らが役員を務める「日本原子力文化振興財団」に委託しているという記事が目につきました(毎日新聞12月8日夕刊1面トップ)。 なんでも警察では、防犯対策や防犯教育―どのようにして泥棒に入ったかは泥棒に聞くのが一番ということで「元泥棒さん」を「講師」に招いて勉強するらしいですが、この原発・原子力もそれに倣ったかどうかわかりませんが、文科省は何を考えているのか(と思う方がどうやら間違っていたようです。彼ら互助組織ですから)と思います。悪い冗談でしょうと言いたくなります。「自己への反省が足りない」と批判があるそうですが、当たり前です。 ●10日、「都民投票」署名集め開始! いよいよ始まりました! 朝日新聞10日夕刊では1面トップの扱いだったのですね。毎日新聞は社会面中程でした。その記事の横にある素粒子、「明日のお弁当の心配をする主婦たちも街頭に立つ」だと。きっとこれを書いた人、自分の連れ合い(もしいればですが)のこと、飯炊き女ぐらいにしか見ていないのでしょうか。女性たち、怒ったほうがいいですよ(男も!)。 また、その朝日新聞(FAXで送っていただいたのです)の素粒子に「福島第一で冷却水の配管が地震で壊れた可能性。揺れは想定の3倍と。穴は小さくとも全国の原発を揺るがす話」とありました。まだ、新聞を細かくは読んでいないので、いつの話なのか(私は)分からないのですが、当たり前でしょうと思います。パイプに損傷がないなど考えることの方がどうかしているということです。今頃になってこうした「情報」が出てくるとは。 そんななか、さまざまな〈報告書〉が出てきているらしいです。それらが原子力安全委員会へあげられ「OK」が出ているとのことですが、あのデタラメ春樹、班目のところです。そんなものすべてデタラメと思っていいです。今日の毎日新聞に班目の発言が載っていました(明日書きます)が、本当にどうして、いやよくもそんなデタラメなことが言えるものだと感心さえしてしまいます。 ●やはりというか、双葉郡を実質「核のゴミ捨て場」に ▶汚染土灰、中間貯蔵施設を双葉郡に…環境省方針 (読売新聞 12月13日(火)14時35分配信) 【東京電力福島第一原子力発電所事故に伴い、放射性物質に汚染された福島県内の土壌や焼却灰を保管する中間貯蔵施設について、環境省は13日、候補地を同県双葉郡内とする方針を固めた。 年内にも正式発表するとみられる。同省は同施設について「遅くとも2012年度内に立地場所を選定する」としており、今後、具体的な町村を絞り込む。 双葉郡の自治体は、同原発がある双葉、大熊町など8町村。大熊町の渡辺利綱町長は13日、中間貯蔵施設について「近く双葉郡の自治体に説明する場を持つ」と12日に細野環境相から伝えられたことを明らかにした。関係者によると、会談では大熊町など、放射線量が高く、長期間居住が困難になる見通しの地域について、土地の買い上げや借り上げを検討していることが示されたという。】(引用ここまで) * どこへも持っていくことができない汚染物。とうとう、というか、やはりというか、除染したって無理という双葉郡の大熊町などへ「除染」などではぎ取った土などの汚染物をそこへ運び込む方針を固めたようです。きっと水面下でいろいろな動きがあったに違いないでしょう。金のことなども含めて。そうすると、これまでパイプがあった大熊町渡辺利綱町長の方がいいという結論になるでしょう。と、言うのは下種の勘ぐりでしょうか。 ●NHK、「仏アレバ 原発事故で決算損失計上」と 2011年の最終損失が最大で日本円で1600億円余りに上る見通しといいます。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111213/t10014590921000.html ●NHK、「福島県民の外部被ばく結果公表」と 【事故後の4か月で、97%の人が5ミリシーベルト未満と推定され、福島県は「一般の人の健康への影響は極めて小さい」】と。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111213/t10014603311000.html ●英、30年たってもまだ核燃料棒さえ取り出せない 12月9日付毎日新聞、「英最北の町 高速増殖炉閉鎖 解体完了に半世紀」の見出しでスコットランドの最北・ドーンレイにある高速増殖炉解体工事のルポです。