原発通信 117号2011/12/15発行
●明日16日は、野田が「冷温停止宣言」する日です さて、何と言って宣言するのでしょうか。あのドジョウ、魚屋で桶の中に入れられているドジョウと同じで、ときどき水面に顔を出しては外の様子を見ては、引っ込み、損にならないよう様子をうかがっていますが、さて…。 ●雨宮処凛さん、来年1月14、15日横浜で開催の「脱原発世界会議」に登壇 毎日新聞の「異論反論」に寄稿している雨宮処凛さんの12月14日付です。 「去年の今ごろ生きていた人たちのいのちが、大震災によっておびただしい数で奪われた。福島第一原発が爆発し、多くの人が住む場所を奪われた。(略)そして今も、放射能汚染は続いている。」と、震災にあわれた人々に思いを寄せる。そして、「絆」が強調される一方、原発は「経済」か「命」かという問いかけを今も私たちに突き付けていると続けます。 年明けの1月14と15日に横浜のパシフィコ横浜で「脱原発世界会議」が開かれるとのこと。デモもあるのでぜひ参加をと呼びかけています。 ●「帰還困難区域」が指定されるとのこと 「長期間」(どのくらいなんでしょうか)わたり居住できない区域が指定されるといいます。年間50ミリシーベルト以上の区域だそうです。中川センセイにならえば、そうやって生まれ故郷や長年暮らしていたところを離れることが病気のもとになるというのですがら、「そんな指定はおかしい、直ちに帰郷を!」とは、あの先生呼びかけないんですね。なんせ、広島は長寿の県、大規模な避難を実施しないで原爆で“直ちに”死んだ人以外は長生きしているし、福島も見習ったらというお人です。 ●大熊町、11年後には復興? 復興住宅も3000戸つくると なぜか、この4月以降、気になってその名前が出るたびにチェックしている大熊町です。毎日新聞が取ったアンケート調査によると、大熊町、復興計画を来年3月までに策定し、2022年3月末には、復興住宅3000戸を建設するなどして計画を完了するといいます。 気持ちはわかります。しかしです、「帰還困難区域の指定」問題や、実際の高汚染ということを見ると首をかしげたくなります。「本気なのだろうか…」と。「帰還困難区域の指定」での「長期間」を10年ほどと考えているのでしょうか。隣接する双葉、富岡、楢葉などは計画は立てるものの完了時期は無回答化、未定です。この町はなんなんだろうと考えてしまいます。(毎日2011.12.11アンケート) ●都民投票、都選管の「お役所仕事」 請求代表者として街頭に立ち署名を精力的に集めている鳥羽晴美さんですが、送られてきたメール(下記に掲載)によると、都選管に、受任者の名簿を選管に提出したところ相当数が書類不備で戻されてきているといいます。理由は、例えば「渡辺と渡邉の違いとか旧字との違いとか、小さなことも多いようです」と言います。まあ、間違いと言えばそうなんですが、もっと他にやることあるだろうと思うのですが、そこは「いつも正確さをきするお役所」ということでしょうか。 ●「プルトニウムはもう夢のエネルギーではなくなった」 毎日新聞が連載している「どうする人類、核のゴミ」取材班の記者に英原子力廃止措置機関(NDA)の担当書がため息交じりで語った言葉だそうです。英国は、世界最大の余剰プルトニウム=114.8トン(8キログラムで核兵器が製造できるといいます)をもっている国です。米国では、テロリストからプルトニウムなどの高放射性物質をため込んでおく容器を開発しているといいます。なんでもテロリストがその容器を空けたら即死するほどの放射性物質を仕込んでおくそうですが、コストや技術面で未完成(たぶんできないでしょう)だそうです。そもそも捨てることなんて想定もしていなかったといいます。 ご存知かと思いますが、プルトニウムという名は「冥王(地獄)王」からとられた名です。その名の通り、極めて毒性が強く、1グラムで18億人分の致死量になるといいます。半減期は2万4千年、20万年以上安全に管理する必要があるといいます! そんなものが「核分裂性物質に関する国際パネル(IPFM)」の調べによると、何と軍事、民生合わせて約500トンもあるといいます。 同記事は、英政府の放射性廃棄物管理委員会(CORWM)の委員長であるロバート・ピッカード教授の言葉で結ばれています。 「地球上の生物が出した廃棄物はすべて再利用できる。だが、人類は、核のようなゴミを作り出してしまった」と。(毎日2011.12.14連載核のゴミ5) ●「木とともに育まれた文化・文明」、それを破壊したがゆえに… 私にとって大きな影響を与えた本があります。現在、国際日本文化研究センター教授の安田喜憲さんのいくつかの本です。メソポタミアもギリシャ文明も栄えた当時は深い森に囲まれていたが、その森を破壊しつくしてしまったがゆえに滅びてしまったと同教授は言います。同教授も言います。昔、地中海の青い海にあこがれたと。私も学生時代地中海を見たときがありますが、日本の海と違っていわゆる磯のにおいがせず、まさに抜けるような青空と青い海に感動したものでした。しかし、安田教授の本を読んで、実はそれは地中海沿岸地域に緑濃くあった森を破壊しハゲ山にしてしまったがために(ギリシャ、中東の山々を見よ)プランクトンなど栄養分が海に流れ込んでこなくなったためであり、痩せた海なのだと知ったときは驚きでした。それ以後、日本の磯のにおいがする海、それは豊かさを示すものだと感じるようになりました。 宮城県気仙沼でカキ養殖業を営む畠山重篤さんのことは、この大震災以降マスコミに大きく取り上げられているのでご存知かと思います。畠山さん、そういう自然のメカニズムを知っているからこそ、「森は海の恋人」運動といって、カキを育てるために山=気仙沼湾に注ぐ大川上流の室根山=に木を植える運動を以前より展開していました。 そう、原子力、原発、核のゴミが“20世紀21世紀の文明を衰退させた”と未来の人々から言われないようにと思うのです。ツケを次世代へ回さない、と言ってももう回さざるをえません。今日のニュースでは福島第一原発廃炉まで40年を必要と報じていましたので、当然(?)そのころは、僕らはもう生きていません。だからこそ、今できることをしなければと思うのです。 ▼街頭で著名活動を続ける鳥羽晴美さんより 「今日(14日)は渋谷の街頭署名に行きました。告知している12時の署名開始前から署名希望の人が次々とおいでになります。いつもスタッフが足りずてんてこ舞いです。人員がいればもっと署名数が伸びるのにと歯がゆい思いですが、今のところ5~6人で頑張ってます。 今日は放送作家の横尾和博さんが応援に駆けつけてくれました。16日にはパックインジャーナルのTVクル―を連れてくるそうです。土曜日に放映予定だとか。 12時過ぎになると思いますので、お時間がありましたらおいでください。たくさん人がいたほうがTV写りも良いかと。(^^) だんだん寒くなってきました。街頭は厳しいです。でも若者が頑張ってます。始めはぎこちなかった演説も馴れてきたようです。老若男女が同じ目標に向かって活動してます。いろんな意味で勉強になります。 それから、受任者の名簿を選管に提出したところ相当数が書類不備で戻って来ています。 渡辺と渡邉の違いとか旧字との違いとか、小さなことも多いようです。 選管がチェックすべきは、受任者が有権者であるかどうかのはずです。細かすぎる。事務局は本人への確認電話などでてんてこ舞い。街頭だけでなく事務作業も人出不足で大変です。作業が進まず、まだ署名簿が送れていない受任者もいるようです。 2ヶ月間という短期勝負。準備不足もありますが全員が初体験なので仕方ないかとも思います。 初体験といえば選管もそうで、15日に選管向け説明会があるそうです。署名簿確認にはアルバイトを雇う予定だそうで、あちらも大変そうですね(笑)。 年内に30万人クリアして、ゆっくりお正月を迎えたいなあ。」 | ||