1983年から解体工事は始まったとのことですが、いまだに核燃料棒はとりだすことができず、順調にいってもあと20年はかかるのではと。そして、そこには、なんと100トンもの資料済み核燃料やウラン、プルトニウムがあるといいます。その行先は当然ながら決まっていません。 なお、写真を撮っていると警備の者に近づき過ぎると言われ、画像を消去しろと脅かされ消去したといいます。 ▼寄せられた情報 ●12.10日比谷野音集会報告 12.10集会は野音を埋め尽くす5,500名の結集で克ちとられ、東電包囲~常盤橋までのデモを貫徹しました。 ●問題提起として * 「2マイクロとか超えるところを除染するのは、あれは無駄。早く辞めて欲しい。税金の無駄遣いだと思います」と早川氏は言います。除染除染と言っているが、洗い流した水は? しかもその効果は?と疑問だらけです。中川センセイ以下御用学者連中が、一方では、大丈夫、大丈夫と連呼です。 「もし福島県が汚染を周辺に拡大しようとするならば、武力をもってしてでも食い止めなければいけない」とのことに、それは「ねじり鎌一揆だ」と早川先生。 また、早川先生の「地元」群馬のことにも触れています。 「浅間山に学生さんを連れていくから、浅間山が綺麗かどうかを調べた。だいたい、僕が連れていくところは綺麗だった。だからまだ、継続していますが、群馬県の北の方の、あんまり地名を言うと差しさわりがあるけれども、北の方では僕はもう学生さんを連れていかないと決心した場所がある。そういう深刻な問題。」と言います。 いずれにしても書き起こしの方、ご覧になってください。 ▼早川氏のブログ、貼っておきます。放射能汚染地図(五訂版)があります。ぜひご覧を! http://kipuka.blog70.fc2.com/blog-entry-445.html ●面白い動画ありますので。 【総統閣下が原発を問う国民投票に賛同なさるようです】 http://www.youtube.com/watch?v=KWbMv7g8GxI&sns=em * 先日、TPPバージョンがあるとの情報が寄せられましたが、今回は「国民投票」バージョンです。ナチ・ヒトラーが国民投票賛成という点がTPPとは違って違和感を感じるのですが、どうでしょうか。いずれにしても、さまざまな手段で情報が伝播し、関心事になればと思います。(A) ●こういうブログを見つけました http://prepper.blog.fc2.com/blog-entry-86.html * 「1号機水素爆発―住民には知らせず逃げた町議会の人々」 【大熊町の住民は、再び大熊町で原発を推進してきた町長に自分たちの将来を委ねることを選択したのです。】と、このブログの主は書いています。そのほか、3.11以降第一原発で何があったのかということなど興味深いことが書かれています。) (▲寄せられた情報ここまで) ●どうでもいい話ではない話に? 112号にも書きました、また、あの西山審議官です。毎日新聞12月8日付に「西山除染次長」に現地・福島が反発」との記事が。この人事、福島県議会の自民、公明両会派が解任を求める要望書を県に提出しているとのことです。このことに関して横光克彦副環境相が弁明する羽目になったと報じています。その理由「もともと関係省庁との折衝など裏方的なことをやってもらう仕事だ」と弁明、東京中心の勤務と説明したそうです。 これとて、昨日の号に書きました古賀茂明の言っていることを当てはめると、こちらが「仕事をする」と思うことが勘違いで、今の地位、役所を退職したのちの再就職先のこと第一だと思えば、まじめに仕事(除染)しに福島などへ初めから行くはずがないということです。 そんな泥臭い仕事、彼ら(東大卒キャリア組)がするわけがないのです。福島の自民、公明党のみなさんの取りこし苦労というものです。 原発の問題でも見えてきましたが、○○高校―東大―中央官庁キャリア組というラインの強固さ大変なものです。古賀茂明もそのこと書いています。発想の単一化(出身が同じ故)、先輩―後輩という、それこそ「絆」は大変なもののようです。まさに霞が関の役所は「互助組織」(仕事をするところではなく)なのだということです。 | ||